大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2019年12月20日(金) 11:20 ~ 11:35
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で私の方から1点御報告がございます。
本日の閣議で令和2年度予算案の概算を決定いたしました。
国土交通省関係の国費総額は、臨時・特別の措置8052億円を含め、6兆7363億円、うち、公共事業関係費については、5兆9368億円です。
令和2年度予算では、東日本大震災や相次ぐ大規模自然災害からの被災地の復旧・復興、3か年緊急対策の集中的な実施や、3か年緊急対策後も見据えた防災・減災、国土強靱化の取組の加速化・深化などを通じた国民の安全・安心の確保、また、東京オリンピック・パラリンピック後も持続的な経済成長を確保するための社会資本整備の戦略的かつ計画的な推進や、観光先進国の実現などを通じた生産性と成長力の引上げの加速、スマートシティ・次世代モビリティの推進や魅力ある住生活環境の整備、バリアフリー化の推進などを通じた誰もが安心・活躍できる豊かで暮らしやすい地域づくりに予算を重点化し、これらの取組の更なる強化を図ってまいります。
このほか、財政投融資として2兆4555億円を計画しており、高速道路の暫定2車線区間の4車線化や、成田空港の滑走路の延伸・新設、なにわ筋線などの都市鉄道の整備等を推進してまいります。
また、令和2年度の国土交通省の定員については、防災・減災対策のほか、海上保安体制の強化や公共交通の安全確保等に必要な定員が認められ、対前年度比187人の大幅な純増となりました。
特に、地方整備局及び北海道開発局については、国土交通省発足以降はじめて、両機関合わせて対前年度比で57人の純増となりました。
地方整備局だけで見れば、101人の純増となっております。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
そのほかに、閣議とは別ですが、私の方から2点報告があります。
1点目については、「海上保安体制強化に関する関係閣僚会議」についてです。
本日、官邸において、4回目となる「海上保安体制強化に関する関係閣僚会議」が開催されました。
政府では、平成28年12月、尖閣諸島周辺海域をはじめ、我が国周辺海域を巡る状況が一層厳しさを増していることを踏まえ、「海上保安体制強化に関する方針」を策定し、「海上法執行能力」、「海洋監視能力」、「海洋調査能力」の3点の強化に取組んでいるところです。
今回の会議では、この方針に基づく取組の進捗状況を確認するとともに、私から、海上保安体制強化に関する方針に基づき、関係省庁の協力を得ながら海上保安体制強化の取組を着実に進めていくことの重要性を述べさせていただき、引き続き、関係閣僚が協力して体制強化に取り組んでいくことが確認されました。
総理からは、我が国の海を守り続けている海上保安官が、士気高く、崇高な使命を全うできるよう、政府として海上保安体制の強化を着実に進めなければならないとの決意が示されました。
今後も、海上保安庁を担当する大臣として、領土・領海の堅守に努め、国民の皆さまが安全に、安心して暮らすことができるよう、平和で豊かな海を守り抜いていく所存です。
詳細は事務方にお問合せいただきたいと思います。
2点目は、佐賀県の「六角(ろっかく)川(がわ)水系緊急治水対策プロジェクト」についてです。
本年は、台風19号などの豪雨によって全国で甚大な被害が発生いたしましたが、8月の前線による大雨では、佐賀県の六角川で、約6900ヘクタールもの浸水被害と油の流出が発生し、私も就任直後に現地を視察いたしましたが、大変な被害となりました。
被災後は、再度災害を防止するための対策について、国、佐賀県、また六角川沿川の6市町が連携して協議会を立ち上げ、ハード・ソフト一体となった総合的な治水対策を検討してまいりましたが、本日、この協議会において「六角川水系緊急治水対策プロジェクト」としてとりまとめを行いました。
このプロジェクトは、河川管理者である国と佐賀県が、約418億円を確保し、概ね5年間で河道掘削、遊水地の整備、排水ポンプの増設などを集中的に行います。
また、川に沿った市町においても、公園などを活用した雨水の貯留や、災害危険区域の設定による住まい方の誘導など総合的に進めてまいります。
なお、台風第19号により被災した千曲(ちくま)川(がわ)、阿武(あぶ)隈川(くまがわ)、那珂川(なかがわ)、久慈(くじ)川(がわ)等においても、同様に国・県・市町村が連携したハード・ソフト一体となった同様のプロジェクトについて議論を進めてまいります。
詳細は、後ほど、事務方から説明させていただきます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)令和2年度予算案についてお尋ねします。
重点分野について力を入れたところをお尋ねしようと思いましたが、かなり先ほど言及いただいたので、プラスでもしあればということが1点。
もう1点が、個別補助化がかなりなされると。
令和元年度に続いて令和2年度についても、河道掘削とか無電柱化、港湾、街づくりなどでも個別補助化をしていく狙いについてお願いします。
(答)前段は冒頭申し上げたこととほぼ同じですので省かせていただきますが、一連の激甚災害、再度災害防止という観点からも、防災・減災対策をしっかりやらなければいけないということで、補正予算並びに来年度当初予算が組まれております。
特に、今御指摘いただいたように、特定の事業に対して確実かつ集中的に予算を充てることのできる個別補助化を更に推進していきたいと考えております。
今回相次いで発生した大規模な自然災害等を踏まえて、今後は、国と県と市が連携をして、防災・減災対策を迅速かつ着実に実施する必要があるということで、そういう意味でも特定の事業に対して確実かつ集中的に予算を充てることができる個別補助による支援が効果的であると、そういう認識にたったものであります。
今回個別補助化の部分では、総額で3600億円を超える規模で、具体的には、1つには、道路の橋梁・トンネルや、水門、砂防堰堤(えんてい)等の老朽化対策、またもう1つは、危険性の高い区間等における河道掘削事業、また、雨水処理を担う大規模な下水道施設の整備など、個別補助制度を創設・拡充して、地方公共団体への支援もしっかりと行ってまいりたいと考えております。
(問)必要に応じて令和3年度以降も個別補助は例えば必要になってくると続けていくような路線でお考えでしょうか。
(答)令和3年度以降の状況を見ながら、地方公共団体とも意見を交わしながら、私たちは大切だと思って令和2年度こういう予算を組みましたので、そうした方向で進めたいと思っておりますが、もちろん地方自治体とも意見を交わしながらやっていきたいと考えております。

(問)引き続き今回の予算の関係でお伺いいたします。
今回の予算でも、臨時、特別の措置も含めて高い水準の公共事業費が計上されておりますが、一方で公共事業関係費については繰越額も増加傾向にありまして、補正予算も含めて、公共事業の円滑な施工の確保に向けて国土交通省としての取組をお伺いします。
(答)よく人手が足りなくなるだろうとか、様々な災害がこれだけ多くなっているという中で執行がきちんとできるのかという御懸念があるのは承知しておりますが、前年度からの繰越分を含めた令和元年度の公共事業の予算全体の執行率は、10月末時点で約74%となっております。
昨年度の同時期でも執行率75%でありますので、例年どおりの執行ができているものと考えています。
こうした中、更なる円滑な事業の執行を図るためには、この10月に、例えば遠隔地から労働者を確保しなければいけない時に、交通費や宿泊費等の計上を考慮することや、また、工事における見積りの積極的な活用、これは実態に合った額でということ、技術者の実績要件を現実的な形で少し緩和をする、現場の技術者を有効に活用するための適切な規模での発注をしていく、こうしたように多岐にわたる施策を適切に講ずるように、全ての地方整備局等に通達を発出したところです。
これは合わせて、地方公共団体の皆さまに対しても同様の周知を行っているところであり、国発注だけではなくて、公共事業全体に順調に執行できるように対策を講じていかなければいけないと考えています。

(問)予算案の関係でもう1点お伺いします。
定員の関係で、地方整備局の人数が純増になったわけですけれども、これまで地方整備局はずっと人員が減ってきている中で、今回純増になったことへの受け止めをお願いします。
(答)この一連の台風15号・17号・19号で被災自治体を回らせていただく中で、ほぼ全員の首長さんからは、大変ありがたいことに、国土交通省から派遣しているTEC-FORCE並びにリエゾンは大変よくやっていただいているという評価をいただきました。
同時に、こうした災害規模が大きくなってくるなか、復旧工事だけではなくて、復旧改良事業を行わなければいけないということで、やはり国土交通省からの技術的なアドバイスというのはその必要性がもっと高まっていくだろうし、これだけ災害が頻発、激甚化している中で人員的にもより充実していただきたいという大変強い御要望も受けました。
また、TEC-FORCEだけではなくて、日頃から河川の災害現場で陣容もギリギリのところで回っているというのも実態でありまして、こうした中で今回勘案していただいて、冒頭申し上げたような純増を配置していただいたのは、大変感謝もしておりますし、それにふさわしい充実した防災・減災対策の仕事をしていかなければいけないと、気合いを入れてしっかりと取り組んでいかなければいけないと思っております。

(問)首里城の件ですけれども、与党公明党からも地元沖縄県からも沖縄関係予算とは別枠でとの要望がこれまでされてきていて、大臣も首里城を視察されたときに、政府内で検討を進めていきたいと仰っておられたのですが、実際あけてみますと沖縄関係予算の中に入っているように理解しております。
都市局の説明資料にはありますが、沖縄関係予算という形の一括計上の中に、内閣府の一括計上の中に入っていると私は理解しております。
こうなった理由、経緯についてお聞かせください。
(事務方)一括計上の関係につきましては内閣府で整理しておりますので、詳細な事情につきましては内閣府に御確認をいただければというところです。
(問)大臣から一言いただけることがあれば。
(答)私は、今回の補正予算と当初予算について、補正が8億円で当初が38億円に含んでおりますが、まだ始まったばかりで端緒ですので、そうした主旨はわかりますけれど、予算制約があって、首里城の再興に影響が出るようなことはあってはならないと思っていますので、沖縄の皆さまの懸念があたらないような形で、来年度だけではありませんから、しっかりとフォローしていかなければならないと思っています。

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