大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2021年10月8日(金) 10:04 ~ 10:22
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

 本日は特に私から報告することはありません。

質疑応答

(問)昨日、千葉県を震源とする強い地震がありましたが、現時点で把握されている被害状況と、今後の国土交通省の対応について教えてください。
(答)昨日22時41分、千葉県北西部を震源とする最大震度5強の地震が発生しました。
国土交通省においては、ただちに非常体制をとり、22時43分に私から指示をしたうえで、本日午前1時から第1回特定災害対策本部会議を開催するとともに、午前8時30分からも第2回会議を開催し、対応にあたっています。
また、地震発生後から速やかに所管施設の点検等にあたるとともに、海上保安庁の巡視艇及び航空機により被害状況調査を実施しています。
加えて、本日朝から、関東地方整備局のヘリコプターも調査を行っています。
さらに、震度5弱以上などの22区市町とホットラインを構築の上、東京都、埼玉県及び震度5強以上の3区市町、東京都、埼玉県、足立区(あだちく)川口市(かわぐちし)宮代町(みやしろまち)にリエゾンを派遣し、被害状況の収集や支援ニーズの把握等を実施しています。
また、東京都において気象台のJETT(ジェット)による地震解説を行っています。
今回の地震による被害状況については、日暮里(にっぽり)舎人(とねり)ライナーにおいて列車が脱輪し、3名の負傷者が発生しましたが、全ての乗客の安全な場所への誘導が完了しています。
この3名の負傷者の方も軽傷とお聞きしております。
このほかの鉄道や高速道路では、運転見合わせや通行止めがありましたが、9時現在で施設点検中の鉄道1路線を除き、既に解消しています。
なお、東京駅や品川(しながわ)駅などで帰宅困難者が発生しましたが、鉄道各社による運転再開後の滞留旅客の輸送やタクシー業界による優先的な配車などを、国土交通省から要請し、本日3時頃までに概ね解消しました。
今後1週間程度は、最大震度5強程度の地震への注意が必要であることから、国土交通省として、引き続き警戒してまいります。
 
(問)不正な自動車車検の問題でお伺いします。
先般、トヨタ自動者系列の販売店で、車検で必要な検査を行っていないことが分かりました。
こうした車検の不正検査について、今後の対策でお考えがあれば教えてください。
あと、検査項目の一部で現在は必要性が低いと考えられる項目があるのではないかという声が一部で出ていますが、この点について大臣のお考えを教えてください。
(答)車検制度は自動車の安全性能、環境性能をきちんと確認する上で大変重要な制度であると認識しています。
少々古い話になりますが、私が党の政調会長時代に規制緩和の一環で、車検期間の延長の話が持ち上がったことがあります。
当時、車検制度と交通事故の関連性を調べた研究論文等もあり、そのような論文も調べたところ、当時は車検の規制を緩めることは交通事故の増加に繋がるというように我々としては考えたものですから、与党として車検制度の延長に断固反対して、そうさせなかったということがあります。
その時、私は政策の責任者でしたので、車検制度については私は思い入れがあるのですけれども、今御指摘いただいた、検査項目については、そのいずれも安全性能、環境性能を確認する上で、いずれも重要な項目であると認識しています。
最低限必要な項目になっているとの認識です。
一方、御指摘された点についても我々、十分根拠のある御指摘であると思いもいたしまして、本年8月に自動車の高度化に伴う安全確保策の在り方を検討するための検討会を設置し、車検時の確認方法、それぞれの項目、その性能を確認するわけですが、その確認方法についてもっと合理的なやり方があるのではないかと。
その見直しについても検討を進めており、今年度中に一定の結論を得る予定です。
先ほど申し上げたように、車検制度は安全、環境という面で非常に重要ですので、多くの関係者の皆さまの御理解が得られる、これは合理的だというものにしていきたいと、このように決意しています。
 
(問)スポーツ業界に続きまして、観光業界でもワクチン検査パッケージが実施されるとのことですが、「Go To トラベル」再開などもあわせて見通し、期待感などをお聞かせいただければと存じます。
(答)Go To トラベル事業の再開については、今、慎重に検討しているところです。
ワクチン検査パッケージをどのように活用していくか、一昨日からその実証を始めたところです。
今でも、ぜひこういう形で行いたいというものについては受け付けております。
その検証結果を元に、ガイドラインを提案したい。
そのガイドラインに基づいて、政府の対策本部、分科会の先生方にも御相談させていただいて、順次どのような形で適用してくかということも含めながら、Go To 事業をいつ再開するか検討していきたいと思っています。
 
(問)リニア中央新幹線についてお聞きしたいのですけれども、先日の就任記者会見のときに、総理からリニアを始めとする高速鉄道の整備を進めるように指示を受けた仰っていましたし、大臣自身もリニア事業に対しインパクトのある重要な事業だと仰っていたと思います。
そのことに対してなのですけれども、静岡県の川勝(かわかつ)平太(へいた)知事が6日の記者会見で、大井川(おおいがわ)の流量減少の懸念に対するJR東海の対応は不十分な中で、総理や大臣がリニア事業の推進を明言したことに関して、県民の意思をないがしろにしているですとか、水問題に苦しむ静岡県にリニアを掘るように指示したというのはおかしいなどという批判を展開したのですけれども、それで改めて大臣のリニア事業に対する考えを教えていただきたいです。
もう1点なのですけれども、川勝知事が新内閣に求めたリニア工事の中止に関して、リニア事業そのものではなく、あくまで南アルプストンネルの部分をやめるようにJR東海に指導してほしいという主旨だったということを仰っているのですけれども、そのトンネル工事をJR東海にやめるよう求める知事というか、県の要望に関しては、大臣自身どのように考えるのか、その2点をお願いいたします。
(答)先日の私の就任会見での発言ですが、よく読んでいただくと、私が強調したかったのは、事業者であるJR東海が利水者など地元の関係者に分かりやすく、丁寧に説明してほしいと、それが不可欠であると。
丁寧な説明と納得が不可欠であると強調して申し上げたつもりで、県民の意思をないがしろにして工事を進めることはあり得ないと思っております。
先日の国土交通省の有識者会議においても、JR東海は利水者等の不安や懸念を再認識した上で、地元の理解が得られるように真摯に対応すべきと提言されており、この意見に基づいて我々国土交通省も丁寧に対応すべきで、そのような精神で臨みますので、この点は御理解いただきたいと思います。
川勝知事の要請は、時間的に、知事の要請があって私の発言があったのではなく、私が発言したときは要請について存じ上げていませんでした。
そういう御要請があったことを踏まえながら、国土交通省で検討してまいりたいと思っています。
 
(問)先ほど、Go To トラベルのことについて追加でお尋ねしたいのですが、Go To トラベルの再開と、先ほど仰ったワクチン・検査パッケージの実質的な運用とGo To トラベルというのは必ず同一の形で、両方、ワクチン・検査パッケージがあることを前提にGo To トラベルを再開するというお考えなのか、それともそれぞれ別個にやって、準備が整った時点で再開するのか、このことについて関連性があるのかないのかということが1点。
あと年末年始に旅行需要が非常に増えるかと思うのですが、先ほど整い次第ということだと思うのですが、年末年始までに再開を間に合わせたいという意向はございますでしょうか。
(答)基本的な考え方は何回も申し上げておりますが、感染対策と経済の回復、その両立を図っていくという基本的な観点があります。
それで御質問の第1点はワクチン検査パッケージをその中に組み込んでいくのか、それが前提かということですが、初めからそれを前提にしているというわけではありませんけれども、現実的には技術実証をしている、その旅行におけるワクチン検査パッケージ、その検証結果を元にしてガイドラインを作る、そのガイドラインに基づいてGo To 事業の再開を検討していくということだと思います。
まだこういう前提でやっていくとか、こういう形でやっていくということを、今決めているわけではありませんが、まず、今、技術実証をやっているところで、そしてガイドラインを作り、そのガイドラインがどのような形でGo To の再開に結びついていくのか、そのことも含めて検証し、検討していきたいと思っています。
それから年末年始に間に合わせるという質問ですが、これは今の段階で予断を持ってこういう時期までにということを申し上げる時期にはないと思っています。
あくまでも検証、そしてガイドライン、そして専門家の先生方との協議、そういうことを踏まえて決定していきたいと思います。
 
(問)冒頭質問にありました地震の件ですが、帰宅困難者の数、規模感などを把握されていればという点と、所管になるかどうか分からないですが、エレベーターの閉じ込めなどの被害があったようですが、これについても何か把握されていることがあればお願いします。
(答)まずエレベーターにつきましては、閉じ込め件数が28件ございました。
全て救出済です。
帰宅困難者の人数については、今調査をしておりまして、分かればすぐお知らせしたいと思います。

ページの先頭に戻る