2024年11月11日(月) 10:21 ~ 10:30
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣
(大臣)
今朝の臨時閣議におきまして、内閣総辞職をしました。
これに伴って国土交通大臣を退任することになります。
この間皆様方には大変お世話になりました。
ありがとうございました。
この国土交通省の記者会見は本当に真摯な御質問をいただき、また、私も一生懸命、出来るだけ真正面から真摯に答える努力をさせていただきました。
皆様方からすれば御不満があった点もあるかもしれませんが、これまで本当に建設的なやりとりをさせていただいたと思っています。
また、我々の考えを国民の皆さまに、皆様から御伝えいただき、その点については心から感謝申し上げます。
私からは以上です。
(記者)
まず週末の発生事案について伺います。
昨日、JR瀬戸大橋線で架線が切れて快速列車が立ち往生する事案がありました。
国土交通省が把握している事実関係と今後の対応についてお願いします。
(大臣)
昨日10日の朝から夜にかけて、JR四国本四備讃線において架線トラブルによる輸送障害が発生したと承知しています。
本四備讃線においてこのような輸送障害が発生し、多くの利用者が影響を受けたことを重く受け止めており、本件についてJR四国に対し、原因を究明し再発防止のための措置について報告をするよう速やかに指示しています。
国土交通省としては、JR四国からの報告を踏まえ、鉄道の安全・安定輸送の確保に向け、適切に指導していきたいと思っています。
本日で私大臣を退任しますが、安全・安定輸送の確保については、しっかりと後任の大臣にも引き継ぎたいと思っています。
(記者)
退任にあたっての任期の振り返りと、新大臣への期待がありましたらお願いします。
(大臣)
国土交通大臣としての在任期間は1135日でした。
この間、新型コロナウイルス感染症への対応や、能登半島地震をはじめ頻発・激甚化する自然災害への対応、知床遊覧船事故・羽田空港航空機衝突事故をはじめとする事故への対応など、緊張した日々が続きましたが、職員や関係者など、多くの方々とともにその一つ一つに全力で取り組んできたことが思い出されます。
先日も申し上げましたが、私は令和3年10月の就任以降、国民の安全・安心の確保、持続的な経済成長の実現、個性をいかした地域づくりと分散型国づくりの3つの柱に重点を置いて取り組んでまいりました。
このうち、1点目の「国民の安全・安心の確保」については、令和6年能登半島地震への応急対応や復旧・復興のほか、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の推進、盛土による災害の防止、線状降水帯の予測精度の向上、海上保安能力の強化、羽田空港航空機衝突事故や知床遊覧船事故などを受けた交通の安全・安心の確保などに取り組んでまいりました。
2点目の「持続的な経済成長の実現」については、コロナの影響等により危機に瀕していた交通事業者・観光関連事業者への支援、持続可能な観光の推進、2024年問題等を踏まえた物流の革新や、持続可能な建設業の実現に向けた環境の整備、住宅・建築物の省エネ化、都市緑地の確保といった2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組の推進、などに取り組んできたところです。
3点目の「個性をいかした地域づくりと分散型国づくり」については、「シームレスな拠点連結型国土」の構築を図る新たな国土形成計画の策定や二地域居住の推進、「交通空白」の解消等に向けた地域交通のリ・デザインの全面展開、子育て世代をはじめ、安心して暮らせる住まいの確保、などに取り組んでまいりました。
これら施策については、就任以降、先の通常国会までに国土交通省から提出した18本すべての法案を成立させるなど、関係者の御協力もいただきながら、前へ前へと進めることができました。
頻発・激甚化する自然災害への対応をはじめ、国土交通行政をめぐる課題は山積しています。
引き続き、国土交通省においては、これらの課題に対して、総力を挙げて、取組を進めていかなくてはならないと考えています。
国土交通省は約6万人の職員が働く、そして幅広い国民生活に直結した仕事を受け持っています。
私も全国を回りながら、国民の皆さまからの期待が非常に大きい、そしてそれに応えるべく現場の職員が真面目に真剣に働いているという姿を見てきました。
そのことは深く心に残っています。
これから私、少し立場は変わることになりますが、しっかり現場で真面目に働く人たちを応援する、お支えをする仕事をして、政治の方から発信をしていきたいと思っています。
心残りなのは、出来るだけ幅広く現場を歩いて、多くの現場で働く皆様方と意見交換したかったわけですが、なかなか忙しくて、この3年の間にまだまだ見ておきたい現場がたくさんありましたが、それが出来なかったのが残念ですが、この場を借りて全国の現場で働く皆様にこれからもしっかり国民の期待に応えるように頑張っていただきたい、というメッセージをお伝えしたいと思います。
新しい大臣への期待ですが、新しい大臣は新しい方針の下、この国土交通行政の指揮を執られることになるので、新しい大臣の方針に期待したいと思いますが、先ほど申し上げた国民の期待が高い、そして多くの現場の職員が真面目に頑張っている、それらの皆さまから信頼されるリーダーたるべき大臣になってほしい、このことを新しい大臣に期待するところです。