大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年6月28日(火) 11:00 ~ 11:15
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議案件で、私から報告することはありません。

質疑応答

(問) 静岡県熱海市での土石流災害からまもなく1年が経とうとしていますけれども、これまでの取組状況と今後の見通しについてお伺いできるでしょうか。
(答)昨年7月3日、静岡県熱海市で発生した土石流により、災害関連死も含め27名の方が亡くなり、未だ行方不明の方が1名いらっしゃるなど、大変悲惨な災害が引き起こされました。
災害から1年の節目を迎えるにあたり、改めて、危険な盛土等によって人命が失われることがあってはならないという思いを強くしているところです。
国土交通省としては、災害直後に全国の都道府県に対して盛土の総点検を依頼しました。
そして、先の国会に危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する「盛土規制法案」を提出し、同法案は5月に可決・成立したところです。
今後、二度と熱海市と同様の悲劇を繰り返さないよう、この「盛土規制法」の円滑かつ早期の施行に向けた取組や建設発生土の適正な利用等について、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。
 
(問)熱海の土石流災害に関連して、砂防規制について伺いたいと思います。
砂防法で規制エリアを指定する際に、地権者の同意取得の必要性について今は明確な規定がないのですけれども、熱海市で発生した土石流の起点付近は県が地権者の反対を受けて規制していない状況にありました。
仮に地権者の同意がなくても規制していた場合、被害を防げた可能性があるかと考えるのですけれども、今後、地権者の同意を得られなくても指定をできるようにするなど、規定を明確にさせる必要はないのか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)砂防指定地は、砂防によって治水面での災害を防止する観点から、砂防設備の用地や行為規制を行う土地を指定するものです。
法的には地権者の同意は指定要件とされていませんが、指定にあたっては、地権者にその趣旨を丁寧に説明し、同意を得ることが望ましいと考えています。
一方、地形、地質等の状況や他法令等による土地利用規制の状況に鑑みて、緊急性が高いと判断される場合には、地権者の同意を得ず指定を進めることも重要だと考えています。
こうしたことから、砂防指定地の指定に際しての地権者からの同意については、現地の状況を十分に踏まえた上で個別に必要性を判断すべきと考えています。
 
(問)東京電力の管内で、電力需給のひっ迫が懸念されております。
国土交通省の事業者等への対応ですとか、省内での対応についてお聞かせいただければと思います。
(答)昨日からの東京電力管内における電力需給ひっ迫注意報を受け、経済産業省から、使用していない照明・機器の電源を落とすなど、経済活動に支障のない範囲での節電協力要請がありました。
このため、国土交通省としても、交通・観光・不動産など関係業界団体等に対して節電の協力を依頼しました。
これにより、例えば、オフィスや宿泊施設等の管理施設の使用状況に応じた空調や照明等の節電などに取り組んでいただいていると思っています。
また、国土交通省内においても、庁舎内の照明の間引き等を行っています。
今後も、東京電力管内においては、供給力が必ずしも十分に余裕のある状況にないと承知しています。
引き続き、経済産業省とも連携し、関係業界等に対して電気の効率的な使用への御協力をお願いするなど、必要な対応をとっていきたいと思っています。
 
(問)先日、鉄道の技術基準に関する検討会が開催されました。
防犯カメラの義務化に関して、全国一律を前提としない検討の方向性というのが示されました。
ただ、参加者の方からは、義務化を前提としたりとか、設置することに対する抵抗感が依然としてあるように議論を聞いていて感じました。
今後、そういった調整が難しいことも予想されますけど、改めて、義務化に対する大臣のお考えをお伺いできればと思います。
(答)車内防犯カメラの設置の基準化については、昨年12月以降、有識者や鉄道事業者等からなる技術基準検討会において議論を重ねてきました。
これまでの議論では、一つはそもそも、技術基準として義務化しなくても、今後相当程度進むのではないかといった意見や、現行の安全運行のための技術基準に位置付けるのではなく、セキュリティーの確保のための新たな制度が必要ではないかという意見、全国一律に事業者に義務を課すのが適切なのかといった御意見が出ていると鉄道局から聞いています。
今後、これらの点について、検討会の方で議論を深めていただきたいと考える次第です。
国土交通省としては、車内防犯カメラの設置が着実に進むような基準のあり方について、引き続き、技術基準検討会で丁寧に議論を行い、できるだけ早期に結論が得られるよう検討を進めてまいります。
 
(問)交通インフラに携わる人たちのマスクの着用についてお尋ねします。
5月に距離と会話を目安にしたマスクの着脱方針が出ましたけど、交通インフラに携わる関係者のマスク着用はほとんど変化がありません。
今も屋外集配とか一人乗車とかバイクの配送とか乗客と隔離された列車の乗務員室でもマスクの着用が続いていることについて、国土交通省はどのような指導をされているのでしょうか。
どうお考えでしょうか。
(答)マスク着用の考え方については、5月23日の政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において、屋外であれば、2メートル以上の人との距離が確保できる場合、又は、距離が確保できなくても会話をほとんど行わない場合には、マスクを着用する必要がないこと、屋内であれば、2メートル以上の人との距離が確保でき、かつ、会話をほとんど行わない場合には、マスクを着用する必要がないこと、が示されましたので、このことを国土交通省として交通事業者に周知しました。
また、熱中症の予防策としては、マスクを必要に応じて外すほか、エアコンの利用による暑さの回避や、小まめな水分・塩分補給といった方法があり、こういう事についても、公共交通事業者において、こうした方法も活用しつつ従業員の熱中症予防に取り組んでいると承知しています。
国土交通省としては、交通事業の現場において、熱中症予防とコロナ感染防止の観点から適切な対応がなされるよう、これからもしっかり働きかけていきたいと思います。
この政府の対策本部の方針がしっかり浸透するように国土交通省としても働きかけていきたいと思います。
(問)屋外の集配でマスクをするようなことをやっているのを見ると、純粋に危険ではないかと思う訳ですけれども、大臣はどんなふうに考えていますか。
浸透していない状況というのを。
(答)世界のニュースを見ても、世界ではマスクを外している人が増えている中で、日本で中々そうなっていないという日本独特の状況もあると思います。
国土交通省としては、5月23日の新型コロナウイルス感染症対策本部において、このマスク着用の考え方が示されましたので、繰り返しになりますが、交通事業者に対し、必要に応じたマスクの着用等を利用者の方々に呼びかけるよう、既に協力を要請しておりますし、これからもしっかりこの点を働きかけていきたいと思います。
 
(問)熱海の話題に戻りますが、盛土規制法に残土の排出者に対する法的責任が盛り込まれていないことについて、国土交通省としては、土は資源なので廃棄物と同様の厳しい規制は適当ではないという見解を示していますが、熱海の現場のように資源である土があのように不法に投棄されていることについて、何故あのような投棄がおこるのか、理由や背景について大臣としてのお考えをお聞かせください。
(答)建設残土の取り扱いについては、法案の審議の中でも大きな議論となりました。
基本的には建設事業を行うに際して、それに伴って残土がでてくる。
その残土をできるだけその現場内で、もしくはその近辺の工事で、もしくは時間的空間的に少し排出と利用に時間差が出てくる。
もしくは空間も少し遠くにいく。ということがあるかもしれませんが、基本的にはそういう形で残土も有効利用していくことが基本だと思います。
その上で、いわゆる残土を今回のような危険な盛土という形にならないように、規制を今回の法律で定めたと考えています。
この残土の利用と規制、今回新しい法律でその辺についても大きな網をかけたと考えています。
この法律のしっかりとした周知と施行、これを行っていくことによって、二度と熱海のような事故を起こさない。
土石流災害を起こさない。
こういう決意でいます。

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