大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年10月5日(金) 10:51 ~ 11:11
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
以上であります。

質疑応答

(問)今回の内閣改造で、大臣は続投ですが、副大臣と政務官は交代されました。
新たな政務三役に対する期待と、国土交通省として今後優先的に取り組む施策等について、教えてください。
(答)昨日、塚田副大臣、大塚副大臣、工藤大臣政務官、田中大臣政務官、阿達大臣政務官が就任されました。
今回就任される副大臣、政務官の皆さんは、国土交通大臣政務官や国会の国土交通委員などをお務めになっておりまして、これまで国土交通行政をリードされてきた方々でいらっしゃいます。
副大臣、政務官には、国民の安全・安心の確保をはじめ様々な課題に対して、従来の発想にとらわれることなく、スピード感を持って、しっかりと取り組むことを期待いたしております。
引き続き、副大臣、政務官とともに、全力を挙げて国土交通行政の様々な課題に取り組んでまいりたいと考えております。
新しい体制の下で、どのような施策に力点を置くかということでありますけれども、国土交通省は、被災地の復旧・復興、防災・減災対策、社会資本の整備、老朽化対策、戦略的な観光振興、領土・領海の堅守等、幅広い分野にわたり施策を展開しています。
いずれも重要でありますけれども、まずは国民の安全・安心の確保が極めて重要であります。
本年は、7月豪雨、北海道胆振東部地震、台風第21号等、自然災害が頻発しております。
被災者のお気持ちに寄り添いながら、政府一丸となって、インフラの災害応急復旧に全力で取り組むとともに、被災者の生活や生業の再建等に取り組んでまいります。
また、現在、総理の御指示のもと、災害時の重要インフラの機能確保について、ソフト・ハードの両面からの緊急点検に着手しております。
点検結果等を踏まえまして、3年間に集中して防災・減災対策に取り組んでまいります。
また、観光はわが国の成長戦略、地方創生の柱であります。
相次ぐ災害による風評被害対策や非常時の外国人旅行者の安全・安心の確保を速やかに進めてまいります。
2020年訪日外国人旅行者数4000万人の目標達成に向けまして、政府一丸となって、観光資源の魅力の向上、観光産業の基幹産業化、ストレスフリーな受入環境整備などに取り組んでまいります。
これらに加えまして、国土交通省のあらゆる分野における生産性革命の更なる推進に努めてまいります。
具体的には、建設生産プロセスにおけるICTの活用を推進する「i-Construction」、自動運転の実用化に向けたルール整備と実証を推進する「クルマのICT革命」、インフラ維持管理における新技術活用等による効率化を推進する「インフラメンテナンス革命」など、これまでに既に選定しております31のプロジェクトについて、更なる深化等を図ってまいります。
こうした取組を通じまして、新たな体制の下で、わが国の持続的な経済成長や豊かな国民生活の実現に貢献してまいりたいと考えております。

(問)羽田の新飛行ルートについて、日米間の調整難航で運用できないおそれが生じていると一部の報道にあります。
事実関係と国土交通省の対策をお願いします。
(答)国土交通省では、都心上空を飛行いたします羽田新経路の設定に向け準備を進めてきたところでありまして、米国側とも従来から必要な調整を行ってきているところであります。
具体的な調整状況については、コメントを差し控えさせていただきますが、国土交通省としては、引き続き、必要な調整を進めていきたいと考えております。

(問)明日で北海道胆振東部地震の発生から1ヶ月を迎えますが、これまでの観光分野への影響についての受け止めと観光の復興に向けた課題、今後の取組についてお聞かせください。
(答)平成30年北海道胆振東部地震や地震に伴う電力供給不足の影響等によりまして、宿泊キャンセルが多数発生するなど、観光業にも大きな影響がありました。
こうした影響を克服し、北海道観光を回復させるためには、外国人旅行者の安全・安心の確保と観光需要の早期回復が重要な課題と考えております。
まずは、台風や地震などの災害時におきましても外国人旅行者の安全・安心を確保するために、日本政府観光局、JNTOのコールセンター、これを365日、24時間で多言語対応する体制を確立してまいります。
また、鉄道車内、駅での遅延情報等の多言語情報提供を充実してまいります。
更に、多言語対応可能な空港会社職員の新規雇用、研修、こういったことを速やかに実施することといたしました。
また、観光需要の早期回復に向けまして、予備費を活用いたしました「北海道ふっこう割」を含みます、官民共同での「元気です 北海道/Welcome!HOKKAIDO,JAPAN.」キャンペーンを9月28日から実施いたしますとともに、日本政府観光局によるSNS等を通じた観光地の情報発信等を実施しているところであります。
こうした施策を着実に実施することによりまして、外国人旅行者の受入環境の整備と観光需要の創出を図りまして、北海道観光の回復にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

(問)本日午前8時58分に、胆振中東部地方で震度5弱の地震が発生しました。
現時点で把握している地震の規模だとか被害状況などについてありましたら教えてください。
(答)本日8時58分頃、北海道胆振地方中東部を震源とする最大震度5弱の地震が発生いたしました。
国土交通省では、北海道胆振東部地震で派遣しておりましたリエゾンが、厚真町とむかわ町で活動を継続しておりまして、現時点で被害情報は把握しておりません。
また、10時30分より災害対策用ヘリコプターが上空から被災状況調査を実施しております。
高速道路では、日高自動車道の苫東中央ICから日高富川IC間で点検のため通行止めにしている状況であります。
また、北海道新幹線は、一旦、運行を停止いたしましたが、既に運転を再開しております。
在来線は通常運転しております。日高幌内川の河道閉塞箇所については、点検の結果、異常は確認されませんでした。
国土交通省としましては、引き続き、現地の被災状況を把握するとともに、要請がありますれば、被災自治体の支援に取り組んでまいりたいと考えています。

(問)東京圏への人口集中が課題となっていますが、一極集中是正のために、地方振興という観点から、改めて国土交通省としてどのような施策に力を入れていくのか教えていただければと思います。
(答)平成27年8月に閣議決定をいたしました国土形成計画の全国計画におきましては、輝く地方の実現と東京一極集中の是正を目指しまして、異なる個性を持つ多様な地域間で、ヒト・モノ・カネ・情報の双方向の動きを活発にする「対流促進型国土」の形成を掲げているところであります。
また、本年6月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2018」では、「まち」の活性化を目指し、政府一丸となって、地方への新しい「ひと」の流れや「しごと」をつくり、安心して働けるようにすることとしております。
国土交通省としては、今後とも、「コンパクト+ネットワーク」の国土づくりを進めて、「対流」を活発にし、地域にイノベーションを起こすことによりまして、地域の個性と魅力を更に高めてまいりたいと考えています。
このことによりまして、東京圏から地方への新しいヒトの流れをつくり、東京一極集中の是正にもつながると、このように考えているところであります。

(問)長崎の五島列島と長崎の本土を結ぶ航路について、2日に突然運航を休止して住民に混乱が拡がっている問題についてお伺いします。
まず、国土交通省として把握している事実関係の内容について教えてください。
(答)五島産業汽船の運休の件につきましては、10月1日、株式会社五島産業汽船及びその関連する会社であります株式会社USAポートサービスから、九州運輸局に対しまして、一般旅客定期航路事業の休止届出書等の提出がございました。
10月2日から、両社は、5つの全ての航路を休止しております。
このうち観光航路を除く4つの航路につきましては、五島列島と長崎・佐世保の間及び五島列島の島しょ間を結ぶ生活航路としての役割を果たしておりましたけれども、これらの航路につきましては、ほぼ同じ航路を株式会社九州商船も就航しておりますために、地域交通に直ちに深刻な懸念が生じるものではないと認識しております。
現在、地元において、関係者が今後について議論を始めていると聞いておりますけれども、国土交通省としましても、地元の関係者の御意向を踏まえまして、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。

(問)この件で引き続き2問お伺いたいのですが、ということであれば、住民の救済策とか代替交通手段の確保とか予約の払い戻しとか、あるいはその会社に対する業務改善命令というのは、今のところ準備というのは考えてらっしゃるのでしょうか。
(答)代替交通手段の確保については、先ほど申し上げたとおり、株式会社九州商船の航路もございますので、地域交通に直ちに深刻な懸念が生じるものではないと認識しております。
運賃の払い戻しにつきましては、10月1日に一般旅客定期航路事業の休止届出書等の届出を受理した際に、九州運輸局から、航路の休止に伴って利用者利便を損なうことのないよう、然るべき対応を求めているところであります。
なお、海上運送法に定めます事業改善命令については、サービスの改善や輸送の安全の確保を目的としたものでありまして、会社の存続を前提とできない今回の事案には馴染まないと考えております。
いずれにいたしましても、先ほど申し上げたとおり、現在、地元において、関係者が今後について議論を始めていると聞いておりますので、国土交通省といたしましても、地元の関係者の御意向を踏まえ、必要な対応を行ってまいりたいと考えています。

(問)五島産業汽船は毎年経営状況を九州運輸局に報告していると思うのですけれども、国土交通省として、経営状況が悪化しているということを事前に把握されていたのか。
できていなかったとすれば、その理由を教えてください。
それと、今後、同種の生活航路の突然の中止というようなことの防止策とか、あるいは起きた場合の対応ということもあれば教えてください。
(答)一般に、内航旅客船の事業、特に離島航路については、利益率が非常に低い経営状況の中で運航を行っている事業者も少なくないと承知しております。
国土交通省としては、海上運送事業者に対して毎年の決算状況の報告を求めておりまして、この報告が国として事業者の経営状況を把握する手段となっております。
今回の五島産業汽船につきましては、9月25日に、有川から佐世保航路の廃止届出が出されておりますけれども、その際に、その他の航路の状況について同社に確認したところ、問題ないとの回答を得ていたところであります。
業界全体が厳しい経営状況にある中で、五島産業汽船の直近の決算状況報告や同社からのヒアリング内容、同社に船舶を貸し出している自治体等からも特段の情報がございませんでしたので、今回の経営上の問題による突発的な事態を予測するには至らなかったということであります。

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