大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年3月29日(火) 9:15 ~ 9:26
国土交通省会見室    
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)特に私から報告するものはありません。
 

質疑応答

(問)小笠原(おがさわら)諸島の海底噴火に関連して、軽石の漂流など現状はどうなのか、現状の国土交通省の対応がどうなのか教えてください。
(答)気象衛星ひまわりの観測によると、小笠原諸島(はは)(じま)の南西約160kmにある海底火山である「噴火浅(ふんかあさ)()」の上空で、27日18時頃から噴煙の可能性がある雲がみられたことから、気象庁では注意深く、その推移を監視していました。
その後、これが噴煙であると判断できたため、27日23時14分に噴火警報を発表しました。
噴火の状況については、27日23時30分頃に噴煙が海面上約7,000mの高さまで上がっていることを確認しましたが、その後、収まっています。
また、今回の噴火を受け、航空局及び海上保安庁では、ノータムや航行警報を発出し、付近の航空機や船舶に注意を呼びかけました。
周辺海域では今後も噴火活動が継続する可能性があり、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石や噴煙に警戒が必要です。
なお、福徳(ふくとく)(おか)ノ場(のば)の噴火時に見られたような軽石等の漂流物については、気象衛星ひまわりで監視していますが、現在のところ確認されていません。
今後も、気象衛星などにより火山活動を注意深く監視し、適時適切な防災情報の発表に努めてまいります。
 
(問)新幹線の並行在来線の存廃についてなのですけれども、北海道新幹線の札幌(さっぽろ)延伸に伴って、JR北海道から経営分離される並行在来線のうち、長万部(おしゃまんべ)小樽(おたる)間の140kmについて、北海道や沿線9市町が新幹線開業後の廃線とバス転換を決定しました。
まず、この点について大臣の受け止めをお伺いしたいです。
加えて、残る函館(はこだて)-長万部間の147kmについては協議が停滞しています。
この区間が貨物列車も走る物流の大動脈であることもあり、調整が難航しているためです。函館-長万部間に対しての国の対応、スタンスについて改めてお伺いしたいです。
(答)この間の日曜日、3月27日、北海道庁及び沿線市町からなる「北海道新幹線並行在来線対策協議会」において、函館本線の長万部-小樽間について、バス転換することが確認されたと承知しています。
北海道新幹線新函館(しんはこだて)北斗(ほくと)-札幌間の着工に際しては、函館本線の函館-小樽間を、いわゆる並行在来線として、JR北海道から経営分離することについて、平成24年5月に、北海道と沿線の9つの市町が同意しています。
その後、並行在来線の具体的な取扱いについて、地域において検討がなされてきました。
今回、その検討のなかで、函館本線の北側の長万部-小樽間について、バス転換することが確認されたと承知しています。
御地元での長い議論を経た上で、重い決断をされたものと受け止めています。
国土交通省としても、今後、必要な対応を行ってまいります。
また、南側の函館-長万部間の具体的な取扱いについては、同対策協議会において、引き続き検討中であると承知しています。
まずは、地域における検討をよく見守りたいと考えています。
 
(問)統計に関してお伺いします。
国土交通省は昨日、建築工事費調査の調査票の配布が大幅に遅れているという発表をされました。
また、産業連関構造調査でも同様に調査票の遅れがあったということですが、統計業務で問題が続いてますけれども、今回のこの配布遅れの受け止めと、今後の国土交通省の対応についてお聞かせください。
(答)今般、基幹統計である建築着工統計調査の一部となっている建築工事費調査等について、作業の遅れから、調査票の配布が調査計画上の当初予定より遅れていることが判明しました。
公的統計の信頼確保に向けて取り組んでいるなか、国土交通省の所管統計において、調査計画に沿った調査ができていないことについては、大変遺憾と考えています。
国土交通省としては、公表期日に間に合うよう、調査計画の変更等の必要な手続きを行った上で、速やかに調査を進めてまいります。
また、本件の背景には、建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る検証委員会の報告書でも指摘されている、業務過多や統計部門におけるマネジメント上の課題があると考えています。
今後、このような事案が発生しないよう、先日設置した再発防止検証タスクフォースにおいて、今回の事案も含めて、できる限り速やかに再発防止策を検討していきたいと思っています。
 
(問)先日、球磨(くま)(がわ)流域の支流、川辺(かわべ)(がわ)に設けられる新しい流水型ダムについて、工期について国土交通省でスケジュールを示されました。
今後5年間でアセスメントも含めて御対応なさって、さらに河川整備計画を策定するにあたっては、地元には今後水害をおこさないためにという強い整備要望もある一方で、やはり環境に対してということでいろんな御意見があるなかで、今後の整備計画を作っていく最終段階にあたっての地元との意見の調整といいますか、国土交通省としての計画の説明をどのように進められるのか、あるいはアセスメントの点についてどのように進められていかれるのか、全体のスケジュール、今回示されたスケジュールも含めて、現時点で球磨川流域の河川整備計画についてどのようにお考えかお教えいただければと思います。
(答)川辺川における流水型ダムは、現時点では令和17年度の完成を想定しています。
環境アセスや用地取得などに概ね5年、ダム本体工事に概ね9年を要するものです。
川辺川の流水型ダムについては、熊本県知事御要望の、命と環境を守る新たな流水型ダムを追求するため、最新の技術を極限まで取り入れるとともに、法に基づくものと同等の環境アセスを実施していくこととしています。
また、スケジュールということですけれども、働き方改革の一環として、今年度からダム建設工事においても週休2日制を前提に工期を設定することとしており、これにより、適用前に比べ工事の完成までに要する期間が長くなっています。
国土交通省としては河道掘削や宅地嵩上げ、遊水地などの治水対策、全関係者が協働して行う流域治水という考え方に基づいて、できる限り速やかに実施し、地域住民の方々に御安心いただけるよう取り組んでいきたいと思っています。
 
 

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