大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2021年11月10日(水) 10:01 ~ 10:19
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

 (大臣)本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

(問)鉄道の安全についてよろしくお願いします。
京王(けいおう)線の特急電車内で起きた刺傷事件の後、東京メトロ東西(とうざい)線や九州新幹線で危険物の持込みや放火未遂がありました。
鉄道利用者の安全が脅かされる事案が相次いでいますけれども、国土交通省の対応状況を教えてください。
(答)鉄道の安全、今、国民の皆さまから大変御心配をいただいております。
先月末の京王線での事件の発生以降、今月6日土曜日には、東京メトロ東西線の門前(もんぜん)仲町(なかちょう)において、乗客が工具を用いて他の乗客を脅す事件が、また、8日月曜日には、九州新幹線において乗客が放火をしようとする事件が、それぞれ発生しました。
九州新幹線では座席の一部が焦げるなどの被害はあったものの、幸い、これらの事案による負傷者等はなかったと承知しています。
また、鉄道の技術基準、省令においては、座席や床などには難燃性・不燃性の材料を用いることが定められており、先月末の京王線での事件も含め、火は燃え広がることはありませんでした。
この省令を読むと、「旅客(りょかく)車の車体は、予想される火災の発生及び延焼を防ぐことができる構造及び材質でなければならない。」と第83条に定められています。
国土交通省では、先月末の京王線での事件を踏まえ、鉄道事業者に対し、警察と連携した警戒監視の徹底や、再発防止策の検討を指示しました。
これを踏まえ、鉄道事業者では京王線での事件発生後、警察とも連携し、警備員、社員による駅構内での巡回や警戒添乗の強化、緊急事態には非常通報装置を押すことといった利用者向けの呼びかけなどの対策を講じています。
参考ですが、当面の間の措置として、社員による警戒添乗の強化の例として、京王電鉄では停車駅の少ない列車を中心に警戒添乗を実施しているそうです。
京王ライナーの全列車、特急全列車の(めい)大前(だいまえ)調布(ちょうふ)間などです。
東京メトロでは、全路線で警戒添乗を実施していると聞いています。
それからJR九州では、九州新幹線の全列車で警戒添乗を実施していると聞いています。
私としても、最近の一連の事件等を踏まえ、鉄道の車両やホーム等において講じられている安全措置を確認するため、近日中に防犯対策などの実情を視察することとしています。
今後、この視察の結果も踏まえ、国土交通省として更なる対応策の取りまとめをしていきたいと思っています。

(問)先日公表された会計検査院の決算報告書について、よろしくお願いします。
この中で、Go To トラベル事業のことで、旅行会社・宿泊事業者などへ支払った前回の年末のGo To トラベルのときなのですけれども、そのときに出たキャンセル料の補償について、観光庁が取引関連業者にキャンセル料がちゃんと配分されたかどうかを把握していない、というふうに指摘がされました。
配分状況について、国土交通省及び観光庁として、今後、調査をどういうふうに進めていくのかお聞かせください。
また、トラベル事業が今後再開したときに、また事業停止とかになったときのキャンセル料について、また同じように事業費から補償するという形を取るのかどうか。
もし取るのだとしたら、この間みたいに35から50%といったような割合なのかどうか。
そこら辺の検討状況についても併せてよろしくお願いいたします。
(答)Go To トラベル事業の取消料対応の取扱要領には、旅行業者及び宿泊事業者に対して、国から支払いを受けた取消料対応費用を関連事業者に仕入れ額などに応じて配分することなどを求めています。
今般の会計検査院の御指摘に関しては、適切な配分がなされていない場合には対応が必要と認識しています。
このため、現在、取消料対応費用が関連事業者にきちんと具体的にどのように配分されていたかについて、観光庁において調査を行っているところです。
今後、適切に配分が行われていなかった事例が確認された場合には、事業者に対して適切な配分を行うよう要請するなど、必要な対応をしていきたいと思っています。
また、2番目の御質問の、Go To トラベル事業が再開された場合の取消料対応については、現在、Go To トラベル事業の内容や再開時期について検討を行っているところで、Go To トラベル事業の制度全体の中できちんと整理していきたいと思っています。
現段階で特段この取消料対応についての方針が定まっているわけではありませんが、全体設計の中できちっと考えていきたいと思っています。
(問)今の御回答の中で1点確認なのですけれども、配分の調査をされるということですけれども、これはいつくらいまでに調査を終わらせて、いつくらいまでに業者に対して適切かどうかを、適切でなかったときに指示するとか、そこら辺のスケジュール感はいかがでしょうか。
(答)これまで、アンケート調査を行っており、その調査そのものは既に終了しているそうです。
それを精査して、できるだけ早い段階で皆さまに公表し、今後の対応策を決めていきたいと思っています。
(問)そもそも、観光庁が適切な配分を求めて、誓約書も書かせておいたにも関わらず、ちゃんと配分されているかどうかをそもそも把握していない、調査していなかった。
会計検査院にそう指摘されたのですけれども、この件に関して大臣の受け止めはいかがでしょうか。
(答)事務局から、まず、旅行代理店等にキャンセル料が払われたわけですが、その先についてもきちんと国土交通省としてそれを把握し、ある意味で第一線の業者までそれがいっているということを確認するべきだったということだと思います。
その点、指摘されたことについては我々も反省し、そこはきちんと今後、新しい事業等においてもそのような御指摘を受けることがないように行っていきたいと思っています。

(問)水際措置に関してお伺いしたいのですが、今週からビジネス客等の水際の措置が緩和されましたが、観光目的の入国に関しては年内を目途に行動管理の実証を行って、団体客の受け入れ再開の検討を進めるということになったかと思いますが、具体的に、行動管理の実証というのはいつ、どういうことをされるのかということと、実際の訪日観光客の受け入れ再開の目途をいつぐらいと見込んでいるのかということをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)水際措置については、ワクチン接種者に対する入国後の行動制限や、外国人の新規入国制限について、8日より一部緩和がなされたところです。
また、観光目的の入国については、今回の措置の対象となっていませんが、国内の感染状況等も踏まえつつ、年内を目途に行動管理の実効性等について検証を行った上で、今後の団体観光の入国再開に向けた検討を進める方針が11月5日に発表された緩和措置の全体像の中で示されています。
これを受け、観光庁では、例えば、ビジネス目的の方と行動パターンが異なる観光において、旅行者の行動管理を適切に実施できるかや、陽性者発生時の対応等について確認するため、モニターツアーの年内の実施に向けた検討・準備を進めているところです。
モニターツアーの詳細については、決まり次第、公表させていただく予定です。
今後の団体観光の入国再開の進め方については、本モニターツアーの検証の結果や、感染状況の推移等も見ながら、政府全体として検討が進められるものと承知しています。
 
(問)リニア中央新幹線なのですけれども、岐阜で先日トンネルの工事の事故がありましたが、また長野県でも同じように事故が発生しました。
沿線の自治体からもかなりしっかりやってくれというような厳しい声が首長さんからも出ているのですけれども、事故が続いていることの大臣の受け止めと国土交通省の対応についてお聞かせください。
(答)事故が続いていることについて、大変遺憾に思っています。
10月27日に瀬戸(せと)トンネルで肌落ちによる死亡事故が発生しました。
これを受け、JR東海は、今回の事故現場となった(さか)(じま)工区においても工事を一時中断した後、施工会社において厚生労働省のガイドラインを遵守した作業が行われていることを確認し、地元自治体の長野県及び豊丘村(とよおかむら)に報告した上で、今月1日に工事を再開していました。
そのような中で今回の事故が発生したことについて、大変残念に思います。
本件事故を受けて、今、坂島工区では工事が中断されており、事故の原因について、JR東海、施工会社及び労働基準監督署により調査が行われていると聞いています。
工事の再開については、原因究明と再発防止策が講じられた後になるとのことです。
リニア中央新幹線については、平成26年10月の工事実施計画認可に際し、国土交通大臣から安全かつ確実な施工を行うよう指示を出しています。
国土交通省としては、引き続きJR東海が施工会社に対して安全な施工を適切に指示することも含め、リニア中央新幹線の工事が安全かつ確実に実施されるよう、JR東海を指導・監督してまいります。

(問)今日の報道で岸田内閣が介護士・保育士の給与アップを検討するということが出ていたのですが、同じ視点でいうと、車関係では整備士とかトラックの運転手さん、こういう方々も同じようにエッセンシャルワーカーとしての位置付けで給料が安いと。
結果人手不足だと。
こういう事が起きているのですけれども、国土交通省分野でのエッセンシャルワーカーへの生活改善について何かお考えがあれば教えてください。
(答)国土交通省が所管しているいろいろな分野で、エッセンシャルワーカーの方がたくさんいらっしゃいます。
例えば、今仰ったトラックや、また、公共交通機関であるタクシーや、そういう運転手の皆さま、交通関係の方々。
それらの方々に対しての基本的な待遇改善は大きな課題と我々国土交通省としても認識しています。
例えば、昨日もトラック協会からの御要請を受けましたけれども、荷主に対して、今回燃料が高騰しているけれどもそれがなかなか転嫁できないというような問題について、構造的な改革もしていかなければならないし、国土交通省としてもきちんと経済界全体への指摘等を行っていかなければならない。
こういう面で臨機応変な対応と、構造そのものを変えていくことが必要になってこようかと思います。
また、建設分野においても若い世代がその分野に参入してきて、魅力ある職場にしていくということは、やはり待遇改善が非常に大きな問題で、これについても今一言では言えませんけれども、キャリアアップシステムや、若い人たちが参入する職場として魅力ある仕事場にしていく、ということも大きな国土交通省の一つの使命だと思っています。
そういう各分野に対応した魅力ある職場づくりを行っていきたい。
給与そのものが今御指摘があったように低いということがありますので、それをいかに上げていくか、ここも今回の成長と分配という岸田内閣の論理の中で、国土交通省としての議論をしっかりやって、提言していきたいと思います。
 

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