大臣会見

石井大臣会見要旨

2019年5月17日(金) 9:30 ~ 9:41
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはございません。
このほか私の方から1点報告がございます。
「高力ボルトの需給安定化に向けた対応について」であります。
鉄骨を緊結する資材である「高力ボルト」につきましては、国土交通省が実施した最新の調査によりますと、需給逼迫が続いておりまして、前回の10月調査よりも、納期が更に長期化し、調査対象会社の9割以上が工期に影響が及んでいる状況であります。
鉄骨需要量はこの1、2年で大きく増加していないことから、高力ボルトの納期の遅れ等から市場が混乱し、重複発注や先行発注、水増し発注を誘発して、実需以上の注文が一時的に膨れあがっていると考えられます。
このため、国土交通省では、納期・納入先が明確な発注を優先すべく、発注様式を作成し、関係業界あてに活用の徹底の要請を行います。
ボルトの需要・供給・流通の各段階の事業者におかれましては、不確定要素が高い発注を避け、「必要な分を必要な時期に」注文するというルールを徹底していただくようお願いをいたします。
詳細については後ほど事務方から説明させます。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)最近、滋賀県大津市や千葉県市原市と園児が巻き込まれる交通事故が連続して起きております。
道路の安全確保は各自治体がそれぞれ取り組んでいるところだと思いますが、道路を所管する国土交通省として、これらの事故を受けての対応をお聞かせください。
(答)5月8日に、滋賀県大津市におきまして、散歩中の保育園児に車両が衝突し、幼い命が失われるという大変痛ましい事故が発生いたしました。
また、5月15日にも千葉県市原市の公園において、保育園児を引率する保育士が怪我をする事故が発生をいたしました。
亡くなられた方には心よりお悔やみ申し上げるとともに、怪我をされた方の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
このようなことを踏まえまして、国土交通省では、園児等の交通安全について、警察等の関係機関と連携して、点検を実施することといたしました。
既に、5月13日付けで地方整備局等に通知をしておりまして、「過去5年間で子どもが当事者となった交差点での重大事故」の箇所や類似箇所を対象に、警察と連携して点検を始めております。
今後は、園児が日常的に利用する道路、散歩道等についての効果的な点検や対策の方法を関係府省庁と連携して検討し、速やかに実施していきたいと考えております。
国土交通省といたしましては、不幸な事故の再発防止のために、従前からの通学路や生活道路への取組とあわせて、交通安全の向上に全力で努めてまいりたいと考えております。

(問)度々で恐縮ですが、レオパレス21の問題ですけれども、先だって大臣の方から現状の報告があったと思うのですが、その後に、約1000件の新しい施工不良の問題が発覚しています。
この辺の問題について、改めて、今回のように調査が進む度に新しい問題が出てくるような状況について、大臣の所感をお願いします。
(答)レオパレス21が5月14日に公表した資料によれば、同社が施工した共同住宅の小屋裏等界壁の不備に関し、本年4月末時点の調査結果において、法令違反の可能性が高い明らかな不備のある物件が、調査対象の約3分の1に相当する7613棟、軽微な不備を含めると調査対象の約7割に相当する1万5628棟になっており、誠に遺憾と考えております。
国土交通省として既に指示をしております期限までの全棟の調査を実施し、必要な改修工事を完了させて不備の解消を図るよう、引き続き厳しく指導し、入居者の安心・安全を図ってまいる所存であります。
国の外部有識者委員会におきまして、今後、レオパレス21による原因究明結果の検証、建築確認検査制度のあり方を含む再発防止策の検討を進めまして、夏前を目途に提言のとりまとめをいただけるようお願いしているところであります。
国土交通省としては、いただく予定の提言を踏まえ、必要な対策を講じてまいります。

(問)今週、JR北海道から、北海道新幹線の高速化に伴う追加工事を120億円の自社負担で行いたいとの要請があったかと思います。
JRは国土交通省に助成あるいは無利子貸付の支援を求めるとしていますが、大臣の受け止めと今後の対応を教えてください。
(答)今月13日、JR北海道より、北海道新幹線の新函館北斗・札幌間について、利用者利便の向上及び経営改善を図るため、同社の工事費負担によって、同区間の設計最高速度を時速320kmとしたい旨、要請がございました。
加えて、2021年度から高速化に伴って発生する工事費の負担について、支援を求める旨の要請がなされました。
JR北海道に対する支援につきましては、国鉄清算事業団債務等処理法の規定に基づき、2020年度末までという期限がございます。
国土交通省といたしましては、JR北海道が2019年度及び2020年度の2カ年間で経営改善に資する成果を上げることを前提に、所要の法律案を国会に提出することを検討することとしております。
今回要請のあった支援につきましても、その中で今後検討していくことになると考えております。

(問)関連でもう1点お願いしたいのですが、今回の追加費用に関連して、今後、貸付料のあり方というのも論点になるかと思うのですが、島田社長は記者会見で、「控除されるものと考えている」との発言をしています。
貸付料の考え方としてこういった可能性があるのかどうか、昨日の財政審でもJRの負担増などが提案されましたけれども、大臣の見解をお聞かせください。
またJR東日本も、盛岡以北で追加工事をした上で高速化をしたいという意向ですが、貸付料については共通の制度設計になるのかどうか、現時点のお考えをお願いします。
(答)整備新幹線の貸付料については、開業前に営業主体であるJRとの協議の上、決定されるものであります。
北海道新幹線の新函館北斗・札幌間におきましても、開業前にJR北海道と協議の上、決定されるというところでありまして、現段階ではこれからの課題ということでございます。
東北新幹線の盛岡・新青森間の高速化につきましては、国土交通省といたしましてもJR東日本の意向を伺っていく中で、貸付料の取扱いも含めまして、今後必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

(問)本日、道路運送車両法の一部改正法案が成立の見込みとなっていますが、この法案に関連して国土交通省としての今後の取組についてお聞かせください。
(答)2020年目途での実用化が政府目標となっているレベル3及びレベル4の自動運転車について、設計・製造から使用にわたる総合的な安全確保策を講じることを目的とした、「道路運送車両法の一部を改正する法律案」を今国会に提出しているところでありますが、本日の参議院の本会議で可決・成立する見込みとなっております。
今後は、自動運転車に搭載される自動運転システムの安全基準の策定、型式指定の審査体制の整備など、本改正案の円滑な施行のための準備に取り組んでまいります。
この安全基準につきましては、国連の自動車基準調和世界フォーラム、WP29において国際的な検討が行われておりまして、わが国はその議論をリードしていますが、引き続き、日本の優れた技術を世界に展開すべく取り組んでまいりたいと考えております。

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