大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年6月2日(火) 9:28 ~ 9:45
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 私の方から1点報告があります。
北海道ウポポイの件ですが、5月8日の会見におきまして、ウポポイ開業の再延期について発表いたしました。
その際、「可能であれば、6月中にでも、まず地元白老町(しらおいちょう)の町民の皆さま向けの内覧会の期間を設けて、その後、本格的な開業につなげていきたい」と御報告させていただいたところですが、その後、北海道、また地元の白老町と調整を行いました結果、この度、まずは6月9日火曜日から14日日曜日までの6日間、白老町民向けの内覧会を実施することといたしましたので、お知らせいたします。
その際、ウポポイに安心してお越しいただくための様々な感染症対策をガイドラインとしてお示ししたいと考えております。
その上で、この内覧会の状況や、新型コロナウイルスの感染状況、また専門家会議の皆さま方の御意見等を踏まえ、また、御地元であります北海道、そして白老町の皆さまとよく打ち合わせを行い、開業の時期についても改めて検討していきたいと考えています。
ウポポイが開業した暁には、地元白老町の皆さまには、気持ちよくホストとして多くのお客様を迎えていただきたいと思っておりますし、さらに私の個人的な希望といたしましては、ゆくゆくは、地元の皆さまお一人お一人にウポポイのアンバサダーとなったお気持ちで、様々な活動をしていただきたいと考えております。
このウポポイを地元の皆さまと一緒に育てていきたいと考えています。
そうした意味でもまず、地元の白老町民の皆さまに、優先してウポポイを内覧していただき、自分のもの、我が地元のものということで、今後もウポポイを育てていただきたい、立派に開業につなげていきたいと考えているところです。
詳細につきましては後ほど資料を配布させていただきます。
私からは以上です。

質疑応答

(問)九州、四国で梅雨入りしました。
昨年は台風の被害等もありましたが、今後出水期を迎えるにあたり、水災害に対する国土交通省の備えを教えてください。
(答)今、お話がありましたように、昨年の令和元年東日本台風をはじめ、近年の自然災害はまさに気候変動の影響によりまして、災害が激甚化、頻発化しております。
また、被害も極めて深刻な状況となっております。
こうした状況を受けて、国土交通省として、「いのちとくらしを守る防災減災」をスローガンにしまして、省内横断的な総力戦で挑む防災・減災プロジェクトを立ち上げております。
今後このハード・ソフト両面にわたる根本的な防災・減災対策を、6月中をめどにまとめ上げることで今進めているところですが、その中でも治水対策といたしましては、気候変動による降雨量の増加などに対応するために、本川、支川、また上流、中・下流など、流域全体を俯瞰して、そして国、県、市町村、企業、地元住民など、河川流域のあらゆる関係者が共に力を合わせ、流域全体で行う、いわゆる流域治水へ転換していくことが重要であると考えがまとまっているところです。
そうした中で、昨年度大きな被害がありました直轄の7つの水系において、緊急減災プロジェクトをはじめ、決壊した箇所は、出水期までに被災前と同じ高さの堤防を復旧させることとしているところです。
引き続き、河道掘削等の改良復旧を着実に行い、治水安全度の向上を図ってまいります。
また、昨年の災害で課題のひとつになりました、河川・気象情報の発信、伝達につきましては、1つとしては、河川事務所の防災体制を強化して、氾濫発生情報等の確実な発信に努めると。
手薄な少数の事務所でなかなか行き届かなかったことがありましたので、そうしたことを行っていきます。
2つ目は、大雨の後に時間差で氾濫が発生すると。
こうしたことの注意喚起に若干問題があったということで、大雨特別警報の「解除」という表現を「警報への切替」と表現するとともに、切替の際には、大雨特別警報は解除になりますが今後の河川の水位はこれくらいになる、との見込みなどの河川氾濫に関する情報も併せて発表してまいりたいと考えております。
更に、感染症を考えて、災害時において特に避難所における感染拡大防止が課題となっているところです。
国土交通省におきましても、換気や十分なスペースの確保など内閣府より示された避難所の感染症への対応における留意事項について、関係自治体等と情報共有をしているところです。
また、避難所としてのホテル、旅館等の活用を進めるため、今、関係業界に協力を呼びかけ、協力が得られるホテル等につきましては、自治体に情報共有を行っているところです。
いずれにしても国土交通省におきましては、本年の出水期を迎えるにあたり大規模氾濫減災協議会等を活用いたしまして、関係機関と連携し、防災・減災に係る取組を積極的に進めるなど、今般の新型コロナウイルス感染拡大防止にも留意しながら、水災害の防止及び被害の軽減について万全を期してまいりたいと考えております。
 
(問)2027年開業を目指すリニア中央新幹線についてお聞きします。
先日、JR東海の金子社長が、6月中にも準備工事に入らなければ2027年の開業が困難だという趣旨の発言がありました。
これについての大臣の所感と、今日、有識者会議がありますが国土交通省としての対応をお聞きしたいのがまず1点。
もう1点、経済活動の再開の動きの中で、電車など交通機関が混んできたとの声が多くありますが、昨日、大臣も労使関係の団体にも呼びかけを行いましたが、改めて、利用者に呼びかけありましたらお願いします。
(答)まず、JR東海の金子社長が、先週5月29日の記者会見で、今の趣旨の発言をされたことは承知をしております。
それがどうであるかとコメントする立場ではないのですが、国土交通省としましては、1つはリニア中央新幹線の早期実現ということと、もう1つはその建設工事に伴う水資源と自然環境への影響の回避・軽減を同時に進めなければならない、この2本柱が大変重要だと考えております。
2027年開業につきましては、予定どおりの開業への期待が様々な所から大きいことでもあるので、JR東海として、工期に関して様々な検討を進められておられると承知をしておりますが、JR東海におかれましては、事業主体として懸念されている課題について、最大限の努力をしていただく必要があると思っております。
有識者会議につきましては、本日夕刻、第3回目が開催される予定ですが、前回に続きまして本日も充実した議論が行われることを期待しておりまして、会議の運営面について、技術的な改善すべき点も指摘を受けておりますので、今日からその取組を進めていくと承知をしております。
有識者会議の詳細は、ブリーフィングもすると思いますし、傍聴もできますので、詳しくは鉄道局にお聞きいただければと思います。
2つ目の緊急事態宣言解除に伴う公共交通機関の混み具合ですが、かねてより6月1日から企業も本格稼働するであろうし、加えて、多くの学校が再開されるということが見通されておりましたので、通勤・通学が集中するのではと心配もしておりました。
もちろん、これまで事業者側が取っていた感染拡大防止ということで、車内換気の励行やマスクの着用、車両内では会話は控えめにしていただきたいということを利用者へ呼びかけをするですとか、また、混雑状況の情報を提供するアプリなどを使っていただくということと、加えて、事業者が今講じている感染予防対策、また、利用者に求める感染予防対策についての情報発信を、風評被害が変に起こらないようにということでお願いしているところです。
昨日、西村担当大臣、梶山経済産業大臣、加藤厚生労働大臣とともに、経団連、経済同友会、日本商工会議所、連合それぞれの代表の4名の皆さんに、それぞれの立場で依頼を行わせていただきまして、私からは、通勤・通学のラッシュを回避するということで、解除後もテレワーク、時差出勤の励行をよろしくお願いしたいと申し上げました。
大手企業ではテレワークをベースにするという働き方の見直しをされているところもあると承知しておりまして、それは歓迎すべきところですが、中小企業や製造業の皆さんにおかれましては、なかなかテレワークが難しい業種、業態もあると承知しておりますので、そうしたところについてもできるだけ時差出勤、これをニューノーマルの働き方にして、通勤・通学のラッシュを回避する。
交通事業者だけではなかなか限界もありますので、そうしたお願いをさせていただいているところです。
引き続き、山手線の時間ごとの混んでいる状況はフォローできますので、鉄道局に指示して、今日からしっかりウォッチしていきたいと思っておりますが、そうした状況も経済団体、労働組合の代表の皆さんには適時に情報を供給させていただいて、官民一体となって、なんとかこうした状況を回避するように努力していきたいと考えています。
 
(問)ウポポイについて2点お尋ねしたいのですけれども、開業時期については改めて検討されるということでしたけれども、開業式典も併せて、大臣としては現時点ではいつ頃が望ましいとお考えでしょうか。
例えば、内覧会の後の6月中ですとか、7月中ですとか、具体的なお考えはありますでしょうか。
2点目なのですけれども、ウポポイは年間100万人という来場の目標を掲げられていますけれども、新型コロナの感染防止とこの目標をどのように両立させていこうとお考えでしょうか。
以上2点、お願いします。
(答)1つ目の正式な開業ということについては、冒頭申し上げましたように、内覧会を6日間開催し、その中で、ガイドラインがうまくいくのかなど様々、試行錯誤の状況を振り返りながら、また同時に、感染状況等の客観的な状況を見て、専門家会議、また、北海道の知事さんと白老町の町長さんをはじめ関係者の皆さんに諮って。
これは国の直轄事業でありますけれども、地元が一番大事ですから、地元の皆さんにとって全国から多くの人に来てもらいたいと気持ちよくスタートを切れることが大切だと思っておりますので、我々がいつということではなく、地元もウポポイに対する期待が大きいことはよく承知しておりますので、よくすり合わせて、許されるのなら速やかに正式なオープンに持っていきたいと思っておりますが、今日の時点では、申し訳ありませんが、いつということは特定することはできません。
2つ目の目標ですけれども、目標は年間でですから、これからでありますし、ただ、もちろん仰られるように、新型コロナウイルス感染症がまだ完全収束したわけではなく、また、ニューノーマルということで、観覧していただくにも、おそらく彼らが作るガイドラインでも、例えばソーシャルディスタンスなどということを求められるので、1日に受け容れることのできる御客様の数も最初はそれなりに制限がかかると思いますので、年間に100万人ということがいきなりできるか、できないかということは、まだこれからなので見通しはなかなかわかりませんけれども、我々の思いは、そうしたことも踏まえつつも、例えば「Go To トラベル事業」も相当大きなものを用意しておりますので、Go To トラベル事業を使っていただければ、相当お得な形で北海道白老町のウポポイも観光していただけるわけですので、しっかりと応援して、目標に向かって頑張っていきたいと考えております。

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