大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年9月21日(金) 10:52 ~ 11:14
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私の方から4点御報告がございます。
1点目は「観光戦略実行推進会議」についてであります。
本日、「観光戦略実行推進会議」を開催いたしました。
本日の会議では、災害時の外国人観光客への対応改善策や本年9月の台風21号及び北海道胆振東部地震を踏まえた風評被害対策について、有識者も交えて議論を行いました。
また、「関西インバウンド観光リバイバルプラン」を説明いたしまして、本日の関西国際空港の旅客ターミナル全体の再開を機に、多くの企業・団体の協力を得て「ウェルカム・関西・ジャパンキャンペーン」を開始することとなりました。
本日は安倍総理にもご出席をいただきました。
総理からは、災害時においても、外国人が安心して日本を旅行できるよう、万全の対策を講じること、あらゆる手段を活用し、日本が安全であることを世界に発信すること、風評被害が大きい北海道について、全域での宿泊料金の割引を速やかに実施すること等について、御発言がありました。
国土交通省といたしましても、観光復興や災害時におけるインバウンド対応に全力を尽くしてまいります。
詳細は、後ほど事務方から説明させます。
2点目は「重要インフラの緊急点検について」であります。
本日、閣議後に「重要インフラの緊急点検に関する関係閣僚会議」が開催され、安倍総理より御指示がありました。
本年に入り相次いで発生した平成30年7月豪雨や台風21号、北海道胆振東部地震などの災害において、重要インフラの機能に支障を来す事態が生じ、国民経済や国民生活に多大な影響が及んでおります。
このような状況にかんがみ、例えば、大規模地震が発生してもブラックアウトのリスク・被害を極小化する。
大規模地震や施設計画を超える洪水、高潮が生じても、国際空港等の重要インフラの電気設備に致命的な機能障害を生じさせない。
バックウォーター現象による河川氾濫や長期的な降雨による土砂災害等から国民の生命を守る、といった観点から、電力インフラ、交通インフラをはじめとする重要インフラの機能確保について、緊急点検を実施するよう指示が出されたものであります。
国土交通省といたしましては、総理からの御指示を踏まえ、所管する道路、鉄道、港湾、空港などの交通インフラ、河川、砂防などの防災関係インフラ等を対象に、災害時の重要インフラの機能確保について、ソフト・ハードの両面から緊急点検を実施してまいります。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
3点目は「平成30年7月豪雨を踏まえた水災害対策の検討」についてであります。
平成30年7月豪雨で発生した洪水氾濫や土砂災害、内水被害等の課題を総合的に検証するため、社会資本整備審議会河川分科会に、「大規模広域豪雨を踏まえた水災害対策検討小委員会」を設置することとし、第1回を9月28日に開催いたします。
この小委員会におきましては、支川合流部対策や堤防の補強対策のあり方、より効果的なダムの操作や有効活用の方策、情報提供や住民への周知のあり方、施設規模を超える降雨等による都市の浸水対策のあり方、住民の行動に結びつく洪水・土砂災害情報の発信方策等について、分野別の検討会における具体の議論や重要インフラの緊急点検等を踏まえ、総合的に議論をいただき、年内を目途に取りまとめいただく予定であります。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
4点目は「広島呉道路の全線通行再開について」であります。
平成30年7月豪雨により被災した広島呉道路については、坂北IC~呉IC間が、7月6日以降、通行止めとなっていますが、大規模な盛土崩壊が発生した水尻地区において、ネクスコ西日本による復旧工事の完了の目途がたったことから、9月27日午後に通行止めを解除し、全線通行再開することといたします。
これによりまして、平成30年7月豪雨により通行止めとなっていた全ての高速道路が通行を再開することとなります。
詳細は後ほど資料を配付いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)今週公表されました8月の外国人旅行者数では伸びの鈍化が見られています。
9月に入りまして、台風ですとか北海道の地震がありまして、更に影響が出るのではないかと考えられますが、2020年の訪日外国人4000万人の目標に対して、短期的、中長期的に、どのように取り組まれるのかお聞かせください。
(答)19日に公表されました本年8月の訪日外国人旅行者数は、対前年同月比4.1%増の257.8万人となり、この結果、本年1月から8月の合計は対前年同期比12.6%増の2130.9万人となりました。
8月として過去最高を記録したものの、大阪府北部の地震や7月豪雨などの自然災害の影響が引き続き残り、韓国や香港市場などで訪日旅行控えにつながったことから、訪日者数の伸びが鈍化し、7月に続いて1桁台の増に留まったと認識しております。
更に、この度の台風第21号による関西空港の被害や北海道胆振東部地震により、訪日者数へのマイナスの影響が広がることを懸念しております。
本日、関西空港の旅客ターミナル全体が再開いたしましたので、政府としては、まずは訪日旅行者数の伸びの早急な回復のため、本日から開始します「ウェルカム・関西・ジャパンキャンペーン」のほか、日本政府観光局等よる正確な情報発信やプロモーション、更に外国人が安心して旅行できるための外国人観光客への情報提供の対策などに取り組んでまいります。
また、先ほど申し上げましたように、風評被害が大きい北海道につきましては、全域での宿泊料金の割引を速やかに実施するよう総理から御指示がございましたので、早急に検討してまいりたいと考えております。
2020年4000万人等の目標達成に向けましては、施策の一層の推進が不可欠であります。
このため、観光ビジョンに基づきまして、全国どこでもストレスなく快適に観光できるよう、通信・交通・決済などの受入環境を整備し地方への誘客を図る、多言語解説の充実等による国立公園や文化財等の活用の推進、わが国ならではの魅力的な体験等の提供等を通じて、滞在時の満足度向上を図るなどの施策を、政府一丸、官民一体となって更に推進してまいりたいと考えております。

(問)今日、関西空港の第1ターミナルが全面再開となりましたが、大臣の所感と、本格復旧に向けた今後の取り組みについて、お考えをお聞かせください。
(答)関西国際空港につきましては、台風21号により、1期島の第1ターミナルやA滑走路が浸水するなど、大きな被害を受けたところであります。
本日、第1ターミナルの北側が再開したことにより、旅客ターミナル全体の再開に至り、旅客便についてはほぼ従前の水準に戻っております。
訪日外国人旅行者の受入等における関西経済への影響を最小限に抑えるためにも、大変喜ばしいことと考えております。
今後、引き続きまして、貨物上屋の復旧を進めるなど、被災前の受入機能が確保される本格復旧の実現に向けまして、全力で取り組むとともに、本日発表の「関西インバウンド観光リバイバルプラン」に基づく「ウェルカム・関西・ジャパンキャンペーン」の取組を通じまして、一気呵成に関西地区におけるインバウンド観光を活性化させることで、1日も早く被災前の水準に近づけるよう全力を尽くしてまいります。
また、「重要インフラの緊急点検」に関する総理からの御指示も踏まえまして、関西国際空港における高潮等の自然災害に対する今後の取組といたしまして、家田仁政策研究大学院大学教授を委員長とする有識者による検討会を立ち上げまして、専門家の観点から被災状況や既往の災害対策を検証していただき、関西国際空港を含めた沿岸部に位置する空港に必要な対策を講じていきたいと考えております。
検討会の有識者の方々には、まず10月2日に現地調査を行っていただくこととしております。
検討会の詳細につきましては、現地調査も含めまして、調整が整い次第、改めて公表させていただきます。

(問)関西空港に関連してお伺いいたします。
今仰った、復旧や安全対策もしくは再発防止の対策工事に関して生じている費用に関してなんですけれども、これはどこが基本的に負担するという考えをすればよろしいでしょうか。
もし国が負担するとすれば、次の国会に提出する補正予算等に盛り込むお考えでしょうか。
(答)まずは、関西国際空港の被災前の受入機能が確保される本格運用に向けまして、全力で取り組むことが重要と考えております。
その上で、今般、関西エアポートや新関西国際空港株式会社における被害額や復旧費用について、保険の適用も含めて今後検討をしていくことになるものと承知をしております。

(問)関西空港の件で2点お願いします。先ほどもお話あったのですけれども、1期島の国際貨物地区の復旧については、まだ見通しがたっていません。
大臣も先日視察していると思うのですが、1期島の国際貨物地区の復旧が遅れている要因ですとか、背景、あるいは今後の見通し、復旧に向けて求められる施策について、というのが第1点。もう1点ですが、いろいろな要素があったと思いますが、今回、1期島に比べて2期島の被害が少なかったという点について、設備投資という意味では関西エアポートが一義的に担うということだと思いますが、航空・空港行政あるいは物流行政を監督する国土交通省として、あるいは新関西国際空港株式会社に100%出資している国という立場からして、現時点で、2期島の活用について何か検討、思案されていること、御所見があれば教えてください。
(答)すいません。
何の活用ですか。

(問)2期島です。
2期島の展開用地に余裕があるということで、改めて何か活用するような余地、今後検討する可能性があるか教えてください。
(答)関空の貨物の取扱いにつきましては、早期に回復することが必要であります。
関係者が一丸となって、14日にはA滑走路の運用を再開したほか、空港内の物流施設の復旧作業に努めているところであります。
浸水等の被害を受けました1期島の貨物の上屋につきましては、第1ターミナルの旅客便再開に合わせて、部分的な運用が開始されております。
これにより、既に一部運航を再開しております貨物の専用便に加えて、旅客便に貨物を搭載する扱いが再開し、段階的に回復していくものと考えております。
ただ、貨物につきましては、受け入れた貨物について浸水して被災しておりますので、その扱いについて荷主さん等に確認しなければならないといった作業が残っておりますので、まだ上屋内に貨物を存置しているという状況も伺いましたので、そういったことも含めて、若干時間がかかっていると承知しております。
関西経済への影響を最小限に抑えるために、国際物流の拠点空港である関西国際空港の本格復旧を一日も早く実現できるよう、引き続き、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
それから、1期島・2期島でありますけれども、1期島・2期島を通じまして、関空としては、既存の防潮堤で高潮対策としては十分対応できると考えていたものと考えられますが、今回、大阪湾においては、既往最高潮位を上回る高潮が発生したということでございまして、これに対する対応が、率直に申し上げまして、十分ではなかったということがあります。
こういったことを踏まえまして、しっかりと関空全体として今後の災害対策も検討していかなければいけないと考えております。
そのうえで、2期島で特に利用するようなことは何かありますか。
(事務方)航空局でございます。
2期島の活用ということもございましたけれども、今後、関空の今回の災害対策の検証作業を進めてまいりますので、その中で必要な対策というものを検討してまいりたいと考えております。
(答)2期島のほうが地盤が高かったものですから、被害が少なかったというのはあったのですけれども。

(問)同じく関空でお伺いしたいのですけれども、今回の会社が管理する空港である関西空港の復旧に当たって、早期復旧対策プランの作成など、国が主導したという印象がかなり強いのですけれども、国が主導したことの、なぜそういう対応が必要だったのかという御事情、国が関与する意義はどういうところにあるのか。
また、会社管理空港において、今回のような大きな災害が起きた場合など、今後も国が関与していく余地があるのでしょうか。
大臣の御所見をお願いします。
(答)国際拠点空港である関西国際空港の復旧にあたりましては、その役割の重要性を踏まえまして、国としても、早期復旧のため、空港の管理者や運営権者等の関係者と連携し、全力で取り組む必要があったところであります。
このため、政府内の様々な部局から構成されますタスクフォースにおける検討を踏まえまして、「関西国際空港の早期復旧等に向けた対策プラン」を策定するとともに、伊丹・神戸両空港における代替の受入について、地元関係者等と調整を行うなど、必要な取組を行ってきたところでございます。
関西国際空港はコンセッションで民間が運営しているから国が関与したということではなくて、関西国際空港の持つ役割の重要性ということも踏まえて、政府としても最大限の取組を行ってきたということであります。
今後の事案につきましても、空港の管理者がどのような主体であるかにかかわらず、関係者と連携して最大限取り組んでまいりたいと考えております。

(問)今朝の「観光戦略実行推進会議」で、北海道での宿泊料金について割引について総理から御発言があったとのことですけれども、開始時期ですとか、内容について、現時点でのお考えがありましたらお聞かせください。
また、これは予備費が活用されると考えてよろしいのでしょうか。
(答)今朝の「観光戦略実行推進会議」におきまして、安倍総理から、北海道全域で宿泊料金の割引を速やかに実施するとの御発言がありました。
観光庁としては、宿泊施設のキャンセル状況が広がっている状況を踏まえまして、熊本地震や平成30年7月豪雨での対応等を参考にしながら、地元の御要望もよくお伺いしつつ、北海道全域での旅行代金の割引を速やかに実施することが必要と考えておりまして、開始時期や実施内容等の詳細について、早急に具体的な検討を行ってまいりたいと考えています。
財源についてもその過程の中で検討されるということであります。

(問)昨日、安倍総裁が自民党総裁で3選されました。
その前に、公明党の山口代表も改めて代表になられていますけれども、受け止めをお願いします。
(答)山口代表につきましては、私の公明党の党首であります。
やっぱり党内の人望が非常に厚いということの証左であろうというふうに思っています。
自民党総裁選については、公明党の立場からちょっと言いにくいのでありますけれども、自民党さんの結果をそのまま受け入れるということかと思いますが、閣僚の一員として申し上げれば、安倍内閣でのこれまでの取組が評価されたということかと思いますので、そういった点については喜ばしいことだと思っています。

ページの先頭に戻る