大臣会見

中野大臣会見要旨

2025年9月30日(火) 10:31 ~ 10:48
国土交通省会見室
中野洋昌 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)カナダ・アメリカへの出張について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
先週22日(月)から27日(土)にかけて行った海外出張について報告します。
まず、カナダにおいては、第42回国際民間航空機関(ICAO(イカオ))総会に出席して、日本代表団の首席代表として一般代表演説を行い、航空分野の我が国の取組やICAOへの貢献についてアピールしました。
また、本年11月に実施予定のICAO理事会議長選挙において、大沼(おおぬま)俊之(としゆき)ICAO日本政府代表部特命全権大使の当選に向けて、各国代表に対して支持要請を行ったところです。
また、現地では、米国運輸省ダフィー長官ら複数の大臣級の方々とお会いして、この大沼氏の支持要請のほか、交通分野における新たな技術等について意見交換を行い、建設的な協力関係を深めていくことを確認しました。
加えて、9月24日(水)の夜には、日本主催のJAPANレセプションを開催し、このレセプションを通じて多くの国の大臣にICAOの枠組みにおける我が国との協力関係への感謝をお伝えし、関係を深めることができました。
続いて、アメリカでは、空飛ぶクルマの開発が進む機体メーカーを訪問し、日本におけるビジネス展開の見通しなどについて、意見交換をしました。
また、自動運転技術の開発・実用化に取り組んでいる事業者との意見交換や、自動運転車の試乗により、我が国における自動運転の社会実装の拡大に向けて、自動運転技術への理解を深める重要な機会となったと考えています。
私からは以上です。

質疑応答

石破政権発足から1年について

(記者)

明日10月1日で、石破(いしば)(しげる)政権の発足1年となります。改めて大臣から受け止めをお願いします。

(大臣)

昨年10月1日に石破政権が発足しました。
私自身は昨年11月に、国土交通大臣を拝命しました。
就任以来、何度も申し上げてきましたけれども、3本の柱、これは国民の安全・安心、持続的な経済成長、そして地方創生2.0の推進、この3つを柱に掲げて、国土交通省の重要な政策課題に全力で取り組んできたところです。
特に、能登半島地震等自然災害からの復旧・復興ですとか、あるいはインフラ老朽化対策の加速化等の防災・減災、国土強靱化の着実な推進、そして国土交通分野における賃上げ等の処遇改善や生産性向上、「交通空白」の解消等に向けた地域交通のリ・デザインの全面展開等に取り組んできたところです。
いずれも、国民の皆さまの命と暮らしを守り、我が国の経済成長、そして地域の生活・生業(なりわい)を支えるという国土交通省の重要な任務に直結する政策課題です。
引き続き、閣僚の一員として、しっかり職務に励んでいきたいと考えています。

三重県四日市市における地下駐車場の冠水被害について

(記者)

三重県四日市(よっかいち)市の大雨で車が浸水した地下駐車場について、国土交通省として令和3年12月から止水板が壊れていることを把握していたにも関わらず、対策等がとれていなかったと。
改めて受け止めと今後の対策をお願いします。

(大臣)

四日市市における9月12日夜の短時間での記録的な大雨によって、国等が整備し、民間事業者が管理運営している地下駐車場において、274台の車両が冠水する被害が発生したところです。
今回の冠水被害を踏まえて、国土交通省としては、全国の直轄駐車場の管理者等に対して、16日に、今回事案の周知を行いました。
また、26日には、施設の復旧方法や今後の対策強化策を検討するための有識者委員会を設置したところです。
そして御指摘の国道側2箇所の車両用出入口の止水板については、令和3年12月に、民間事業者から故障の報告を受けていたが、その後、代替的な措置を含めた対応を行っていなかったことについては、国土交通省として重く受け止めています。
今後、有識者委員会で事実関係を整理した上で、今後の対応について、速やかに検討していきたいと考えています。

道路公団民営化から20年について

(記者)

明日10月1日で道路公団民営化から20年となります。
債務の確実な返済、真に必要な道路を早期にできるだけ少ない国民負担での建設などが目的でした。
債務の返済は進む一方、現在も建設は続いています。
暫定2車線区間の4車線化も道半ばで、2050年までとしていた料金徴収期間は老朽化対策などで段階的に2115年にまで延長されました。
民営化の意義と20年間の効果・課題、それらを踏まえた今後の国土交通省の取組についてお聞かせください。

(大臣)

高速道路機構、そして高速道路会社は、平成17年10月に設立されて、明日10月1日で、民営化後20年を迎えるところです。
この民営化後20年を迎えるにあたっては、有識者にも御議論いただいて、民営化から10年を機にとりまとめた「高速道路機構・会社の業務点検」、このフォローアップを8月1日に公表したところです。
御指摘のように民営化当時、3つの目的が示されていましたけれども、フォローアップで示されたとおり、直近の10年間においては、1点目は高速道路機構が保有する有利子債務は、引き続き着実に減少するとともに、2点目は高速道路会社はコスト縮減を図りながら、高速道路のネットワークの整備や安全・安心なサービスを提供し、また、3点目としてSA・PAにおける売上高が着実に増加するとともに、トイレや案内サインが充実されるなど、民間のノウハウを踏まえた、多様なサービスの提供がなされるなど、その目的に即して、着実に成果を上げてきたと考えているところです。
特に、有利子債務については、民営化時に保有していた債務の着実な返済とともに、高速道路のネットワークが建設中であることに加えて、令和5年の道路整備特別措置法の改正による料金徴収期間の延長により、更新であるとか、あるいは御指摘の暫定2車線区間の4車線化等も含めた進化事業を進めている中で、引き続き確実に債務を返済することが重要であると認識しています。
他方で、今年4月に発生した広域的なETCシステム障害を踏まえた「確実なサービスの提供」ですとか、物流環境の改善やカーボンニュートラルの推進など、高速道路を取り巻く国土・経済社会の変化を踏まえた社会的課題への対応が、今後重要となってまいります。
国土交通省としては、今後も、この民営化の3つの目的とともに、新たに顕在化した課題についても着実に取り組むことで、その成果が上がっていくように、高速道路機構及び高速道路会社と連携して、取組を進めていきたいと考えています。

高潮ハザードマップについて

(記者)

国が作成を義務付けている高潮ハザードマップについて、浸水リスクのある自治体の7割がまだ未作成ということが明らかになりました。
ハザードマップの作成が進んでいない現状について大臣のお考えと、作成を促すために国土交通省としてどう取り組んでいくか教えてください。

(大臣)

高潮に対するリスク情報が十分ではなかったことを踏まえて、令和3年に水防法を改正しました。
そして、高潮の被害が想定される全ての地域において、まず都道府県が高潮浸水想定区域を指定すること、この高潮浸水想定区域に指定された地域において、市区町村がハザードマップを作成・公表すること、これが義務付けられたということです。
国土交通省としては、今年度末までに高潮浸水想定区域の指定を完了し、その後速やかにハザードマップを作成・公表していただくことを目指しています。
手引きの公表や技術相談などの技術支援や、交付金による財政支援を重点的に行っているところです。
現時点では、海に面する39都道府県全てで高潮浸水想定区域の検討に着手しており、そのうち14道府県は指定を完了しています。
そのほかの都道府県においても、ほとんどが今年度末までの区域指定を目指して作業を進めていると聞いているところです。
引き続き、高潮浸水想定区域の早期指定及びハザードマップの早期作成・公表に向けて、最大限の支援を行っていきたいと考えています。

改正住宅セーフティネット法について

(記者)

明日10月1日に、改正住宅セーフティネット法が施行されます。
こちらの改正の目的と、大臣の施行に向けた意気込みをお願いします。

(大臣)

我が国では、単身世帯の増加や持ち家率の低下などによって、今後、高齢者などの住宅確保要配慮者の賃貸住宅への円滑な入居に対するニーズが高まることが想定されています。
明日10月1日に施行する改正住宅セーフティネット法については、大家さんが賃貸住宅を提供しやすく、住宅確保要配慮者が円滑に入居できる賃貸住宅市場の環境整備を図るため、いくつか措置があるのですけれども、例えば、「居住サポート住宅」の認定制度の創設、利用しやすい家賃債務保証業者の認定制度の創設、居住支援法人による残置物処理の推進、そして住宅と福祉が連携した地域の居住支援体制の強化、こうした措置を講じるものです。
加えて、今回の法改正によって、住宅セーフティネット法が厚生労働省との共管となります。
既に国土交通省と厚生労働省が連携して改正法の説明会を開催してきたところです。
誰もが安心して暮らすことができる居住環境の実現に向けて、引き続き、厚生労働省とも連携しながら、関係事業者の皆さまへの周知ですとか、地方自治体における居住支援体制の整備に向けた支援などにしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

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