大臣会見

石井大臣会見要旨

2019年4月16日(火) 9:23 ~ 9:42
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
このほか、私の方から1点報告がございます。
今回の中国訪問について報告させていただきます。
4月14日から15日にかけまして中国を訪問いたしました。
14日は、第5回日中ハイレベル経済対話に出席いたしまして、副総理級でいらっしゃる王毅(おうき)国務委員兼外交部長をはじめ、中国の経済担当の大臣と議論を行いました。
私からは、日中間の観光交流の促進、日中第三国協力、スマートシティに係る協力、G20観光大臣会合の開催、造船における過剰生産能力問題、シップリサイクル条約及び国際海運における温室効果ガス対策について発言をいたしました。
翌15日ですが、河野外務大臣をはじめとする日中ハイレベル経済対話の出席者とともに、李克強(りこくきょう)国務院総理を表敬いたしました。
今般の訪問によりまして、日中両国の協力関係を一層深められたものと考えております。
詳細は後ほど資料を配布します。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)令和の改元につきまして1点伺いたいと思います。
鉄道とか航空事業者の情報システムにつきまして、改元に伴う支障が出ないかの確認を15日までにされると伺っております。
その結果を伺えればと存じます。
(答)国土交通省や所管する独立行政法人等が運用する情報システムに関しましては、国民生活に影響を及ぼす可能性がある89のシステムについて、稼働に支障が無いことを確認しているほか、これ以外の運用している情報システムにつきましても、稼働に支障が無いことを網羅的に確認いたしました。
規模の大きい事業者に関しては、鉄道では、JR,大手民鉄、公営事業者全35社に加え、準大手・中小鉄軌道事業者等138社について、航空では、主要な航空運送事業者23社、空港運営事業者10社及びターミナルビル事業者74社について、観光では、主要な旅行・宿泊事業者50社について、物流では、主要な貨物利用運送事業・倉庫業31社について、港湾では、主要な港湾運送事業者33社について、海事では、主要な海運事業者12社について、稼働に支障が無いことを確認済みであります。
また、国土交通省所管の他の分野の事業者につきましても、稼働に問題のあるケースは確認できておりませんが、業界団体等を通じた周知や国土交通省ホームページ上の発信等、継続的に働きかけを実施しております。
改元まで残り2週間となりましたので、国土交通省としては、改元日である5月1日や開庁日である5月7日まで気を緩めることなく、万全を期してまいりたいと考えております。

(問)何点かお伺いしたいんですけども、先週金曜日に自動車会社のスズキから、完成検査に関連して、ブレーキの検査不正や無資格検査などの不正があったという調査報告書が提出されましたけれども、これについての大臣の受け止めと、今後の対応をお聞かせいただけますでしょうか。
(答)スズキに対しましては、昨年の9月26日に、完成検査の運用状況について徹底調査をするよう指示をしていたところでありますが、12日に調査結果の報告がありまして、ブレーキの検査において不合格を合格にする等の不正行為が最近まで行われていたことや、無資格者検査の事実がありながら、平成29年9月の国土交通省からの事案の有無に係る調査指示を受けた際、隠蔽工作がなされていたことが新たに判明いたしました。
スズキにおいては、平成28年に、型式指定申請時の燃費不正事案が問題となっていたにもかかわらず、再び、このような問題を引き起こしたことは、コンプライアンス意識への疑念すら生じるものであり、極めて遺憾であります。
スズキに対しては、猛省を求めたいと思います。
国土交通省といたしましては、スズキにおけるリコールの迅速な実施と、業務改善の徹底について適切に対処するとともに、今般の報告内容を精査し、対応が必要となる場合には、厳正に対処して参ります。

(問)もう1点。
港湾の労組のほうで48時間のストライキが実施されて、組合側はゴールデンウィークに実施することもちょっと示唆している状況があるかと思うのですけれども、これについて、物流のトラブル回避のために、港湾、あるいはそれ以外の分野も含めて、国土交通省でどのように対応していくかお聞かせいただけますでしょうか。
(答)港湾運送事業の労働組合が、団体交渉における事業者側の回答を不満として、ゴールデンウィーク中の9日間についてストライキを示唆しているという報道は承知しております。
国土交通省としては、労使間の問題についてコメントする立場にはございませんけれども、関係者の皆様に対しては、今後とも利用者への影響を極力少なくするよう最善の努力をお願いしたいと思います。
また、港湾及び港湾以外の分野のゴールデンウィークの円滑な物流の確保につきましては、国土交通省といたしまして、物流関連の業界団体に、連休期間前後の運送依頼に関して荷主とあらかじめ調整を行うことや、連休期間中の営業体制について情報発信すること等を依頼しており、各事業者において必要な措置が取られているものと承知しております。
これらの取組を通じまして、ゴールデンウィーク期間及びその前後の円滑な物流の確保を図ってまいりたいと考えています。

(問)一昨日実施された宿泊業技能測定試験について質問させてください。
今回の試験では東京や大阪などの会場で定員にすぐに達したために、多くの外国人が受験できませんでした。
一方、当日の試験には受験者のおよそ半数程度しか試験に来なかったということですが、それについて大臣の受け止めをお聞かせください。
また、今後、他業種でも試験が進められることになると思いますが、今回の宿泊業で発生した問題を踏まえて、国土交通省としてどのように取り組んでいきますでしょうか。
(答)新たな在留資格「特定技能」による外国人材の受入れ制度が4月にスタートしたことに伴いまして、試験の実施主体である一般社団法人宿泊業技能試験センターが、宿泊分野の技能試験を4月14日に国内7カ所、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡において実施をいたしました。
技能試験の申し込みを締め切った4月3日時点の申込者は全国で761名でありましたが、試験当日の受験者数は391名でありました。
当日の受験者数が少なくなった理由は現時点ではまだ判明しておりませんけれども、いずれにせよ、同じく4月に実施をいたします介護や外食分野の試験の状況等も把握をいたしまして、必要に応じて様々な改善を講じながら、制度の適切な運用に取り組んで参りたいと考えております。
また、宿泊分野以外の国土交通省4分野におきましても、今回の宿泊分野の結果等を踏まえながら、試験の準備を進めていきたいと考えております。

(問)先週、大和ハウス工業でも建築基準への不適合事案が公表されました。
これに対する大臣の受け止めと、レオパレス、大和ハウスと同じような問題が続いているのですけれども、この点についてもどういうふうにお考えなのか、よろしくお願いします。
(答)大和ハウス工業より、4月12日に、建築基準法や条例の防火基準に不適合の恐れのある住宅73棟、型式認定を受けた仕様に適合しない住宅2066棟を供給したとの報告がありました。
型式認定通りの住宅を供給すべき事業者が、それとは異なる住宅を供給したこと、さらに、建築基準法や条例に基づく防火基準に適合しない恐れのある住宅を供給したことは、誠に遺憾であります。
大和ハウス工業からの報告を受けまして、国土交通省は、同日、大和ハウス工業社に対して、住宅所有者等への丁寧な説明、特定行政庁等への報告、改修等の迅速な実施、原因究明及び再発防止策の報告、相談窓口の設置を行うよう指示したところであります。
また、防火基準に不適合の恐れのある住宅の大半が条例に基づく防火規制への不適合であったことから、確認検査主体等に対して、条例への適合性の審査を慎重に行うよう注意喚起を行いました。
国土交通省といたしましては、これらの取組を通じて、住宅の所有者等の安心・安全の確保を推進してまいりたいと考えております。
また、レオパレス21に続いて、大和ハウス工業でも共同住宅等における品質管理上の問題が発覚したということで、連続して同様の事案が発覚したということは、極めて遺憾であります。
今回の大和ハウス工業の案件につきましても、建築基準への不適合が疑われるのは賃貸共同住宅であることから、レオパレス21の問題を踏まえ設置いたしました国の外部有識者委員会に対しまして、大和ハウス工業側が行う原因究明結果等を報告いたしまして、レオパレス21の案件と併せて再発防止策を検討していただく予定であります。
国土交通省といたましては、この国の外部有識者委員会における検討、そして提言を踏まえて、必要な対策を講じていきたいと考えています。

(問)下関北九州道路について伺います。
昨日、野党が下関北九州道路について視察をしました。
この時に、国土交通省側に、全国で108ある地域高規格道路の候補のうち、この道路にだけ直轄調査費を付けたという根拠を尋ねたのですが、明確な答えはその場でありませんでした。
この点についてはいかがでしょうか。
(答)国会の委員会で答弁したと思いますが、過去5年間で5か所直轄調査をやっており、だいたい1年1か所というペースですから、108のうちここ1つだけ、下関北九州道路だけ直轄調査して、他は何も手を付けていないという状況ではございません。

(問)2つお願いいたします。
1つは、しまなみ海道の自転車通行料無料措置の延長報道についてであります。
御案内のとおり、本州四国連絡橋、しまなみ海道と明石海峡大橋を含めた2本は、地元が建設費の一定割合を負担するという前提で、児島・坂出ルート以外の2本は造られたと承知しています。
これが今ではプール制に入れられてしまった。
その理由は、通行量が少ない、結果的に借金が返せない、地元負担はごめんだという形でプール制に入っているわけですが、財政的に余裕があるなら、是非、プール制から本州四国連絡橋を外していただきたい、自動車ユーザーは非常に困るので、その辺についての国土交通省のお考えを聞きたい。
(答)しまなみ海道の自転車通行料金の無料措置については、地元自治体等と協力して、しまなみ海道の利用促進を図り、地域の観光振興に寄与するということで、2014年7月より実施しているところです。
要するに、車で自転車を積んで来て、しまなみ海道で自転車に乗ってもらうと、その結果として、自動車の利用を増やすという目的で自動車の利用も増やすと、自転車の利用も当然増やしますけど。
引き続き、その利用促進を図るため、これまで2019年3月末までとしていた無料措置の実施期間を、2020年3月末まで延長しています。
自転車の通行料金の無料措置によって、しまなみ海道周辺地域の観光振興が促進されて、その中で自動車についても利用促進が図られておりますので、結果的にはメリットがあると。
この自転車の通行料金の減収は年間で2千万円程度ですから、それを遙かに上回る増収があるということでございますので、非常に有効な利用促進策であり、観光振興策ではないかと考えています。

(問)意地悪ではないですが、自転車を積んでいく割合がどれだけあるのかとか、実際に無料制度を引いてから本州四国連絡橋、しまなみ海道の通行量が増えたというデータはあるのですか。
(答)平成25年度は1日あたり5704台でしたが、平成29年度は1日あたり6390台、12%増えています。

(問)大臣は、最近は車があるでしょうけど、タクシーの助手席の背もたれに動画広告を配信するタブレットが付いている車が今増えています。
新聞記者さんたちはよく見ていると思いますが、これが実は見ているのではなく、相手から写真を撮られていた、顔を撮られていた、それから一部音声まで撮られていたのではないかという疑惑さえあります。
これを運営している筆頭会社が、ジャパンタクシーという川鍋一朗さん。
この方、御案内のとおり、全国ハイヤー・タクシー連合会の会長さんでもいらっしゃいますが、ここが運営している会社が、タブレット装備台数が向こうの言い方で、1万台もあると。
4月の9日でしたか、国土交通省からも事情聴取されているようですけれども、「あなたの顔を撮ってますがいいですか」というのを一応聞くようにはなってきているけれども、こういうのを利用者に無断でやっていたことについて、何らかの規制を強化するだとか、実態を調べるだとか、そういうお考えはございますでしょうか。
(答)本年3月24日に、ジャパンタクシー社のホームページにおきまして、同社が展開いたしますタクシー車両搭載の広告配信用タブレットが行う端末カメラによる性別の推定機能について、カメラの存在及び利用目的の通知や公表が不十分である旨の指導を個人情報保護委員会から受けた旨が公表されました。
これを受けまして、3月25日に、国土交通省におきまして、同社から事実関係を聴取し、個人情報保護委員会からの指導を踏まえ適切に対応するよう求めたところでありますが、4月9日に改善を図った旨の報告を受けました。
また、4月11日に全国ハイヤー・タクシー連合会を通じまして、個人情報の取扱いについて法令遵守を徹底するとともに、配車アプリ、車載用タブレット等個人情報を取得する機能を有する技術の導入に係る対応状況について、実態調査を実施しているところであります。
国土交通省といたしましては、ジャパンタクシー社をはじめとする各社の対応状況について、引き続き注視しながら個人情報保護委員会とも連携し、適切に対応していきたいと考えております。

(問)高速道路各社が26日から実施する二輪車ツーリングプランについてお尋ねします。
対象エリアも拡がって、利用の促進も図られているようです。
インフラの有効活用の観点から、国土交通省はどのようにお考えでしょうか。
また、将来的には展望がありましたらお考えをお聞かせください。
(答)二輪車ツーリングプランにつきましては、高速道路会社等が、二輪車の利用促進及び地域の観光地やツーリングスポットの活性化を目的としまして、平成29年度から開始をしているところであります。
今年度のプランにつきましては、昨年度のプランに加えまして、北海道・四国でのプランも追加をいたしました全国19のコースで今月26日から実施され、詳細については先週12日に高速道路会社等から公表されたと聞いております。
昨年度は、14コース、約7万8000件の御利用をいただくなど好評をいただいておりまして、これによりツーリング需要を喚起するとともに、地域の観光地やツーリングスポットの活性化、高速道路の利用促進に繋がることを期待しております。
今後の展開につきましては、御利用状況や利用者の御意見等を踏まえ、高速道路会社において検討していくものと認識しております。

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