大臣会見

中野大臣会見要旨

2025年8月5日(火) 9:01 ~ 9:15
国土交通省会見室
中野洋昌 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

下水道管点検作業中の事故について

(記者)

埼玉県八潮(やしお)市の陥没事故を受けて、全国で下水管の点検を進めている中、先日(2日)、埼玉県行田(ぎょうだ)市の方で点検作業中に4名が死亡する事故がありましたが、こちらについて大臣の受け止め、そして国土交通省としての対応等を伺わせてください。

(大臣)

8月2日に、埼玉県行田市で、下水道管路の点検実施中に、作業にあたられた4名の方が亡くなられる事故が発生しました。
お亡くなりになられた方に対して、哀悼の意を表するとともに、その御家族の皆さまに対して、心よりお見舞いを申し上げる次第です。
下水道管路については、今年1月の埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けて、大規模な管路を対象とした全国特別重点調査を実施しているところです。
その際にも、国土交通省からは全国の下水道管理者に対して、安全確保に最大限留意するようにということで、その際も要請しているところです。
今回の事故を受けて、昨日、8月4日、改めて、全国の下水道管理者に対して、全国特別重点調査を実施中の箇所をはじめ、下水道管路内の作業においては作業者の安全を最優先する、そして換気や転落防止などの安全対策を十分に実施することを徹底するように、改めて周知を図ったところです。
国土交通省としては、今後、今回の事故の原因を踏まえて、再発防止に向けて必要な対策を講じていきたいと考えています。

渇水対策について

(記者)

深刻化する水不足についてお尋ねします。
国土交通省は1日に、渇水対策推進の事務連絡を発出しました。
この内容と狙い、そして更なる取組についてお聞かせください。

(大臣)

特に今回の渇水は、かんがい用水を必要とする稲穂が出る(しゅっ)穂期(すいき)と重なっているということです。
この出穂期を乗り切るために、農林水産省と連携して、地域における水不足等の状況に応じて積極的な支援を行うこととしています。
このため、御指摘の8月1日の通知ですけれども、これは8月1日に、国土交通省渇水対策本部から各地方整備局等に対して、一つは国土交通省が所有している災害対策用機械等を活用して、かんがい用水の確保について、地方自治体の利用ニーズに応じて、積極的に支援を行うこと、もう一つは、水利使用者間の調整の円滑化に努めて、迅速かつ柔軟な対応を行うことを指示したところです。
昨日公表したとおり、これまで、水利使用者間の調整等に取り組むとともに、地域の要請に応じて、TEC(テック)FORCE(フォース)等により排水ポンプ車等を活用した農業用水路や田んぼへの給水を実施しているところです。
なお、給水支援にあたっては、本年6月の災害対策基本法の改正を踏まえて、連携の枠組である「TEC-FORCEパートナー」として活動する企業の皆さまとも協働しながら実施しているところです。
引き続き、全国の渇水の状況を注視するとともに、農林水産省をはじめとする関係省庁や関係地方公共団体とも緊密な連携を図って、万全を期していきたいと思います。

日本航空123便の御巣鷹山墜落事故について

(記者)

日航ジャンボ墜落事故の関連でお伺いします。
まもなく発生から40年となりますが、改めてこれまで国会でも質問が出ていたと思うのですけれども、SNSだったり書籍などで出回る「自衛隊がジャンボ機を墜落した」とか、「火炎放射器で墜落現場の証拠を隠した」などの説が、事故調査当局の報告書や政府答弁と異なる言説が出ていると思うのですけれども、改めてこうした言説に関する大臣の所感と、運輸安全委員会の監督省庁として積極的な情報発信の必要性を訴える声などもありますけれども、そうしたお考えなどについてもお願いします。

(大臣)

40年前の日本航空123便墜落事故では、乗員・乗客520名の大変尊い命が失われました。
改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げます。
二度とこのような痛ましい事故が起こることのないように、安全の確保にしっかり取り組んでいきたいと思います。
日本航空123便の事故原因については、航空事故調査報告書においては、後部圧力隔壁(かくへき)の不適切な修理に起因し、隔壁が損壊したことにより、胴体後部、垂直尾翼(びよく)、操縦系統が損壊をし、飛行性能の低下と主操縦機能を喪失したために生じたと推定される、とされているところです。
この事故原因については、様々な角度から調査や解析を行った上で、専門家の皆さまによる審議の上、これはほぼ間違いないという結論に至ったため、強い推定を表す「推定される」という表現が使用されているということです。
こうしたことはこれまで、運輸安全委員会委員長も記者会見を通じて情報発信していると承知していますが、私としても国会の場あるいはこうした会見の場を通じて、しっかり正確な情報を発信していくことが極めて重要であると考えていますので、引き続きこうした正確な情報発信に努めていきたいと考えています。

北陸新幹線の延伸について

(記者)

北陸新幹線の話について、大阪延伸を議論する与党整備委員会委員長の西田(にしだ)昌司(しょうじ)参議院議員が、ルートの費用対効果について色々な各所を比較して再検証を求めるという考えを示しました。
大臣のこの受け止めについてお聞かせください。

(大臣)

御指摘の北陸新幹線(敦賀(つるが)(しん)大阪(おおさか)間)の整備に向けた議論の進め方ですけれども、これについて先ほど御指摘のあったようなことも含めて様々な御意見があることは私自身も承知しているところですが、これは与党における議論の進め方ということでして、国土交通大臣として与党の議論の進め方というところについてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
いずれにしても、国土交通省としては、一日も早い全線開業に向けて、引き続き、これまでの議論なども踏まえながら、鉄道・運輸機構とともに、丁寧かつ着実に取り組んでいきたいということに尽きようかと思います。

(記者)

今の御回答に関して、一日も早くということはこれまでも御発言の中であったかと思うのですけれども、当初の計画の中では北陸新幹線については今年度中の着工を目指すですとか、また今月予定されていたシンポジウムの中止なども決定していて、様々な影響も出ている中で今の現状を改めてどう受け止めているかお聞かせください。

(大臣)

いずれにしても、今与党において様々、議論の進め方について御意見があるということです。
これについてのコメントは差し控えさせていただければというのは改めて申し上げたいと思います。
いずれにしても国土交通省として、これは一日も早い全線開業に向けて取組を進めるということはやはり必要であると思います。
こうしたこれまでの色々な議論も踏まえながら、丁寧かつ着実に取り組んでいくということに尽きようかと思っています。

日本航空123便の御巣鷹山墜落事故について

(記者)

先ほどの質問に関連して、日航の件なのですけれども、質問の内容としては、国会とか会見の場以外で発信する気はあるかということです。
というのも、ある意味犯罪被害者対策という性格がありまして、即ち、被害者たちは業務上過失致死傷事件の被害者になるわけです。
その人たちが山で自衛隊に更に焼かれたとか、そういう言説があるということを聞いて遺族の方々は結構たまらんと、傷ついているという方々も結構いるわけです。
ただそれを大っぴらに言ったりはしないわけですけれども、そういったことを踏まえて情報発信というのが、もちろん我々が質問して答えていただくのも結構なのですけれども、それ以外で何か考えること、あるいは検討されるようなお考えはあるかどうかを伺いたいと思います。

(大臣)

先ほども申し上げたとおり、こうした事故原因というのは我々も事故調査委員会、即ち多くの専門家の方が様々な角度から調査・解析を行ってほぼ間違いないという結論であるということです。
いずれにしても、どういう形で発信していくかというのはあろうかと思いますが、少し繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、この正確な情報をとにかく政府として国民の皆さまに伝えていくことが重要だということは私も考えています。
そういう意味で、引き続き正確な情報発信に様々な場を通じて努めていきたいということだと思っています。

(記者)

自発的にこうやろうというような、様々な場とおっしゃいましたけども、会見や国会以外で、何かというのは特に。

(大臣)

本日もこうした会見の場でも改めてこれを訴えさせていただいているわけです。
そういう意味ではそうしたことをしっかりと、会見というのはもちろんこうした場を通じて国民の皆さまに伝えていく大変に重要な場であると思っていますのでそうですし、国会の場でもしっかり伝えてくというのも当然そうです。
色々な機会を捉えて、この正確な情報を発信していきたいということを私自身も考えています。

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