大臣会見

中野大臣会見要旨

2025年6月6日(金) 9:01 ~ 9:15
国土交通省会見室
中野洋昌 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)TEC-FORCEの増強と多様な主体との連携強化による被災自治体への新たな 応援体制の構築について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
TEC(テック)FORCE(フォース)の増強と多様な主体との連携強化による被災自治体への新たな応援体制の構築についてです。
背景としては、TEC-FORCEは、平成20年の発足以来、東日本大震災や西日本豪雨など様々な災害の現場対応を積み重ねるとともに、その体制を少しずつ強化してまいりました。
そのような中、「災害対策基本法等の一部を改正する法律」が6月4日に公布・一部施行されたことを受けて、南海トラフ地震等の大規模広域災害にも自治体等を迅速かつ的確に応援できるように、TEC-FORCEの増強と、多様な主体との連携強化を進めていきたいと思います。
具体的な取組としては、専門的な知識を有する民間人材をTEC-FORCE予備隊員として非常勤雇用する制度を創設し、隊員を増強します。
また、災害時にTEC-FORCEと一体となって活動する民間事業者をTEC-FORCEパートナー、学識者をTEC-FORCEアドバイザーと位置づけて、全国から円滑に応援が行える体制を確保してまいります。
さらに、研修等を合同で実施するなどの取組を進めて、都道府県などの土木部局等とも一体となり、国全体の災害対応力をさらに高めていきたいと考えています。
災害対応の重要性が増す中で、国土交通省としては、これらの取組の推進によって、行政と民間とそして学識、これが一体となって、災害対応力を格段に引き上げていきたいと考えています。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
私からは以上です。

質疑応答

日本郵便に対する一般貨物自動車運送事業の許可の取消しについて

(記者)

日本郵便の点呼問題で、関東運輸局が事業許可の取消しを前提とした聴聞の手続きを日本郵便に通知しました。
これについての大臣の受け止めと、今後の処分等のスケジュール感はどうなるのか、また、許可取消しとなった場合の全国への物流の影響について受け止めをお願いします。

(大臣)

今般、日本郵便の一般貨物自動車運送事業において、監査を通じて、点呼の未実施や不実記載が多数の営業所で確認されたところです。
改めて申し上げたいのですけれども、点呼は、運転者が疲労や酒気帯び等で安全な運転ができないおそれがないか、こうしたことを確認するという、安全管理の要です。
多数の営業所において点呼業務が適正に実施されずに事業が行われていたことは、輸送の安全の確保を揺るがすものです。
極めて遺憾です。
そのため、一般貨物自動車運送事業の許可を取り消す方針としました。
今後のスケジュール等の御質問があったのですけれども、国土交通省としては、今後、必要となる行政手続法上の手続を適切に進めていきたいと思います。
物流に対する影響の御質問もありました。
これについては、現在、日本郵便において精査中であると聞いていますけれども、まずは同社において、安全確保に万全を期すべく体制を再構築した上で、物流サービスの提供等に支障が生じないように、全力を尽くしていただくことが必要です。
そして、国土交通省としても、協力会社の確保等に関して、最大限の支援を行っていきたいと考えています。

都営バスにおける乗客の置き去りについて

(記者)

最近、都営バスで乗客が置き去りにされる案件が起きているようなので、これについての御見解をお願いできるでしょうか。

(大臣)

今月1日に、都営バスにおいて、乗客がバス車内に一時置き去りとなる事案が発生したということは承知しています。
これは4月1日、5月30日に引き続きということで、これも誠に遺憾なことであると思っています。
乗客の車内への置き去りについては、これまで、バス事業者等に対して、運行終了後及び車庫に帰った後の全座席の点検や、車庫内での車両の保管方法の見直しを実施するように指導をするとともに、当該指導内容については、改めての周知を図ってきたところです。
都営バスに対しては、再発防止を徹底するように指示していますが、現在、関東運輸局において、改めて事情聴取を行っているところでして、その結果も踏まえて厳正に対処していきたいと考えています。
国土交通省としては、引き続き、安全な公共交通の実現に向けて、しっかり取り組んでいきたいと思います。

国土強靱化実施中期計画について

(記者)

国土強靱化の次期計画について本日決定の予定だったと思うのですけれども、こちらについて狙いや意義、着実な実施に向けた意気込みなどをお願いします。

(大臣)

本日、政府の「国土強靱化推進本部」が開催されて、その後の閣議において「国土強靱化実施中期計画」が閣議決定されました。
本計画においては、今後推進すべき国土強靱化施策とその指標のほか、その裏付けとなる事業規模は昨今の資材価格や人件費の高騰、能登半島地震での教訓等を踏まえて、今後5年間でおおむね20兆円強程度を目途とすることが示されています。
今後の資材価格・人件費高騰等の影響については、予算編成過程で適切に反映しつつ、また、今後の災害の発生状況や事業の進捗状況、経済情勢・財政事情等を踏まえ、機動的・弾力的に対応しながら、対策に必要な予算を毎年度しっかりと確保できるように努めていきたいと思います。
実施中期計画においては、埼玉県八潮(やしお)市の道路陥没事故を受けた先般の有識者委員会における上下水道のあり方の提言を踏まえて、安全性確保を最優先する管路マネジメントへの転換を図るということで、社会的影響が大きい上下水道管路の更新や、多重化・分散化によるリダンダンシーの確保の施策を、新たに追加しているところです。
この実施に向けた考え方を自治体に分かりやすく示しながら、上下水道施設の戦略的な維持管理・更新をしっかりと進めていきたいと思います。
こうした国土交通省として、上下水道を含めて、予防保全型メンテナンスに向けて、早期転換に向けた対策、あわせて建設業の担い手確保への対応など、関係省庁と連携をしながら、防災・減災、そして国土強靱化の取組を全力で進めていきたいと思います。

日本郵便に対する一般貨物自動車運送事業の許可の取消しについて

(記者)

日本郵政の関係でお尋ねなのですけれども、先ほど物流サービスに支障が出ないようということで、国土交通省としても支援をしていく、協力していくということをおっしゃられたと思うのですが、国土交通省としてどういったことができるのかということを改めて教えていただきたいのと、今回処分がなされれば2500台程度の車が使用停止、使えなくなると思うのですが、こちらの影響があるのかないのか、あるいはその程度というのはどの程度なのかというあたりをお聞かせください。

(大臣)

先ほども少しお答えさせていただいたのですけれども、物流に対する影響については日本郵便において現在、精査中だと聞いているところです。
そういう意味では我々の方で今影響がどうということは、コメントは差し控えさせていただければと思いますけれども、いずれにしても、これも繰り返しになりますが、大事なことはやはり安全確保に万全を期すべく、体制を再構築していただいた上で、この物流サービスの提供に支障が生じないように、全力を尽くしていただくことが必要なのではないかということでして、いずれにしても国土交通省で何をしていくのかというのは先ほど申し上げた、例えば協力会社の確保ということでもし何か課題があるのであれば、そうしたことについて併せて協力をしていくですとか、そういうことは可能であると思っています。
いずれにしてもこの安全確保に万全を期していただいた上で、サービスの提供に支障が生じないようにということかと思っています。

(記者)

今の件に関連して、大臣の心情的なところ、物流の影響というのは日本郵便で精査中とはいえ、影響自体がやはり懸念されるところではあって、特に物流が逼迫する中で郵便局というインフラに対してかなり思い切った処分にもなると思うのですけれども、そのあたりで葛藤であったりとか、その心情的な判断というのはどんなところであったかということをもう少しお聞かせ願えたらと思います。

(大臣)

ここも少し、私冒頭申し上げたところでありますけれども、今回の違反というのは、点呼の未実施や不実記載、それもかなり多数の営業所でということです。
やはり安全管理の要であるこうしたことについて、適正に実施がされていなかったということは、輸送の安全の確保というものを大きく揺るがすことであるということです。
そういう意味では、そうした中でこういう許可を取り消す方針になったということです。
具体的には国土交通省内において定めている処分基準において、1つの運輸局の管内の全営業所の処分点数の合計が、一定の基準を超えた場合、全国の全営業所を対象に一般貨物事業の許可を取り消すという規定になっています。
これは監査の結果、関東運輸局管内の違反点数がこの基準を大幅に超えたということですので、事業の許可を取り消す方針としたということです。
 

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