大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年2月12日(金) 8:44 ~ 8:56
衆議院本館
議員食堂
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件について報告するものはございませんが、そのほかに3点報告させていただきます。
1つ目は、除雪費に関する地方公共団体への財政支援についてです。
昨年の12月の大雪により、関越自動車道で大規模な車両滞留が発生したことを受けて、その直後に、私自身、新潟県湯沢地域を、そして今年1月16日には上越地域を視察させていただいたところです。
この際、新潟県知事や地元関係市長の皆さんから異口同音に、「昨年12月から大雪が降り続き、既に1月の時点で当初予定していた除雪費用の約8割を支出してしまっており、今般も短時間に集中した降雪となるなど、記録的な大雪となったため、除雪予算が足りなくなることは必至であり、何とかしていただきたい。」との切実な御要望を承りました。
私からは、「住民の皆さまに一日も早く、平常どおりの生活を取り戻していただくことが最重要であり、そのために国としてしっかりと対応していく。」と申し上げたところです。
それ以降も降雪が続いており、複数の知事や市町村長からも、道路除雪費の不足に対しての支援の御要望をいただいているところです。
道路の除雪費への支援については、国会でも答弁しておりますが、3段階で対応しており、まず第1段階として、年度当初に社会資本整備総合交付金を配分しているところですが、今冬においては、早い時期から多くの降雪があった状況などを踏まえ、例年より早い1月19日から地方公共団体に降雪状況や除雪費の執行状況の聞き取りを実施したところです。
この聞き取りの状況を踏まえ、本日、第2段階目の支援として、道府県及び市町村に対し、降雪状況等を踏まえて年度途中に機動的に配分するために保留していた約116億円を追加配分いたします。
なお、今冬はこれまで全国的に短期間の集中的な降雪が相次いでいることから、これまでにいただいた切実な御要望を踏まえ、第3段階の支援となる臨時特例の措置などの検討に向けて、引き続き地方公共団体からの聞き取りを行ってまいります。
詳細は後ほど資料を配付いたします。
2点目は、「歩行者利便増進道路」、通称「ほこみち」制度の第1号指定についてです。
国土交通省におきましては、令和2年5月に成立、11月に施行しました改正道路法により、歩行者中心の道路を創出する「歩行者利便増進道路」、通称「ほこみち」制度を創設しました。
今回、全国で初めて、大阪市の御堂筋(みどうすじ)、神戸市の三宮中央通(さんのみやちゅうおうどお)り、姫路市の大手前通(おおてまえどお)りの3箇所が、各道路管理者により「ほこみち」に指定されることになりました。
本日付です。
「ほこみち」に指定された道路の区域内では、オープンカフェ等の占用許可基準が緩和され、地域活性化のために道路を利活用できることになります。
なお、3箇所のうち、神戸市の三宮中央通りについては、既に新型コロナウイルス感染症の影響を受ける沿道飲食店等を支援する占用特例を活用し、令和2年8月より道路上にオープンカフェ等が設置されており、今回のほこみち制度により、特例の終了後も継続できることとなります。
国土交通省としましては、この「ほこみち」制度が全国各地で展開されるよう、制度の普及に努めるとともに、コロナ占用特例を活用している沿道飲食店等が路上利用の継続を希望される場合には、「ほこみち」制度へ円滑に移行できるよう各道路管理者と連携してまいりたいと思っております。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
3点目は、空飛ぶクルマの実現に向けた対応についてです。
空飛ぶクルマについては、離島や過疎地での移動、災害時の人命救助や物資支援など、様々な活用が期待されています。
私も昨年9月に福島ロボットテストフィールドを視察し、現地でその実現に向けて様々な企業が取組を進めていることを確認させていただいたところです。
国土交通省は、経済産業省とともに、官民一体となって空飛ぶクルマの実現に向けた取組を進めています。
昨年8月には「空の移動革命に向けた官民協議会」の下に「実務者会合」を設置するとともに、昨年10月には「機体の安全基準」、「操縦者の技能証明」、「運航安全基準」の3つのワーキンググループを立ち上げ、制度の方向性について更なる議論を進めているところです。
こうした中、今般、河野太郎大臣直轄チームを通じて、空飛ぶクルマの実現に熱心に取り組んでいる三重県から、今後本格的に実施される試験飛行に関する許可基準を明確にし、事業者や地域へ共有してほしい。
また、2023年までに「空飛ぶクルマ」の運航を開始させるために必要な基準や手続きを明らかにしてほしいとの御要望をいただいたことも踏まえ、新たに以下の措置を講じることといたしました。
1点目は、今年度中に、試験飛行の関連条文の一覧、試験飛行の許可事例を公表する。
2点目は、具体的な実証実験の計画を踏まえ、2021年度のできる限り早い時期に、試験飛行のガイドラインを新たに策定・公表する。
3点目は、2023年の事業スタートに必要な基準や手続についても、事業者や地域において、運航体制の整備や機体開発などが円滑に進むよう、官民協議会の議論を踏まえ、順次公表していく。
国土交通省としては、空飛ぶクルマの実現に向け、必要な環境整備について引き続き官民で連携を図りながら取り組んでまいります。
詳細は事務方にお問い合わせいただければと思います。
私からは以上です。

質疑応答

(問)「そうりゅう」の事故なのですけれども、海自の潜水艦と民間商船の衝突の事故で、海上保安庁の方で今調査を進めておられるかと思うのですが、何か新しいこと、分かったことがあれば教えてください。
(答)2月8日、防衛省から海上保安庁に対し通報のあった本事案について、海上保安庁では、2月9日、高知海上保安部により、高知港沖において潜水艦の調査を行いました。
潜水艦の船橋(せんきょう)右舷外板(うげんがいはん)右舷(うげん)(せん)()などの損傷並びに潜水艦乗組員3名の負傷を確認しており、関係者から事情聴取を行っております。
また、接触したと思われる貨物船については、9日から10日にかけ、神戸港沖において、船体調査等を実施し、船首部(せんしゅぶ)(すい)線下(せんした)の外板に、接触した際に生じたと思われる傷を認めました。
海上保安庁では、これまでの潜水艦そうりゅう及び貨物船の船体調査等を踏まえ、両船舶が接触した可能性が濃厚であることから、高知海上保安部において、業務上過失往来危険及び業務上過失傷害の疑いで、所要の調査を行っているとの報告を受けております。
現時点で分かっていることは以上です。
 
(問)2点お伺いします。1点目は、昨日、五輪組織委員会の森会長が辞任の意向を示され、後任に川淵氏が就任予定となりました。
この受け止めをお願いします。
2点目は、先日の予算委員会で、リニア中央新幹線の工事、スケジュールありきではないと大臣は仰いました。
本日、同じ大深度の工事が行われた調布市の道路陥没調査結果が発表される予定です。
内容如何では、リニアの工事が遅れても致し方ないとお考えでしょうか。
(答)1点目の件については、報道は承知しておりますが、現時点で確定したものは何もありません。
今日の午後に懇談会が行われることしか決まっていないと承知しておりますので、その件について特にコメントはありません。
2つ目のリニアの件ですが、調布市における陥没を受けて、「東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会」において陥没の発生原因と再発防止策の検討が進められております。
リニア中央新幹線の事業主体であるJR東海としては、この有識者委員会の検討結果を十分に踏まえてシールドトンネル工事を進めることとしていると承知をしております。
具体的には、地盤の特性に応じた工事の施工方法など工事の安全確保に関し、有識者委員会の検討結果を受けて、実施すべき対策について検討していく。
また、トンネル掘削工事を開始する前には、工事を行うルート沿線の住民を対象に、有識者委員会の検討結果を受けた対策等を含め、工事の内容についての説明会を開催する予定と聞いております。
こうしたことを丁寧に行いますので、スケジュールありきでシールド工事を進めることはないと承知しております。
国土交通省としましては、安全に十分に配慮し、地域の皆さまの理解と協力を得ながら、適切にトンネル掘削工事を実施するよう、JR東海を指導してまいりたいと考えております。

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