大臣会見

赤羽大臣就任会見要旨

2019年9月11日(水) 23:32 ~ 24:02
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

質疑応答

(問)今日就任されまして、まずは今後重点的に取り組んでいきたい政策課題など、就任にあたっての抱負をよろしくお願いします。
(答)大変時間がずれ込みまして、遅くなりまして大変申し訳ございません。
この度、国土交通大臣、水循環政策担当大臣を拝命いたしました公明党衆議院議員の赤羽一嘉でございます。
どうかよろしくお願い申し上げます。
今の御質問につきまして、先ほど官邸でも申し上げました、国土交通省所管の国民の皆さまの命と暮らしを守る、経済、地方創生に直結する大変重要な事項がたくさんありますし、陸・海・空と大変幅広い、大きな役所でありまして、気を引き締めて頑張っていきたいと思っていますが、所掌が大変多いわけでありますが、特に1つ目は、近年頻発する甚大な自然災害によって国民の皆さまの命と暮らしをどう守っていくのか、また自然災害の被害をいかに最小化していくのかという意味で、防災・減災、また国土強靭化の政策をしっかりと進めていかなければいけないということが1つ目です。
これは総理からの指示でも1番大きかったわけでございまして、こうしたことを一生懸命やっていきたいと。
今回、緊急3年間で、集中期間ということで、防災・減災の予算、総事業費7兆円、国の予算の半分くらい、3.6兆円ということですが、膨大な予算でありますけど、限られた予算でもありますので、そのことについては国・県・市町村がしっかりと認識を共有して、この地域で国と県が違うようなところに予算を使わない、効果的・重点的・計画的に使えるようなものにしなければいけないと、そうしたものをしっかりと進めていきたいというのが1つ目の柱です。
2つ目の柱は、私もやっていましたラグビーのワールドカップもこの9月から始まりますし、来年は東京オリンピック・パラリンピックも開催されます。
こうしたことも1つですが、観光先進国の実現をしっかり進めていこうと思っています。
その中には、交通機関等々のしっかりとしたものにならなければいけませんし、当然ここでもバリアフリーの社会づくりということも重要なアイテムであると考えています。
3つ目は、高齢者の自動車事故について大変痛ましい事故が頻発しておりまして、相当多くの家庭が、年配者の運転免許証を返還するしないということで、親子喧嘩になっているようなことが現実にありますので、そうした高齢者の事故の安全対策をどうしていくのかと、これは国土交通省だけではすまないと思いますので、様々な関係省庁と連携しながら、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
まだまだ課題は多いかと思いますが、今、登庁したばかりですので、今後関係部局ともしっかりと詰めながら、仕事を前に進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

(問)観光政策についてお聞きしたいのですが、政府で2020年に訪日外国人客4000万人という目標を掲げている中で、下半期は日韓関係の関係で韓国人の観光客の落ち込みもあるかと思いますが、そうした中、目標実現に向けてどのような政策が必要と考えていらっしゃるか、お聞かせいただけますでしょうか。
(答)韓国の問題は、足下は影響が出ていることは出ていますが、一般論として、政府と政府がうまくいかないということは、韓国だけではなくよくあることで、それが民間交流ですとか、姉妹都市交流ですとか、そうしたことまで影響するということは、お互いにとって得策ではないなと、人的交流が支えて、政府間同士がいろいろな問題があっても、そうした友好関係が深まっていくということが大事だと思いますので、そうした意味で観光政策は大事だと思っています。
そうした中で、今までビザの緩和などをやってきて、インバウンドは飛躍的に伸びているわけですが、私の地元が神戸でありますが、関西国際空港は随分インバウンドが増えていますが、率直に言うと、大阪や京都は訪日外国人の数が大変増えていますが、神戸も、また兵庫県各地、また四国・中国地方は相当な伸びしろがあるのではないかと。
兵庫県でも、有馬温泉や城崎温泉、姫路、また淡路島ですとか、今は地続きで四国にも行けますし、観光資源というのはまだまだ磨きをかけられる部分がたくさんあると思いますから、そうしたことをどう仕掛けていくのかというのは、やはり知恵を使っていかなければいけないかと思いますが、それをしっかりやっていくということが、それぞれの地方の地域経済のプラスになるわけなので、少しいい知恵が出るような、うまい仕掛けというか、そうしたものを考えていかなければいけない。
いわゆるゴールデンルートだけにインバウンドのお客さまが集まるのではなくて、日本の各地域のそれぞれのところ、古民家の活用とか、農泊連携とか、様々なお話もあるかと思いますが、まだまだ十分いろいろなやり方があるのではないかと思っていますので、国土交通省の政策として、わが国の基幹産業という形が正しいかどうか分かりませんが、観光政策をがんばっていきたいと思っています。

(問)先ほどの官邸での会見でもおっしゃっていた、九州新幹線の西九州ルートについて、予定通り進めていきたいということをおっしゃっていたかと思いますが、この発言で意図されていたのは、未着工区間も含めてのものなのか、あるいは既に着工している武雄温泉から長崎までのルートを指しているのか、そこを教えていただけますか。
(答)九州だけではなく、北陸や北海道についても、決まったところは粛々とやっていきたいという話であります。
問題があるところについても、政府与党の合意もありますので、それを地元とどう詰めていくのかということは、課題として認識して、検討していかなければいけないということであります。

(問)減災・防災、国土強靭化のための3か年緊急対策についてお伺いします。
冒頭の発言の中でも強力な推進ということで重点項目事項に挙げられていらっしゃいましたけれども、発言にありました国・県・市町村の連携ですとか、効果的な予算配分以外に具体的にこの対策をどのように進めていくか、大臣自身の具体的なお考えがありましたらお聞かせ願いますでしょうか。
(答)どのようにというか、この3年間は良い事業計画を作って、しっかりと前に進めていくということのほかにという意味でしょうか。この3年間に限ってですか。
(問)この3年間に限って、その計画の実施にあたりまして、特に重視されていきたい手法の部分、市町村との連携や予算の配分の話がありましたが、それ以外にこれを実現していくために、何か重視されたいことがありましたら、それをお聞かせください。
(答)自然を相手にするということは、地元の中で、2級河川が横に流れていて、河川の河道の掘削とかということも考えて、国の計画だけではなくて、県の計画もあわせてやっていかないとうまく早期に解決ができないという思いを持っているということが1つと、国土交通省として、今回の防災・減災の国土強靭化のための3か年緊急対策というのは国土交通省の中で67の項目の対策があるので、それについて省の総力を挙げて取り組むということです。
それから中でも河川の観測ですとか、監視施設の緊急対策の8項目については、3年間ではなくて今年度中に目標を達成するということです。
また、ハードだけではなく、ソフト両面をあわせて対策をとっていくということ。
国土交通省の政策から外れるかもしれませんが、災害対策というのは自助・共助・公助というのが当然あって然るべきで、そうしたことまで目配せしながら、国と地方自治体それぞれが、防災意識、減災意識を持って、予防対策をしっかり進めていかなければいけないと思っています。

(問)先ほど、限られた予算を効果的にというお話しをいただいたのですが、北海道・北陸・九州の各整備新幹線の建設費について、お伺いしたいのですけれども、来年度予算の概算要求では、人件費とか資材費の高騰を踏まえて、事項要求ということになりましたけれども、政府与党とか財務省の中には、JR側に一層の負担を求めるべきではないか、という意見もあります。
膨らむ建設費について、今後どのように対応をされるのか御所感をお願いします。 
(事務方)建設中区間の整備新幹線の建設費ですけれども、昨年来、北陸新幹線の金沢・敦賀間と九州新幹線の武雄温泉・長崎の間で、合計で3450億円ほど増加するという見込みになっております。
大きな手当の枠組みは、昨年の編成過程の中で、与党の中で対策を承認していただきましたけれども、なお、追加的に具体的な財源構成を決定しなければいけない部分が残っているということで、この夏の概算要求では、来年度要求について、今年度の国費792億円に加えて増加分を事項要求する、という形で要求をさせていただいておりまして、この編成過程の中で財政当局ともしっかり議論していくということかと思っております。

(問)官邸でもお伺いしたのですけれども、リニア中央新幹線について、最近地元の知事との会議が行われたりとか、国土交通省も最近は出てくるようになってきていますけれども、改めてちょっと難しい問題かもしれませんが、国がどのように関わっていけばいいのか、民間の事業でもあるので難しいところとは、そうはいってもリニアはすごいものだと仰っていたので、これをまず1点目にもう一度改めてお伺いします。
もう1つは、大臣がさっきからずっと仰っていたバリアフリーについてですが、どのようなお考えを持っているのかをお伺いしたくて、私、りんかい線というところを使っていて、すごい地下深いので、エレベーターは結構設置されているのですけれども、今までは全くエレベーターを使ったことはないのですけれども、子供が生まれてベビーカーを使うと、エレベーターを使いたいと思うのですけれども、いざ使おうと思っても、ベビーカーの人も、車いすの人もほとんどそっちのけで、サラリーマンがブワッーて、多分車いすの人とかは何十分も前から家を出て、せっかくエレベーターがあるのに使えない状況があるので、こういったものはどうなのかなと最近思っているのですけれども、大臣の考えるバリアフリー、どういった考えの下に、今後オリンピックに向けて相当バリアフリー化は進んでいるのですが、現実として必要な人が使えていない状態があるので、どうしたいかというのが、これが2点目です。
(答)2点目からです。
私が初当選した頃、もう25年くらい前ですけれども、その頃というのは、エレベーターがある駅は本当に少なくて、視察に行きますと必ず一番不便なところに申し訳程度に車いすでは乗れないような小さなエレベーターがあるというのが大体常でした。
なぜなのかなと思ったときに、このバリアフリーの施設整備をしても、分かりやすくいうと乗降客がそんなに増えるわけではないし、なかなか鉄道事業者としては辛い設備で、古い駅には設置する場所もなかなかない、そういう中で本当にこのままでいいのかなと。
私もその頃は子供がまだ小さくて、急な階段が多くて危ない状況もあり、高齢者の方とか、障害を持たれている方もなかなか鉄道を利用しにくいという側面もあったと。
この中でなんとかしなければいけないと思ったときに、それまでのバリアフリー政策というのは、福祉政策的なところがあって、多少使い勝手が悪くても我慢しろとは言わないですが、そういう雰囲気を私は感じていて、ちょっとおかしいのではないのかと。
やはり多くの人が利用する公共施設では、バリアフリーが当たり前の世の中にしていかなければいけないなと私は思ってずっと関わってきたわけです。
その1つには、交通バリアフリー法という新しい法律を作って、当時は当然その中でも毎日乗降客5000人以上とか様々な制約があったものの、新しい法律が出来て、加えて予算も、国が3分の1、地方自治体が残り3分の1、鉄道事業者が3分の1というような、予算のあり方も変えたと。
それで鉄道局を中心に頑張ってもらって、私の記憶している限りですと、バリアフリーの通信簿みたいな形でホームページを見ると、どこの駅のバリアフリーが進んでいるのかというのが明らかになっていって、1990年代というのは、バリアフリーなんて言葉はほとんど通じなかったのですが、今やどんな高齢者の皆さまだって、バリアフリーというのは当たり前のようになっています。
その意味では、まずバリアフリーの設備自体が相当この20年間で進んできたというのが私は事実だと思うのですね。
ただ、今のお話しを聞いていると、せっかく出来てもなかなかそういった状況があるということは、ハードの面というよりソフトの部分でのバリアフリーの足りなさということがこれからの課題になるのではないか、これはわが国の課題になるのではないかと思っていますので、そうしたソフト面のバリアフリーについての何らかの法改正も検討しなければいけないのでないのかという意識もありますし、特にハード面も国内で首都圏と西日本で比べると、随分首都圏の方が先行しておりますし、毎日の乗降客3000名、5000名とか、どうしてもお客さんの多い所が、バリアフリーが進んでいるということもあります。
去年でしたか国会でバリアフリーの法改正があったときに、いろいろな議論が出ておりましたので、そうしたことも踏まえながら、財源の問題もありますが、できるだけ駅というような施設はバリアフリーが当たり前の世の中にしていきたいと私は思っているところであります。
1つ目について、先ほど言葉足らずで、自分自身もリニア中央新幹線の問題についてはしっかりと捉えていかなければいけないということで答弁させてもらったのですけど、主体はJR東海ですので、ちょっと誤解があったので訂正しないといけないのですが、どこまでいってもJR東海が主体ですが、静岡県とJR東海の協議が進められて、本年8月に3者で、国土交通省も入れて合意したところなので、その合意に沿った形でしっかりと話し合いが前に進んでいくように、私も大臣として頑張っていきたいと思っております。

(問)IRについて伺います。
2016年に解禁法の採決のときに、当時、ギャンブルについての懸念を理由に、採決の前に退席されている経緯があると思うのですけど、その後、入場回数などのギャンブル依存症対策などが盛り込まれて、実施法には賛成されたと思うのですけど、まだ、ギャンブル依存症対策については、懸念も根強くあると思うのですが、この点について進めていく立場になられたわけですが、現在の大臣の認識を改めて教えてください。
(答)仰るとおり議員立法でのIR推進法については、当時、推進法の中には日本でやろうとしているIRの具体的な内容というのはほとんど書かれてなかったとか、そういう意味で御指摘のように経済政策的なメリットと社会政策的なデメリットをどう判断したらよいか、そのとき個人的には判断しかねたので、賛否を留保したという経緯は事実です。
しかし、それが成立して、閣法として整備法が出され、これはちょっとお答えしましたが、IRという施設、カジノだけが注目浴びていますが、IRの面積3%以内とか、国際会議場とか、リゾート施設というか滞在型の施設であるとか、加えて、私は依存症対策についてもそれなりのものができたかなということもあって、整備法の採決は賛成しました。
今、こういう立場を与えられたわけですから、職務に忠実にしっかりと所要の準備を着実に進めていかなければいけないと考えています。

(問)国土交通省はこれまで小さな拠点だとか、道の駅の活性だとか、農山村再生、地方創生に取り組まれてこられましたけれど、大臣が特に農山村再生で力を入れたいことは何でしょうか。
(答)私の選挙区の神戸市北区は、六甲山の裏なので農村地域が多いです。
そこに淡(おう)河(ご)というところで、全国の政令都市で第1号の道の駅ができまして、そんなに規模は大きくないですけど、その中で、手作りで地元の婦人会の皆さまが地産の十割そばを自分達で作って、そのレストランをオペレーションして、最初は細々と始めていたのですが、マスコミに取り上げられたり、国土交通省の会議で、奮闘しているユニークな道の駅だということで、その中心者の婦人会の会長がここに来られて委員として出ていて、逆にここで得たことをフィードバックしたり、今年の7月だったと思いますが、新しく規模を拡大して、内容も充実して、当然農村ですから少子高齢化、人口減少が進んでいますけど、非常にその中で地域興しというか、とてもうまくいっているという実例が私の足許にあります。
農家の皆さまも当然、直売所のようなこともありますし、農家の皆さまたちの相当大きな励み、やる気になっているのではないかと。
地元JAとも一緒にやっているケースですけれども、そうしたこともよいし、私の地元ではありませんが公共交通の実証実験として、道の駅を拠点とした自動走行のコミュニティバスみたいなものの実証実験も始まっていると承知もしておりますので、そういう意味で小さな拠点というか道の駅、これは、人口が減って過疎化が進んでいる地域であるがこそ私はすごく大事なことだと思いますし、最近、私の北区にもう1ヵ所できておりまして、インバウンドのお客さんも結構来られていて大変うまくいっている例もありますので、すごく大事にしなくてはいけないなと思っています。

(問)物流や運転手の人手不足などの対策で、ドローンの活用や自動運転などの実験が民間で進んでおりますし、国土交通省としてもいろいろと検討していると思うのですが、そういった問題への大臣の問題意識などをお聞かせください。
(答)第二次安倍内閣の発足した六年半前のときに、経済産業副大臣兼東京電力福島第一原発の現地対策本部長として1年9ヶ月間仕事をしておりました。
その中で原発事故の被災地域、福島県の浜通り地域はある意味でこれからの展望が何もない感じが、そういう、ある日突然事故が起こってふるさとに戻ることが許されない期間が何年も続いている、そういった地域があってそこに対してもふるさとを回復するか、どのようにこの地域を再生するか、そこに住んでいた人たちがどのような希望を持って復興に立ち上がってもらえるのかと考えたときに、実は今、福島イノベーションコースト構想、これは法定化もされて予算も付くようになりましたが、アメリカの西海岸でかつて放射能が漏れてすごく大変だった地域が再生したというモデルケースがあり、そこに視察に行きまして、原発事故という未曾有の事故にあった地域だからこそ、そうしたきちんとした新しい再生モデルを掲げて国の責任で進めていかないといけないという中で、ロボットという拠点は1つの大きなものでして、ディザスターシティといって災害の訓練所、アメリカのFEMAの訓練所になったりロボットの訓練所になったり、実はその地域に近くテキサス・エ-・アンド・エム大学の敷地の中にあるのですね。
そこはドローンの実験ができるというか、そういうフィールドを作っています。
そこでドローンのいろいろなことを仕掛けているということに関わっていて、それは相当程度うまくいっておりまして、2020年のロボットの世界大会の会場にもなると。
実はその中であのような過疎地域なものですから、モノの運搬は大事で、ドローンで海岸までスープを届けるといったデモンストレーションも数年前からやっていると。
それは原発事故からの再生プログラムなのですが、私はやはり、全国の地域は人手が不足して物流が本当に厳しい局面、問題を抱えている地域が多いと思います。
そうしたところにドローンというものは今後前向きな活用、農業とか物流ですとか、公共事業についての老朽化したインフラの点検ですとか、実際に一部やられていると思いますが、そのようなことをしっかり活用しながらドローンの有効的な前向きな活用に私も国土交通大臣としても頑張っていきたいと思います。

ページの先頭に戻る