大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2019年9月27日(金) 10:28 ~ 10:46
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 閣議案件で報告するものはございません。
それ以外に、宮崎県延岡市及び熊本県内の視察について報告させていただきます。
かねてより、3年前の4月に発生した熊本地震については、私も発生直後に現地を視察させていただきましたが、益城町(ましきまち)では住宅損害が大きく、また、斜面の大崩落で阿蘇大橋、国道57号線そしてJR豊肥線が寸断されるなど大変な大災害で、本当に大変な復旧・復興だなと心に思っておりましたので、国土交通大臣の任命を受けた以上は、その後の進捗状況、まだまだ困難が伴っていると思いますので、現地に足を運んで現場の皆さまの声を聞きたいということで予定をしておりました。
また、今般の台風17号によりまして延岡市が竜巻の被害を受けたということで、急遽、延岡に先に入りまして、延岡市の竜巻の被災状況を、その後に熊本地震により被災した箇所の復旧状況について視察したところです。
まず、延岡市の視察では、延岡市長より竜巻による被災状況の説明を受けたのち、瓦屋根の修復についての要望書をいただきました。
住まいや生業の再生についても、被害の状況等を十分に踏まえつつ、延岡市とも相談しながら、復旧の支援に努めてまいりたいと考えております。
延岡駅周辺では、過去、2006年にも竜巻によって列車が脱線・横転する事故が発生した経緯があることから、JR九州において研究機関とともに突風対策のあり方等について調査を進める予定と聞いているところです。
国土交通省としても、この調査に必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
午後からは熊本県に移りまして、熊本県知事と「熊本地震からの創造的復興」についての意見交換を行い、その後、熊本城の復旧工事の状況について熊本市長から御説明をいただきました。
さらに、住宅被害が広がっております益城町(ましきまち)の区画整理事業、災害公営住宅、宅地の復旧状況について視察させていただきました。
その後、阿蘇大橋地区及びJR豊肥本線・南阿蘇鉄道の復旧状況をそれぞれ関係の責任者の皆さまの御説明を受けながら現場を視察しました。
大規模で難易度の高い復旧工事ではありましたが、熊本県知事から感謝の言葉もいただき、着実に復旧・復興が進んでいることを確認しました。
改めて地震による被害で不通となっている道路や鉄道インフラの一日も早い復旧に向け、難しい工事が続きますので、引き続き、緩みなく無事故で事業を推進する必要があると実感したところです。
国土交通省としましては、引き続き、関係機関と連携し、被災箇所の一日も早い復旧に総力を挙げて取り組むとともに、激甚化する自然災害から国民の皆さまの命と暮らしを守るインフラづくりは、国土交通省の最大の使命と責任と考えておりますので、しっかりと努めてまいります。
私からは以上です。

質疑応答

(問)先般の台風15号の際、成田空港が、国土交通省から着陸制限の打診をされながら要請をしていなかったとの報道があります。
これについての事実関係を確認したいのと、成田空港に災害のおそれがある場合、着陸便を絞り込むことでターミナルの混雑を緩和するという案を国交省と協議をしているとの報道がありますが、事実関係と今後の対策の進み具合に関してよろしくお願いします。
(答)9日の月曜日、台風15号による鉄道の運休等により、結果として約1万3300人の方が成田空港で一夜を過ごすという大変な状況になってしまいました。
事実関係を確認しますと、9月9日に成田空港事務所から、成田空港会社に対し、成田へ向かう便の出発地での離陸を制限する措置を講じる提案を行いました。
これに対し、成田空港会社は、一部のアクセス鉄道やバスの運航再開の目途が立っている等の理由で、そうした措置はとらない判断をしたと聞いております。
しかし、滞留者はその後も増加したため、国土交通省航空局が航空会社へダイバート、着陸を成田空港ではなく他の空港にという打診をしまして、結果として3便が羽田に着陸しました。
こうした経緯も含め、当日の対応に関し、成田空港会社や成田空港事務所と検証を進めているところです。
今後、できる限り御不便をかけないよう、到着地を変えることは利用者にとって負担になるのでなかなか難しいですけれども、最終的に結果として大きな不便をかけないようにしたいと。
成田空港会社と利用者目線に立った検証を進め、早期の見通しを踏まえ、ダイバート等の発着の弾力化、外国人旅行者も6割くらいいたと聞いておりますので、外国人の方からすれば初めて来る成田で足止めとなった方も大勢いらっしゃると思いますので、不安にならないように、外国人旅行者も含めた利用者への適切な情報提供、代替アクセスの円滑な確保、また、交通網が動いたときにどのくらいの利用者を運び出せるのかという読みも甘かったと思いますので、そうしたことについて対策の見直しや必要な訓練を早急に行っていくことにしたいと思います。

(問)タクシーの運賃の値上げについてお尋ねします。
来月からの消費増税に併せて、25都道府県から値上げ申請がありましたが、増税分のみ認められて、追加の値上げが認められなかったという今回の国の判断に、タクシー業界から戸惑いの声も聞こえました。
改めまして、追加の値上げの認可を見送った理由と今後どのような条件や環境が整えば認められるのかお聞きします。
(答)タクシー業界の皆さまが長らく料金値上げを行ってこなかった、また、それの1つの起因材料として、人手不足の状況が続いている、待遇改善も行っていかなければならないという課題があることも承知しています。
そういう中で、運賃の改定の申請があったわけですが、10月1日、消費税の改定に伴う値上げとともに、併せて通常の運賃改定を行うことは、物価問題に関する関係閣僚会議にあたりまして、複数の関係省庁から、一緒に上げることはどうなのか、より丁寧な検討が必要ではないか等の意見が示されたと承知しております。
これを踏まえ、今回は消費税の引き上げだけで通常の改定は行わないとし、引き続き各地方運輸局において、通常の運賃改定の審査は継続することとしております。
今後のスケジュールと条件についてのお尋ねがありましたが、これについては、各地方運輸局を通じて地域の利用者の受け止めやタクシー事業者の声もよく聞きつつ、また、消費税を上げた後の経済状況、影響も見極めながら、丁寧に検討していきたいと考えております。

(問)大阪空港の件でお伺いいたします。
大阪空港の保安検査場で係員が刃物のような物を手荷物に入れた利用者を通してしまうミスがあって、検査場が一時閉鎖されるトラブルがありました。
欠航等の影響も出ました。ラグビーワールドカップの期間中であって、かつ、来年には東京オリンピック・パラリンピックも控えています。
こうした中で起きたこういったトラブルについて、国土交通省としての所感と、今後の対応について何かご検討されていることがあれば、お伺いできればと思います。
(答)あってはならないミスが生じてしまったと大変遺憾に思います。
また、このことによってずいぶん多くの利用者が大変御不便を被った、御迷惑をおかけしたということについては、国土交通大臣としても心からお詫びを申し上げたいと思います。
今は特に、御指摘もありましたラグビーワールドカップの開催中ということで、利用者の皆さまの御理解をいただきながら、保安検査の強化を行っている中で、このような事案が起きてしまったということは、航空の安全がおびやかされるとともに、欠航や遅延により利用者の皆さまに多大なる御迷惑をおかけしたことは、重ねてお詫びを申し上げたいと思っております。
本事案を受けまして、国土交通省から、まずは全日本空輸株式会社及び大阪国際空港を運営する関西エアポート株式会社に対しまして、詳細な事実関係の確認と再発防止策の検討を指示したところでございます。
国土交通省といたしましては、昨今のテロ情勢を踏まえまして、今回のような事案が再度発生しないように、来年は東京オリンピック・パラリンピックも控えておりますので、万全な対応に努めてまいりたいと考えています。

(問)一昨日、「関東交通犯罪遺族の会」のメンバーが国土交通省を訪れました。
この中には今年4月に池袋で発生した高齢ドライバーの暴走事故の被害者遺族の男性が含まれていました。
国土交通省に対して、高齢化社会を踏まえて、自動運転車の問題点の指摘や、地方の公共交通機関の拡充など様々な要望を提出しましたが、大臣としての受け止めをお願いします。
また、池袋暴走事故の遺族男性は既に39万人の署名を集めています。
大臣との面会を希望していますが、今後は面会する予定はありますでしょうか。
(答)交通犯罪の遺族の皆さまに対しては心から御見舞いを申し上げたいと思っております。
これは政府の中でも最重要課題として早急に結論を得なければいけないと決意しているところであります。
私との面会ということでございますが、直接お目にかかってしっかりお話を伺って、皆さまのお気持ちを受けて、安全な交通政策を実現できるように頑張っていきたいと決意しております。

(問)何年前からも、成田空港の問題は、各国の大使館でいざとなった時にどうするんだということから、問題になっております。
大使館では、羽田を中心に旅客便専用空港にすべきだという意見があるのです。
そういうことで今回も、落下物とか騒音とかいうので、できたら成田にという意見が今まででておりますけれども、こういう自然災害が起こりまして、到着便が、税関もイミグレーションも検疫も開いていないような時に到着して、今回も1万何千人が一夜を過ごしたという問題が起こりました。
こういうことで、大臣1回、是非お乗りになっていただきたいのですが、今、成田と羽田の間では京成電鉄と京急が浅草線を経由して走っています。
ホームドアもないし、地下鉄を2駅抜かして止まるというような現状がありますから、これどっかが1つ事故が起こったりしますと、成田と羽田の間に必ず影響が出てくると思います。
先ほどもお話した自然災害と同時に、この今の交通の便もいれて、オリンピックまでに改善すべきだと思いますけれどもいかがでしょうか。
(答)成田空港の今回の事案については、先ほど御質問にお答えしたとおりでありまして、再発防止はしっかりとらなければいけない。
このことについては、成田だけではなくて羽田も含めて他の全ての空港に対して同じことが求められると理解をしております。
また、成田と羽田の空港というのは、私の理解ですけれども、これまで様々な経緯があって、成田に国際線の旅客便が最初は集中したわけでありますが、その中で、様々な経緯の中で、随分羽田にもシフトされているのではないかと思いますし、今後も、成田と羽田の間のアクセスを強化するということは、御指摘のとおりだと思っております。
いずれにしても、今年はラグビーワールドカップで、11月2日が決勝戦です。
多くの外国のお客様もこれからますます増えると思いますし、来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けても、外国の皆さまが来られるわけでありますから、そうしたことを想定しながら、来られたお客様が非常に利用しやすいというか、コンフォータブルな状況だと言っていただけるように、利用者の立場に立った対策をしっかりとっていこうと思っております。
今後とも御指導よろしくお願いいたします。

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