本日の閣議案件については御報告することはございませんが、そのほか2点御報告させていただきます。
1点目は、既存ダムにおける洪水調節機能強化に向け、利水ダム管理者等との「治水協定」の締結について、御報告させていただきます。
近年の水害の激甚化を踏まえ、ダムの「事前放流」のスムースな活用を図るために、これまで、官房長官の御指示のもと、関係省庁が連携し、電力事業者や農業関係者などの利水ダム管理者等との間で協議・調整を進めてまいりましたが、今般、ダムのある1級水系、99水系ございますが、全ての水系において、事前放流の具体的な開始基準や水位低下量を定める治水協定の合意に至ることができました。
利水ダムの管理者をはじめ、関係の皆さま方に、事前放流の御理解をいただけたことに関しまして、深く感謝を申し上げたいと思います。
また、これから本格的な出水期を迎えることから、1級水系における新たな運用を的確に行い、水害の防止・軽減に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
また、2級水系におきましては、ダムのある354水系のうち、現在、76水系で河川管理者である県と利水ダム管理者等との間で具体的な協議が行われているところであり、そのうち、福島県管理の鮫川水系1水系では既に治水協定が締結されており、また、今後、2級水系における治水協定の締結が促進されるよう、都道府県に対し、できる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。
流域の自治体・民間企業等とも連携しながら、流域全体で備える「流域治水」を通じて、防災・減災が主流となる安全・安心な社会の構築に全力を傾けてまいる所存です。
詳細は事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
2点目の御報告は、新型コロナウイルス感染症の影響に対応するため、沿道の飲食店等による道路の占用に関する緊急措置についてです。
ここにパネルがありますけれども、先般、緊急事態宣言が全国的に解除されましたが、飲食店において、いわゆる「3密」を回避するため、テイクアウトやテラス営業のニーズが増加し、飲食店の前の歩道等を活用できないかとの声が、各地から寄せられているところです。
国土交通省として検討させていただいた結果、この度、緊急措置として、テイクアウトやテラス営業のための道路の占用に関して、このパネルにありますように緑のシートから歩道が2m以上の歩行空間の確保など、歩行者等の安全を確保した上で、占用許可基準を緩和することといたしました。
また、この措置に係る道路占用料につきましては、施設付近の清掃等に御協力いただくことを条件に免除させていただくこととしております。
本日中に地方公共団体等に対して通知を発出する予定です。
この措置によりまして、いわゆる新たな生活様式に対応した道路空間を活用するニュービジネスモデルを支援できればと考えているところです。
歩行者等の安全に留意し、今回の措置を活用した取組が全国で展開されることを期待しております。
詳細は後ほど事務方から説明させていただきます。
私からの報告は以上2点です。
(問)「Go To キャンペーン事業」についてなのですけれども、国会で、事務局への委託費が高過ぎるのではないかとか、事務費を抑えてもっと観光業者の皆さんの支援に充てる分を増やすべきではないかとの指摘や批判が出ています。
公募は経済産業省がとりまとめていることでありますが、観光喚起策としては国土交通省としても重要な施策であると思うのですが、こうした国会での指摘等に関して国土交通省としてどのように対応されていくお考えかということ、また、とりまとめている経済産業省の方に求めることなどありましたらお答えください。
(答)Go To キャンペーン事業について、今御指摘のように一昨日の国土交通委員会でも御質問いただきました。
事業そのものの総額が約1.7兆円に及ぶというこれまでにない大規模な事業であり、これに伴う事務経費も相当の金額、規模を要することとなりますので、金額そのものが大変高過ぎるのではないかという印象を持たれている方も少なくないということは、よく理解できるところです。
改めて政府としてかかる必要経費について説明責任を果たしていかなければならないと私も考えております。
そもそも「Go To キャンペーン事業」につきましては、今回の新型コロナウイルス感染症の影響により甚大な影響を受けた我が国経済の回復を図るための措置です。
特に影響の大きかった観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテイメント業、また、商店街等を対象に、官民一体となって消費を喚起するべく、先般の緊急経済対策に盛り込まれたものです。
政府内の推進体制といたしましては、内閣官房の総合調整の下で、キャンペーン全体で総合事務局を置き、事業所管官庁である国土交通省、農林水産省、経済産業省が連携して具体的に予算を執行することとされたところです。
その上で、予算の計上についても、内閣官房による調整の結果、事業執行を担当する3省のうち、商業一般を所管する経済産業省に一括計上することとなったと承知しております。
本事業をトラブルなく遂行するための鍵を握る総合事務局は、予算を一括計上した経済産業省に設置される第三者委員会による厳正かつ公正な審査に基づき選定されることとされております。
公募による競争的な手続きの下、本事業を最も的確かつ効果的に実施できる体制と遂行能力を持った者が選ばれることになります。
なお、公募にあたって示されております約3000億円という委託費用は、申請者が提案する内容にかかる費用の上限額であり、実際に要する事務経費そのものではないと承知しております。
今回この事業者の選定に際し、提案額の妥当性、またその内容、その他提案内容については、同委員会において、審査基準としてあらかじめ示されている「必要となる経費・費目を過不足なく考慮し、適正な積算が行われているのか」の観点から審査が行われるものと承知しております。
当然のことながら、貴重な税金を活用した事業ですので、こうしたプロセスの中で無駄を省いて事務委託費を適正化していくことが重要であると考えております。
なお、当該キャンペーンのうち、観光需要喚起に関する部分については、国土交通省としてその事業効果を最大限に発揮させる観点から、総合事務局に求められる役割を公募手続きに際してあらかじめ明らかにするとともに、事業者の選定後は、経済産業省から国土交通省に関係予算の支出の委任を受けた上で、この事業を責任をもって執行してまいる所存です。
(問)マスクについてですけれども、総理が国民に配る2億枚について、髪の毛が付いていたり汚染があったということで中断して、また再開と。
ヨーロッパ辺りも、中国からのマスクに対しては、2、3の国から、やはり汚染があったりということで戻しています。
にも関わらず、日本の方も中国からの旅客便は、乗り入れが双方禁止になっていると思いますけれども、貨物便に関しては何かそういう制限がないのではないかと思うのですけれども。
北海道にしても航空便で、また、北九州、福岡にしても相互の連絡船といったものあたりで、貨物としてマスクが大量に輸入されて、再発の原因になろうとしているのではないかと思うのですが、航空便について貨物輸入に際して何か制限があるのでしょうか。
(答)人の入国については、仰られるように政府として国を指定して実質的な入国禁止措置を取っているというのはそのとおりですが、貨物便については承知しているところではその措置は取られていませんし、政府として決めればできるのでしょうけれども、政府として決めているわけではありませんので、経済そのものがこのような状況ですから停滞しているとは思いますけれども、相当、かなり量が減っている中でも細々と続いていると思いますが、これを全部止めると国民生活そのものが成り立たなくなる状況になるかと思いますので、私は、一定程度は必要なのではないかと思います。
中国からマスクを輸入することが感染の原因となるというのは、私はよく理解できないのであまり答弁できないのですが、そのようなことはあまりないのではないのかと思います。
(問)レオパレスについてですが、2020年3月期の決算で、2期連続の多額の赤字になる見通しが発表されています。
施工不備の物件の改修のスケジュールも未定であると発表されているのですが、業績回復の見通しが立たない中で、きちんと改修されていくのかという不安が入居者やオーナーさんといった方々から挙がっているようなのですけれども、国土交通省としてどのような対応をされていくのか、お考えをお願いします。
(答)レオパレス21が、昨日、昨年度の業績予想を下方修正したことは報道等により承知しておりますが、この具体的なことは民間企業の経営に関することですので、差し控えさせていただきたいと思います。
他方で、これまで指摘されておりました改修しなければいけない点について、そのスケジュールも現状は未定でありますし、そのことで入居者やオーナーの方々が不安に感じられているということは大変もっともだと思っております。
これまで同社による施工不良を改修するための工事については、同社の責任において最後までやり遂げていただく必要があると考えておりますし、現時点でもこれは変わりはありません。
国土交通省といたしましては、建築基準法への不適合をできるだけ早期に解消し、安全性を確保することが何よりも重要であると考えておりますので、これまで同社に対して、改修工事の遅延理由と今後の取組方針を報告するよう指示をしておりまして、本日中にも同社から報告があると聞いております。
この報告内容を踏まえて、必要に応じ追加の指示を行って、引き続き、その取組状況を厳しく監視・指導し、入居者やオーナーの方々の安心・安全をしっかりと図ってまいりたいと考えております。
(問)Go To キャンペーンの具体的な内容について、トラベルに関してなのですが、開始時期というのは、7月末という話があったり、一昨日の委員会では明言しなかった面もあるのですが、これはどのように捉えたらよろしいでしょうか。
(答)GoToトラベル事業の開始時期について明言したことはありません。
常に回答は一緒でして、もともと、補正予算の成立後、粛々と準備に入らせていただいて、もちろん感染状況について、これは大前提ですから、専門家会議の皆さんの御助言、御意見が当然前提でありますが、それで問題がないということであれば、準備ができ次第、速やかに事業を発動して、観光関連事業者は大変お困りで、この事業に対する期待も相当強いわけでありますので、なるべくこの事業の効果が早期に発現できるように、という思いでおります。
ただ、全国規模の事業でありますし、宿泊だけの割引ということだけではなくて、それに伴って、それぞれの地域のお土産物屋さんや交通機関、飲食業の方々にも参加していただく。
全体でいうと3割の部分の地域の振興クーポンを発行しますので、そこの部分については相当準備に時間がかかるということなので、それは相当程度時間がかかってしまうということは申し上げている状況でありますが、開始時期については準備ができ次第、可及的速やかに発動したいということでありまして、明示はされておりませんし、まだそもそも事務局も立ち上がっていませんので、決定はしておりません。