大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年12月16日(金) 11:31 ~ 11:44
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)海上保安能力強化に関する方針について

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
「海上保安能力強化に関する関係閣僚会議」についてです。
本日、官邸において、「海上保安能力強化に関する関係閣僚会議」が開催され「海上保安能力強化に関する方針」が決定されました。
これは、厳しさを増す我が国周辺海域の情勢を踏まえ、新たな国家安全保障戦略等の策定にあわせて、平成28年に決定された「海上保安体制強化に関する方針」の見直しを行ったものです。
これにより、大型巡視船等の大幅な増強、無操縦者航空機等の新技術の活用などを推進するとともに、国内外の関係機関との連携・協力の強化、業務基盤の整備などを通じ、政府として、海上保安能力の強化を一層進めていくことを確認しました。
新たな方針を踏まえ、大型巡視船4隻の新規整備や無操縦者航空機の運用拡大などに直ちに取り組むこととしています。
総理からは、日本の海の安全を守り抜くため、海上保安庁はもちろん、関係省庁の持てる力を結集して、総合力を発揮するよう指示がありました。
今後も、海上保安庁を所管する大臣として、国民の皆さまが安全に、安心して暮らすことができるよう、平和で豊かな海を守り抜いていきたいと決意しています。
詳細は事務方にお尋ねください。
私からは以上です。

質疑応答

知床遊覧船事故の報告書について

(記者)

北海道の知床半島沖で観光船「KAZU1)(カズワン)」が沈没した事故で、運輸安全委員会が15日、事故原因についての経過報告書を公表しました。
国の監査・検査の実効性の問題にも言及がありましたけれども、報告書の公表を受けての大臣の受け止めをお願いします。
また、運輸安全委員会からは大臣に対して小型旅客船の事業者への指導を求めるなどの意見が出されましたが、今後どのように対応していくかも併せてお願いいたします。

(大臣)

知床遊覧船事故については、運輸安全委員会が原因究明のための調査を実施しており、昨日(12月15日)、その経過報告が公表されました。
経過報告においては、浸水から沈没に至るメカニズムの分析等が示されるとともに、私(国土交通大臣)に対して、早急に講じるべき施策が示されました。
一つ目は、小型旅客船のハッチ(船首の甲板(こうはん)の開口部)の点検や避難港の活用について事業者に指導を行うこと、二つ目に、小型旅客船の隔壁の水密化に関し検討すること。
この二つの意見が提出されました。
これを受け、国土交通省としては、一つ目に、全国の事業者に対し、ハッチの確実な閉鎖や避難港の活用を指導するとともに、自主点検の実施を指示します。
また、二つ目に、技術検討会を設置し、小型旅客船の隔壁の水密化等を検討することとします。
来週開催される知床遊覧船事故対策検討委員会においては、運輸安全委員会による経過報告を踏まえた対応も含め、「旅客船の総合的な安全・安心対策」の取りまとめに向けて、御議論いただきたいと考えています。
また、先ほどいわゆる監査・検査についての言及もあったと御質問がありました。
御指摘のような、今般の経過報告において指摘されている事項に関して、現在判明している範囲で、知床遊覧船事故対策検討委員会における議論を踏まえ、「旅客船の総合的な安全・安心対策」を取りまとめることとしています。
また、運輸安全委員会における更なる詳細な調査及び分析が実施されるものと承知しており、国土交通省としては、引き続き、運輸安全委員会による調査分析に協力して参るとともに、その調査分析結果も踏まえ、適切に対策を講じてまいりたいと思っています。
国土交通省としては、このような痛ましい事故が二度と起きることがないよう、旅客船の安全対策をしっかりと進めていきたいと決意しています。

北陸新幹線大阪延伸工事について

(記者)

2問目ですが、北陸新幹線の敦賀(つるが)―新大阪間の着工を巡って、国土交通省は、14日、来年春の着工は非常に厳しいとの認識を示されました。
このことに対する大臣の御所感と今後の国土交通省の対応をお願いいたします。

(大臣)

北陸新幹線(敦賀―新大阪間)については、現在、実施している環境アセスについて、一部地域で、コロナの影響や事業に対し、反対の御意見があるため、当初計画より遅れており、来年春の工事実施計画の認可が厳しい状況にあります。
他方、本事業については、京都駅や新大阪駅の位置や工法、地下水への影響、発生土の処理など、施工上、大変大きな課題があります。
このため、一日も早い全線開業を実現する上では、これらについて目途を立てることが必要不可欠であると考えています。
こうした状況を踏まえ、従来、工事実施計画の認可後に行っていたような調査も含め、施工上の課題を解決するための調査を、先行的・集中的に実施していくことを検討しているところです。
国土交通省としては、年末の予算編成に向け、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームと緊密に連携して、しっかりと検討を進めていきたいと、このように考えています。

北海道開発局の不適正事案について

(記者)

北海道開発局が北海道横断自動車道の建設工事に関する不適正事案を発表しました。
地権者の要望に応じて、宅地整備を開発局の負担で行ったとのことで、どういう事情があったにしても、税金の横流しと言われても仕方ない事案かと思います。
開発局では昨年も談合事案がありました。
今回の事案に対する大臣の受け止めと今後の対応をお願いいたします。

(大臣)

北海道開発局釧路開発建設部が発注した工事において、地権者の要求に応じ、不適正な事務処理により、既に補償され、地権者の負担で実施すべき工事を実施していたことは、極めて遺憾であり、お詫び申し上げます。
報告を受け、北海道開発局長に対して、第三者委員会の設置を指示し、14日(水)に、法律の専門家を含む委員会が北海道開発局に設置されました。
まずは、第三者委員会に、事実関係の解明や原因究明のための調査を徹底的に行っていただき、その調査結果を踏まえ、再発防止に向け必要な対応をとっていきたいと思っています。

駐車場政策のあり方検討会について

(記者)

昨日の駐車政策検討会についてお尋ねします。
ここに構成されている委員は、有識者、民間、それから地方自治体だと思いますが、この民間のところが駐車事業団体しか入っていない。
この偏りが検討会に及ぼす影響について教えてください。
過去に標準駐車場施行規則で、すでに規制緩和はなされていると思うのですが、その中で国土交通省が期待したように多様な交通が受け入れられることはありませんでした。
その団体がもう一度同じことを議論しても同じ結果にしかならないと思うのですが、いかがでしょうか。

(大臣)

国土交通省では、今後の駐車場政策のあり方について議論するため、10月5日に「まちづくりにおける駐車場政策のあり方検討会」を設置し、昨日、第2回検討会を開催するなど、様々な検討を進めているところです。
先日もこのことについて、多様なモビリティに対応するような駐車場政策をとるべきではないかという御質問を受けまして、私その御質問に対して、その通りだと肯定的な答弁をさせていただいたのを覚えています。
この御指摘の検討会では、現行制度の枠組みにとらわれず、広く駐車場政策のあり方を議論するため、有識者や、駐車場関係団体、実際に駐車場行政を進めている地方自治体の皆さまなど、多様な方々に委員に御就任いただきました。
加えて、駐車場の実態をきめ細やかに把握し、実情に応じた施策を検討するため、自動二輪車関係団体や、電動キックボードなどの新たなモビリティを展開する事業者等へのヒアリングを行うことも予定しています。
国土交通省としては、このように多様な御意見をしっかりお聞きし、この検討会では、その意見を踏まえて公平な結論を出していただけるものと思っています。
今回の検討会を通じて、今後の駐車場政策のあり方をしっかりと検討していきたいと思っています。

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