大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年10月9日(金) 10:57 ~ 11:17
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 今日は冒頭発言ありません。

質疑応答

(問)川辺川かわべがわダムの件なのですけれども、川辺川ダムが仮に建設されていた場合、今年の7月豪雨で球磨川くまがわ周辺の浸水面積が6割程度減らすことができたという推計案が公表されたと思います。
大きな治水効果があるという結果だと思うのですけれども、国土交通省としては、川辺川ダムを建設すべきとお考えでしょうか。
今後の検討スケジュールと併せてお聞かせください。
(答)今回の球磨川の豪雨災害につきましては、この度大変大きな被害を受けて、これまでの治水のあり方、これからの治水のあるべき対応を含めて、九州地方整備局と熊本県が共同で「球磨川豪雨検証委員会」を開いています。
今のお話は、先日10月6日に委員会で、この度の豪雨災害の検証結果を示したと承知しております。
10月6日の委員会では、今回の洪水の水位や流量のほか、ダムによらない治水対策の定量的な効果、また、川辺川ダムが存在した場合の定量的な効果等が明らかになったと承知しております。
加えて、この度の委員会の席上で、球磨川流域の首長の皆さまから国と県に対しまして、「球磨川の治水対策を検討する新たな協議会」を早急に立ち上げていただきたいという御要望をいただきました。
今後は、この御要望を受けまして、協議会を早急に立ち上げ、今回の委員会における検証結果を踏まえた上で、地元地域の御意向をしっかり伺いながら、できるだけスピード感を持って、ハード・ソフト一体となった抜本的な治水対策を検討しなければいけないと考えております。

(問)「Go To トラベル事業」について、先日行われた政府与党連絡会議で、公明党の山口代表が、来年度も利用できるよう期間の延長と平日に利用しやすい制度の見直しの検討を要請されました。
国土交通省としてどのようにお考えかお聞かせください。
(答)先日の政府与党連絡会議におきまして、公明党山口代表からは、代表御自身が各地方を回る中で、それぞれの地域の皆さまから、Go To トラベル事業は地域経済にとって大変効果がある、なるべく長く、継続していただきたいという御要望があったことと、予約が相当殺到しており、予約が取れない状況が続いているので、特に平日に利用しやすいような需要の分散の検討を求めるという御発言がありました。
私も同席しておりましたので、そのように承知しております。
現場で少し誤解があるのですが、現在、Go To トラベル事業の割引対象の予約の期限は、1つの目安として、来年の1月31日までとしております。
これは、予算を使い切ってしまい、予約が入っても執行できないということがないように、1つの目安として、来年の1月31日までの予約を受け付けることにしておりますが、これはあくまで目安ですので、実際、本事業をこの時点で終了するということではありません。
予算の執行状況等を見ながら終了時期を判断していかなければいけないと思いますが、基本的には、予算がどのくらいの消化状況であるかというのは、まだ始まったばかりですので、これからしっかりと予算の執行状況を見ながら、また、できるだけ息長く本事業を実施していきたいと考えております。
また、観光需要の平準化につきましては、国土交通省としては、経済界の皆さん、関係省庁とも連携の上、休暇の分散取得の広報の周知や、ワーケーション・ブレジャーの促進等に取り組んでいるところです。
平日への利用分散に向けましては、平日の旅行商品の購入を促進するようなキャンペーンを開始したいと考えておりまして、そうした具体的な内容につきましては、旅行会社等と協議に入っているところです。
いずれにしましても、新型コロナウイルス禍での感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る目的で本事業を進めており、加えて、ウィズ・コロナ時代の新たな安全・安心な旅行のスタイルを定着させることによって、大変疲弊している地域経済の再生に繋がるように、しっかりと、着実に展開できるように取り組んでいきたいと考えております。

(問)IRについて伺います。IR、統合型リゾート施設の整備について、自治体から整備計画の申請を受け付ける期間を延ばすのではないか、との報道も一部ありまして、今のところ方針が変化がないか教えてください。
(答)延ばすのではないか、ということより、まずは申請を希望されている地方自治体の皆さんとは、この新型コロナウイルス禍でありますので、対応の状況については常に密接に連携しているところであります。
当初想定しておりました申請期間に関しましても、それぞれの地方自治体の皆さんの意向を伺いながら、丁寧に検討を進めている段階です。
また、そもそものIRの基本方針についても、これまで国会での御審議もありましたし、また、カジノ管理委員会を含む関係行政機関とも協議を行ってきたところですので、こうしたことを総合的に踏まえながら、次のステップにどう進めていこうかと検討を進めているところです。
そもそも論というか、原則として政府の立場は、立法府である国会の審議を経て成立したIR整備法に基づいて、必要な準備は進めなければいけないというのが基本的な立場であり、今の環境下で地方自治体の皆さんの状況を踏まえ、やらなければならない手続きはしっかり進めていきたいと考えております。
現時点で具体的にということは、今日発表できるような状況ではありません。

(問)今のIRの件についてですが、申請期間の延期する期間について、1年程度という一部報道が出ていますけれども、その辺の事実関係、もしくは大臣のお考えを聞かせてください。
どれくらいが適切なのかということです。
(答)先ほどの御質問に答えたとおりですが、そうした報道については全く承知しておりませんし、関知もしておりません。
今、申請を希望されている地方自治体それぞれの事情がありますので、丁寧に聞かせていただきながら、全ての希望される地方自治体にとって、公平な制度でなければいけないということなので、そうした詰めを行っているところです。

(問)全日空が、全社員の給与削減の提案をしました。
航空会社は今後、全日空以外も厳しい状況が続くと思われますけれども、そうした給与削減は雇用の確保の観点からも大変なのかなとも思うのですけれども、そういった観点から全日空の対応への御所感をお願いします。
あと、度々聞かれている、格安航空会社も含めて、支援について、また、ほかの格安も厳しくなっているという報道もありましたので、何かお考えを御願いします。
(答)まず、一昨日、全日空が今回の新型コロナウイルス禍で大変な厳しい状況にある中で、経営改善方策の一環として、人件費削減策を労働組合に提案されたということは承知をしております。
また、同社だけでなく、御指摘ありましたように、この前はエアアジア・ジャパンがあのような状況になり、各航空各社とも大変厳しい状況にある。これは十分承知をしております。
今回、各航空会社が事業と航空ネットワークの維持、存続のために、大変ぎりぎりの対応をされているということをしっかりと、重く受け止めながら、これまで様々な支援策はしてきたわけですが、それ以上に必要なことがあれば、各社の意見をしっかり聞きながら、適時適切な対応を取っていきたいと考えております。

(問)Go To トラベルについてお伺いします。利用者が一部の富裕層に偏っているのではないかという意見がありますが、それについて大臣の御見解をお願いします。
(答)毎月月末締めで、翌月の15日過ぎにその内容を発表させていただきますので、現状は、8月末の段階のことしか正確には分かっておりません。
そうした高級志向や、一部富裕層の方が利用されているという報道がありますが、定額の割引ではなく、定率の割引なので、高級な部屋の方がどうしても割引度合いが高くなることから、そうした報道がなされているものと思います。
他方で、私の友人も随分利用しておりますが、決して富裕層と言えるような友人ばかりではありませんので、私はまだ正確にはわからないのではないかと思っておりますし、先週は福島県の会津若松、スパリゾートハワイアンズ、その前は富山県の宇奈月うなづき温泉など、それぞれの観光地域の事業者の皆さんからヒアリングさせていただいておりますが、一部の富裕層にしか使われていないというような御意見はほとんどありません。
大変多くの方が利用されていて、新型コロナウイルス禍の厳しい状況の中で、大変支えていただいているというお話でありましたので、そうしたことは極端な話ではないのではないかと思います。
いずれにしても、毎月事務局の方で分析をしていかなければいけないと思います。
地方への偏在等あるかも知れませんので、そうしたことは注視しながら、公平性ができるだけ担保できるような良い制度として使っていかなければいけないと、しっかり戒めていきたいと思います。
速報値的にわかっているのは、9月15日までの利用実績において、1人泊当たりの旅行代金を試算すると、平均で約1万2000円余りという数字が出ておりますので、必ずしも高い価格帯の宿泊施設に偏っているわけではなく、1泊1万円未満の施設も含めて、価格帯の高低にかかわらず、幅広く御利用いただいているという、今のところの数字が出ております。
しっかりと精査をしていきたいと思います。
(問)もう1点お願いします。利用客に関しまして、2018年度の日本の総人口に占める65歳以上の割合は約28%ということで、65歳以上の方はハイリスクと言われており、なかなか外に出られるような状況ではないと。
そうすると、高齢者の方が、周囲の視線などもあって旅行に出にくい、ということがあります。
そうするとますます公平性に欠けるのではないかという話もありますが、いかがでしょうか。
(答)まず、高齢者の皆さんの感染リスクが高いという話は、先日、東大のドクターの方々と懇談をした折りに、病気をかつてされた方や現在されている方については、医学的に感染率が高いということはある意味で言えるけれども、お元気な高齢者についてはそういうことはないので、却ってその方々もステイホームがずっと続いていますと精神的なことや、認知的なことも進むという傾向があるので、大変心配しているというお話がありました。
このことについては、段階を追ってということもあるかと思いますが、Go To トラベル事業がスタートして順調に展開する中で、高齢者の皆さんに必ずしも旅行を差し控えてほしいというようなことは、当然、そのような意図では言っておりませんし、それは誤解であるということは広報・周知しなければいけないのかなと。
それは、国土交通省が勝手に行うわけではなくて、分科会の専門の先生方としっかりと打ち合わせをして、西村担当大臣も含めて、政府としてそれはしっかりアナウンスして行かなければいけない課題だと思っております。
高齢者の皆さんも、これまでの観光では、特に国内旅行は高齢者の皆さまが、平日に元気に観光を楽しんでいただいているというのがこれまでの姿だったと思いますし、今後もそうした国内の旅行の素晴らしさを再発見していただいているという側面もありますので、是非、地元や近辺の観光地の素晴らしさを元気な高齢者に堪能していただきたいと思っておりますので、そこはしっかりと対策を取らなければならないと思っています。

(問)先ほど、Go Toに関する御回答の中で、平日の旅行商品の購入を促進するようなキャンペーンを検討されていると仰っていました。
これはGo To トラベルの予算や枠組みの中でやられるものなのか、また、この制度はいつ頃始めることを御検討されているのかなど、もう少しお伺いできることがあれば教えてください。
(答)Go To トラベル事業の予算の中で、どのような商品を作るかは何も制限がありませんし、民間の旅行代理店の主導でそうしたものをしっかり作ってほしいということを要望、検討して、国推薦のどうのこうのではないと承知をしております。
(問)あくまで民間に働きかけをしているということですか。
(答)我々はそういう商品を売っていませんし、売る気持ちもありませんが、宿泊事業者の所に行っても、今後どうしても土日祝日はお客さんが集中しますし、年末年始も予約が相当入っているけれども、これまでもそうですが、平日はどうしてもお客さんが少なくなっており、従来はインバウンドで随分カバーされてきたわけですが、インバウンドが今、ほぼ期待できないような状態ですから、そうしたことについて我々のところにも特段に要望があります。
おそらく公明党の山口代表のところにも、観光事業者の皆さまからそうした御要望があって、あのような発言につながったと思いますので、1つの例で決定的なことではないと思いますが、休日を取得しやすいようにすることや、そういった旅行商品を作るなど、官民挙げて協力していくことが大事ではないかということを申し上げたつもりです。

(問)IRについてお伺いしたいと思います。
先ほど基本方針の話もありましたけれども、関連で、横浜市、誘致を目指しておりますけれども、横浜市で誘致に反対する市民団体が、誘致の是非を問う住民投票を実施しようということで署名を集めており、それが住民投票条例の制定を求める署名が6万筆を超えて、直接請求に必要な法定数を上回りました。
今、別の団体も市長のリコールに向けて署名活動を始めました。横浜市内ではIRの誘致に対して非常に市民の中で不安や懸念といったものが根強いのですけれども、大臣はこの現状をどのように受け止めておられるでしょうか。
(答)国会でもよく横浜の事について質問されますが、横浜の事を国でどうしろああしろとする立場でもありませんし、横浜市で条例を作るか作らないかは、ひとえに横浜市政の問題だと思っておりますので、横浜市政の中で議論が進んで申請をされるのであれば、そのときに我々国としてはその内容について審査をするという立場です。
現実の横浜市がどういう状況かというのは私も詳らかではありませんけれども、そこについて私はコメントする立場ではないと思っております。
(問)IRの誘致に対する住民側の不安についてはいかがでしょうか。
(答)そうしたことがないような、住民側が不安を持つような内容のものは、おそらく審査をパスできないと思っております。
国で初めての施設導入になりますから、一般的に様々な懸念があるというのは私も承知をしておりますので、その点は当然不安を払拭できるように丁寧に説明するというのは当然の責任だと思いますし、それは国の責任でもありますけれども、誘致を決断するそれぞれの地方自治体の責任として、また、そうしたことがクリアできないのであれば申請ができないという決め事になっていますから、それはしっかりと横浜市であれば横浜市として横浜市民の皆さまに御理解いただけるように努力していただかなければならないと思っています。

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