大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年12月23日(金) 11:21 ~ 11:40
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)気象庁長官人事について

冒頭2点申し上げます。
まず1点目は閣議案件です。
既に資料をお配りしていますが、本日の閣議で、令和5年1月5日付で気象庁長官に大林(おおばやし)正典(まさのり)気象庁気象防災監を任命する幹部職員の人事異動について、ご承認をいただきました。
詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)北陸新幹線 敦賀・新大阪間について

このほか、私から1点報告があります。
20日(火)の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームにおいて、「北陸新幹線(敦賀(つるが)―新大阪間)の取扱いに関する決議」が行われました。
北陸新幹線(敦賀―新大阪間)については、環境アセスの遅れや施工上の課題により、着工に向けた条件が整っておらず、令和5年度当初の工事実施計画の認可を行うことは困難となっています。
令和2年12月の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームにおける「令和5年度当初に着工する」との決議に対し、「重く受け止める」旨の表明を行ったことを踏まえ、令和5年度当初予算案において、「北陸新幹線事業推進調査」を12億円強計上する予定です。
この予算を活用し、従来は工事実施計画の認可後に行っていた調査も含め、施工上の課題を解決するための調査等を先行的・集中的に実施します。
国土交通省としては、開業までの期間を最大限短縮するよう努めるとともに、施工上の課題を解決することなどにより、着工に向けた諸条件についての検討を深め、一日も早い全線開業を実現してまいりたいと考えています。
詳細は、令和5年度予算概算決定後に資料を配付いたします。
私からは以上です。

質疑応答

知床遊覧船事故対策検討委員会の再発防止策について

(記者)

北海道知床半島沖で観光船「KAZU(カズワン)1)」が沈没した事故を受け、国の事故対策検討委員会が昨日(22日)、再発防止策である旅客船の総合的な安全・安心対策を取りまとめました。
本日で事故の発生から8ヶ月を迎えることとなりましたが、取りまとめに対する大臣の受け止めと今後の国土交通省の対応についてお願いします。

(大臣)

本日、知床遊覧船事故から8ヶ月が経過しました。
改めて、お亡くなりになられた方々とその御家族の皆さま方に対し、心よりお悔やみを申し上げます。
また、今回の事故に遭遇された方々とその御家族に心からお見舞い申し上げます。
このような痛ましい事故を決して繰り返さないよう、委員の皆さまには7ヶ月を超える期間、大変精力的に御議論いただき、昨日(22日)の第10回検討委員会において「旅客船の総合的な安全・安心対策」の取りまとめを行っていただきました。
今回の取りまとめでは、運輸安全委員会の経過報告の内容も踏まえ、様々な御提言を頂戴していますが、次のことを徹底してまいります。
まず、「安全意識の低い事業者の排除」や「出航してはいけないときには出航させない」このような仕組みにより、事故の防止を図ります。
また、万一「不測の事態が発生した場合への備え」を尽くすことにより、重大な事故に至らないよう被害の軽減を図ります。
国民の皆さまに安心して旅客船を御利用いただけるよう、取りまとめに掲げられた各種対策について、実施可能なものから速やかに実行に移すとともに、所要の法令改正にも取り組むなど、旅客船の安全・安心対策に万全を期してまいりたいと決意しています。

北陸新幹線事業推進調査について

(記者)

冒頭の北陸新幹線敦賀―新大阪間についてお伺いいたします。
先日の与党PTの中で事業推進調査費として12億円を来年度当初予算とすることが了承されました。
こうした予算は大臣がおっしゃったように従来着工後に行っていた調査を前倒しする異例の対応かと思いますが、まだ一部でアセスや建設に反対する地元の住民がおられる中でこうした対応を取られることは、更なる反発を招く恐れがあるかなと思いますが、こうした対応について大臣としてどのようにお考えでしょうか。

(大臣)

「北陸新幹線事業推進調査」は、従来は工事実施計画の認可後に行っていた調査も含め、施工上の課題を解決するための調査等を先行的・集中的に行うものです。
この調査結果も踏まえながら、地域の皆さまが懸念されている事項についてしっかりと説明し、地域の合意形成を迅速かつ丁寧に進めたいと考えています。

北海道新幹線の完成・開業の時期について

(記者)

2点お伺いします。
まず北海道新幹線(新函館(しんはこだて)北斗(ほくと)札幌(さっぽろ)間)の事業費についてです。
有識者会議で試算をまとめた増額分については、先日、財源措置の内訳が示されたかと思います。
一方で工期については、最大4年の遅れと指摘されており、地元では気をもむ声が高まっているところです。
開業の予定時期について、現時点での大臣の御見解をお聞かせください。

(大臣)

開業の時期ですが、先日(12月7日)、取りまとめられた有識者会議の報告書にあるとおり、トンネル工事については、掘削によって生じる土砂の受入地の確保が難航していることに伴う工事着手の遅れや、巨大な岩が出てきたことによるトンネル掘削の一時中止等により、一部の工区で3~4年程度の遅れが生じています。
北海道新幹線については、相当の事業期間が残っていること等から、現時点で工期を見通すことは困難ですが、有識者会議では工程の工夫策についても検討しており、工事の遅れの程度や影響を軽減するとともに、トンネルの掘削時に発生する土砂の受入地確保の難航などのリスクが発生することを抑制してまいりたいと考えています。
国土交通省としては、引き続き、関係者の皆さまと協力をしながら、北海道新幹線の着実な整備に努めてまいりたいと考えています。
今この時点でいつ完成するということを申し上げることは困難な状況です。

整備新幹線の整備の進め方について

(記者)

もう1点が資材価格の高騰や沿線地域の人口減など、北海道新幹線のみならず整備新幹線を取り巻く環境というのが厳しさを増しています。
今後どのように国民の理解を得ながら事業を進めていくお考えか、大臣の御見解お聞かせください。

(大臣)

新幹線ネットワークは、地域相互の交流を促進し、我が国の産業の発展や観光立国の推進など、地方創生に重要な役割を果たすものであるとともに、災害時における代替輸送ルートの確保など、国土強靱化の観点からも重要な意義を有していると思います。
例えば、平成27年3月に開業した北陸新幹線(長野(ながの)金沢(かなざわ)間)においては、開業1年間で前年比約3倍の利用客数を記録し、沿線各地で観光客数が増加するなど、沿線地域の活性化が図られています。
また、本年9月に開業した九州新幹線(武雄(たけお)温泉(おんせん)長崎(ながさき)間)においては、各駅において周辺開発が進められており、特に長崎市では、平成24年の着工以降、令和4年には長崎駅前の地価が2.3倍に上昇するなど、大規模な開発により駅周辺が一変しているところです。
今後とも、整備新幹線の整備に当たっては、こうした整備新幹線の意義や効果について丁寧に説明するとともに、地域の声を聞きながら、着実な整備に努めてまいりたいと思います。

IR区域整備計画審査の認定スケジュールについて

(記者)

カジノを中心とする統合型リゾート施設IR整備についてお伺いします。
昨夜、大阪府市が提出する計画をめぐって、日本維新の会の馬場(ばば)代表が大阪市内で記者団に対して「通常国会が始まる前によい知らせが届く見通しを立てている」と述べ、1月召集見通しの通常国会前に認定が出るのではないかとの認識を示しました。
そうした報道があったことや受け止めについてお伺いします。

(大臣)

発言の詳細は承知していませんが、従来から申し上げているとおり、IRの区域整備計画については、外部有識者からなる審査委員会において、多岐にわたる観点から、期限を区切ることなく、慎重かつ十分な審査を行っていただいているところです。
したがって、認定の時期について現時点でお示しすることは困難です。
報道されているような認定の時期が決まったという事実はありません。

(記者)

続けて伺います。
馬場氏は「大阪市の松井(まつい)一郎(いちろう)市長から再三再四の要望を受けているとし、党幹部がそれぞれのパイプで政府や自民党に働きかけている、その中でおぼろげに見えてきた」と述べました。
国土交通省では計画の認定審査に関する基本的事項で接触の禁止の項目を設けていると思います。
大臣はこれまでも、今もおっしゃっていただいたように期限を区切らず公正な観点で審査するとおっしゃってきましたが、もしもこうした外部の働きかけ等があって認定の見通しが立つとか、スケジュールに影響を与えることはあり得るとお考えでしょうか。

(大臣)

発言の趣旨を承知していませんので、コメントは差し控えさせていただきますが、先ほど申し上げましたように、現在、外部有識者からなる審査委員会において、公正中立に審査していただいているところです。
 

今週末の大雪見込みへの対応について

(記者)

この週末、北日本や西日本、北陸で大雪が予想されていまして、前回の大雪では道路での立ち往生も発生しました。
今日も既に雪による交通事故や通行止めが発生している状況ですが、改めてドライバーに対しての大臣からの注意の呼びかけと、国土交通省としての対応をお聞かせ願います。

(大臣)

昨日(22日)からの強い冬型の気圧配置の影響により、西日本の山地や北海道等では既に大雪となっており、引き続き、26日頃にかけて、北日本や日本海側を中心に広い範囲で大雪や猛ふぶきとなる見込みです。
こうした状況を踏まえ、国土交通省としても、21日に「大雪に対する国土交通省緊急発表」を行い、不要不急の外出を控えること等について、広く呼びかけを行うとともに、昨日(22日)、特定災害対策本部会議を開催し、対応に万全を期すよう指示したところです。
これまでの大雪等により、本日(23日)午前6時時点で、高速道路の15路線58区間で通行止め、鉄道の4事業者17路線で運転見合わせとなるなど、道路の通行や交通機関の運行に影響が発生しています。
現在、道路管理者や鉄道事業者等において、除雪作業などが進められているところです。
引き続き、大雪に警戒し、必要に応じて適切に予防的な通行止め等を実施するとともに、道路情報などの丁寧な情報提供に努めてまいります。
国民の皆さまにおかれても、最新の気象情報や交通情報などに十分留意していただき、大雪の場合には不要不急の外出を控えるなど、引き続き、御理解と御協力をいただきたいと思います。
どうかよろしくお願いいたします。

北陸新幹線(敦賀・新大阪間)の着工・開業時期について

(記者)

北陸新幹線(敦賀ー新大阪間)のことで伺います。
先ほどの冒頭の御発言で開業までの期間を最大限短縮するというお話でした。
具体的に着工の時期もしくは開業の時期について目安なり目標がありましたら伺えますでしょうか。

(大臣)

先ほど申し上げたように、この完成開業時期を今、見通せるということは申し上げられませんが、重く受け止めるという発言があります。
そのことも含め、しっかりと出来ることは、調査ですので、その調査については出来ることはやっていくということです。

(記者)

重ねて伺います。
関連するのですが、環境アセスが遅れていると伺っているのですが、具体的にどの程度の期間遅れているか伺えますか。

(事務方)

環境アセスについては、一部地域で調整があり遅れていますが、鉄道局としては、地域の声を聞きまして、御理解いただくことが事業を進める上で非常に重要であると考えており、引き続き、丁寧かつ適切に実施してまいりたいと考えています。

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