大臣会見

中野大臣退任会見要旨

2025年10月21日(火) 9:46 ~ 10:01
国土交通省会見室
中野洋昌 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

今朝の閣議において、辞表のとりまとめがあり、総辞職となりました。
この間、皆さまには大変お世話になりました。
改めて感謝を申し上げます。
ありがとうございます。

質疑応答

在任期間の振り返り及び新大臣への期待について

(記者)

総辞職ということで1年間お疲れ様でした。
国土交通大臣着任からこれまでの間の感想と、次の大臣に期待すること、あるいは求めることがあれば教えてください。

(大臣)

約1年間ということで、私の国土交通大臣としての在任期間は昨年の11月11日からですので345日ということです。
在任期間中、全国の様々な現場にもお伺いしました。
そういう意味では、地域のそうした声、また現場の声に基づいて、国土交通行政を進めてきたと思っています。
就任後の最初の視察は能登半島の被災地でした。
被災された方々の御要望をお伺いし、やはり迅速な復旧・復興、そして生業(なりわい)・生活の再建に尽力していかないといけない、急がないといけない、こういう思いを新たにしたところです。
今年の1月には埼玉県八潮(やしお)市で道路陥没事故がありました。
これも私も現場にまいりました。
インフラの老朽化対策を進めないといけないと強く感じて、このインフラ老朽化対策を含めた防災・減災に取り組んでまいりました。
改めてもう少し詳しく振り返りますと、昨年の着任以来、私いつも3点申し上げてまいりました。
1点目は国民の命と暮らしを守るということです。
安全・安心の確保をしっかりやっていく。
2点目は持続的な経済成長をしっかり実現していく。
3点目は地方創生2.0ということで、地方をしっかり支えていく、この3点をいつも申し上げてまいりました。
1点目の国民の安全・安心の確保については、令和6年能登半島地震あるいは豪雨もありました。
こうした自然災害からの復旧・復興、そしてインフラ老朽化対策の加速化の防災・減災の取組、国土強靱化実施中期計画も策定しましたし、TEC(テック)FORCE(フォース)の機能強化も行ってまいりました。
そして海上保安能力もしっかり強化していくことも取り組んでまいりました。
2点目の持続的な経済成長という点では、一つは我が国の生産性を高めるために、物流・人流ネットワークの早期整備ということ、そしてその担い手である建設業あるいは物流業等における賃上げ環境の整備もやってまいりました。
また、住宅・建築物の省エネ化、あるいは都市緑地の確保、こうした2050年カーボンニュートラルに向けた取組も推進してきました。
3点目の地方創生2.0という点では、一つは持続的な観光立国の実現、あるいは二地域居住の促進、加えて賑わいのあるまちづくりであるとか、あるいは子育て世帯も含めて、安心して暮らせる住まいの確保もやってまいりました。
そして、今、人口減少で交通空白という地帯も非常に増えてまいりました。
こうした交通空白を解消していこうと、地域交通のリ・デザインを全国的に全面展開していくこともしました。
これらを含めた施策の推進のため、先の通常国会には国土交通省から5本の法案を提出しましたが、これらを全て成立させることができました。
多くの方に御協力いただきながら、国土交通行政を進めることができたことは、本当に感謝の思いで、私自身本当に皆さまに感謝している次第です。
次の大臣に期待することということです。
先程も申し上げたとおり、国土交通省は、まさに国民の命と暮らしを守るということが非常に大事な使命ですし、また経済や地域を支えるという大変重要な政策テーマを取り扱っています。
あわせて、自然災害は年々激甚化・頻発化しているということですので、こうした自然災害への対応も必要です。
そういう意味では多くの課題が山積している国土交通行政ということですので、特に新内閣においてということでは、やはり喫緊の課題としては、経済対策ですとか、あるいは物価高対策、こうしたことは非常に喫緊の課題であると思いますので、こうしたことも含めて、次の国土交通大臣におかれては、こうした国土交通行政を取り巻く政策課題、そしてこうした喫緊の課題、こういったものにしっかり取り組んでいっていただければと思っています。
最後に、国土交通省は、約6万人の職員がいます。
そして、その約8割が地方で勤務をしています。
これは地方整備局、地方運輸局、海上保安庁、あるいは気象庁、こうした現場で働く皆さまが国民生活をしっかり支え、守る仕事をしているということですので、私も現場力・総合力というのが我が省の強みだと申し上げてきましたので、そうした強みを最大限に活かして、政策を是非推進していっていただきたいと考えている次第です。

大臣として12年間在任した公明党の総括について

(記者)

1年間お疲れ様でした。
私が伺いたいのは、約12年間公明党が国土交通大臣を務めてきたということについて、改めて、公明党が国土交通行政に果たしてきた役割と成果ということです。
先日も伺ったのですけれども、その際答えは控えられていたわけですが、今回約12年間の公明行政の最後の会見ということで、総括ということを伺いたいと思います。

(大臣)

前回もそんなに回答を控えたというつもりはないのですけれども、国土交通省発足25年です。
その間、直近では公明党の大臣が続きました。
その前は民主党政権があり、その前は自由民主党の大臣もいらっしゃいました。
基本的にはやはり大臣として、この党はこうだった、あの党はこうだったということを申し上げるのは控えさせていただければと思いますが、その上で、退任の会見ですので、私の公明党に所属する一議員としての思いということで申し上げますと、基本的に行政がどういう役割を果たしたかというのは、後世の人々が判断することであろうと思います。
あまりこれが成果ですということを自分で申し上げるものではないとは思いますけれども、私の思いということで申し上げますと、例えば2012年以降、我が党としては防災・減災、あるいは復興、こうしたものを政治のど真ん中に置いていこうと、政策の主流にしていこうということは随分申し上げてきたと思っています。
当然、当時は東日本大震災からの復旧・復興ということもありましたけれども、様々な災害がありました。
そしてその度ごとに復興の取組も加速化していかないといけない、激甚化する自然災害、その中で防災・減災というものが政治のど真ん中になるようにということは随分申し上げてきましたし、国土交通行政としてもやはりそうしたところは非常に重要なテーマ、一丁目一番地ということで随分取り組んできたと思っています。
この間、色々な取組を進めてまいりました。
様々な主体がしっかりと協力して、流域治水で地域を守っていくということもやってきましたし、あるいは事前防災、あるいは予防保全、色々なことをやってきたと思います。
あわせて、インフラ老朽化対策、あるいは担い手の確保も随分やってきましたし、斉藤(さいとう)大臣の時は建設業法の改正ですとか、あるいは私の時も議員立法ではありますがトラックの運送事業法の改正ですとか、担い手をどうやって確保していくのかということも随分取り組んできたと思います。
もう一つ例えば申し上げますと、バリアフリー化もこの間随分進めてまいりました。
公明党は、自公連立に入るだいぶ前から、やはり地域の声、現場の声、そして命を守るということで、例えば駅の点字ブロックの推進ですとか、随分前から色々な取組をやってきましたけれども、運輸と建設でそれぞれバラバラにやっていたバリアフリー行政がありました。
これをしっかり面的にやっていこうということも国土交通省になってからの取組ですし、東京オリンピック・パラリンピックを踏まえて随分とバリアフリーも進んできた、新幹線の車いす等での車両の座席が増えたりとか、かなり色々なところでバリアフリー化を進めてきたのではないかと思っています。
そして直近ではやはり地域の声、そうした一つ一つに応えていこうということで、斉藤大臣もそうですが、私も交通空白の地域の解消はしっかり全面展開しようと、そして地方運輸局がしっかりと自治体の皆さんと連携をして声を聞いてそういう取組を進めていくということも随分やってきたと思います。
国民の声、現場の声、一つ一つに丁寧に応えていこうという思いで、それぞれの大臣が政策課題に対応されてきたと思っています。
あまり多くを申し上げるときりがないですけれども、私自身そういう思いでやってきたということを申し上げさせていただきたいと思います。

最も心に残っていることについて

(記者)

大臣、1年間お疲れ様でした。
この1年で大臣が最も心に残っていることを教えていただければと思います。
大臣は大学を御卒業されてから、国土交通省に入省されました。
その後、国会議員になられて、去年の11月に大臣としてこちらに戻ってこられたかと思います。
その懐かしい気持ちであったりとか、当時は雲の上のような存在の上司だった方が今度は部下になるというそういうお気持ちとか、様々な思いを抱えられてこの1年間お仕事に邁進されたかと思います。
その中でお仕事上でもお仕事以外でも構わないのですが、1番心に残っていることを教えてください。

(大臣)

私が入省したのは2001年でして、国土交通省の1期生として入省したことは以前もお話ししたと思います。
そういう意味では、それぞれ別々だった4省庁が1つになって、国民のためにしっかり仕事をしていこうという思いで発足して、皆さんそういう気持ちで仕事をされてきたと思っています。
私先程も国土交通省の強みは現場力・総合力と申し上げましたけれども、6万人の方の職員がいます。
私も国土交通省で働いている時もそうした様々な部局がワンチームになって仕事をしていこうという、そういう強い思いでやってきましたけれども、今回大臣になりまして、改めて色々な地方の現場にも行かせていただきました。
非常に僻地で勤務をされている方も多いわけです。
例えば、気象庁の職員の方が南鳥(みなみとり)(しま)とか、非常に遠いところで、港湾局の職員の方もそうです。
そういうところでしっかりと気象、あるいは離島の保全ということで仕事をされている。
あるいは地方整備局の職員の方も本当に現場が非常に街からは遠い、例えば立山(たてやま)カルデラの中にもそういう職員の方がいるわけですし、それこそ海上保安庁の職員の方であれば、領土・領海をしっかりと守るということで、色々な海域に出て仕事をしています。
多くの現場に行かせていただきました。
その中で、多くの現場を守る職員の方と意見交換や色々なお話も聞きながら、国土交通省ワンチームでしっかり応えていこうということを申し上げました。
そうした一つ一つというのは、本当に私の心の中に残っているものですし、これからも国土交通省ワンチームとして6万人団結して、国民の命と暮らしを守るということをしっかり取り組んでいただきたいと改めて思っている次第です。

思い残すことについて

(記者)

今回で退任されますが、もう少しやりたかったとか思い残すことはありますか。

(大臣)

もちろん様々な課題は山積みですので、当然まだまだやりたい仕事というのはあるわけですけれども、これはどういう立場になっても、しっかり今回大臣として政策を進めたことも含めて、国土交通行政がしっかり前に進むようにしっかり頑張っていきたいと決意をしています。

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