大臣会見

中野大臣会見要旨

2025年8月26日(火) 11:27 ~ 11:42
国土交通省会見室
中野洋昌 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

令和8年度予算概算要求について

(記者)

来年度への概算要求のポイントと、昨年度までと異なり、物価高を踏まえた既存経費の削減は不要となり今年度予算の1.2倍まで要求できることになった影響等について伺わせてください。

(大臣)

令和8年度概算要求基準においては、本年は、御指摘のとおり裁量的経費は、賃金・物価動向等を踏まえ、これまで求められていた10%の削減は求められず、20%の上乗せの要望、そして義務的経費については、これまでは前年度予算額以下で要求することとされていたところ、今年度は各経費の義務的性格に基づき所要額の要求、そして物価高騰対策を含む重要政策については、引き続き事項要求も含めた要求、これらの要求が可能となったということです。
これを踏まえて、令和8年度予算の概算要求については、物価動向等をしっかりと反映して、一般会計で、前年度比1.19倍の7兆812億円の要求を行うこととしています。
今回の要求の柱については3つあります。
一つ目はまず、「国民の安全・安心の確保」ということで、本年1月に発生した埼玉県八潮(やしお)市の道路陥没事故等を踏まえたインフラ老朽化対策、海上保安能力の強化等について要求します。
また二つ目は、「持続的な経済成長の実現」として、戦略的かつ計画的な社会資本整備や持続可能な観光の推進などについて要求します。
そして三つ目として、「個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり」として、地域資源を活用したまちづくりや地域交通のリ・デザインの全面展開などの要求を行うこととしています。
また事項要求としては、「第1次国土強靱化実施中期計画に基づく取組の推進」、また「労務費や資材価格の高騰対策」、「北陸新幹線の新規着工」等に要する経費について事項要求を行い、予算編成過程で検討することとしているところです。
国土交通省としては、これら3本柱の実現に向けて、公共事業予算をはじめ、必要な予算がしっかりと確保されるように、全力で取り組んでまいります。

観光施策の充実・強化に向けた財源確保について

(記者)

本日発表した税制改正要望で、観光施策の充実・強化に向けた財源確保策の検討が盛り込まれました。
国際観光旅客税の引き上げ検討を含めた要望なのでしょうか。
また、引き上げの際には外国人だけを対象にすべきだとの意見もありますが、大臣の見解をお聞かせください。

(大臣)

本年度の骨太方針においては、「2030年訪日外国人6000万人、消費額15兆円を目指し、地方誘客の促進や持続可能な観光づくりに向けた施策を充実・強化するとともに必要となる国の財源確保について、具体的な検討を行う」とされているところです。
これを踏まえて、まずは2030年訪日客数6000万人・消費額15兆円の達成に向けて必要となる施策について、具体的な検討を進めてまいります。
その上で、施策の実現に向けて必要な財源についても、具体的な検討を進めていくということです。
御指摘の国際観光旅客税については、様々な御意見があるということは承知しています。
いずれにしても、必要な施策、そして必要な財源について、予算編成過程で十分に議論していきたいということです。

国土強靱化に向けた財源確保について

(記者)

国土強靱化に関しての財源確保について、先程もお話がありましたが、内閣官房とともに財源確保についてというところで、税制改正要望の中にも記載がありました。
こうした新たな税制の実現に向けての意気込み等をお伺いできればと思います。

(大臣)

本年6月に閣議決定された「第1次国土強靱化実施中期計画」及び「経済財政運営と改革の基本方針2025」においては、「真に必要な財政需要に安定的に対応するため、地方の実情も踏まえ、受益者による負担の状況を念頭に置きつつ、事業の進捗管理と財源確保方策の具体的な検討を開始する」とされているところですが、現時点において、政府として特定の財源確保策が想定されているわけではないと聞いているところです。
国土交通省としては、主管省庁である内閣官房、あるいは共管府省庁と連携して、適切に対応していきたいと考えています。

九州新幹線西九州ルートについて

(記者)

整備新幹線の関連で伺いたいと思います。九州新幹線長崎ルートに関して、8月19日に地元の佐賀県、長崎県、JR九州での3者のトップによる協議がありました。
この中で、フリーゲージトレインの導入断念に対する解決策に関して3者が求めていくことで一致したというような内容になっていました。
国土交通省として、改めてフリーゲージトレイン断念に関する総括を実施する考えがあるかという部分と、この3者が求める解決策を提示していく考えがあるかという部分。
加えて、概算要求に関連して、長崎県は環境アセスメントの先行実施などを大石(おおいし)知事は会談でも求められたようですけれども、今回明示はされていないのかなと、盛り込まれていないと思いますが、そこの部分の考え方についてもあわせてお聞かせください。

(大臣)

九州新幹線(西九州ルート)におけるフリーゲージトレインに関する経緯については、佐賀県の求めに応じて、「幅広い協議」ですとか、佐賀県議会においても鉄道局の方から既に説明を行っているところです。
長崎県についても、必要に応じて鉄道局より説明を行うものであると承知しています。
御指摘の「地元3者が求める解決策」については、19日の会合など、御地元で意見交換が行われているものと承知しています。
いずれにしても、私どもとしては整備新幹線の必要性、重要性について御地元の皆さまに丁寧に説明をしていくとともに、佐賀県、長崎県、JR九州との間でも引き続き、議論を重ねていきたいと考えています。
九州新幹線(西九州ルート)に関する予算について、環境アセスメントの実施に必要となるルートや駅位置に関して、御地元の御理解が得られていない現時点において、令和8年度概算要求に盛り込むことはしていない、というのがお答えです。

ハイヤーの客引き行為について

(記者)

空港や観光地などでは、以前から、いわゆる白タクの行為というのが横行しているかと思います。
近年は、タクシー事業者用の、いわゆる緑ナンバーを付けた車が、白タク同様の客引きをしたりということが弊社の取材で確認できています。
こちら、国土交通省としても確認されているかというのと、対応をお聞かせください。

(大臣)

緑ナンバーを付けたハイヤーは、タクシーとは違って、いわゆる流し営業ですとか駅待ち等の営業が行えず、予め、営業所において運送の契約をすることが必要という仕組みです。
御指摘のように、空港や観光地での客引き行為がハイヤーによって行われているのであれば、予め、営業所において契約された運送には該当しないということですので、これは道路運送法違反に当たるということです。
国土交通省としては、現在、客引き等の可能性のあるケースについては、例えば空港での実態調査ですとか、随時情報把握に今努めているところです。
引き続き、地方運輸局の調査や警察・施設管理者等からの情報提供を踏まえて、事実関係を精査し、違反事実が確認されたら、厳正にしっかり対処していきたいと考えています。

タクシー・ハイヤー事業者の名義貸しについて

(記者)

さらに、弊社の取材では、客引きをしているタクシーやハイヤーの緑ナンバーの運転手というのが、実際に緑ナンバーの認可を受けている事業者と正式な雇用関係にない可能性が高いということも聞かれています。
事業者側が雇用関係のないドライバーに対して緑ナンバーを貸している可能性があるという、いわゆる名義貸しの可能性があるということについても対応をお聞かせください。

(大臣)

これも先ほどの答えと同様の答えになるのですけれども、いわゆる自動車運送事業が、許可を受けた事業者が、自己の管理下において、事業を遂行しなければならないということですので、自己の名義を他人の事業のために利用させてはならないという仕組みになっています。
ですので、このような名義貸しが行われているのであれば、道路運送法違反に当たるということです。
先ほどの、いわゆるハイヤーの客引きの件も含めて、国土交通省として、名義貸し等の可能性のあるケースについて、これも繰り返しになりますが、空港において実態調査を行う等、随時情報把握をしていきたいということで、今把握にまさに努めているところです。
引き続き、様々な情報提供、地方運輸局の調査あるいは施設管理者・警察等からの情報提供も踏まえて、これは事実関係をしっかり精査していきますし、当然、違反事実が確認されれば、厳正に対処していきたいということです。

日本郵便におけるバイク配達員に対する点呼について

(記者)

日本郵便についてなのですけれども、先日、全国の約6割の郵便局で、いわゆるバイクの配達員の不適切な点呼があったという発表がありました。
こうした日本郵便が公表した内容について、大臣の御所見、受け止めをお伺いできればと思います。

(大臣)

先日、これは22日ですけれども、日本郵便から「二輪におけるアルコールチェック実施状況の調査結果の報告等」ということで公表があったことは私も承知しています。
国土交通省においては、先月31日に、日本郵便から、点呼不備に関する再発防止策の提出があったところですけれども、その中で、日本郵便は、二輪を含む点呼不備に対して是正指導体制を構築するというものであると承知しています。
ですので、国土交通省としては、日本郵便において再発防止策を着実に実施すべきものと考えていまして、引き続き、同社に対して輸送の安全の確保を求めていきたいと考えています。

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