大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年10月21日(金) 9:31 ~ 9:43
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

(問)知床観光船の事故から23日で半年となりますが、半年を迎えるにあたっての受け止め、それから年内に再発防止策を取りまとめる予定だと思いますが、取りまとめに向けて残る課題についてお伺いいたします。
(答)明後日の10月23日(日)に、知床遊覧船事故から半年を迎えます。
改めて、お亡くなりになられた方々とその御家族の皆さま方に対し、心よりお悔やみを申し上げます。
また、今回の事故に遭遇された方々とその御家族に心からお見舞い申し上げます。
引き続き、行方不明の方々の捜索や事故原因の究明に全力を尽くしてまいります。
再発防止策については、本年7月に公表した知床遊覧船事故対策検討委員会の中間取りまとめにおいて、「速やかに講ずべき事項」とされたもののうち、抜き打ち監査の実施や通報窓口の設置、安全情報の提供など、9月末までに実施することとされた14項目については、全て取組みを開始しています。
また、本日、第8回検討委員会を開催し、安全対策のさらなる充実に関する議論などを行う予定です。
年内の「旅客船の総合的な安全・安心対策」の取りまとめに向けて、引き続き、精力的に検討を進め、利用者の皆さまに安心して御乗船いただけるよう、小型旅客船の安全対策に万全を期してまいりたいと決意しています。
 
(問)知床の沈没事故の御家族が昨日の夜、記者会見を行いました。
その関連でお願いいたします。
会見では、知床遊覧船を監督しなければいけなかった国には責任があるにも関わらず謝罪がないですとか、あと要望で今後も行方不明者の捜索を続けてほしいですとか、行政処分・指導があった業者の無期限の公表を求めるというような声がありました。
この会見の大臣の受け止めと今後の対応をお願いいたします。
(答)御指摘の乗客御家族の有志の方による合同会見について、詳細は承知していませんが、国の責任について言及されたとの報道については承知しています。
このような痛ましい事故が二度と起きることがないよう、国土交通省としては、抜き打ち監査の実施や、日本小型船舶検査機構の携帯電話の検査方法の改善など、既に監査・検査方法の見直しを行い、その強化を図りました。
今後、「知床遊覧船事故対策検討委員会」における年内の総合的な安全対策のとりまとめに向け、御家族の御意見も踏まえつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと決意しています。
 
(問)今の合同会見の関連なのですけれども、国土交通省としては9月にJCIの旅客船の検査方法の強化を認可しているということがもう出ていますけれども、昨日会見の中で「ルールを作成することが目的ではなくて、適切に運用されることが重要」という意見が出ています。
これについて所感をお願いいたします。
(答)非常に重要な御指摘だと思います。
御指摘のとおり、船舶検査の実効性向上のためには、日本小型船舶検査機構の新たな検査方法が適切に運用されることが重要であると認識しています。
国土交通省では、「知床遊覧船事故対策検討委員会」における検討を踏まえ、機構の検査方法を見直した上で、実際の検査の現場を国が点検する取組みを本年9月より開始しています。
私自身もこれに先立つ8月に機構の船舶検査の現場を訪問し、検査方法等を確認するとともに、機構の森理事長に対し、適切に検査を実施するよう指示をしました。
このような取組みを通じて、新たな検査方法が適切に運用されるよう、私自身も先頭に立って機構の管理監督を一層しっかりと行っていく決意・所存です。
 
(問)知床の事故に関連してですが、依然として6人の方の行方が分かっていない状況かと思います。
過去の災害においては、自治体などが行方不明者の方の実名を公表するケースもあれば、公表しないケースもありました。
国土交通省の今の実名を公表するかどうかについて、お考えをお伺いできればと思います。
(答)海難事故における行方不明者の実名の公表については、公表により得られる公益性の観点と、行方不明者の御家族等のプライバシー保護の観点等を踏まえて、総合的に判断する必要があると考えています。
今般の知床遊覧船の事故については、御家族等の強い御要望等も十分に考慮し、行方不明者の実名を公表していませんが、引き続き、御家族等に対して、公表することの公益性の高さ等を丁寧に説明するなど、適切に対応してまいりたいと思っています。
 
(問)広島市中心部の路面電車と路線バスの運賃を220円均一にする、交通事業者の共同経営計画を18日に国土交通省が認可しました。
新型コロナの影響で、公共交通が厳しい状況にある中での取組みになりますが、どのような効果を期待されるでしょうか。
また一方で、今回の認可で、多くの路線で運賃は値上げになります。
利用者にとっては負担が増すことになりますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)今回の共同経営計画は、独占禁止法の特例法、令和2年に出来た法律ですが、その適用がある、大変ある意味で画期的なものだと感じています。
今朝も岸田総理と、この件について話をしましたけれども、この特例法の画期的な例で是非成功させたいとの話もあったところです。
広島市中心部を運行する交通事業者7社から、先月6日に申請のあった共同経営計画について、今週18日に認可を行いました。
この7社は、これまで重複するバス路線を再編して、循環バスを導入するなど、段階的にネットワークを再編して利用者利便の向上を図ってきたところです。
今回の計画では、さらに取組みを進め、路線バスの均一運賃エリアを拡大するとともに、バスと路面電車の運賃を同額化することとされています。
今回の取組みにより、運賃については、確かに値上げになる部分がありますが、値下げになる部分もあります。
分かりやすい運賃体系となっていまして、既に行われている循環バスの導入等と相まって、全体として利用者の利便性が向上することを期待しています。
この7社がダイヤ等をよく協議して、工夫して、まさに利用者目線に立ったダイヤになる、そして分かりやすい運賃体系になる、ということで、利用者の利便性が向上し、利用が増えていく、公共交通機関の一つの基盤が確立されていくことは、非常に大きな今後の一つのモデルになるものではないかと、私も期待をしているところです。
(問)もう1点。
地域公共交通のあり方をめぐっては、国土交通省としても今議論を進めているところだと思います。
持続可能な公共交通に向けて、今後、どのような取組みが必要と考えるか、国の支援も含めて改めて教えてください。
(答)地域交通は、住民生活や地域の社会経済活動に不可欠な社会基盤ですが、人口減少等による長期的な需要減に加え、新型コロナの影響により、その存続が深刻に懸念される状況です。
こうした状況を踏まえ、特にコロナの影響が顕在化した令和2年度以降、赤字補填の拡充、コロナ対応、DX化等、これまでにない手厚い支援を行ってまいりました。
さらに、国土交通省では、持続可能性と利便性の高い地域交通ネットワークの再構築に向けて、有識者検討会を設置し、本年夏に提言をいただいたところです。
二つの提言です。
一つは、ローカル鉄道。
もう一つは、地域交通の「リ・デザイン」と呼んでいますが、この二つの提言です。
現在、これを踏まえて、交通政策審議会において議論を深めていただいているところです。
引き続き、地域交通の「リ・デザイン」(再構築)の実現に向けて、審議会における議論も踏まえ、必要な予算や制度改正について、検討を行っていきたいと思っています。

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