大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2019年9月24日(火) 11:06 ~ 11:31
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件につきまして、私から報告するものは特にございません。
別途、先日視察をさせていただいた1点報告があります。
9月21日~22日に、高円宮妃殿下の御臨席を仰ぎ、岩手県陸前高田市で開催された高田松原津波復興祈念公園のオープン式典に、主催者として岩手県知事、陸前高田市長とともに出席させていただきました。
その後、震災復興事業の視察を行ってまいりました。
視察先は、釜石港、釜石市の鵜住居(うのすまい)復興スタジアム、ラグビーワールドカップの会場です。
陸前高田市における土地区画整理事業、気仙沼湾横断橋、北上川河口部のかわまちづくり等も見せていただきました。
震災復興の進捗状況や、震災により未だに御苦労を強いられている状況など、現地で改めて実感することが出来ました。
中でも、地元首長の皆様からは、復興から今日までの御苦労や復興に向けた具体的な取り組み、様々な御要望など、直接お話を聞くことが出来たことは、大変意義深いものでした。
私も3.11震災直後から幾たびとも足を運びましたが、改めて、今回の3.11の東日本大震災、津波、震災でお亡くなりになられた皆さまに御冥福をお祈り申し上げますとともに、改めて被害を受けられた全ての方にお見舞いを申し上げ、大自然の猛威を認識しながら、今後、災害が起きても被害を最小化できるような防災・減災、国土強靱化にしっかり取り組んでまいりたいと決意したところです。
私からは、以上であります。

質疑応答

(問)IRについてですが、今月始めに基本方針を示されました。
その後、観光庁の方で自治体に意向調査を行っておりますけれど、その結果はいかがだったでしょうか。
また、この意向調査を元に整備計画の申請を受け付ける時期についても調整していくことになると思いますが、その辺りのスケジュール感や進め方についてお願いします。
(答)これまでも御報告いたしましたが、9月9日から19日にかけて、全ての都道府県と政令指定都市に対し、IRの認定申請の意向に係るアンケート調査を行っていたところです。
この調査の結果、北海道、千葉市、東京都、横浜市、名古屋市、大阪府・市、これは一体です。
和歌山県、長崎県の合計8団体から、「認定申請を予定又は検討している」との回答がありました。
今後、観光庁におきまして、今言いました自治体にヒアリングを行いまして、その準備状況を把握したうえで、認定申請の時期の設定や、基本方針の策定などにつきましても、ヒアリングを踏まえながら、所要の準備を着実に進めてまいりたいと思っています。
具体的にはこれからヒアリングを進めてということになります。

(問)週末の台風17号ですけれども、宮崎では竜巻被害も発生しましたが、省としての対応等をお聞かせください。
(答)台風第17号は、沖縄地方、九州北部及び中国地方に接近し、今、仰られたように宮崎県では竜巻による被害が発生するなど、各地で暴風や大雨による被害をもたらしました。
まずは今回の台風17号によりまして、被災された皆さま方に心からお見舞い申し上げます。
また、台風の影響により、広い範囲において鉄道の運転見合わせや航空便の欠航等が発生しました。
また、延岡市で発生した竜巻により、JR貨物の施設の一部が被災したほか、コンテナが飛散し、周辺の民家に被災があったところです。
高速道路や直轄国道などの幹線道路の被災はありませんでしたが、河川では、長崎県対馬市で県が管理する複数の河川で氾濫により家屋等の浸水状況が発生しました。
国土交通省の対応としては、台風の影響が懸念される県などに地方整備局や気象庁からリエゾン等を派遣するとともに、市町村へのホットラインにより注意喚起や支援の申し出を行っているところです。
延岡市で発生した竜巻について、気象庁が現地での被害状況調査を行うとともに、延岡市からの要請に基づき、九州地方整備局がブルーシートや土のうを提供しているところです。
また、海上保安庁では、重要施設周辺において船舶の錨(びょう)泊(はく)禁止等の措置を講じるとともに、航行警報等で注意を呼びかけるなど、台風の接近に備えた対応を実施しました。
また、巡視艇により中国電力職員等を停電が発生した離島に搬送しました。
引き続き、現地の被災状況を把握するとともに、被災自治体の支援に取り組んでまいります。
私自身も、明後日、延岡を視察する予定となっています。

(問)台風15号についてお伺いいたします。
住宅被害のうち国の支援の枠組みから外れる一部損壊について、国土交通省の「防災・安全交付金」や総務省の特別交付税を措置する形で、国が補助を拡充するという報道が一部でございますが、こういった関係について国土交通省分、あるいはそれ以外も含めて、概要がお話しできるようでしたら、御説明と狙いについて教えてください。
(答)これまでも申し上げてきておりますが、千葉県に入ったときに、現地を調査しながら、ずいぶん屋根がやられている住宅がたくさんある、これは一部損壊なのか半壊なのか微妙なところで、一部損壊の被害家屋が相当多くなるのではないかということは、省内でかねてから検討していたところでございます。
新潟県村上市また山形県鶴岡市でも同様の特別措置を取ったところでありますが、この前も申し上げましたが、まず千葉県では、昨日の災害対策本部会議において一部損壊の住宅についても国の交付金を活用して支援する方針を明らかにされたわけでございます。
それ以前に、国土交通省から千葉県に対しまして、鶴岡市また村上市といった特例の対応を取りましたので、同じようなことを検討したらどうかということを言っており、昨日、千葉県からこうした方針が明らかになったということでございますので、しっかりと進めていきたいと考えております。
このスキームにつきましては、自治体が被災した住宅の耐震性の向上等に資する補修について支援を行う場合に、国が「防災・安全交付金」の効果促進事業の対象として支援を行うこととしています。
それに加えて、総務省におきまして地方負担額の8割を特別交付税により措置することとしておりますので、全体では支援額の9割を国が負担することとなると承知しております。
これが、国土交通省が、今回、具体的になるべく早く措置したいと考えていることでございます。
週末の各種報道を見ておりましても、一部損壊の住宅には国の支援対象がないということで、大変不安に思われている被災者の方も多いと心配しておりますので、そうした心配は当たらないように、できるだけ全力で行いたい。
これが1つでございます。
加えて、ここから先は国土交通省の所管ではなく、内閣府の防災担当でございますが、私も同じような感想を持っておりましたが、これまで半壊や一部損壊という線引きは、阪神・淡路大震災の時にものすごく大きな被害が出て、その罹災証明の認定ということはいろいろ難しい問題がありました。
その明確な基準をということで、今定められているような、固定資産税との絡みで決めていると承知していますが、屋根が損壊した場合は全体の15%というような基準ができておりまして、ただ、今回のように屋根が損壊しながらその中に雨が降り込んで水浸しになったという被害について、本当に一部損壊ということでいいのかという議論があるということは、私は、それはありうる議論、御意見だと思っていますし、これは私が言うべきことではありませんが、被害の実態を丁寧に見ながら、一部損壊ではなくて半壊ですとか、あるいは大規模半壊、全壊という判定になるケースもあるという対応をすると承知しております。
私はこれまでも自分自身、議員立法で災害に関する「被災者生活再建支援法」の制定等をやってきましたが、被災者を救うという観点で作ってきたのが立法の精神でありますので、被災者をできるだけ救っていきたいというのが私たちの思いでございますので、今回もできる範囲で特別な措置を県と被災自治体と連携をとりながら速やかに実行できるようにしていきたいと思っています。
(問)一部損壊について、今回かなり拡充されてはいるのですが、一時的な災害ごとの対応ではなくて、恒久的な制度を設けたらどうかということも御指摘される自治体の首長さんですとか、有識者の方もいらっしゃるのですが、そういったことに対する大臣のお考えも聞かせていただいてよろしいでしょうか。
(答)今回のことが大きな契機となって、内閣府防災を先頭に政府の部内でそうした議論が行われることは当然だと思っています。
加えて、一般論になりますけれども、防災・減災というのは「自助・共助・公助」ということが大事だと思いますので、そうしたことも踏まえながら、ありうべきよりよい制度を作っていくということが非常に重要だと思っています。

(問)IRの件で、宿泊施設や展示施設の要件が厳しいということで、一部の地方の自治体から大都市ありきじゃないかというような声もあると思うのですけれども、その辺について、大臣のお考えを伺えればと思います。
(答)そういう声があるのかないのか、私は承知していないのですけれども、今回のプロセスの中で、大都市であるか地方都市であるかに関係なく、優れたものが認定されると考えております。
ですから、観光政策でも、いわゆる首都圏周辺だけではなくて、それぞれが地方の特性を活かしながら、インバウンドがすごく成功しているような事例もありますし、そう言う意味では、そうした御心配の声は理解はしますけれども、そうした懸念が当たらないような審査を進めていかなければならないと考えております。

(問)台風15号の発災直後の対応について伺います。
先日の会見で、リエゾンの派遣で首長の身近に寄り添いながら災害に対応するのが大切で、と仰ってました。確かにそうだと思います。
今回の対応について、台風上陸の前日の8日に、国土交通省からリエゾンを2人派遣されて、その上陸当日に5人に増やした後で、ただ翌日に2人にリエゾンを減らしてしまっていて、その後、リエゾン以外の職員派遣についても若干減らして、翌日にまた戻しているというような経緯があるようなのですが、停電など被害状況が分かりにくかったとはいえ、一時的にも大切だと言われているリエゾンを含めた派遣職員を減らした当時の判断について、どのような認識に基づいて当時判断されたのか、大臣はどのように考えるのか、教えていただいていいですか。
(答)私の就任前なのですが、9日に千葉市に1名、成田市に1名、茨城県に1名、静岡県庁に2名出したと、仰るとおりなのですが、そのときは、リエゾンは自治体の要請を踏まえて派遣を行っていると。
ですから成田市は、土砂災害のおそれがあるというところに派遣をして、そして勝手に帰ってきたわけではなくて、自治体としてはこれで結構ですということで戻されたと。
本格的には、11日から台風15号の千葉県内、私が任命を受けたときからから派遣が始まって、14日に私が行って、これは申し上げたとおりですけれども、リエゾンの専門家が現場の首長さんに寄り添う必要があるということで、加速しているということです。
私の実感としては、今の台風15号におけることについては、11日の任命以来、リエゾンは増やすということで派遣をし続けているということで承知をしております。
(問)そうすると、国土交通省の対応としても特に減らしてはいなくて、先ほど聞いていると、千葉以外のところのリエゾン派遣だと、3人ですか、だから千葉については特に減らしておらず、情報が出てきた段階で増やしているとそういう理解でよろしいでしょうか。
(答)まず自治体の要請を踏まえてということでありますが、11日に任命を受けてから、プッシュ型でこちらから派遣をするという方向で加速せよという指示はしました。
(問)任命前のところで、一回減っていることについて聞いているのですけれども、そのことについての対応は。
(事務方)土砂災害中心でまず派遣して、そのおそれがなくなったということで撤退し、その後またいろんな状況に応じて派遣したということであります。

(問)2点伺います。
1点目がIRについてですけれども、確か、去年9月から11月の間にも同様の調査をされていて、8自治体のうち7自治体はおそらく去年の調査と同じ自治体で、前回は申請が未定だった名古屋市が加わった形だと思うのですけれども、この8団体が申請したということについて、これは多いのか少ないのか、来年から具体的にいろいろ事務作業が進んでいくと思うのですが、この段階で8団体というのは、多いのか少ないのかを伺います。
(答)多いのか少ないのかというのは、コメントする立場ではないと思いますが、それぞれ各地方都市全般に、地方創生、また、観光政策の拡大ということは、同じ様に共通の認識だったと思いますし、このIRという初めての試みについて、そうした8団体がチャレンジしようということについては、大変頼もしく思います。
多いかどうかというのはコメントする立場ではないと思いますし、なんの感想もありません。

(問)もう1点が、10月25日、26日に北海道のニセコでG20観光担当大臣会合が開かれます。
あと1ヶ月に迫ってまいりましたが議長国としてどのような議論をされるのか、また関連で、参加国は2国間会談を設定することができますが、大臣はG20のメンバー国の韓国と、今、韓国からの観光客が減っている問題について協議する予定があるのかお願いします。
(答)まず、G20観光大臣会合が北海道の倶知安町で開催されるということで、私自身意欲をもって取り組みたいと考えています。
それぞれ参加を予定されている国々との間で事前に議題や課題について調整をしておりますが、観光客と地域社会の双方に貢献する観光地域づくりということでございまして、今、わが国で一生懸命やっておりますが、著名な観光地以外の地域へも誘客を進めて観光の利益を幅広い地域で分かち合うことについて議論をしたいということですとか、外国のお客様が来られるとマナーやルールがわが国の文化との違いがありますので、そうした周知の仕方について議論をしたい、ということが一つの大きなテーマになっていると承知しております。
もう1つは観光に関する諸課題の解決に資する技術革新について議論をしたいという強い意向があります。
これはわが国だけではなくホテル・旅館でのICTサービスの導入によって人手不足の緩和をするですとか、ICTを活用することで混雑度の見える化を進めて観光地の混雑緩和、今行ったらお客さんが大変多くてなかなか十分堪能できない、といったことが事前にわかるような、そういった技術革新をしたいということがテーマとなって、こうしたことを議論していきたいと考えております。
まだ一月ありますので具体的な内容を詰めていきたいと思っております。
私はせっかく世界各国から観光関係者が北海道に来訪される貴重な機会でございますので、こうした機会に北海道並びに倶知安町の魅力を世界に発信できるように、また、北海道、加えてわが国へのリピーターがこの会議を機により増えるように充実した内容にしていきたいと思っています。
せっかくの機会でありますのでできる限りバイ会談にも積極的に取り組みたいと考えておりますが、韓国については、韓国だけではなく各国もそのようなのですが、出欠を確認中ですので出欠の状況がそろい次第、各国の出欠状況を踏まえてバイの会談については調整していきたいと思っています。
個人的には要望があればしっかり臨んでいきたい。先日も日中韓三カ国の観光大臣会合が8月末に行われ、石井前大臣も参加をしておりますので、そうした良い流れが継続できるような良い会合にしていきたいと、私はこのように思っております。
(問)韓国との2国間会談も希望されているということでしょうか。
(答)出席されれば、ですね。やぶさかでないということです。

(問)弊社の取材で国土交通大臣指定の指定確認検査機関の代表が顧客から金銭を受け取った上で、申請で便宜を図っていたということがわかりました。
民間開放前から審査が甘くなるという指摘が日弁連などからもありまして、制度のあり方について大臣のお考えをお願いします。
(答)今御指摘の報道があったことは承知しておりますが、今回の報道は東京都町田市にある国指定の確認検査機関という記述はありますが具体的な検査機関の名称が特定されていないということ、また、個別の案件に関することですので現在、当省の対応について現状ではお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
(問)町田市にある国指定の検査機関は1つしかなくて国土交通省は緊急の立ち入りを2年前にしてまして、その当事者も内部で不正を認めているということで把握されていると思いますが、まだ処分も何もなくて監督体制など適切だったのかその辺りについてもお聞きしたいのですが。
(答)今回の報道の件も含めまして国土交通省として確認検査機関について厳しく立ち入り検査や調査を行い、仮に不適切な行為が確認された場合には処分基準に従ってしかるべき行政処分を行っていくことになると考えております。

(問)IRについてお伺いします。
先ほど認定申請予定もしくは検討予定との回答が8団体ということでしたが、このうち横浜、和歌山、大阪、長崎は既に表明されていますが、他の自治体はまだ正式には表明していません。
ということはこの4自治体というのはまだ検討中という理解でよろしいのでしょうか。
もしくはアンケートの中にそのような、たとえば申請予定である、という意思を示したりしているのでしょうか。
お願いします。
(答)認定申請を予定又は検討しているのが8団体であるということでありまして、それ以上のものではないということです。

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