大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年4月15日(金) 9:30 ~ 9:52
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

 (大臣)本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

(問)昨日、JR東日本の東北新幹線が全線で復旧しました。
そのことについて大臣の所感と、地震の時に脱線した事故原因の調査状況の今後のスケジュールをお願いします。
(答)このたび、復旧作業における安全確保を最優先に、迅速な復旧工事を進めていただいた結果、昨日、東北新幹線の全線再開が実現したものと理解しています。
JR東日本、そして御協力いただいたJR各社や鉄道・運輸機構など、関係する皆さまのこれまでの御対応に敬意を表したいと思います。
また、代替交通による利用者の移動手段の確保のために御協力くださいました航空会社各社やバス会社各社に対し、心より感謝申し上げます。
GWを控えた時期に全線再開が実現し、東北地方への帰省や観光面での効果に、大いに期待しています。
国土交通省としては、脱線対策や、橋脚をはじめとする土木構造物や電化柱の耐震基準、補強計画について検証することとしており、まずは構造物の被災状況等の分析を進めつつ、土木分野の有識者の意見を伺うなどの取り組みを始めたところです。
また、現在、運輸安全委員会においては、車両及び軌道施設等の損傷状況などの調査が行われていますが、詳細については、運輸安全委員会にお尋ねいただきたいと思います。
この再開が東北復興のリスタートのひとつになればと願っています。
 
(問)法案に関してお伺いします。
これまで提出されていなかった建築物省エネ法に関する与党のプロセスが進み始めて今やっている最中かと思いますが、提出に向けた国土交通省の考え方をお聞きしたいのと、通常、法案は3月頃までに閣議決定され提出されるのが一般的かと思いますが、このタイミングで提出すべきと判断された理由をお聞かせください。
(答)「検討中」という扱いとなっている建築物省エネ法等を改正する法案については、2月以降のウクライナ情勢等を受け、省エネ化促進など経済構造の転換が強く求められていることなどを踏まえ、今国会に提出するため、必要な準備を進めているところです。
今後の国会日程等も踏まえつつ、法案の速やかな提出に向け、引き続き手続き等を進めることとしています。
これらが完了し、提出できることとなりましたら、その時に改めて御報告させていただきたいと思います。
 
(問)JR西日本の路線ごとの収支を公表した件で、先日13日にJR西日本の長谷川(はせがわ)社長が会見で地元との協議を急ぐ考えを示されました。
国、自治体とJRの三位一体で考える必要があるとも語っていましたが、改めて国の議論への関わり方についてを教えてください。
(答)国がどう関わるかという質問かと思いますが、地方路線の維持については、その地域にとって非常に大切なことです。
したがいまして、事業者と自治体、地域住民の方が今ある鉄道をどのように認識し、そして今の状況について、情報を共有して議論を始める。
お互い同じ認識に立って、どうしたら地域交通を維持していかなくてはいけないということは、これは各社、国も含めて当然のことです。
それをどう考えていくのか。お互い共通の土俵に上がって議論をしましょうということだと思います。
そういう意味では、自治体と地域住民の方と事業者が一緒になって建設的な議論をする場を設けることを一つのスタートとして、先日のJR西日本の情報提供があったのではないかと思っています。
国としては、事業者、地域住民、地方自治体が議論をする。
そして、どうやって地域の公共交通を守っていくかを話し合っていただく。
その後押しをするべく、国としても検討会を設けました。
2月にスタートした「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」で、7月には一定の結論をいただきたく、議論を進めていただいていますが、その様な形で国としても議論をバックアップしながら、地域の公共交通を守るために、国がどのような形でその地域をバックアップするかということについての結論をいただけるものと思っていまして、そのような大きな枠の中で考えていきたいと思っています。

(問)関連で、今回のJRの発表を受けて、沿線の自治体からは路線の維持を求める声が出ているのですけれども、国としてはこの路線維持に対する考え方というのはどのような立場であるでしょうか。
教えてください。
(答)先ほどの繰り返しになりますが、地域の公共交通を維持するということが最も大事だと思います。
その時に、それぞれ、鉄道の特性、その他の交通機関の特性等を考えながら、また、その組み合わせということもあるかと思いますけれども、どのようにしたら持続可能な地域公共交通、そして、地域住民の方にとって最も利便性、また、地域の今後の維持・発展に資するものかを考えながらの議論を進めていく必要があると思います。
そういう意味で、路線の維持もその議論の中で話し合われるべきものと考えています。
 
(問)今日午後に開催されます、建設工事受注動態統計の遡及改定に関する検討会議について2点お伺いします。
もともと第2回は2月中に開催されるという予定だったところで、今、2か月以上遅れた形で開催されるわけですけれども、改めて、この会議の一定の結論を出す時期について、今、どういうスケジュール感であるかお聞かせいただけますか。
(答)「一定の結論」を出すスケジュール感ですが、「遡及改定検討会議」では、1月25日の第1回会議以降、推計手法の検討や調査票の精査などの準備を着実に進めています。
本日の第2回会議では、こうした検討状況に関する「中間報告」や「遡及改定の方針」などについて、御審議いただくこととしています。
今後のスケジュールですが、確かに1月に示した今後の予定の「イメージ」と、途中段階で少し異なる点があることは事実ですが、検討会議では、今年5月までに一定の結論をいただくことを目指していることは変わっていません。
5月に一定の結論を出していただくことを目指して、今、検討をしていただいていると認識しています。
(問)5月というのは、今までですと、5月13日に、動態統計では3年分の年次の発表に合わせてというスケジュール感とおっしゃっていたと思うのですけれども、そもそも、遡及改定の方向性を示すということと、令和3年分の受注動態統計を発表するというところはそれぞれ直接の関係性はないので、5月にこだわる必要があるのかという気もするのですけれども、そこは何故、5月に出さなければというお考えなのでしょうか。
(答)検討会議では、一つは推計手法の検討や、約55万枚の調査票の精査等に一定の期間が必要であるという一方、できる限り早期に一定の結論をお示しする必要があります。
そういう中、令和3年度の建設工事受注動態統計調査の結果を、例年5月に公表しているわけですけれども、この5月に公表されることを機会として、一定の結論をこの5月を目指して作業をしようということで当初スタートさせていただいたということです。
(問)今日の会議は冒頭以外は非公開で進められるということですけれども、もともと運営規則で、会議は基本的に公開で、座長の判断で非公開にもできると書かれていたと思います。
何故今回非公開で進めるのか、座長がどういうご判断されたのか、あるいは委員からどのような意見があったのかを聞かせていただけますか。
(答)検討会議を公開するか否かは、座長が、必要があると認めるときは、遡及改定検討会議に諮って、判断するものであるとされています。
今回の検討会議についても、委員の率直な意見交換がなされるか等の観点から、座長において、適切に判断されたものと理解しています。
国土交通省としても関係府省とも連携しながら、国土交通行政、所管統計の信頼回復が得られるよう、検討会議の調査審議に最大限の対応をしてまいりたいと思っています。
(問)一般的に審議会が非公開になるというのは、例えば民間企業の経営情報が出る場合があるですとか、個人情報が出るとか、そういう場合が多いと思うのですけれども、今回そういう要素はないと思いますし、どのようなところで闊達な議論が公開できないのかちょっと分からないのですけれども、大臣はどのようにお考えですか。
(答)今回の、この公開の判断、この遡及検討会議でのそもそもの取り組みにおいて、委員長が、委員の率直な意見交換がなされるか等の観点から、座長において適切に判断されることになっていて、これは一般の審議会でもあることですが、率直な意見交換という面から非公開にすることもあると思いますが、その後でどんな議論がされたかは座長の判断にもよりますが、座長から、基本的にいろいろな議論の中身については一定の公表があるものと思っています。
(問)大臣、設置の際に統計の信頼回復に全力を挙げたいと仰っていましたけれども、こういう進め方で信頼回復できるとお考えでしょうか。
(答)私はできると思っています。
今回、不適切な処理があったことについては我々も深く反省をしています。そういう中で、遡及改定を行わなければならないということで統計の先生、専門家の方々に集まっていただいて今回この会議を開かせていただきました。
その場でできるだけ早く国民の信頼が回復されるような遡及改定をやっていただきたいとお願いした訳ですが、その場でどうしたら会議の目的を達成する議論ができるか、先生方にあり方について決めていただいたところです。
今はその遡及検討会議の議論が進むこと。
我々は今、全面的にそれに協力しています。
55万枚ある調査票を、今1枚1枚チェックしているところです。
それをデータベース化するということに時間がかかって、少し当初の予定より遅れている事は事実ですけれども、そういう中で作業が進められているということで、この遡及検討会議のやり方についてその委員の先生方が懸命に今、努力してくださっているということで、私は国民の信頼を得る努力をしてくださっていると理解しています。
 
(問)熊本地震から6年という節目を迎えているのですけれども、国土交通省として現地の復興事務所をこの3月で閉じられて、一連の復興事業というのに大きな区切りを迎えられたと思います。
今回の復興に当たっては、大規模災害復興法に基づく代行事業など、国として積極的に自治体の復興事業の支援をなさった経緯もあると思うのですが、一連の復興事業について、どう総括なさって課題、あるいは今後に生かせる取り組みがどう行われたかというのを大臣としてどう見ていらっしゃるか。
それともう一点、とはいえまだ南阿蘇(みなみあそ)鉄道の復旧など、一部復旧工事が残っております。
それに対しての国土交通省としての関わり、今後どのように進めていかれるかということを伺えればと思います。
(答)昨日14日で熊本地震の発生から6年を迎えました。
改めまして、犠牲となられた皆様に哀悼の誠を捧げるとともに被災された皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
国土交通省としては、熊本地震からの迅速な復旧・復興に向けて、全国の地方整備局等からTECーFORCEを派遣し、関係省庁や地元自治体とも連携しながら、無人化施工も活用したインフラの復旧・復興、災害公営住宅の整備や被災宅地の復旧・耐震化、熊本城の天守閣を含む熊本城公園の復旧支援などに、全力で取り組んでまいりました。
私も先日、熊本を訪問させていただきました。
先月11日には一部区間が通行止めとなっていた村道の長陽(ちょうよう)大橋ルート(村道(とち)()立野(たての)線)の本復旧が完了するなど、復旧・復興は着実に進んでいます。
一方で、未だ仮設住宅での生活を余儀なくされている方が、3月末時点で、37世帯95人残っており、これらの世帯については土地区画整理事業などの進捗を待って自宅を再建される方々と聞いています。
国土交通省としては、引き続き、土地区画整理事業や南阿蘇鉄道の復旧をはじめ、残る事業を速やかに進めるなど、引き続き熊本県や関係市町村等と連携し、創造的復興に向け、全力で取り組んでまいります。
 
(問)先日、全国初の特定技能2号、外国人、建設分野から出てきたので、御感想いただければと思います。
(答)私も建設業界にいましたので、鉄筋の研究をして、鉄筋工の人や鉄筋継ぎ手をやる職人の方とずっと深く付き合ってきたので、今回、そういう方が特定技能2号、外国人の方で取られたことを非常に私も感慨深く、昨日報告を受けたところですが、特定技能2号は生産性向上や人材確保の取り組みを行ったうえで、なお人材確保が困難な状況にある特定産業分野において、熟練した技能を要する業務に従事する外国人を受け入れる在留資格です。
今般、認定を受けた方は技能検定一級に合格し、コンクリート圧送の現場で職長として活躍している実績等が評価され、今月7日、優秀外国人建設就労者として、我が省の不動産・建設経済局長表彰を受賞された方でもいらっしゃいます。
このような上級技能者として、高いハードルを乗り越えた人材が、本邦で初めて建設分野で認定され、今後の我が国の建設現場の一端を担ってくださることを大いに歓迎したいと考えています。
建設現場で職長で働くというのは中々のことです。
そこまでの技能で技術も腕も一流でないといけないし、まとめる力がないと職長は務まりません。
そういう方に今回特定技能2号が生まれたというのは大変大きなことだと私は認識しています。

ページの先頭に戻る