大臣会見

石井大臣会見要旨

2019年3月22日(金) 9:10 ~ 9:24
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
以上であります。

質疑応答

(問)火曜日に公表されました公示地価で、全体としては上昇傾向になったと思いますが、一方で地方では二極化傾向が目立っています。
こうした状況に対して大臣の現状認識と、併せてこうした傾向に対する今後の対応・対策についてのお考えをお願いいたします。
(答)19日に公表しました平成31年地価公示では、三大都市圏において地価の上昇基調が強まるとともに、地方圏におきましても住宅地が平成4年以来27年ぶりに上昇に転じるなど、地価の回復傾向が全国的に広がっていることが特徴であります。
これは三大都市圏のみならず、地方圏におきましても主要都市を中心に、外国人観光客の増加や再開発事業の進展などを背景に、店舗やホテルの建設需要が高まっていること、雇用・所得環境の改善や低金利などを背景に、利便性の優れた地域を中心に住宅需要が堅調であることが主な要因であると考えております。
一方で、人口減少、高齢化が進む地域などでは、地価の下落が継続する地域も見られますけれども、観光資源の活用や子育てにやさしいまちづくりを推進する地域などでは、地価が上昇している地域も見られます。
地域の魅力づくりが重要であり、そのための社会資本整備やまちづくり、観光振興など関連施策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

(問)一昨日、レオパレスの違法建築被害者の会の代表が記者会見をして、違法建築を見逃した国の責任は重大であるという発言がありましたけれども、そのことに対する大臣の受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)レオパレス違法建築被害者の会と称する団体の方が一昨日記者会見を行ったことは承知をしております。
国土交通省はこれまでも担当者が何度か当該団体から情報提供等を受けて、いただいた情報は特定行政庁に提供し、現場における是正指導等に活かしております。団体に所属していない方を含めまして、基準不適合が明らかとなった物件の所有者等への丁寧な対応を通じて混乱を回避するとともに、不備が明らかになっておりますシリーズにつきましては、早期の全棟調査の完了と、今年の夏前の全棟改修完了を求めているところであります。
今後とも賃貸共同住宅の所有者や入居者の安全安心の確保におきまして、必要な対応を講じてまいりたいと考えています。

(問)会の代表の方が、その際に何らかの救済を果たさなければならない、との見方を示していらっしゃるのですけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
(答)一義的にはレオパレス社が対応するべきものと考えておりますが、国としては、原因の究明と、これはレオパレス側もやりますけれども、それを国の委員会できちんと検証することと、再発防止策をきちんと立てるということが国の責任であると考えております。

(問)公示地価の件ですけれども、先ほど二極化の話があったのですが、逆に、東京の都心部ではマンションの価格が平均7000万円超えるとか、かなり異常なバブル期に近いような高騰になっているのですが、これに対する所感は、特に今後の価格について、上がりすぎるとバブルの可能性もあるのですが、これについてどのように見ていらっしゃるかお願いします。
(答)東京23区の地価の変動率は、住宅地が4.8%、商業地が7.9%の上昇となっております。
今御指摘のありましたマンション価格の上昇については、地価の影響のほか、人件費や建築資材価格の上昇などの影響もあると思いますが、駅徒歩圏、駅から歩いて行ける圏域や都心部へのアクセスに優れた地域でのマンション用地の需要が堅調で、地価が上昇しているところであります。
ただし、地域全体が一様に上昇を示すわけではなくて、立地条件によって価格水準や上昇率に違いが出ておりまして、利便性や収益性に基づく評価が適切になされているものと考えております。
今後の地価の動向については、引き続き注視していく必要がございますが、今般の地価の上昇は、バブル期に見られたような転売や投機的取引によるものではなく、実需に基づくものでありまして、実体経済を反映した範囲内での地価上昇と考えております。

(問)先ほどのレオパレスの関連で、オーナー側の指摘は、国の責任という点について、違法建築を大量に見逃したということを国の責任が重大だと指摘しているのですが、現時点でこの問題について、国側に何らかの責任があるとお考えですか、ないとお考えですか。
(答)先ほど申しましたように、国側の責任としては、原因究明をしっかりやるということと、再発防止策をきちんと講じるということが国側の責任であると考えています。

(問)見逃したことについては、法律上の何かであったりとか、こういった対応がもっとできたのではないかという、そういった点はございませんか。
(答)これは、当時まだ中間検査等がまだ充実していない時期の建物だったと思いますから、そこら辺をきちんと検証するとともに、今後、検査やあるいは工事の監理、こういったことをしっかりやっていくということが重要ではないかと思います。

(問)北海道新幹線の開業から26日で丸3年になりますけれども、利用状況ですとか経済効果について、大臣の所見をお聞かせください。
また、札幌延伸に向けて進んでいますけれども、課題認識と対応についてお聞かせください。
(答)北海道新幹線の新青森・新函館北斗間につきましては、今月26日に開業3年を迎えるところであります。
北海道新幹線の開業3年目の利用者数は、開業前と比較して約1.24倍となっておりまして、引き続き多くの方に北海道新幹線に乗車していただき、道南地域を訪れていただいているところであります。
また、新幹線開業に伴いまして、駅周辺では複合商業施設や宿泊施設も開業しておりまして、北海道新幹線は地域の活性化に大きな役割を果たしていると認識しております。
更に、今月16日のダイヤ改正によりまして、青函トンネル内の新幹線の走行速度が時速140kmから160kmに引き上げられまして、東京・新函館北斗間は4時間を切って、最速3時間58分で結ばれることとなりました。
今後とも地元や関係者が一体となって利用促進に努めていただきまして、北海道新幹線が引き続き観光の振興や交流の促進に大きく貢献していくことを期待しております。
また、現在整備中の北海道新幹線新函館・札幌間につきましては、2030年度末の開業を目指しているところでありますけれども、1日も早い開業に向けて最大限の努力を続けてまいりたいと考えております。

(問)課題については言及がなかったかと思いますのでお聞きしたいのですが、高速化というのが1つのポイントになるのかなと思うのですけれども、札幌延伸でですね。
昨年7月の監督命令では、国が物流の確保にも配慮しながら検討を進めるということが明記されたわけですけれども、どのように進めていかれるかお聞かせください。
(答)一般論として申し上げますと、新幹線の高速化というのは、利用者利便の向上や交流人口が増えたり、あるいは地域の更なる振興という観点から非常に意義があると考えています。
いずれにいたしましても、関係者の意向なども踏まえまして、国土交通省としても必要な対応を引き続き検討していきたいと考えております。

(問)岩手県の三陸鉄道が明日、リアス線として新たに開業します。
これに関する大臣の御所感と今後期待されること、また、被災地では沿線人口の減少など厳しい現状もありますが、どのような点に注視されていくかお考えをお聞かせください。
(答)東日本大震災で被災しましたJR山田線の宮古・釜石間につきましては、JR東日本による復旧工事を終えまして、三陸鉄道に運営移管の上で、明日3月23日に約8年ぶりに運転再開される予定であります。
これによりまして、三陸鉄道は、南北リアス線と一体となり、風光明媚な三陸海岸を南北に結ぶ鉄道路線が誕生することになります。
沿線にお住いの方々の生活の足としてはもちろんでありますが、多くの旅行者の方々にも御利用いただきたいと思っております。
三陸鉄道沿線では、人口の減少などもありまして、厳しい事業環境にはありますけれども、本年は、防災復興行事「三陸防災復興プロジェクト」の一環として、様々な企画列車の運行などを予定していると伺っておりまして、こうした地域と一体となった利用促進の取組を今後とも継続していただきまして、三陸鉄道が、将来にわたって地域に愛され、沿線の活性化に寄与することを期待しております。

(問)ジャカルタでの地下鉄の開業に関してなのですけれども、日本の全面的な支援もありまして、24日にインドネシアで初めてとなる地下鉄が開業しますけれども、これに対する大臣の御所見と、今後の鉄道分野のインフラ輸出に向けた取組、これに関してコメントをお願いします。
(答)今月の24日にジャカルタMRT南北線の開業式典が開催される予定と聞いております。
残念ながら、国会開会中のため私自身は出席できませんけれども、篠原国土交通審議官を派遣いたしまして、インドネシア側に祝意をお伝えしたいと考えております。
ジャカルタのMRT南北線はインドネシア初の地下鉄となることから、日本の技術が求められ、日本の全面的な支援の下、整備が進められたプロジェクトであります。
私自身も昨年末インドネシアを訪問した際に試乗いたしましたけれども、非常に快適でありました。
本プロジェクトが、ジャカルタにおける激しい交通渋滞の解消や、今後の両国の更なる協力関係を深める一助となることを心から期待しているところであります。
インドネシアにおきましては、南北線の更に延伸や東西線の整備も計画されております。
また、そのほかの国々におきましても、アジアを中心に多くの鉄道プロジェクトがあります。
国土交通省といたしましては、関係省庁やメーカー等の民間企業とも連携しまして、鉄道インフラの海外展開に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

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