大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年7月6日(火) 11:03 ~ 11:17
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
「国土交通グリーンチャレンジ」のとりまとめについてです。
近年の気候変動による災害の激甚化・頻発化等への対応として、政府の目標でもある「2050年カーボンニュートラル」は必ず達成しなければいけない大きなテーマであると考えています。
国土交通省として、その実現に向け、有識者からなる「グリーン社会ワーキンググループ」における調査審議の成果を「国土交通グリーンチャレンジ」としてまとめていただき、先日、ワーキンググループの石田(いしだ)座長から御報告いただきました。
具体的には、ZEH(ゼッチ)ZEB(ゼブ)等の導入促進による住宅・建築物の省エネ対策の強化、次世代自動車の普及策の強化や、自動車の電動化に対応した都市・道路インフラの社会実装の推進、ゼロエミッション船の商業運航実現や持続可能な航空燃料(SAF(サフ))の導入促進、カーボンニュートラルポート形成の推進や洋上風力発電の導入促進など、グリーン社会の実現に向けた重点プロジェクトをまとめた国土交通グリーンチャレンジを、国土交通省の重点政策と位置づけ、現場を持つ強みや技術力を活かし、大きな役割と責任をしっかりと果たしていきたいと考えております。
この国土交通省グリーンチャレンジを着実に実行していくための体制として、新たに「国土交通省グリーン社会実現推進本部」を立ち上げることとし、関係省庁や産業界との連携もより一層強化しながら、大臣プロジェクトとして私自ら先頭に立って、総力を挙げて取り組んでまいります。
詳細は後ほど資料を配布いたします。
私からは以上です。

質疑応答

 (問)大雨の影響に関してなのですが、3日に熱海市(あたみし)で大規模な土石流が発生しました。この対応について、国土交通省が把握されている被害状況と、国土交通省の対応についてお聞かせ下さい。
また、併せて、土石流の発生の起点付近に開発行為による盛土があって、これが崩落しているとのことなのですが、この盛土が土石流に与えた影響について現時点でわかっていることがございましたら併せて教えてください。
(答)今回の豪雨災害により、お亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、全ての被災された皆さま方に対しまして、心からお見舞い申し上げる次第です。
7月1日からの活発な梅雨前線の影響により、東海地方から関東地方南部を中心に、数日間にわたって断続的に雨が降り続きました。
この結果、静岡県の複数の地点で、観測史上1位の値を更新するなど、記録的な大雨となりました。
今朝までに判明している被害状況ですが、静岡県熱海市の土石流災害をはじめ、計46件の土砂災害が確認されるとともに、狩野川(かのがわ)水系黄瀬川(きせがわ)において、黄瀬川大橋(きせがわおおはし)の沈下や家屋1戸の流失があったほか、5水系7河川で浸水被害が確認されています。
静岡県熱海市逢初川(あいぞめがわ)で発生した大規模な土石流により、甚大な被害が生じております。
いまだに、熱海市において、安否確認中の方が、本日6時現在で24名と承知しています。
こうした事態の中、昨日5日、政府として「非常災害対策本部」を設置したことを受け、同日、国土交通省としても「非常災害対策本部」を設置し、人命救助を最優先に対応を強化したところです。
まず、海上保安庁では、行方不明者の捜索のため、熱海港(あたみこう)伊豆山(いずさん)地区において、巡視船艇7隻及び潜水士による 行方不明者の捜索・救助活動に当たっております。
これは時間との闘いでもありますので、引き続き全力であたります。
次に、救助活動の支援としては、昨日までに土砂災害専門家2名を現地に派遣し、熱海市長や静岡県等に直接、斜面の崩落の危険性などについての調査結果や、雨天時に捜索活動を中止する際の判断基準などの助言を行ったところです。
さらに、本日もリエゾン10名を含めてTEC-FORCE(テックフォース)を計40名に増強し、被災自治体の皆さまに寄り添いながら、現場からの要望や御意見などの丁寧な把握に努め対応しているところです。
このTEC-FORCE活動の一環として、被災現場の監視体制を強化するため、崩落発生個所と推定される渓流の最上流部など2箇所に、監視カメラ、照明車、通信機材について、昨日までに設置を完了したところですが、本日中に更に監視カメラを2台増強する予定です。
なお、現場付近を通過する東海道新幹線については、徐行をかけながら運転を再開しており、平行する東海道線においても、一昨日4日12時30分頃に、同様に徐行をかけながらの運転を再開しているところであり、引き続き警戒態勢を維持してまいります。
道路については、東名高速道路の裾野(すその)ICから沼津(ぬまづ)ICの上り線及び横浜横須賀道路逗子(よこはまよこすかどうろずし)ICにおいて、土砂崩落により通行止めとなっていますが、早期の復旧に向け土砂撤去などを進めております。
このうち、東名高速道路については、今後の天候等にもよりますが、今週末を目途に、上り線2車線のうち1車線の一般開放を目指しています。
引き続き、被災自治体の支援ニーズの収集等にあたるとともに、国土交通省の現場力を最大限発揮し、自治体等の関係機関と連携を密にしながら、人命救助を最優先に対応を行ってまいります。
また、土石流の発生地付近に盛土がなされ、それが崩落したとの報道がなされていることは承知しておりますが、現在、静岡県において、盛土と土石流発生との関連性も含め、調査を行っていると認識しております。
それ以上のことは全て推定となりますので、私からは以上とさせていただきます。
 
(問)三菱電機の検査不正に関連して2点伺います。
1点目は、先週2日の三菱電機の記者会見で、杉山(すぎやま)社長が引責辞任する意向を表明されたことの受け止めについて。
2点目は国土交通省が、今、鉄道事業者に要請している空気圧縮機の緊急点検で問題が見つかっていないかという報告状況についてお聞かせください。
(答)まず、今回の三菱電機の社長の辞任については、あくまで社長御自身の判断と承知しており、国土交通大臣として、一民間企業のトップの辞任について、コメントは差し控えたいと思います。
次に、国土交通省としては、所管である鉄道事業者に対し、安全運行のための指導などを行う立場であると考えておりますが、先日申し上げたとおり、空調装置のみならず、鉄道の安全運行に深く関わるコンプレッサーについてまで、長年にわたり適切な検査が実施されてこなかったことは、大変遺憾です。
同社としては、外部の弁護士等を含む調査委員会を設置し、原因究明及び再発防止策の策定を行う予定と承知しておりますが、国土交通省としても、引き続き、これら装置以外にも不適切な事案がなかったかを含めて、調査委員会の事実調査等の動向を注視し、必要な対策を検討していきたいと考えております。
この事案を受けて、国土交通省では、6月30日に、全国の鉄道事業者に対して、コンプレッサーの点検をより入念に行うこと、その際に不具合が確認された場合には速やかに報告すること等を指示したところです。
現時点までに不具合等の報告は受けておりません。
 
(問)熱海の土砂災害の事で、盛土についてですけれども、国土交通省でこれまで全国の盛土の造成地に関して、何か調査をされたり、対策を打たれたりということはあったのでしょうか。
(答)宅地の造成を目的とした場合、宅地造成等規制法に基づいて、宅地造成工事の申請許可をすることなどを行っております。
その細かい数字は持っておりませんが宅地造成に関しては申請してもらい、しっかりと確認して許可を出しており、それにはそれぞれルールがあるものですが。
(問)全国の盛土について、これまで対策を打たれたりとか、総数を把握されていればこの場でなくていいのですが、教えていただきたいのと、宅地については把握されていたということだと思いますが、その他の今回の宅地ではないところについては、どんなふうにお考えだったのか、分かる範囲で結構なので、お願いいたします。
(答)例えば、山林における土砂の搬入ですとか、それ以外のことは国土交通省の所管ではなかったというのが現実です。
農林水産省や環境省などの関係省庁と、一度全国の盛土自体の総点検を行う方向で考えていかなければならないと問題意識を持っております。
宅地造成の場合はルールがありますが、それ以外のところも、今回の事案の原因となるような、同様の箇所があるかないかも含めて、しっかりと対応していかないといけないと思っております。
 
(問)先ほど、東名に関しては、通行の目途は今週末を目途に1車線というお話でしたけれども、熱海の方の国道135号線に関してなんですが、熱海と市街地と湯河原町(ゆがわらちょう)方面とを結ぶ主要道路ですので、まだ通行止めが続いているようですけれども、この辺の復旧の目途、善後策があるかどうか、また、見通しが見えているのかどうかを教えていただきたいんですけれども。
(答)道路ネットワークですから、1日も早く戻さなければならないということで、現場で対応しておりますが、今日の時点でいつ開通が見通せるかについては、そのような状況ではありません。
いずれにしても、しっかりと対策していかなくてはならないと考えております。

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