大臣会見

石井大臣会見要旨

2018年12月21日(金) 11:31 ~ 11:49
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、私の方から2点報告がございます。
1点目は、「平成30年度第2次補正予算及び平成31年度当初予算の概算閣議決定」についてであります。
本日の閣議で、平成30年度第2次補正予算及び平成31年度当初予算の概算を決定いたしました。
平成30年度第2次補正予算につきましては、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」のうち、初年度の対策として速やかに着手すべきものに必要な経費を中心といたしまして、国土交通省関係の国費の総額は8915億円となっております。
平成31年度当初予算につきましては、「被災地の復旧・復興」、「国民の安全・安心の確保」、「力強く持続的な経済成長の実現」、「豊かな暮らしの礎となる地域づくり」といった重要な課題に対応するために必要な経費といたしまして、国土交通省関係の国費総額は6兆8609億円、うち公共事業関係費は5兆9663億円となっております。
なお、平成31年度当初予算におきましては、臨時・特別の措置を講ずることとされております。
国土交通省といたしましては、消費税率引上げや「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に対応するため、国費総額の内数として9393億円を計上しております。
今後は、これらの予算に盛り込まれた施策について丁寧に説明し、予算の早期成立をお願いしてまいります。詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
2点目は、「アイヌ政策を総合的に推進するための制度整備」についてであります。
総理より、アイヌ政策を総合的に推進するための制度整備について私を担当大臣に指定する旨の御発言がありました。
指示の具体的内容は、先住民族であるアイヌの人々の誇りが尊重される社会の実現を目指して、関係大臣と協力して、必要な法案を国会に提出し、アイヌ政策を総合的に推進するための制度整備を進める、というものであります。
詳細は事務方にお問合せいただきたいと思います。
このほか、私の方から2点報告がございます。
1点目は、「運航乗務員の飲酒問題に関する不利益処分等」についてであります。
国土交通省としましては、運航乗務員の飲酒に関する不適切事案が連続して発生したことを踏まえまして、本日、事案を発生させた本邦航空運送事業者及び運航乗務員に対し、行政処分等を行いました。
日本航空に対しては事業改善命令を行い、全日本空輸等4社に対しては文書による厳重注意を行っております。
国土交通省では、航空の安全に対する信頼をできる限り早く回復できるよう、各社に対し、引き続き、厳格に指導監督を行ってまいります。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
なお、日本航空の客室乗務員から制限値を超えるアルコール数値が検出される事案が発生したとの報告を19日に受けており、航空局長から日本航空の社長に対し、詳細な調査を行い、より効果的な再発防止策を早期に実施し、25日までに報告するよう指示しております。
こちらにつきましても事実関係を確認しつつ、必要な措置を講じてまいります。
2点目は、「海外出張の件」についてであります。
12月24日から28日にかけましてベトナム、インドネシアを訪問いたします。
ベトナムでは、鉄道、空港、港湾、道路、防災分野等について、政府要人と政策協議を行うとともに、両国間の協力関係を一層強化するため、日本国国土交通省とベトナム社会主義共和国交通運輸省との間で海事分野及び航空分野に係る2つの覚書の署名式を行う予定であります。
インドネシアでは、両国で協力して進めておりますインフラ分野の各プロジェクトの促進や課題解決を図るため、鉄道、港湾、道路、防災分野等について政策協議を行う予定であります。
詳細は後ほど資料を配布いたします。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)本日の閣議でアイヌ政策の担当大臣に任命されたとのことですが、その所感と、アイヌ新法の目的や狙い、法施行に向けた見通しをお聞かせください。
(答)北海道及びその周辺地域の先住民族であるアイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統・文化が置かれている状況や、近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑みますと、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現することは、喫緊の課題であると考えております。
このため、国土交通省として、これまでアイヌ政策に関わってきた知見も活かしまして、アイヌの人々に寄り添った政策を推進するため、アイヌの人々の御要望等を十分に踏まえながら、担当大臣といたしまして次期通常国会への法案提出を目指し、更に検討を加速させてまいりたいと考えています。

(問)当初予算案と2次補正予算案が、今日、閣議決定されましたが、これらの予算のもと、国土強靭化や消費税率引上げに伴う需要変動の平準化などの重要な課題にどのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。
(答)先ほども御紹介申し上げましたように、平成30年度第2次補正予算においては8915億円、平成31年度当初予算におきましては6兆8609億円を確保することができました。
重要課題への取組について、まず、防災・減災、国土強靭化のための対策でありますが、本年は平成30年7月豪雨や台風第21号、北海道胆振東部地震など、大規模な自然災害が発生したところであり、このように頻発激甚化する自然災害に備えることは、待ったなしの課題であります。
こうした一連の災害を踏まえまして、今月の14日に閣議決定いたしました防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策に要する経費といたしまして、平成30年度第2次補正予算において6323億円、平成31年度当初予算において臨時・特別の措置の活用によりまして7308億円を、それぞれ確保することができました。
これらの予算の活用によりまして、災害時に国民の命を守り、暮らしと経済を支えるため、ソフト・ハードの両面からの対策を関係機関とも連携の上、強力に推進してまいります。
具体的には、ソフト対策といたしまして、ハザードマップ等による災害時に命を守るために必要な各種リスク情報の徹底的な周知、外国人旅行者等への情報提供体制の確保、ハード対策といたしましては、洪水氾濫等を防止するための樹木の伐採・河道の掘削、道路や鉄道に隣接する斜面等の防災対策、空港や港湾における電源設備の浸水対策などに集中的に取り組んでまいります。
また、消費税率引上げに伴う住宅の需要変動の平準化対策につきましては、平成31年度当初予算におきまして、臨時・特別の措置の活用によりまして、2085億円を確保することができました。
具体的には、「すまい給付金」の拡充といたしまして785億円、新たなポイント制度の創設として1300億円を確保するとともに、税制面における住宅ローン減税を拡充するなど、消費税率引上げ後の住宅の購入等にメリットが出るようにするための対策を的確に講じてまいります。
これらの施策の効果を最大限に発揮させるためにも、平成30年度第2次補正予算及び平成31年度当初予算の早期成立をお願いをしてまいりたいと考えております。

(問)大臣、明後日で、扇千景さんを抜いて省庁再編前を含めて歴代1位の在職日数になると思いますけれども、この所感をお願いいたします。
(答)長ければいいというものではないと思いますけれども、一方で、長く大臣を務めてこられたというのは、その間、多くの方々のお支えがあったからでありまして、まずは、大臣在任期間中、支えていただいた皆さまに心から感謝を申し上げたいと思います。
私が大臣に就任してから、いろいろな災害がございました。
今年もございましたけれども、振り返ってみると熊本地震から始まりまして、史上初めて北海道に台風が3つ上陸したり、岩手県岩泉町での水害があったり、また、平成29年には九州北部豪雨があったり、また、今年は様々な地震・水害等がございました。
更に事故の関係も、軽井沢スキーバス事故等ございましたので、災害、事故等連続して、緊張の日々でございました。
政策面でもいろいろ取り組んでまいりましたけれども、特に観光立国ということでは、非常に成果が上がってきたと思います。
先日、今年のインバウンドが初めて3000万人を超えたセレモニーを関西国際空港でやらさせていただきました。
2020年4000万人に向けての通過点ではありますけれども、これまでの様々な政策の成果が現れてきたということでは、嬉しく思っております。
今後も初心を忘れず、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

(問)整備新幹線についてお聞きします。
北陸と九州新幹線の建設費上振れに伴う財源の確保策というのが決まったと思うのですけれども、大臣の受け止めと、国費が増額されたと思うのですが、まだ十分ではないという声が国会議員らからあると思うのですけれども、それに関する大臣の受け止めをお願いします。
(答)北陸新幹線金沢・敦賀間及び九州新幹線武雄温泉・長崎間における建設費増加への対応につきましては、今月の11日に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームから申し入れが行われたことを受けまして、岸田座長及び井上座長代理の御指導のもとでとりまとめた対応策として、18日のプロジェクトチームにおきまして、平成27年1月の政府・与党申合せによる完成・開業目標時期を確実に実現するため、今般の建設費増加により追加的に必要となる3451億円分全てについて、安定的な財源見通しを立てたこと、また、平成31年度予算においては、前倒し活用による貸付料財源のほか、国費と既設新幹線譲渡収入を合わせた国負担及びこれに伴う地方負担を措置することとし、整備新幹線関係予算の公共事業関係費については、平成30年度の755億円に37億円を加えた792億円を計上することを報告をいたしまして、了承されたところであります。
なお、今般の対応策を了承いただくにあたりまして、プロジェクトチームからは、平成32年度予算以降においても、毎年度、引き続き、国費の最大限の増額を図ること、補正予算についても、機会あるごとにその活用の可能性を検討し、当初予算における国費と合わせて、国費を最大限確保することの2点を求められたところであります。
国土交通省としましては、プロジェクトチームからの要請も踏まえまして、国費の最大限の確保に取り組み、平成27年1月の政府・与党申し合わせによる完成・開業目標時期を確実に実現するため、適切に対応してまいりたいと考えております。

(問)パイロットの飲酒の問題で伺います。
先日、有識者の検討会で、パイロットの呼気基準で0.09mg、国内の航空会社に関しては、検査の義務付けと少しでもアルコールが出た場合は乗務禁止にするという厳しい方針がなされました。
この対策についてのお考えと、実効的にするには、これだけでは足りないと思うのですけど、この他にどんなことが必要と考えているのか、お考えをお聞かせください。
(答)国土交通省では、11月20日に設置いたしました「航空従事者の飲酒基準に関する検討会」におきまして、まずは操縦士の体内アルコール濃度の数値基準の設定やアルコール検査の義務付けなどについて検討を進めてまいりました。
12月19日に開催いたしました検討会におきまして、操縦士の飲酒基準に関し、全ての操縦士を対象とした数値基準の設定、国内航空運送事業者に対するアルコール検知器を使用した検査の義務付けと、検知された場合の乗務の禁止、全社員へのアルコール教育の徹底などについて、概ね了承をいただいたところであります。
今回の検討会での議論を踏まえまして、最終的な調整を行った後、中間とりまとめといたしまして、後日、公表する予定としております。
今回とりまとめいただいた内容は、世界に例を見ない極めて高い安全レベルを求めるものであります。
国土交通省としましては、航空会社における飲酒に対する懸念や不安を払拭し、航空安全に対する信頼を回復するために、この中間とりまとめに基づき、できる限り早期に基準を策定いたしまして、これを着実に実行してまいりたいと考えています。

(問)羽田の新ルートの件でお伺いしたいと思います。
昨日、品川区で教室型の説明会が開かれました。
取材に行ったのですが、住民とのやりとりについては、参加者が委縮してしまうということで、マスコミ非公開となったのですけれども、参加できない人とかも含めて、広くマスコミにオープンにして周知することが大切かなというふうに思うのですが、今回のやりとりについて非公開にしたことについて、大臣の所感はどういうふうに考えますでしょうか。
(答)住民説明会のありかたについては、これまでも4回シリーズでやってきましたから、その継続としてやっていると思います。
住民の皆さんですから、マスコミオープンの場だとなかなか率直なことは聞きにくいという配慮でやったかと思いますけれども、今後のありかたについては、よく検討させたいと思います。

(問)これから2月にかけて全12地区で随時やっていくということで、参加した住民からもマスコミを出すことはおかしいという意見があったので、ぜひとも再考していただければと思います。
(答)住民の方にもいろいろな御意見があろうかと思いますので、そういったこともよく考えて検討させたいと思います。

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