大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2024年11月1日(金) 10:42 ~ 10:58
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)「トラック・物流Gメン」について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から2点報告があります。
1点目は、「トラック・物流Gメン」についてです。
国土交通省では、令和5年7月に「トラックGメン」を創設し、トラック事業者の法令遵守を妨げる悪質な荷主・元請事業者に対し、「働きかけ」などの是正指導を1000件以上実施してきたところです。
今般、悪質な荷主・元請事業者に関する情報収集機能を更に強化し、物流産業全体の取引適正化を進めるため、本日より、トラックGメンを「トラック・物流Gメン」へ拡張し、併せて、体制を拡充することとしました。
具体的には、地方運輸局等の物流担当職員を倉庫担当のGメンとし、倉庫業者からも悪質な荷主・元請事業者に関する情報収集を行うようにするとともに、倉庫業の業界団体においても、情報収集窓口を設置します。
さらに、各都道府県のトラック協会が新たに設ける「Gメン調査員」166名をGメンに追加し、現行の「トラックGメン」162名体制から「トラック・物流Gメン」全体で総勢約360名規模への大幅な体制拡充を図ります。
また、昨年に引き続き、11月・12月を集中監視月間とし、本日(11月1日)より、悪質な荷主・元請事業者に対するGメンの監視を強化することとします。
集中監視月間では、「働きかけ」などの是正措置を集中的に行い、早急な改善を促すとともに、関係行政機関との連携強化や情報収集の強化を図ってまいります。
国土交通省としては、今回のGメンの拡張・体制の拡充や、集中的な監視により、荷主の行動改善や物流全体の取引適正化を一層推進し、持続可能な物流の確保に向け着実に対処していきたいと決意しています。
後ほど資料を配付します。詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)上下水道施設の耐震化状況に関する緊急点検について

2点目は、上下水道施設の耐震化状況に関する緊急点検についてです。
国土交通省では、能登半島地震の教訓を踏まえ、浄水場や下水処理場など、上下水道システムの「急所施設」や、避難所や病院などの「重要施設に接続する管路」について、全ての自治体における耐震化状況の緊急点検を実施してきたところですが、本日、その結果を公表します。
緊急点検の結果、例えば、急所施設の耐震化率は、導水管が34%、下水処理場が48%となりました。
避難所や病院などの重要施設について、接続する水道・下水道の両方の管路が耐震化されている施設の割合が15%に低く留まることなどが判明し、上下水道施設の耐震化が非常に遅れていることが改めて確認されました。
国土交通省としては、全ての自治体に対して、緊急点検の結果を踏まえた「上下水道耐震化計画」の策定を促しているところです。
耐震化計画に基づく地域の取組を技術的・財政的にしっかりと支援しつつ、耐震化の取組状況について毎年フォローアップすることで、上下水道の耐震化を計画的・集中的に進め、強靱で持続可能な上下水道システムの構築を図っていきたいと思っています。
後ほど資料を配付します。詳細は事務方にお問い合わせください。

質疑応答

上下水道施設の耐震化について

(記者)

今発言のありました上下水道施設の耐震化について伺います。
結果として全般的に耐震化が低水準ということですが、自治体に取材をしてみますと予算が不足しているとか技術職員の方が不足しているようなことを理由に挙げることがあります。
近くまとめる経済対策での対応も含めて、国土交通省としてどのように支援していくかお聞かせください。

(大臣)

御指摘の通り、上下水道施設の耐震化が遅れている要因の一つとして、自治体における予算が足らない、技術職員などの人員が足らない、このことをよく私も現場を歩くと聞きます。
私の地元でもそういう声を聞いているところです。
このため、国土交通省としては、先ほども申し上げましたが、まず全ての自治体に対して、今回の調査結果を踏まえた「上下水道耐震化計画」の策定を促しているところです。
耐震化計画に基づく地域の取組をこれから技術的に、そして財政的にしっかりと支援することで、耐震化を計画的・集中的に進めていきたいと考えています。
予算が足らないことについては財政的に支援する、人員が足らない、技術職員がいないことについても技術的な支援を、地方整備局等を通じてしっかりと行っていきたいと思っています。
また、予算や人員の不足に対応していくためには、水道・下水道事業の経営改善や、デジタル技術を活用した効率的な事業運営をしていくことも重要です。
このため、水道料金や下水道使用料の適正化による経営改善、広域連携・官民連携による事業運営基盤の強化、「上下水道DX」推進のための技術開発についても、しっかりと支援を行っていきたいと考えています。
経済対策の話もありました。令和6年8月に開催された、第7回水循環政策本部会合において、当時の岸田(きしだ)総理から「上下水道システムの点検結果に基づき、秋の経済対策も見据えて上下水道管の耐震化を早急に進めてください。」との御発言がありましたので、この点も含めてしっかりとこの経済対策の中に盛り込めるようにしていきたいと思っています。

公明党代表の辞意表明について

(記者)

昨日、公明党の代表が辞意を表明したということで、今後新代表が選ばれるということになっています。
これについて大臣の受け止め、御対応についてお伺いしたいのと、一部報道では後任の代表として斉藤大臣のお名前も挙がっていますが、大臣御自身としての対応についてもお聞かせください。

(大臣)

まず、石井(いしい)代表が今回辞意を表明された大きな要因として落選されたということについては、本当に悔しい思いです。
その上で石井代表が選挙の結果を重く受け止めて今回辞意を表明されたことに対し、この選挙の結果を真摯に受け止められた結果だと思っています。
石井啓一(けいいち)代表は国土交通大臣を4年弱お務めになりました。
国土交通行政に本当に貢献をしていただきました。
心から敬意を表する次第ですし、心から国土交通大臣として感謝を申し上げたいと思っています。
御本人「捲土重来(けんどちょうらい)()す」とおっしゃっていますので、しっかりと我々も一緒に頑張っていきたいと思っています。
後段の件については、国土交通大臣としての会見の場ですのでお答えは差し控えさせていただきますが、いずれにしても党勢拡大のため、先ほど石井代表の捲土重来という言葉もありましたが、しっかりとした国民の皆さまから御支持をいただける公明党になるように私も全力を挙げていく決意です。

JR九州高速船から提出された改善報告書等について

(記者)

JR九州の子会社であるJR九州高速船が昨日、クイーンビートルの運航不正に対する国土交通省の行政処分を受けた改善報告書を国土交通省に提出されました。
これに対する大臣の受け止めと、報告書の内容の評価、国土交通省として今後どのように対応をとっていくのか、この3点をお伺いしたいと思います。

(大臣)

9月17日に、JR九州高速船に対して、海上運送法に基づく安全確保命令と安全統括管理者及び運航管理者の解任命令を行ったところです。
昨日(10月31日)、JR九州高速船より、安全確保命令を受けた改善報告書の提出と、安全統括管理者及び運航管理者の解任・選任の届出がありました。
改善報告書については、新たな安全管理体制の構築など、命令の内容を踏まえた改善措置が記載されているところだと考えます。
国土交通省としては、二度と同様の事案が発生することのないよう、今後、監査等を通じ、改善報告書に記載された改善措置の適切性や実効性を確認していきます。
引き続き、輸送の安全の確保と再発防止の徹底が図られるよう、適切に指導監督を行っていきたいと思います。

JR貨物に対する事業改善命令等について

(記者)

鉄道会社による一連の車両輪軸(りんじく)組立の問題についてお伺いします。
国土交通省は昨日、JR貨物に事業改善命令を出して、不正の再発防止策を求めました。
また、一昨日には東京メトロなどにも行政指導を行いました。
今回、行政処分、行政指導を行った理由と、JR貨物など各事業者に求める再発防止策について、改めて大臣の御見解をお聞かせください。

(大臣)

鉄道車両の輪軸の組立作業において記録の書き換えなどの不適切な取扱いがあったことを受け、特別保安監査を進めてきたところです。
その結果に基づき、一昨日(30日)、複数の事業者に対して改善指示など、昨日(31日)、JR貨物に対して事業改善命令を発出しました。
具体的には、「規程類の整備」、「教育体制の改善」、「作業記録の書き換えの防止」、「安全管理体制の点検と見直し」などを行うよう指示したところです。
また、全国の鉄道事業者に対する輪軸の緊急点検の結果を踏まえ、輪軸の組立作業がより適正に行われるよう、一昨日(30日)、有識者を交えた検証会議を設置しました。
年内のとりまとめに向け、議論を進めていきます。
輸送の安全確保は、鉄道事業者にとって、最も基本的、かつ、最も重要な使命だと思います。
各鉄道事業者においては、事業改善命令等に対して真摯に対応するとともに、検証会議での議論も踏まえ、安全・安定輸送の確保と再発防止の徹底に取り組んでもらいたいと考えています。
国土交通省としても、この検証会議等を開き、しっかり見守っていきたいと思っています。

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