2025年2月4日(火) 8:40 ~ 8:51
衆議院本館 議員食堂
中野洋昌 大臣
(大臣)
本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
公共工事設計労務単価に関してです。
本日の閣僚懇談会において、物価高への当面の対応として、石破総理から「今月中に賃金上昇の情勢等を踏まえた公共工事設計労務単価の引上げ」を行うよう御指示がありました。
国土交通省としても、最新の賃金上昇の情勢等を十分に踏まえ、今月中に、総理の御指示に基づき、適切な労務単価の設定を行ってまいります。
詳細は事務方にお問い合わせください。私からは以上です。
(記者)
アメリカの関税措置のことですが、先日の会見で日本を含めた物流への影響ということで、注視なさっているということでしたが、今日から新しい関税が課されるとなっていましたが、土壇場で1か月停止なんてこともあって、なかなか読みにくい状況だと思うのですが、どう御覧になっていらっしゃいますか。
(大臣)
米国政府による関税措置に関する発表については承知しています。私からは物流面などでの影響ということでお答えさせていただくと、本関税措置の国際貨物輸送への影響については、まず荷主が輸送先や調達先を判断した後、具体的な輸送ルートや物流オペレーションに変化が生じる可能性が想定をされますが、国際貨物輸送全体を見た場合、直ちに輸送のニーズそのものに大きな影響が発生するものではないと見込んでいます。
いずれにしても、引き続き、我が国への安定的な海上輸送の確保をはじめとして、国際的な貨物輸送に支障が生じないよう、海運業界等とも連携をして、状況を注視してまいります。
(記者)
鉄道事業者、大手鉄道会社の中で問題となりました輪軸不正問題ですが、先週金曜日に発端となったJR貨物から国土交通省に業務改善の報告がありました。これをどう受け止めていらっしゃるのか。
それから近年、自動車、航空、船舶と運輸に関係する大手、代表的なメーカーで次々とデータ不正が発覚しています。
このデータ不正を根絶するためにはどのような取組が必要だとお考えでしょうか。
(大臣)
改めてになりますが、鉄道車両の輪軸の組立作業において記録の書き換えなどの不適切な事案が判明したことを受けて、JR貨物に対して特別保安監査を実施し、昨年10月に事業改善命令を発出しました。
本命令に基づき、1月31日にJR貨物より、作業者が検査データを書き換えできないシステムへの改修、社長直轄の業務監査室の設置などを柱とした改善措置の報告があったところです。
JR貨物には、本報告の内容を着実に実行し、輸送の安全確保に向けた安全管理体制をしっかりと再構築してもらいたいと考えています。
また、鉄道だけでなく、複数の交通モードにおいてデータ改ざん等の不正措置が行われたということで、極めて遺憾であり、国土交通省としても重く受け止めています。
こうした不正行為の再発を防止するためには、報告の徴収や立入検査に基づく行政処分だけではなく、事業者の安全管理体制を強化することが重要であると認識しています。
このため、国土交通省としては、輪軸組立作業を始めとする鉄道事業者の安全管理体制の強化、また、自動車の認証業務に係る自動車メーカー等の内部統制の強化・徹底などに取り組むとともに、運輸事業者全体的な話ですが「運輸安全マネジメント制度」の積極的な活用により、運輸事業者の安全管理体制の一層の強化に取り組んでいきたいと考えています。
(記者)
先ほどの御発言で、トランプ大統領の関税の件ですが、御発言の趣旨としては未明にかけて発表された1か月の停止といったところも含まれた上での御発言だったのかどうかを確認してもよろしいですか。
(大臣)
この想定は昨日の段階での準備ですので、その段階での想定です。
(記者)
今朝までにこういった1か月間の停止というのが突如発表された形だと思いますが、これについて大臣はどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
(大臣)
詳細の情報については、しっかりこれから確認したいと思っています。
いずれにしても関税を巡って様々、物流全体に影響があるかどうかという点で今、状況を注視しています。
関税の影響が変わると物の生産が変わり、また輸送ルート等の変更等、様々な変化が生じる可能性を想定されることですので、引き続き関税そのものがどうなっていくかということもしっかり注視しながら、最新の情報も引き続き把握をしながら注視していきたいと思っています。
(記者)
道路陥没事故について、老朽化の問題ではなく、更新が困難な構造物のメンテナンス方法の確立がされていないせいではないかという問です。
同じような例では笹子トンネルの天井板崩落事故があります。
このときもメンテナンス方法が確立されていませんでした。
自動車ユーザーに被害が出ないとメンテナンス方法が確立しない状況をどう見ていらっしゃいますか。
(大臣)
私ども国土交通省も笹子トンネルの事故の時に改めて痛感したのが、インフラの適切な維持管理は、国民の皆さまに良好なインフラサービスを提供するために必要なだけではなく、適切な方法によるメンテナンスを怠れば、利用者の命にも直結しかねないということです。
この事故を我々も重く受け止め、教訓として、平成25年を「社会資本メンテナンス元年」と定め、道路トンネルにとどまらず、所管のインフラ全分野において、対策の抜本的な強化をしようということで、以来、取り組んできたところです。
特に、損傷が発生してからではなくて、あらかじめ定期的に点検や診断を実施し、その結果に基づいて修繕・更新等を実施する「予防保全型」のメンテナンスに転換していこうということで取り組んできたということです。
やはり人の人材的な制約もありますので、その際はロボット等の新技術の導入や、いろいろなインフラを一群の形でマネジメントするという、いわゆる「群マネ」の導入などによって対応し、また、財政的な制約もありますので、国土強靱化5か年加速化対策に老朽化対策を位置づけて、修繕や更新等が必要な箇所の重点的な支援を行ってきました。笹子トンネルの事故を契機として、様々な取組を我々もやってきたということもあります。
しかし、これからもメンテナンス技術をもっと向上させないといけない、より効果的なメンテナンスの方法を点検要領に反映させるなど、不断の見直しに取り組んでいかないといけないと思っています。
今般の事故に係る原因調査の結果なども踏まえて、必要となる対策についてもしっかり検討し、そして実施していきたいというのが今の私の考えです。