大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年12月18日(金) 11:06 ~ 11:26
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件につきまして、私の方から1点報告があります。
本日の閣議で、「特定複合観光施設区域整備法第九条第十項の期間を定める政令」が閣議決定されました。
これは、IR整備法の区域整備計画の認定申請の期間を、令和3年10月1日から令和4年4月28日までとするものです。
詳細は後ほど資料を配布いたします。
このほか、私の方から2点報告があります。
「第7回特定複合観光施設区域整備推進本部会合」の開催についての御報告です。
本日、菅内閣総理大臣御出席の下、「第7回特定複合観光施設区域整備推進本部会合」を開催し、IR整備法に基づく基本方針を決定いたしました。
来年10月から再来年4月にかけて、自治体からIRの区域整備計画の認定申請を受け付け、その後、有識者により構成される審査委員会において審査を行い、国土交通大臣が認定することとしておりますが、この基本方針は、認定に当たっての考え方やルールを定めるものであります。
この中で、IRの区域整備計画の認定審査に係る基準として、「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現」、「経済的社会的効果」、「IR事業運営の能力・体制」、「カジノ事業収益の活用」、「カジノ施設の有害影響排除等」、以上5項目を定めており、依存症などの弊害防止対策に万全を期しながら、国際競争力があり、滞在型観光の促進に資する日本型IRを実現するものとなっております。
また、本日のIR推進本部会合においては、IR整備における公正性・透明性の確保を徹底するため、この基本方針に基づき、IR推進本部におけるIR事業者等との接触ルールが決定されました。
さらに、国土交通省としても、国土交通省におけるIR事業者等との接触ルールを策定したところです。
接触ルールにおいては、IR事業者と面談を行う際には複数人で対応し、面談終了後に記録を作成すること等が定められており、このルールを厳格に適用することによって、IR整備に対する国民の皆さまの信頼と理解をしっかり確保してまいりたいと考えております。
菅総理大臣からも、公正性・透明性を確保し、国民の理解をいただきながら、政府一丸となって必要な準備を着実に進めるよう指示がありました。
国土交通省としましては、本日決定された基本方針等に基づいて、引き続き区域整備計画の認定に向け、必要な準備を進めてまいります。
詳細は後ほど資料を配布いたします。
もう1点は、無人航空機に係る航空法の規制の緩和と許可基準の明確化についてです。
現在、無人航空機については、航空機の航行や地上の人・物等の安全を確保する観点から、高度150m以上の空域での飛行、目視外での飛行、物件の投下を行う飛行等の場合は、航空法に基づく許可等を得ることが必要とされています。
こうした中、インフラ点検や物流でのドローンの活用を更に進めていく観点から、煙突や鉄塔等の高層構造物の周囲や山間部といった、有人航空機との衝突のおそれが少なく、無人地帯に近いとみられる場所においては、これらの許可基準の緩和等を行ってほしいと「縦割り110番」に御要望をいただいておりました。
今般、この御要望を受け、国土交通省では、河野大臣直轄チームと連携して調整を行い、新たに以下の3つの措置を講じることといたしました。
1つ目は、高層構造物等の周辺における高度150m以上の飛行については、一定の要件の下、許可を不要とすることにより、ドローンを活用したインフラや建築物の点検等がより円滑に実施できるようにいたします。
来年夏頃までに所要の制度改正を目指しております。
2つ目は、目視外における高度150m以上の飛行やドローンによる物件投下については、例えば、低い位置からの投下等、リスクが低い場合には、補助者の配置が不要であることを明確化することにより、山間部での飛行や無人航空機を使った荷物配送等が、より円滑に実施できるようにしたいと思います。
今年度中に許可基準を明確化いたします。
最後に、飛行する場所周辺の土地・建物の所有者等との事前調整については、航空法上の許可を出す際の必須条件ではないことを明確にいたしまして、申請手続きの合理化を図ってまいります。
今月中に標準飛行マニュアルを改正いたします。
国土交通省としては、今後も、飛行の安全・安心を確保しつつ、無人航空機の更なる利活用の拡大を推進してまいりたいと考えております。
詳細は、事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
私からは以上3点です。

質疑応答

(問)まず、北陸新幹線の開業遅れに関してお尋ねします。
大臣、先日、鉄道・運輸機構に業務改善命令を出される考えを表明されましたけれども、スケジュール感等含めて今後の対応についてお聞かせください。
(答)北陸新幹線金沢(かなざわ)敦賀(つるが)間の開業については、まちづくり等の取組を進める沿線自治体をはじめ地元の皆さまの期待が大変大きいことから、工期の遅延・工事費の増額が生じたことについては、国土交通省としましても大変遺憾であると考えております。
今般とりまとめられました外部有識者から成る検証委員会の中間報告書でも、鉄道・運輸機構における工程管理・事業費管理の体制やルール、関係者との情報共有のあり方に問題があったこと等が指摘されており、早急な対応が求められているところです。
こうした中間報告の内容を踏まえ、鉄道・運輸機構の業務運営の改善に向けて、業務改善命令を発出するべく、今、準備を進めているところです。
今日の時点では、これ以上申し上げることはできません。
 
(問)小池都知事が、先日、首都圏での大みそかの終夜運転の中止を要請したことを明らかにしました。
現在の鉄道各社との対応状況・検討状況について教えてください。
(答)東京都をはじめとする1都3県の知事から、私宛てに、大みそかの終夜運転の中止など、感染拡大防止に向けた取組への一層の協力についての要請文を12月16日付で頂戴いたしました。
また、12月14日に開催された第49回新型コロナウイルス感染症対策本部においても、総理から、「各大臣において、この感染拡大をなんとしても乗り越え、国民の命と暮らしを守るために、自治体と緊密に連携しながら、対策に全力で当たっていただきたい」との御指示があったところです。
こうしたことから、国土交通省としても、1都3県の知事からの要請を踏まえ、終夜運転の実施を予定している1都3県の鉄道事業者に対し、昨日17日木曜日に、当該終夜運転の中止など、感染拡大防止に向けた取組への一層の御協力を要請したところです。
引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止に必要な措置を、緊張感をもって講じていきたいと考えております。
 
(問)大雪に関してお伺いします。
関越道で多数の車が立ち往生する状況が発生しておりますが、把握されている最新の状況と国土交通省の対応・対策についてお聞かせください。
(答)令和2年12月17日にかけての強い冬型の気圧配置により北日本から西日本にかけて山地部を中心に、48時間降雪量が多数の地域で観測史上1位を更新する等、記録的な大雪となりました。
特に、新潟県では、降雪に伴う交通事故の発生や、チェーンを装着していない車が走行できなくなる等、関越自動車道等で多数の立ち往生車両が発生し、1日以上も車内で待機いただくなど、利用者の皆さまには大変御迷惑をお掛けしているところです。
これまでに、関越自動車道の下り線、新潟方面におきましては、全ての滞留車両の退出が完了しましたが、上り線、東京方面につきましては、現在も滞留車両の退出作業中であります。
この上り線につきましては、7時現在で、NEXCO東日本から、約70台の滞留と発表されたところですが、現実にはまだ多くの車両が残っているとの情報もあり、地方整備局において、ヘリによる調査を行うとともに、NEXCO東日本に対して、速やかに現状を確認し、それに基づきしっかりと対応するよう指示したところです。
国土交通省といたしましては、関係機関とも連携しつつ、NEXCO東日本と地方整備局において、食料等の配付など、滞留者の方々への支援を行うとともに、引き続き除雪作業を進め、早期の車両の滞留や通行止めの解消に全力を挙げてまいりたいと考えているところです。
引き続き、国土交通省としても注視をしていかなければいけないと思っております。
 
(問)今回の大雪について、気象庁の予想で、15日の時点で、北陸の方で2m近い降雪量が予想されていた中で、これを踏まえ、今回、大雪に備えた緊急発表を出されなかったのはなぜなのか。
検討はされていたのかと、そもそも緊急発表を出す基準が決まっていない中で、今後の情報の出し方など、何か検討するお考えがあるかについてお聞かせください。
(答)大雪に対しては、不要不急の外出を控えていただくことが道路交通の確保の観点から重要であると認識しております。
こうしたことから、記録的な降雪等となる可能性がある場合には、最新の気象状況・交通状況への注意喚起等を国民に呼びかける「大雪に対する国土交通省緊急発表」を実施することとしています。
今回の場合は、記録的な降雪となるとは予測されておりませんでしたが、結果的には、多数の立ち往生が各地で発生したことなども踏まえ、今後、振り返り・総括をしっかり行い、情報の発出の仕方等々、より適切な対応について、必要な検討をしっかりと行ってまいりたいと考えております。
 
(問)「Go To トラベル」についてお伺いします。
これまで5000万を超える宿泊に対し、感染した利用者は200人程度と伺っておりますが、安全に事業を推進するために、無症状の人が旅先で知らないうちに感染させる状況を把握し、感染リスクの因果関係について積極的に実態調査するようなお考えはありますでしょうか。
(答)Go To トラベル事業の実施に当たりましては、繰り返し申し上げておりますが、事業者と旅行者の双方において感染防止対策を徹底していただくことが何より重要であります。
その一環として、この事業に参加する宿泊施設と旅行業者には、旅行者や従業員の感染が判明した場合には、運営事務局を経由して観光庁に報告することを求めております。
その際、事業者が運営事務局に報告する感染に関する情報は、通常、保健所からの連絡によって認知することとなります。
具体的には、宿泊中に体調が悪くなった旅行者が、宿泊施設のフロントを通じ、保健所に相談して、PCR検査を受けて陽性が判明するケースや、チェックアウト・帰宅の後に、体調が悪くなった旅行者が、保健所に相談してPCR検査を受検し、陽性が判明するケース。
こうしたケースがあるということです。
いずれにおいても、事業者は、旅行者が陽性と診断された旨の連絡を保健所から受け取ることになります。
このような仕組みにおいて、Go To トラベル事業の実施におきましては、新型コロナウイルスの陽性者の情報を、関係者が連携して適切に把握しているものと考えております。
保健所から連絡があった事業者は、その連絡を怠ってはいけないということをしっかりと明記しているところです。
その結果として、昨日、12月17日までに観光庁に報告があったものは、Go To トラベル事業の利用者で、最終的にいずれの形も合わせて陽性と判明した方は309名、そのうち、宿泊中に判明した方が68名、また、チェックアウト・帰宅の後に判明した方が241名となっているところです。
この数が、延べ5000万人泊に比して確率が大変低いため、きちんとやっているのかという報道や御意見を言われる方がいらっしゃるかと思いますが、今のこの仕組みではしっかりと漏れなくやっておりますし、そうした309名の方の詳細なデータは個人情報の関係で表に出すことはできませんけれども、観光庁としては掌握しているところです。
Go To トラベル事業と新型コロナウイルスの感染との因果関係については、我々はあくまでも、政府の分科会の専門家の委員の方々が、責任ある立場で述べられた所見を優先すべき、大事にするべきと考えております。
その分科会では、11月20日の分科会の提言において、何度も申し上げておりますが「Go To トラベル事業が感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しない」と伺っております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症自体の正体が全て分かりきっているわけではないため、当然のことながらこのGo To トラベル事業を遂行するに当たっては、常に申し上げているとおり、感染拡大防止を大前提にしている事業でありますので、常にこうしたことについても分科会の専門家の皆さまの御指導を仰ぎながら、しっかりと取り組んでいかなければならないと。
これは緊張感を持って行っていきたいと考えております。
 
(問)調布市(ちょうふし)での道路陥没の件でお伺いします。本日、有識者委員会が開かれ、中間報告がまとまる予定です。
公表はまだですけれども、仮に因果関係が認められるような場合の事業への影響、今後対策で必要なことが何か現時点でお考えがあればお願いします。
また、今回の工事は大深度地下事業の1つでもあり、工事は地上には影響ないとされてきましたけれども、ルートの地域の方々はもちろん、今後、リニアの計画もあり、安全性について不安な住民の方も多くいらっしゃいます。
大深度地下事業の安全面と今後検討が必要なことについて、お考えがあればそれもお願いします。
(答)事業が行われる地域の住民の皆さまの不安を払拭するために、今回の事案を通じて有識者の委員会でしっかり御議論していただき、原因究明をしなければならないと思っています。
繰り返しになるかもしれませんが、調布市の市道における本件事象については、有識者委員会の御意見を聞きながら、陥没・空洞とシールドトンネル工事との因果関係の早期究明に向けて、鋭意、現地調査や施工データの整理・分析を進めてきているところです。
その結果も踏まえ、本日も有識者委員会が開催されると承知をしております。
国土交通省としては、住民の方々の不安をできる限り早期に取り除けるように、引き続き、東日本高速道路会社の原因究明及び住民の皆さまへの説明について、しっかり注視し、我々もできることは最大限の協力をしていきたいと考えております。
まだ、有識者委員会の結論が出ておりませんので、結論が出る前に私から発言することは控えさせていただきたいと考えております。
 

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