大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年3月3日(火) 8:41 ~ 8:50
参議院本館
議員食堂
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件につきましては、私の方から報告はございませんが、2点御報告がございます。
1点目は新幹線のバリアフリー対策についてです。
いよいよ東京オリンピック・パラリンピック大会の開催まで半年を切りました。
東京オリンピック・パラリンピック大会のレガシーは、成熟国家である我が国にとりまして、共生社会を実現することでありまして、新幹線のバリアフリー化はその象徴であると考えております。
この度、「新幹線のバリアフリー対策検討WG」において、新幹線の新たなバリアフリー対策に関する中間とりまとめを行いましたので、本日これを公表させていただきます。
ポイントは2点です。
1点目は、ハード対策として、既存の座席を取り外して、様々な障害のある方も車椅子に乗ったままグループで快適に乗車できる「車椅子用フリースペース」を一般客室の窓際に設けることといたしました。
「車椅子用フリースペース」の具体的な今後の進め方としては、席数や車内のレイアウト等について、車椅子使用者も参加する実車等を用いた実証実験を行い、夏までを目途に決定し、バリアフリー基準等の改正につなげてまいりたいと考えております。
2点目は、ソフト対策として、これまで電話や窓口での申込みが必要であった車椅子対応座席について、ウェブでも対応可能とするとともに、これまで当日には一般の方にも販売していた車椅子対応座席について、当日でも車椅子使用者に確保させていただきます。
この内容については、本年の東京オリンピック・パラリンピック大会までに、まずは全新幹線において車椅子対応座席のウェブ申込みの導入と当該座席を車椅子使用者に確保するための販売方法の変更を行います。
いずれにしても東京オリンピック・パラリンピック大会、冒頭申し上げたように、「真の共生社会」の実現に向け、その象徴としてこの新幹線の取組を進め、国、鉄道事業者及び障害者団体が連携しながら、障害の有無にかかわらず誰もが当たり前に快適に移動や旅を楽しむことができる世界最高水準のバリアフリー環境を有する高速鉄道の実現を目指す、その第一歩だと考えております。
詳細は後ほど。
このパネルはドイツのフリースペースの例ですけれども、こうしたことを想定しているということです。
2点目は、安全サポカーの補助金の受付開始についてです。
高齢運転者による交通事故対策として今年度の補正予算に盛り込まれております「サポカー補助金」については、経済産業省と連携して、65歳以上の高齢運転者を対象に、サポカー購入支援と後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置の購入支援を行うこととしております。
今般、準備が整いましたことから、3月9日より補助金の申請受付を開始することといたしました。
高齢運転者による事故は、政府を挙げて、あらゆる施策を総動員して対応すべき喫緊の課題であり、本事業により、安全性に優れた車両の普及が促進されるものと考えています。
詳細につきましては、自動車局から後ほど資料を配付します。
私からは以上です。

質疑応答

(問)先月29日の安倍首相の記者会見で、新型コロナウイルスに係る第2弾の緊急対応策を策定するとの方針が示されましたが、国土交通省所管分野における検討の方向性について教えてください。
(答)3月1日の政府の第16回新型コロナウイルス感染症対策本部において、総理より、「第2弾目となる緊急対応策を、2700億円を超える今年度予備費を活用して、今月10日を目途に、速やかに各省で取りまとめてください」と指示がございました。
国土交通省としては、これまでも、公共交通機関の混雑の緩和に向けたテレワーク・時差出勤の呼びかけ、受注者の申し出に基づく直轄の公共工事の工期の延長、車検の有効期間の延長等の対策を講じてきているところです。
第2弾の緊急対応策の具体的な内容については、現在検討中ではございますが、基本的には現場のニーズにしっかり耳を傾けた上で、経済・社会への影響を抑えるために必要な対策について、しっかりと検討を進めて適切に対応したいと思っております。

(問)新幹線のバリアフリーについてよろしくお願いします。
今回のバリアフリー対策について、事業者側の協力も必要になってくると思いますが、その辺りどういう反応を示されているかというところと、改めて意気込みというか、思いを一言いただけますか。
(答)検討会にJR各社、ずっと出席をいただいておりまして、また、私自身も現場の視察も何回かさせていただき、国会でもそうしたやりとりがありまして、事業者の理解が一定程度進んでいると思っております。
私も、我が国の新幹線、世界に冠たる安全性、スピード、運行頻度、正確性、大変なレベルにあると思いますが、ユニバーサルデザイン化の観点からまだまだ不十分だと言わざるを得ないと思っております。
そうしたことを率直に申し上げました。
今回のワーキングチームの中間とりまとめに基づきながら、引き続きまして、障害者の皆さま等の当事者の方々の声をよく聞きながら、ハード・ソフト両面の新幹線のバリアフリー対策を推進することによりまして、真の共生社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

(問)関連してバリアフリーについてですが、これは新幹線のあらゆる車両を考えているのか、また、夏を目途に基準の改正ということなのですけれども、各社の協力にもよりますが、導入できるタイミングというのは何か目途等があればお願いします。
(答)具体的には物理的な制約もありますが、本当は東京オリンピック・パラリンピックまでという私の希望もありますけれども、これから詳細を詰めてゆきます。
前回のバリアフリー基準の改正の際には、公布から施行まで2年間の経過措置を設けて、その中で可能な限り速やかに実現していくという状況でやらせていただきました。
今回そういう意味では、これからしっかり詰めていきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、今回は、まず席数とか車内のレイアウトについてこれから具体に決めなければいけない、フリースペースを作るということは基本的な合意を得ておりますけれども、どういう形にするのかというのは、車椅子使用者の方々も参加する実証実験を行って、夏までを目途に決定して、そしてバリアフリー基準等の改正も行わなければいけないと考えています。
その後、各車両ごとに移乗席も含めた詳細設計、製作にとりかかるためにどうしても一定の期間はかかってしまうかなというのが現時点の見通しであります。
今回、こうしたことを事業者が趣旨を踏まえて理解され、可能な限り速やかに実現するということが大事でありますし、これに終わらず理想的な真の共生社会を目指したユニバーサルデザインへしっかりと改善を更に進めていってもらいたいと考えております。

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