大臣会見

中野大臣会見要旨

2025年6月27日(金) 10:26 ~ 10:39
国土交通省会見室
中野洋昌 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)地域交通DX推進プロジェクト「コモンズ」の開始について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
地域交通DX推進プロジェクト「コモンズ」の開始についてです。
国土交通省では、「交通空白」解消本部のもと、全国の「交通空白」解消に取り組んでいるところですが、今般、「交通空白」解消など地域交通の「リ・デザイン」の取組をさらに加速し、持続可能な地域交通を実現するため、新たに産官学が連携したDX推進の取組を開始することとしました。
この新たな取組を、地域交通DX推進プロジェクト「コモンズ」として名付けて、本日ウェブサイトを公開したところです。
この「コモンズ」では、先日の「交通空白」解消本部で私から言及した「モビリティ・パートナーシップ・プログラム」の一環として、地域のモビリティ資源をすべての人にとってアクセス可能な共通の社会基盤、すなわち共通財として捉えて取り組むということとしています。
具体的には、サービス、データ、マネジメント、ビジネスプロセス、この4つの柱で、交通課題を解決するデジタル技術活用のベストプラクティスの創出と標準化、及びその横展開を一体的に推進してまいります。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
私からは以上です。

質疑応答

日本郵便に対する一般貨物運送事業の許可の取消し等について

(記者)

日本郵便の点呼の問題についてです。
25日に関東運輸局の方から、日本郵便の一般貨物自動車運送事業の許可を取り消す処分が出ました。
これによって、同社が持つ2500台のトラックであるとか、あるいはバンが使えなくなります。
加えて国土交通省の方では軽のバンについても、3万2000台くらいあるかと思いますが、これの監査も続けておられるかと思います。
物流への影響含めて、大臣の受け止めを改めてお伺いしたいのと、今後の国土交通省の対応についてお伺いします。

(大臣)

日本郵便の一般貨物自動車運送事業については、多数の営業所で点呼に関する「不実記載」等が確認されたことを踏まえて、25日付けで同社に対する一般貨物自動車運送事業の許可取消処分を行ったところです。
改めて、多数の営業所において、安全管理の要である点呼業務が適正に実施されずに事業が行われていたということは、輸送の安全の確保を揺るがすものであり、極めて遺憾です。
併せて、日本郵便の輸送体制の変更後における輸送の安全を図るために、国土交通省において、日本郵便の貨物軽自動車運送事業に対する安全確保命令を発出しました。
これを発出するとともに、子会社である日本郵便輸送に対する報告徴収を実施することで、これらの会社の輸送の安全体制についてモニタリングを行うこととしました。
国土交通省においては、これらの取組を通じ、日本郵便が担う物流サービスについて、輸送の安全の確保の徹底を求めていきたいと考えています。
もう1点の物流への影響ですけれども、日本郵便において、トラックでの業務を他の運送会社に委託することを基本に調整を進めることにより、引き続き確実かつ適切にサービスを維持していくものであると承知しているところです。
国土交通省においても、引き続き、この状況を注視しつつ、協力会社の確保等、必要な支援を行っていきたいと考えています。

置き配等のラストマイル配送の効率化に向けた議論について

(記者)

「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」が昨日開かれまして、置き配の標準化などについて今後議論されていくようですけれども、これらについて大臣の受け止めと今後のスケジュール感などをお願いします。

(大臣)

昨日(26日)、「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」の第1回目を開催しました。
この中身については、置き配などの多様な受取方法の社会全体への普及・浸透や宅配サービスのあり方の変革、地域における配送等の共同分担や新たな輸送手段の活用、そして地方自治体の役割などについて、議論を行ったところです。
この検討の中で、御指摘の置き配のところについては、国土交通省が定める「標準宅配便運送約款」において、従来からの対面受取りに加えて、置き配などの多様な受取方法を、受取りの際の選択肢の一つとしてどのように位置付けるかについても、議論を開始したところです。
一方で、「置き配を標準とする」検討を行うという最近の報道がありまして、これは私も承知していますが、少し皆さま誤解されている部分が多いのではないかと思っているところが、本検討会において、標準的な受取方法として、従来からの対面受取りに代えて、これを置き配のみを限定して標準約款に位置付けるという検討を行うものではないということです。
あくまで対面の受取りに加えて、置き配などの多様な受取方法を受取りの際の選択肢の一つとしてどう位置付けるかという議論をしているということです。
本検討会での議論に加えて、置き配に係る盗難リスクなどに対する国民の皆さまの様々な声がありますので、これを踏まえながら本年秋頃を目途とする取りまとめに向けて、再配達率の削減を含めたラストマイル配送の効率化に関する施策の深度化に向けた検討を進めていきたいと考えています。

JR北海道における作業ミスについて

(記者)

JR北海道の保線トラブルについてお伺いします。
先日25日にJR北海道の方で保線作業員が作業用具を線路上に置き忘れた関係で、JR貨物がそれに衝突するトラブルが2件相次ぎました。
JR北海道は、国土交通省から強化型監査を受けていますが、その最中にまた保線のミスによるトラブルが起きたことについて、大臣の受け止めと監査中にもトラブルが相次いでいることに対する今後の対応をお伺いします。

(大臣)

国土交通省においては、JR北海道に対して現在、継続的・集中的に保安監査を行う「強化型保安監査体制」において、改善措置の取組状況を確認している、北海道運輸局が3月末に改善指示を発出していますので、その取組の状況を今、確認しているというところです。
こうした中、6月25日に新札(しんさっ)(ぽろ)駅構内において、JR北海道の下請会社が、作業用の器具を線路上に置いたままにしたことにより、当該器具と貨物列車が接触する事象と、函館(はこだて)七飯(ななえ)駅-新函館(しんはこだて)北斗(ほくと)駅間において、別の下請会社が、作業で使用していた工具のバッテリーケースを線路付近に置いたままにしたことにより、当該バッテリーケースと貨物列車が接触する事象、この2件が発生したところです。
これを受けて、北海道運輸局から、JR北海道に対して、原因の究明及び再発防止策の検討を指示するとともに、線路内作業を行う部署に速やかに注意喚起を図るように指示をしているところです。
JR北海道においては、輸送の安全確保は鉄道事業者にとって重要な使命であることを肝に銘じて、原因の究明及び再発防止策に取り組んでいただきたいと考えているところです。
国土交通省としては、本事象も含めて、「強化型保安監査体制」において、JR北海道における改善措置の取組状況を確認し、輸送の安全確保について必要な指導を行っていきたいと考えています。

置き配等のラストマイル配送の効率化に向けた議論について

(記者)

先ほどのラストマイル物流の関係で追加でお聞きしたいのですが、再配達率の削減に向けては、手渡しで渡す配達をどれだけ減らせるかということで、手渡しに対して有料の追加料金を取るというような一部報道があったりするのですけれども、そういう考え方について大臣はどうお考えか教えてください。

(事務方)

追加料金の議論に関しては、今後多様な受取り方を検討していく中で、まず置き配の位置付けをこの検討会の中で定めた上で、その位置付けの中でどのような扱いをしていくかといったところを定めるものですので、すぐに料金化といったような議論ではなくて、これからの検討会の中でまさに様々な有識者の方から御意見を頂きながら、定めていくものだと認識しています。

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