大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2023年8月29日(火) 10:30 ~ 10:45
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

総理のオーバーツーリズム対策の取りまとめ指示について

(記者)

今月26日、岸田首相が視察先の沖縄にて、「オーバーツーリズム」の対策を秋までに取りまとめるお考えを示されています。
新型コロナの水際対策を緩和をした後に急速に訪日客が回復していまして、地域住民の生活だとか景観に悪影響を及ぼしつつあるという、この辺りを踏まえたものだと思われますが、これを踏まえた国土交通省としての、今後の対応についてお聞かせいただけますでしょうか。

(大臣)

現在、国内旅行、またインバウンドの回復に伴い、多くの観光地が賑わいを取り戻しています。
このこと自体は、大変素晴らしいことだと我々も思っています。
他方で、一部の観光地において、過度の混雑やマナー違反による地域住民の生活への影響、旅行者の満足度の低下への懸念が生じていると認識しています。
26日(土)、岸田総理が沖縄を訪問され観光関係者と車座対話を行った際、「オーバーツーリズムへの懸念についても、この秋にも対策をとりまとめたい」と述べられました。
現在、国土交通省においては、混雑緩和のための混雑状況の「見える化」やマナー啓発に取り組む地域への支援などを、これまでも行っているところですが、総理の御発言を受け、一層、取組を推進する必要があると考えています。
このため、関係省庁の協力を得て、観光庁に、オーバーツーリズムの未然防止・抑制に関する対策会議を設置し、この秋に対策をとりまとめていきたいと考えています。
引き続き、「住んでよし、訪れてよし」を実現すべく、持続可能な観光地域づくりに資する取組をしっかり進めていきたいと思っています。

(記者)

今、言及いただきました新たな会議の関連なのですが、いつから始めて、参加されるメンバーについて、どのようにお考えでしょうか。

(大臣)

今、正に総理の発言を受けて、その体制準備をしているところです。
いつからということと、また、メンバーについてはできるだけ早く決めて、皆さまにお示ししたいと思っています。

(記者)

既に観光庁としても未然防止に向けた対策をされているという御発言があったと思うのですが、大臣のお考えとして、何かこう抜本的な見直しと言いますか、強化というのものが必要とお考えでしょうか。

(大臣)

抜本的な対策、これまでも我々もやっているつもりですが、例えば、平準化対策、今、週末に集中しています、これを平準化させるとか、その他、今来ていただく方に、今ここに行くと混雑しているということが前もって分かっていただけるような仕組み、これらが私のところで考えているところでは、これまでもやってきたことですが、これから会議体を開いて、今言ったこと以上のいろいろな対策が出てくるかもしれません。
そういう対策に期待したいと思います。

(記者)

今のオーバーツーリズムの会議体について確認させていただきたいのですが、これは国土交通省内に会議体を作るという形なのか、それとも省庁横断的な形なのか、どういう形でしょうか。

(大臣)

関係省庁と御協力を得ながらと先ほども申し上げましたが、政府横断的な、もちろん国土交通省、観光庁が中心になって行いますが、来ていただく方は、幅広い省庁にもアドバイスをいただいて、幅広い形にしたいと思います。
 

処理水放出を受けた中国からの訪日旅行キャンセルについて

(記者)
福島第一原発にたまる処理水の海への放出を巡る影響について1点お伺いしたいと思います。
これについては中国が今反発を強めていますが、一部では中国からの旅行者が減るのではないかという情報も出ています。
実際にそうした状況が現時点であるのかなど、今把握している状況についてお伺いしたいと思います。
(大臣)
中国からの訪日旅行の状況については、観光庁が、日本政府観光局(JNTO)を通して現地の旅行会社に聞き取り調査を実施しています。
昨日(28日)までに聞き取りを行った旅行会社の中には、実際にツアーのキャンセルの申し出があったと回答するケースの他、問い合わせはあったが、問い合わせの中身が、飲食の安全性やツアーの延期・中止の可能性などに関する問い合わせがあったと回答するケースがありました。
一方、顧客からの問い合わせの数は多くはない、あるいは、問い合わせは無いと回答するケースもありました。
今言った二つのケースが混在しており、現時点において、どういう状況かについて予断を持って申し上げることは避けたいと考えています。
国土交通省としては、引き続き中国からの旅行客の動向を注視していきたいと思います。

ビッグモーターに関する調査の進捗状況について

(記者)

ビッグモーターですが、昨日で立ち入り検査から1か月が経ちました。
国土交通省は今回立ち入りした34店を含む135店舗についても点検整備幅広く含めて不正の有無について報告するよう求めておりますが、その概要と今後の国土交通省の対応について伺わせてください。

(大臣)

お尋ねのビッグモーターからの報告については、先週25日(金)、ビッグモーターから報告がありました。
いわゆる135の事業場における法令違反の有無、これ全てです。
報告の内容については、現在、精査中のため、お答えは差し控えさせていただきます。
鋭意しっかり分析をしていきたい、できるだけ早く分析を進めたいと思っています。
また、調査の進捗状況及び今後の対応については、現在、34の事業場に対して行った立入検査の結果や、今申し上げたビッグモーターからの報告の内容等も踏まえて、事実関係の確認を進めているところです。
引き続き、事実関係の確認を進めるとともに、道路運送車両法違反が認められれば、厳正に対処していきたいと思っています。
今事実関係をしっかり調査、分析しているところです。

関東大震災から100年を迎えての所感について

(記者)

関東大震災から9月1日で100年の節目を迎えることを踏まえまして、昨日国土交通省のシンポジウムに足を運ばれて防災拠点の視察などを行ったかと思いますが、改めて節目に対する受け止めと、視察の感想を一言ずついただけますでしょうか。

(大臣)

9月1日は、関東大震災から100年を迎えます。
関東大震災では、家屋の倒壊や火災などにより、多くの尊い命や財産が失われました。
この関東大震災の甚大な被害を契機として、震災の翌年には、建築物の耐震基準を世界で初めて策定するなどの制度の見直し等を行い、その後も、他の大規模地震の教訓等も踏まえながら、住宅等の耐震対策や、危険密集市街地の改善などに取り組んできたところです。
これに加えて、今年度は、国土交通省の「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」において「首都直下地震等の大規模地震対策の強化」というテーマを掲げ、発災時の被害を軽減するための施策等を進めています。
さらに、東京都をはじめとした関係機関とも連携してリレーシンポジウム等を開催し、昨日、この一環として、国土交通省主催の関東大震災100年シンポジウムも開催しました。
こうした取組を通じて、防災意識の醸成も図ってまいります。
関東大震災では亡くなった方が10万5000人を超える、明治以降、日本の自然災害の中で最も被害の大きかった災害が関東大震災です。
そのことを改めてもう一度、しっかりと我々の意識の中において、首都直下型地震は必ずくると言われています。
それに向けて備えをしていかなければいけないと思っています。
昨日はその後、いわゆる「そなエリア」と言われる、国土交通省が管理する公園の中にある「そなエリア」、有明の防災拠点と我々一般に呼んでいますが、そこを訪問して、改めて我々が常日頃から防災について意識を持ち、ハード面だけではなく共助の部分でお互いに命を助け合う行動をとっていくことの重要性も昨日感じたところです。
非常に個人的な話になりますが、私の父が関東大震災を経験していまして、列車の屋根に乗って中央線経由になるのか、東海道線が丹那(たんな)トンネルがつぶれて通れなくなったことで、列車の屋根で名古屋まで行って、故郷に帰ったという話を生前よくしていました。
いかに悲惨な地震だったかと聞いていますが、そういう今経験された方から段々少なくなってきていますが、話を聞いてしっかりとした防災対策、我々も意識を持って行っていく必要があるのかなと思っています。

処理水放出を受けた中国からの訪日旅行キャンセルについて

(記者)

先ほど処理水の中国人観光客の影響についてですが、まだ調査結果については予断を持たないということだったと思うのですが、今後日本の観光への影響が大きいと見られた場合には、国としてはどんな対応をしていくべきだとお考えでしょうか。

(大臣)

この問題は総理先頭に政府一体となって取り組んでいかなければいけない問題だと思います。総理も外交ルートを通じて科学的な、そして冷静な対応をお願いしたいと発信をされています。私たちも政府の方針を踏まえながら、決して今回の処理水放出が環境に影響を与えるものではないこと等、また食物の安全性等について科学的根拠を持ってしっかりと説明していくことが基本になるかと思いますが、政府の方針のもとで国土交通省も対応していきたいと思います。

(記者)

その方針に沿って、旅行会社とかも通じて、旅行者に向けてそういうことをきちんと発信していけたらということですか。

(大臣)

そういうことです。

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