2024年10月11日(金) 11:01 ~ 11:17
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣
( 大臣から)令和6年度一般会計予備費使用の閣議決定について
(大臣)
本日の閣議案件で、私から1点報告があります。
令和6年能登半島地震と先月の豪雨による災害について、本日、能登半島の豪雨災害に関するものとしては初めて、能登半島地震に関するものとしては国土交通省関係で6回目の予備費使用を閣議決定しました。
このうち、国土交通省関係の一般会計予備費使用額としては、総額約312億円を計上しており、具体的には、道路、河川、上下水道、土砂災害、港湾、公営住宅の災害復旧などに要する経費となっています。
引き続き、被災地の声にしっかりと耳を傾けながら、これらの予備費の適切な執行も含め、国土交通省を挙げて被災地の復旧・復興に全力で取り組んでいきたいと思っています。
後ほど資料を配付します。
詳細は事務方にお問い合わせください。
( 大臣から)能登半島豪雨に伴う災害復旧工事について
(大臣)
このほか、私から2点報告があります。
1点目は、能登半島での豪雨に関する災害復旧工事についてです。
豪雨により甚大な被害を受けた石川県管理河川について、先日の石川県の馳知事からの要請を踏まえ、先ほど申し上げた本日閣議決定の予備費を活用し、国が権限代行などにより応急復旧工事を行うことにしました。
具体的には、塚田川、南志見川、町野川、鈴屋川、珠洲大谷川における護岸の応急復旧、堆積土砂の除去などの河川工事、塚田川におけるワイヤーネットの整備などの砂防工事について、国が石川県に代わって実施します。
また、同じく石川県からの要望を踏まえ、地方自治体が実施する災害復旧事業の災害査定について、今回初めて、地震と豪雨の二つの災害を一体的に捉えて実施することで、効率化を図ることとしました。
具体的には、現地での査定作業を省略して書面のみで査定を行うことができる、いわゆる机上査定の上限額を、地震・豪雨の両方とも通常の1000万円から1億4000万円として大幅に引き上げるなど、二つの災害にわたる被害について一体的に査定できるようにします。
今後とも、迅速な復旧・復興に向けて、石川県や関係市町とも連携しながら、国土交通省の総力を挙げて取り組んでまいります。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
( 大臣から)無人航空機の事業促進に向けた新たな取組について
(大臣)
2点目は、無人航空機による事業の促進に向けた、新たな取組についてです。
無人航空機の事業活用を推進するため、事業者の皆さまと意見交換を重ねる中で、一人の操縦者が多数の無人航空機を同時運航する「多数機同時運航」の普及・拡大に向けた検討が必要との御意見を頂いているところです。
少人数で多数の無人航空機を運航できるようになれば、運航の効率化や事業採算性の向上が期待でき、無人航空機を活用した事業の更なる拡大、ひいては買い物難民などの地域課題の解決やラストワンマイル配送サービスの拡大も期待されるものと考えています。
一方で、運航は安全であることが必要です。
このため、関係者の御意見を伺いながら、多数機同時運航を安全に行うための要件などの検討を行うため、今般、関係事業者・関係省庁で構成する「多数機同時運航の普及拡大に向けたスタディグループ」を設置することとしました。
スタディグループにおいて検討を進め、今年度中に、多数機同時運航のためのガイドラインを策定することなどを目指します。
国土交通省としては、今後も、制度の見直しや事業環境整備を継続的に行い、無人航空機の事業活用を強力に推進してまいります。
後ほど資料を配付します。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。
(記者)
一昨日、衆議院が解散されました。
石破政権は「日本創生解散」ということでおっしゃっていましたが、地方創生についても特に力を入れる考えというのを、これまでも示してきているかと思います。
そこで国土交通省が関わる分野もかなり多岐に渡る部分かと思いますが、斉藤大臣の解散に対する受け止めと、今後の国土交通省の取組についてお考えをお聞かせください。
(大臣)
まさに地方創生、国土交通省が先頭に立って頑張らなくてはいけないと思っています。
一昨日、衆議院が解散されました。
総理からは会見で、「さらなる成長と国民所得の拡大を図るため、そして、国民の暮らしを経済と心の両面で豊かにしていくための新たな道筋として地方創生を進める、この『新たな地方創生』は、日本の社会の在り方を大きく変える『日本創生』の試みである」とのお話がありました。
これを進めていくため、国民の皆さまからの信任をいただくための衆議院選挙であると受け止めています。
国土交通省としては、私もこの3年間ずっとこれを言い続けてきましたが、政策の三つの柱として、「国民の安全・安心の確保」、「持続的な経済成長の実現」とともに、「個性をいかした地域づくりと分散型国づくり」という柱を掲げ、地方創生に資する政策を進めてきましたが、総理からのお話も踏まえ、今後もなお一層、更に取組を進めていく必要があると強く感じ決意したところです。
私も石破内閣の閣僚として、これらの方針・決意をしっかり国民の皆さまに訴えていきたいと思っています。
同時に、衆議院議員の身分はなくなりましたが、引き続き国土交通大臣として、災害や事故への対応をはじめ、国民の安全・安心のために、緊張感を持って対応していきたいと思っています。
(記者)
北海道知床半島沖で乗客・乗員20人が死亡し、6人が行方不明になった、小型観光船KAZUIの沈没事故について、釧路地検が9日、運航会社社長の桂田精一容疑者を業務上過失致死罪で起訴しました。
この件について大臣の受け止めをお聞かせください。
また、旅客船を所管する国土交通省として事故の再発防止策、どのような安全対策を講じていかれるか、改めてお考えをお聞かせください。
(大臣)
まず、本件事故により、お亡くなりになられた方に心からお悔やみを、また御冥福をお祈りします。
また御家族の皆さまに対して心よりお見舞いを申し上げます。
この事故について、今月9日にKAZUIの運航会社取締役である桂田精一が起訴され、刑事手続きが進められているものと承知しています。
国土交通省としては、このような痛ましい事故が二度と起きることがないよう、旅客船の安全・安心対策に取り組んでいます。
昨年5月に公布された、改正海上運送法の、船員の資質向上に係る制度の導入などの主要部分が本年4月より施行されるなど、その対策を進めているところです。
引き続き、私をはじめ、関係職員が一丸となって、旅客船の安全確保に向けて、強い決意を持って取り組んでいきたいと決意しています。
(記者)
本日の閣議決定で「新しい地方経済・生活環境創生本部」の設置が決定したと聞いています。
所掌分野でどのように取り組んでいこうとお考えか、教えていただけますでしょうか。
(大臣)
本日の閣議で、総理を本部長とする「新しい地方経済・生活環境創生本部」の設置が決定され、私も本部員として、地方創生に取り組むこととなりました。
今後、内閣官房を中心に検討されることになると承知していますが、国土交通省としても、内閣の基本方針である「地方創生2.0」を進めていくにあたり、積極的に対応してまいります。
例えば、地方への人の流れを創出・拡大する二地域居住や、観光地の高付加価値化などに取り組みます。
合わせて、地域における移動の足を確保するため、交通インフラの整備とともに、全国で「交通空白」の解消を進めていきたいと思っています。
また、地域経済の拡大に資する賑わい創出や、住まいの支援など少子化対策にも取り組み、利便性が確保された活力ある地域づくりを進めてまいります。
国土交通省としてはこういう施策をしっかり進めていきたいと思っていますが、他の省庁と、地方に魅力ある雇用の場を確保すること等は大変重要です。
そういうことも含めて国土交通省で出来ることを全力で進めていきたいと思います。
私、生まれが島根県の山奥で、広島県で育ちましたが、今私の選挙区も含めて大変過疎化が進んでいます。
どのように地域の活力を取り戻していくかというのは本当に喫緊の課題だと思っており、これらの先ほど申し上げた施策に全力で取り組んでいきたいと思っています。
(記者)
今後、靖国神社で秋季例大祭が予定されています。
斉藤大臣は参拝などの御予定はいかがでしょうか。
(大臣)
予定はありませんし、行きません。
(記者)
冒頭発言のドローンの件ですが、これから新たな取り組みを始めるということでしたが、改めてドローンの活用について、徐々に社会実装といいますか実用化・事業化の動きが来ているかと思います。
それを後押しするという狙いがあるかと思いますが、改めて斉藤大臣としてはドローンの活用ということが、諸々、災害対応ですとか買い物難民といったところ、どういったところに可能性として感じているかという点と、今後の課題について大臣としてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(大臣)
先ほど地方創生の話が出ましたが、地方における人手不足ということも言われています。
2か月ほど前になりますが、北海道の上士幌町に視察に行きました。
そこでドローンを使った配送事業を視察させていただいたところです。
お昼のお弁当も遠くから運んでもらい、それを食べるということも体験させていただきました。
地方においてドローンを活用するということは非常にある意味で人手不足に対応し、かつ、生産性を向上させる、そして地方の生活を魅力的なものにすることを実感したところです。
これまでも国土交通省、このドローンの活用についていろいろな改善等をしてきましたが、私もその時は一人の方が運用されていましたが、十分複数機を対応できるという話も伺ってきたところです。
もちろん安全が最優先ですが、それと両立できる、そして効率性をあげて、また地方の生活を魅力的なものにするためにどのようなことができるかということを、このスタディグループで是非検討していただきたいと思っています。
また、ドローンを使った災害対応、土砂災害の時になかなか谷筋の上の方がどうなっているのか分からないときにドローンで実際見てみるということも、私も実際に体験をしました。
こういう災害対応についても、ドローンの活用は大変重要だと思います。
またこの間、荒川上流域の第三調節池の建設現場へ行きましたが、そこではICT施工で、どれだけ今、土が重機で踏み固められているか、それらの施工も検査もドローンで自動的に行うということを見てきまして、そこでも効率化、もっともっとできるという話を、全部それを計画しているのは女性技術者でしたが、その方からお伺いし、ドローン活用の効率化を進めることが、いろいろな意味で生産性向上、また職場を魅力的なものにすること、女性が参画できる職場を大きく拡大していくこと、等につながるのではないかと実感したところです。