大臣会見

中野大臣会見要旨

2025年10月7日(火) 11:00 ~ 11:24
国土交通省会見室
中野洋昌 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)インドへの出張について

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
先週2日(木)から5日(日)にかけてインドへ出張しました。
今回の出張では、まず3日に、スーラトにおいて、ヴァイシュナウ鉄道大臣とともに、ムンバイ・アーメダバード間の高速鉄道事業の建設現場を視察しました。
その後、スーラトからムンバイへ移動する列車の車中で、同大臣と意見交換を行い、ムンバイに到着後は、高速鉄道駅の建設現場を視察しました。
さらに、ムンバイでは、同大臣と、高速鉄道事業を着実に進めていくための協議を行いました。
また、4日には、デリーにおいて、我が国の支援により整備されたデリーメトロを視察しました。
今回の出張も踏まえて、国土交通省としては、引き続き、関係省庁とともに、高速鉄道事業について日印間で緊密に連携しながら取り組んでまいります。
後ほどプレスリリースをします。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

自民党総裁選の結果について

(記者)

自民党総裁選が投開票され、高市(たかいち)早苗(さなえ)氏が新総裁に選出されました。
総裁選の結果についての受け止めをお聞かせください。
また、総裁選では外国人政策がテーマの一つとなりました。
国土交通省が所管する土地・不動産や観光分野などを巡り、今後どのように取り組む考えか、大臣の見解を聞かせてください。

(大臣)

国土交通大臣として、この場の記者会見ですので、自民党の総裁選の結果についての大臣としてコメントについては差し控えさせていただければと思います。
お尋ねの外国人政策については、政府として、7月に内閣官房に設置された「外国人との秩序ある共生社会推進室」において議論を進めることとされています。
国土交通省としても、国土の適切な利用及び管理、あるいは観光・短期滞在者への対応の強化に関して、関係省庁と連携して、引き続き、必要な対応について検討を進めていきたいと考えています。

公明党の国土交通行政における役割について

(記者)

公明党が国土交通行政に果たしてきた役割というようなことを伺いたいと思います。
というのは、今、連立の枠組みというものが、色々取り沙汰されていますけれども、そもそも公明党は国土交通省に12年以上連続でトップを輩出されてきているという中で、党の理念とかが政策に反映されてきたとかということがあって、成果や実績ということについてどう考えていらっしゃるか。
御自身も就任から1年がそろそろ経たれようというところで、何か先人の積み重ねを感じたりとかがあると思うのですが、今後果たすべき役割ということも含めて、伺いたいと思います。

(大臣)

先程もそうですが、国土交通大臣としての会見ですので、基本的にはどの党がどういうことでといったようなお尋ねに関してのお答えは、差し控えさせていただければと思うのですけれども、その上で申し上げますと、国土交通省というのは、国民の皆さまの命と暮らしを守るという非常に大事な分野、あるいは経済成長、そして地方創生、こういったところに直結するという意味で、大変重要な政策分野を担っている役所であると考えています。
歴代の国土交通大臣におかれても、その時々様々な政策課題があったかと思いますけれども、こうした観点からそれに対応すべく、全力で取り組んでこられたものであると私は考えていますし、私自身としても、しっかりと職務に励み、こうした国土交通行政への重要課題というものがありますので、その対応に取り組んでいきたいと考えている次第です。

東急田園都市線の衝突・脱線事故について

(記者)

5日の深夜に起きた、(とう)(きゅう)田園(でんえん)都市(とし)線の衝突・脱線事故について、6日は終日運転を見合わせるなど、影響も大きかったかと思うのですけれども、改めて現時点で国土交通省として把握している状況と今後の対応についてお聞かせください。

(大臣)

5日(日)の夜に、東急田園都市線の(かじ)()駅構内において、停車していた回送列車の最後尾に普通列車が衝突し、回送列車が脱線する事故が発生しました。
本日0時頃から運転を再開しています。
現時点において、この事故による負傷者はいないと東急電鉄より報告を受けているところです。
今般の事故については、法令で定める調査の対象に該当することから、運輸安全委員会が調査を実施しているところです。
国土交通省としては、こうした事故が発生したことを重く受け止めて、昨日6日、東急電鉄に対して、原因究明と再発防止策の検討を指示したところです。
この輸送の安全確保は、鉄道事業者にとって最も重要な使命であると考えています。
今後、国土交通省としては、東急電鉄からの報告も踏まえて、鉄道の安全・安定輸送に向けて、東急電鉄に対して必要な指導を行っていきたいと考えています。

厳重注意を受けた日本航空の再発防止策について

(記者)

先日9月30日、飲酒に対する再発防止策をJAL(日本航空)が国土交通省に提出しました。
改めて、大臣の受け止め等を伺わせていただければと思います。

(大臣)

現地時間8月28日にホノルルで発生した飲酒事案を受けて、9月10日に日本航空に対して厳重注意を行いました。
9月30日、同社から再発防止策の報告を受けたところです。
この報告された再発防止策では、飲酒事案の根絶のため、飲酒リスクのあるパイロットの乗務を停止することとし、乗務継続の判断にあたっては医学的な評価を必須とすることですとか、労使一体でアルコール対策推進体制を構築し、運航乗務員一人一人との対話の機会を増やすこと、こうした取組を徹底するとされているところです。
一方、これらの取組については、今後、同社において第三者の視点を含めた検証及び改善を行う予定であると承知しています。
必要な見直しを行った上で、11月末までに同社から改めて報告を受けることとしています。
日本航空におかれては、今度こそ、社員一人一人に安全意識が徹底され、飲酒事案が根絶されるように、安全確保に邁進していただきたいと考えている次第です。
国土交通省としては、監査等を通じて、再発防止策の実施状況や有効性等について、しっかりと確認していくとともに、確実に再発防止が図られるよう、必要に応じて、追加報告や改善指導を行うなど、引き続き、厳しく指導監督してまいります。

日本郵便の軽貨物事業に対する処分について

(記者)

日本郵便の点呼問題に関して2点お伺いします。
先日、国土交通省は日本郵便に対して軽貨物車の使用停止処分を通知しました。
処分が今後更に増えてくると思うのですけれども、まず改めて処分に関しての大臣の所感と、今後のスケジュール感などがもし分かればお願いします。
もう1点は、日本郵便は同業他社への委託の他に、処分対象外の軽貨物車を活用したり、新たに車を増車して不足分をカバーする考えを示しています。
こうした自社の車を増やすなどして対応することは「処分逃れ」に当たるのではないかという指摘もあるのですけれども、これに関する大臣の受け止めをお願いします。

(大臣)

日本郵便の軽貨物事業に関しては、既に監査を終えた営業所のうち、違反事実が確認された111の営業所について、10月1日に車両の使用停止の処分を通知したところです。
その他の営業所についても、現在、監査などを通じて事実関係を精査しているところです。
違反行為が確認された場合には、順次、処分に向けた手続を適切に進めていきたいと考えているところです。
なお、物流への影響ということについて、日本郵便より、オペレーションの確保に概ね目途が立っており、利用者に迷惑をかけることなくサービスを提供できるという見解が出されているものと承知しています。
国土交通省においても、引き続き、状況を注視しつつ、協力会社の確保等、必要な支援を行っていきたいと考えています。
「処分逃れ」という御指摘もありましたが、日本郵便より、軽自動車の業務については、他の運送会社への委託を基本に取り組むという見解が出されているとともに、先般策定した再発防止策に基づき輸送の安全確保に取り組むものと承知しています。
国土交通省としては、再発防止策の実施状況について、定期的なモニタリングを行うこと等を通じて、同社による輸送の安全の確保を求めていきたいと考えています。

IRに関する意向調査について

(記者)

カジノを含む統合型リゾート施設IRの候補地選定に向けて、政府が月内にも意向調査するとの報道があったのですけれども、今後、自治体の動向に注目あると思うのですけれども、独自に意向調査している北海道に対する大臣の期待感があれば教えてください。
また、オンラインカジノの流行ですとか、リアルなカジノの客を奪われているとか、大阪でIRの建設費が膨張するなど逆風もあると思うのですけれども、こうした中で、改めて、国としてIRを推進する意義と今後の選定スケジュール感を教えてください。

(大臣)

IRの整備は自治体の発意を前提としているということです。
このことから、これまでも観光庁において、都道府県等における検討状況を把握するために、定期的に調査を行うとともに、関心を示した自治体に対しては随時ヒアリング等を実施してきたところです。
今後については、引き続き、適時適切な方法により都道府県等の検討状況を把握していきたいと考えています。
IRはカジノだけではなくて、MICE(マイス)施設、ホテル、送客施設等が一体で整備され、多くの観光客を呼び込む滞在型の観光の拠点です。
引き続き、我が国が観光立国を推進する上で取り組むべき施策であると考えています。
今後とも、都道府県の検討状況等も十分に踏まえた上で、IR整備法に基づき必要な対応を行っていきたいと考えているところです。

森友学園に売却した国有地について

(記者)

大阪航空局が3日に公表した国有地埋設物調査の結果について大きく2点伺います。
国有地はかつて(もり)(とも)学園に売却された土地ですが、今回の調査では埋設していたゴミの推計量5004トンで、航空局が2016年に推計した量の4分の1となり、撤去費も当初より2億円ほど安いという結果でした。
森友学園への土地売却を巡っては、当初からゴミの算定や土地の値引きが適正ではないのではないかとの指摘があり、会計検査院も根拠が確認できないとしていました。
今回の調査結果を受けて、当時のゴミの量の算定や値引きについて、改めて疑念が生じたと思いますが、当時のゴミの算定や値引きは適正・妥当だったと大臣はお考えでしょうか。
また、改めて再調査するお考えがあるかどうかお聞かせください。
2点目は、今回の調査結果はホームページで掲載されたのみで、報道発表などを通じて国民に広く周知する方法がとられませんでした。
報告書では森友学園への言及もありませんでした。
国有地売却は財務省の決裁文書の改ざんにまでつながった問題で、国民の関心も高い事案ですが、政府として公表方法は、今回これで適切だったとお考えでしょうか。
また、今後何らかの説明の機会を設けることがあるのかどうかというのを教えてください。

(大臣)

大阪航空局による平成28年当時の見積りについて、まず1点目に御質問があったかと思いますが、これは地下埋設物の発見が校舎の建設工事が進んでいる最中であり、かつ、開校遅延による損害賠償リスクがある中で、建設工事と並行して行わざるを得なかったことには留意する必要があると考えていますが、埋設物量が当時の見積りと大きく異なることとなったことに対する御批判は真摯に受け止めたいと考えています。
また、国会の要請を受けて行われた平成29年の会計検査においても、当時の見積りに対して、地下埋設物撤去費用を算定する際に必要とされる慎重な調査検討を欠いていた旨の指摘を受けているところです。
今回の調査は、平成29年の会計検査院の指摘も踏まえて見直した制度に沿って、専門業者に調査の設計・実施を依頼しました。
また、調査結果についても有識者、これは弁護士や不動産鑑定士及び地質専門家による第三者チェックを経たものです。
したがって、今回の調査は見直された手続によって適正に行われたものであると受け止めています。
公表のあり方についても御質問がありました。
未利用国有地等の売却にあたって実施する地下埋設物調査の結果については、通常は処分相手方に対して個別に提示しており、公表しているものではありません。
通常は公表していないものだということです。
他方で、本件土地については、過去の見積りにおいて、国会の要請を受けて行われた会計検査において、地下埋設物撤去費用を算定する際に必要とされる慎重な調査検討を欠いていた旨の指摘を受けたこと等を踏まえて、本件土地の取得を検討する者に対して更なる判断材料を広く提供することが円滑な土地処分を進める観点からも重要であると考えましたので、今般の調査結果を公表することとしたものです。

(記者)

今後、再調査をする考えはあるかどうかというのはいかがでしょうか。
過去の見積りの妥当性が、今回の新しい結果で疑念が生じたわけですけれども、また改めて過去を振り返ってどうだったのかというようなことを含めて調査するのか、という点はいかがでしょうか。

(大臣)

当時の見積りについては、私が先程申し上げたとおりですが、今後について何かありましたら、事務方からお願いします。

(事務方)

当時の経緯について新たに調査を行う必要があるとは考えていませんけれども、引き続き真摯に説明を尽くしていきたいと考えています。

観光・短期滞在者への対応の強化について

(記者)

今日御発言いただいた中で2点お伺いしたくて、まず1点目が外国人政策についてです。
総裁選の受け止めというところで、コメントを差し控えるというお話だったのですけれども、先程の御発言の中で、観光とか短期滞在の方への対応の強化というところに向けて、引き続き検討を進めるという御発言があったのですけれども、具体的に対応の強化という部分、どういったことを想定されているかお伺いしたいです。

(大臣)

観光・短期滞在者への対応の強化というところで1点ありますのは、オーバーツーリズム対策で、例えばそういうことが想定されると思っています。
国内外の観光需要は、大変力強い成長軌道にありますけれども、都市部を中心とした一部地域への偏在の傾向も見られます。
観光客が集中する一部の地域や時間帯等によっては過度の混雑ですとか、マナー違反による地域住民の生活への影響、旅行者の満足度の低下、こうした懸念も生じるところです。
現在もオーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ等、総合的な支援はしているところですけれども、引き続きこうした実状に応じた支援はやっていきたいと思いますし、内閣官房に設置された推進室とも連携して検討を進めていきたいと思っています。

自民党と公明党の連立政権について

(記者)

もう1点目が、先程、公明党が国土交通行政に果たした役割というところの御質問でもあったかと思うのですけれども、総裁選の結果を受けて、斉藤(さいとう)代表の方も、高市新総裁の歴史認識だとか、連立というところに向けてはいくつか懸念点があるというお話もこれまであったかと思っていて、大臣御自身として、そういった代表の発言をどう受け止めていらっしゃるか教えてください。

(大臣)

連立のあり方について、今、公明党としての考え方がどうかということです。
これはまさに斉藤代表と高市総裁が話し合いをされているということだと思いますので、私の方から、あるいは大臣としての立場で何かを申し上げるということは差し控えさせていただければと思います。

(記者)

先程も国土交通行政というところに関しては、いわゆる重要な施策をこれまでも歴代大臣もやられてきたという御発言もあったので、より今後連立がどうなるのかというところは、国民も関心ですし、有権者の方にとっても気になるところかと思うのですけれども、それでもやはり御回答を差し控えるという形でしょうか。

(大臣)

そうですね。
党の代表である斉藤代表と高市総裁とがお話をされるということですので、私として何かそこにコメントするということは差し控えさせていただければと思います。

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