大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年3月18日(金) 10:00 ~ 10:18
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
道路の除雪費用に関する地方公共団体への追加支援についてです。
今年の冬は積雪が著しいことから、多くの除雪費が必要となっており、大雪で御苦労されている知事や市町村長から、追加支援のご要望をいただいているところです。
このため、本日、地方公共団体に対し、除雪費の追加支援として過去最大の額となる557億円を配分することといたしました。
詳細は後ほど資料を配付いたしますのでそれをご確認いただければと思います。私からは以上です。

質疑応答

(問)一昨日の地震の影響についてお尋ねします。
始めに道路の状況です。
高速道路や幹線道路、現在の復旧状況と見通しについて、最新の部分を伺いたいと思います。
(答)まずは、今回の地震によりお亡くなりになられた方々に心からお悔やみ申し上げたいと思います。
そして、全ての被災された皆さまに、心からお見舞い申し上げます。
この地震の影響により、高速道路では現時点で常磐道の南相馬(みなみそうま)ICと新地(しんち)ICの間、約23kmが通行止めとなっています。
この区間は、明日19日午前中を目途に応急復旧すべく作業を進めていましたが、一生懸命頑張っていただき、本日18日昼頃を目途に通行止めを解除するように、現在、高速道路会社において作業を進めています。
なお、通行止めを実施していた、それ以外の高速道路や直轄国道については、応急復旧を完了し、すでに通行止めを解除しています。
国土交通省としては、被災者・被災地に寄り添った災害対応がスムーズに進むよう、引き続き、支援ルートとなる幹線道路の本復旧に全力で取り組んでまいります。
 
(問)念のための確認です。
昼頃を目途に通行止めを解除というのはこの23kmの区間、上下線いずれもということで良いでしょうか。
(答)そういうことです。
 
(問)次に鉄道の被害について、昨日、JR東日本も会見で明らかにしましたが、今月中は再開の見通しが困難という説明もありましたが、会社側から国土交通省に対してどのような説明が出ているのか、また、国としての今後の対応の仕方について伺いたいと思います。
(答)まず、脱線ですけれども、16日水曜日23時36分頃、東北新幹線の福島~白石(しろいし)蔵王(ざおう)駅間を走行中の列車が脱線し、那須(なす)塩原(しおばら)駅―盛岡(もりおか)駅間で運転の見合わせが続いています。
現在、JR東日本により被害状況の確認作業が行われていますが、脱線、軌道変位、高架橋の損傷などに加え、新たに電柱の傾斜等の被害が見つかったとの報告がありました。
このため、昨日17日、JR東日本は3月18日から21日は、引き続き、那須塩原駅―盛岡駅間で運転を見合わせ、また当面の間、全面運転再開は出来ない見込みであることを公表しました。
これを受け、昨日17日、鉄道局からJR東日本の安全統括管理者に、被害状況の把握を急ぎ、可能な限り早期に復旧の見込みについて公表するよう要請したところです。
また、今回の被害の状況等を直接確認するため、私、明日19日、東北新幹線の脱線箇所に赴き、JR東日本から説明を受ける予定です。
さらに、昨日の国土交通省特定災害対策本部会議において、代替交通機関により移動手段を確保すべく、鉄道事業者、バス事業者、航空事業者に協力を要請し、各社と連携して対応を行っており、調整が整ったものから、順次、代替輸送を開始しているところです。
具体的には、高速バスについては、新宿(しんじゅく)仙台(せんだい)間や新宿―福島間、東京―仙台間、東京―盛岡間の高速バスを追加的に運行しております。
航空便については、羽田―福島・仙台便をはじめ、東北各地への臨時便の運行や機材の大型化などの対応をすでに開始しております。
また、鉄道については、上越新幹線の新潟駅から秋田方面に向けての()(えつ)本線での臨時列車運転を行っているところです。
 
(問)支援に向けての取組についてです。
昨日の災対会議の中でも、リエゾンを6強の自治体中心に派遣した上で、要望を聞き取って支援にあたるというような指示があったかと思うのですが、どのような要望が出てきていて、国土交通省としてどのような支援を今進めているか、あるいは今後強化していくかという部分について、伺いたいと思います。
(答)国土交通省においては、発災直後から、震度5弱以上の市町村とホットラインを構築するとともに、宮城県、福島県及び震度6強の市町を中心にリエゾンを派遣し、自治体の支援ニーズを丁寧に把握しています。
これらリエゾン等を通じて把握した自治体の支援ニーズに対し、これまでにテックフォースを派遣し、断水が発生した宮城県大崎(おおさき)市に給水車2台の派遣、週末の雨の備えとして、福島県南相馬市にブルーシート5千枚の支援、福島県国見(くにみ)町が管理している橋梁の詳細な被災状況調査などを実施しています。
また、宮城県や福島県などに、気象台からJETT(ジェット)を派遣し、地震活動や被災地の気象の見通しに関する詳細な解説を実施しています。
国土交通省の現場力を最大限発揮し、被災者・被災地に寄り添った災害対応に、引き続き、全力で取り組んでまいります。
 
(問)東北新幹線の脱線について、引き続き、お伺いさせてください。
今回の事故ですけれども、国土交通省内や大臣の受け止めとして、今回の事故がある程度想定できた範囲のものなのか、それとも不幸中の幸い、もっとひどいことになる可能性もあったと受け止められているのか、お伺いさせてください。
それから、もっと震度が大きかったりとか、現場が例えば直線の線路でなかったりとか、新幹線のスピードがもっと速かったりとか、そうした悪条件に変わったとしても、大事故にはつながらないというセーフティネットが十分に機能しているのか、そういう疑問を持った方も今回多かったと思うのですけれども、その辺りの大臣の御認識も教えてください。
(答)今、御疑問を呈された面も含めて、今回の地震における新幹線の脱線、起きた事象については、現在、運輸安全委員会等が被害の状況等を調査中であり、現時点で評価することは差し控えさせていただきたいと思います。
今、御指摘された視点は、非常に国民としても知りたいところだというのは非常によく分かります。
そういうことも含めて、今、調査中ということです。
なお、新幹線の脱線対策については、阪神大震災、中越地震、東日本大震災等の過去の地震の状況も勘案しながら、一点目は支えている構造物が壊れないようにする耐震補強対策、二点目に走行中の列車を早く止める早期地震検知システム、3点目に列車の脱線・逸脱を防止する、JR東日本の対策としては、車軸の一番外側にL型のフックの取り付けを行い、それとレールの転倒防止、レールにフックが当たってもレールそのものが倒れないように特別な補強をする、そういうことによる逸脱防止の3つの対策を進めているところだと認識しています。
今回の脱線において、こうした対策がどのように機能したかについては、運輸安全委員会等の調査結果等を踏まえ、しっかりと検証していきたいと思っています。
 
(問)北海道内の交通に大きな影響を及ぼした、2月の大雪に関して、JR北海道が対応策をまとめて、北海道運輸局に提出しました。
一昨日になります。
情報収集の強化であったり、除雪・融雪機材の増強、いろんな対策が盛り込まれましたけれども、その大臣の受け止めを教えていただきたいのと、こうした異常気象への国土交通省としての対応や支援のあり方について教えてください。
(答)今年2月の北海道の大雪では、札幌都市圏を含めJR北海道の複数の路線で長期にわたり運休が生じたことなどから、今般のJR北海道の対応について、しっかりと検証し、報告するよう指示したところです。
これを受けて、一昨日16日、JR北海道は中間報告をとりまとめました。
その中で、4点ポイントがあるかと思いますが、1点目は、降積雪状況の即時の把握や早めの運転規制と運転計画の策定、2点目に、災害級の大雪に対する除雪体制の人的、物的な面での強化、3点目が、お客様への情報提供の充実、4点目が、除雪機械や融雪設備の増設等、鉄道施設の降雪・積雪に対する能力強化など、今後のJR北海道の対応が示されたところです。
国土交通省としては、JR北海道によるこれらの措置が確実に実施され、安全・安定輸送が確保されるよう、JR北海道をしっかり指導してまいりたいと思っています。
 
(問)「Go To トラベル」に関してお伺いしますが、21日で蔓延防止措置が全面的に解除されることになりましたが、Go To トラベルの再開にあたって、次、どのような感染状況になったら再開できるのか、あるいはどのようなタイミングになったら再開できるのか、今後の見通しについてお聞かせください。
(答)16日の会見において、総理より、全国的に実施するGo To トラベル事業については、引き続き、注意深く検討していくとの発言がありました。
これまで私からもGo To トラベルに関して申し上げているとおり、再開にあたっては、旅行者と地域の双方の安全・安心をしっかりと確保する必要があります。
このため、事業の再開については、今後の感染状況等を踏まえ、関係省庁や専門家の意見も伺いつつ、引き続き、注意深く検討していきたいと思っています。
その上で、国土交通省としては、適切な時期が来たならば迅速に再開できるよう、必要な準備を進めていく所存です。
 
(問)熊本県のJRの()(さつ)線に関することでお伺いさせてください。
JR九州が肥薩線の復興を鉄道で復旧する場合、約230億円かかると試算したことが昨日各社報じております。
JR九州にとっては災害の復旧としては非常に過去最高の額で、鉄道で復旧する場合、非常に負担も大きいのですが、大臣の今回の試算の受け止めと、国土交通省としての今後の対応の考え方について聞かせてください。
(答)大臣に就任したあとですけれども、私も球磨(くま)(がわ)水害を視察した際、肥薩線の状況もつぶさに見させていただきました。
昔、この肥薩線は鹿児島本線が開通するまでは鹿児島に行くメインルートの鉄道という、ある意味では歴史ある線路であり、現実にその線路が非常に大きな被害を受けているというのを目の当たりにしました。
令和2年の大雨で被災した肥薩線の復旧については、3月22日、熊本県とともにJR肥薩線検討会議を立ち上げ、検討することとしています。
その中で、河川や道路などの公共事業との連携の可能性も含めた復旧方法や、復旧後の肥薩線の在り方などについて検討してまいりたいと考えています。
なお、JR肥薩線の復旧費に関する報道については承知していますが、復旧費については、現在、JR九州において検討が進められているものと承知しており、現段階においては、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 
 

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