大臣会見

金子大臣会見要旨

2025年10月24日(金) 10:17 ~ 10:28
国土交通省会見室
金子恭之 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

新たな経済対策について

(記者)

高市(たかいち)首相から指示があった経済対策について、国土交通省としてはどのようなことを盛り込む考えか、お聞かせください。

(大臣)

21日の初閣議において、総理から、生活の安全保障・物価高への対応、危機管理投資・成長投資による強い経済の実現、防衛力・外交力の強化の3つを柱とする、新たな経済対策の策定の御指示がありました。
特に、国土交通省の関係では、防災・減災、国土強靱化の取組、地域交通をはじめとする地域の基幹産業の活性化、造船など戦略分野の官民連携投資などの御指示があったところです。
国土交通省としては、総理の御指示を踏まえて、国民の安全・安心の確保、持続的な経済成長の実現、個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくりなどの観点から、国土交通分野の重要課題に速やかに対応するため、経済対策に盛り込むべき施策の検討を進めているところです。

ライドシェアについて

(記者)

ライドシェアのことで伺いたいと思います。
全面解禁の考え方ですね。
前任の公明党の大臣は、全面解禁ということには慎重なり反対なりという立場であったということを踏まえてと。
もう一つ、先般終わった万博ですね。
万博期間にライドシェア全域の規制緩和ということをされましたけれども、その成果ということを伺いたいと。
だいぶタクシーが出ていて逆にライドシェアが低調だったという指摘もあるみたいなのですが、これは必要な措置だったかというようなことも含めて伺いたいと思います。

(大臣)

私もこれまで国土交通関係で、自民党の部会や色々な局面でこのライドシェアについては議論したものですので、後ほど言いますけれども、その中で日本版ライドシェアということで動き出しているわけですので、まずはそちらを進めていくということです。
大阪・関西万博の開催にあたっては、開催期間中における移動需要の増加に対応するため、大阪府・市、大阪タクシー協会と協議した上で、タクシー及び日本版ライドシェアについて、大阪府域全域で運行可能とすることとしたわけです。
万博期間中は、日本版ライドシェアを24時間稼働可能な状態とすることとしたところです。
こうした措置を講じたことによって、タクシーとともに万博を契機として大阪を訪れる方の移動需要に適切に対応できたと考えています。
有償で旅客を運送するサービスについては、一つ目は、適切な運行管理、車両整備管理によるドライバー・車両の安全の確保、それから二つ目に、事故が起きた時をはじめとした運送の責任をどうするのか、あるいは三つ目に、ドライバーの適切な労働条件の確保というのが大変重要であるということはこれまでの議論の中で、御承知のことだと思います。
このため、例えば、運行管理あるいは車両整備等について責任を負う主体を置かず、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態で、旅客運送を有償で行うことについては、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があると考えています。
さらに、今御指摘のあった万博のライドシェアが低迷したのではないかということですが、そういう報道があったことは承知しています。
日本版ライドシェアは、タクシーを補完することを目的としており、タクシーが不足する地域、時期、時間帯において、その不足分を地域の自家用車や一般ドライバーで補う制度ですが、万博開幕以降、タクシー及び日本版ライドシェアの配車アプリのマッチング率は、概ね95%を超える高い水準を保っており、万博ライドシェアの稼働状況に関わらず、移動需要に対して十分に供給されたと考えています。

リニア中央新幹線について

(記者)

リニア中央新幹線の整備に関してお尋ねします。
リニアの整備に関しては、静岡県のみならず沿線各地で様々な問題が発生して、開業時期が大幅に遅れているという状況にあると思いますけれども、一方で国の方は大阪までを含めた、2037年度全線開業というのを堅持されているかと思いますけれども、この方針に変わりはないのかということをお尋ねします。
あわせて、静岡県の水資源の問題に関して、大井川(おおいがわ)の流域に影響が出た場合の補償で、大井川流域の自治体は国が関与する形で影響を確定し、国の指導でJRが対応を講じるよう、国の関与というものを求めているわけですけれども、これに対する受け止めを教えてください。

(大臣)

リニア中央新幹線は、東京・名古屋・大阪の三大都市圏を一つの圏域とする「日本中央回廊」を形成し、日本経済を牽引するとともに、東海道新幹線とのダブルネットワークによるリダンダンシーの確保を図る、国家的見地に立ったプロジェクトです。
国土交通省としては、未だ着工のできていない静岡工区の早期着工が、早期開業に向けた重大な課題と認識しており、「静岡工区モニタリング会議」を通じ、JR東海の対策状況を継続的に確認するとともに、静岡県とJR東海との協議に国土交通省も入って、より一層の対話を促しているところです。
今お話があったわけですが、引き続き、リニア中央新幹線の早期整備に向けた環境を整え、1日も早い全線開業に向けて、関係自治体やJR東海と連携して、まずは連携しながら、色々な問題点等も含めてしっかりと取り組んでいきたいと思います。
今、述べることはそこまでですので、御理解いただきたいと思います。

港湾整備について

(記者)

国土強靱化について政府も国土強靱化実施中期計画で今後5年間で20兆円強という予算をされていますが、能登半島地震においても港湾の重要性がとても認識されたところです。
港湾整備についてどのような考えをお持ちかお聞かせください。

(大臣)

現在も、政務三役になっても議員連盟の人事は変わりませんので、昨日の港湾の全国大会にも参加しましたが、今、国土交通大臣とともに港湾議連の会長代行をやっていまして、これまでも全国の港湾地域を回っていまして、それぞれの地域の課題に取り組んでいるところです。
そういう意味では、能登半島地震においても、港湾施設が非常に大きな被災をした、海底が隆起したり、今、大変な復旧に努めているところです。
東日本大震災においても、あるいは9年前の熊本地震においても、陸路が遮断されている中で、やはり海からの支援というのは非常に効果がありました。
例えば、東日本大震災の場合は日本海側との連携をとっていきながら、熊本地震においては熊本港や八代(やつしろ)港から、色々な救援物資あるいは被災者支援のための人たちを運んだりということがありました。
そういう意味では、被災地においては、港湾の整備は非常に重要です。
もちろんこれは、海上保安庁との連携も含めてですけれども、そういうことをこれまで見てきましたので、今後の社会資本整備については、頻発する自然災害やインフラ老朽化のリスクに強い経済社会を実現するためのハード、そしてソフト一体の事前防災を強化するとともに、予防保全型メンテナンスの転換を加速する必要があると思います。
国民の安全・安心を確保することは、国にとって最重要政策の一つです。
私自身も、衆議院災害対策特別委員会の筆頭理事をやっているときに、国土強靱化基本法の改正に中心になって取り組みました。
そういう意味では、基本法の中にも、しっかりと中期計画を作って、国としての責任を果たさなければいけないということが書いてあるわけでして、それを踏まえて本年6月に閣議決定しました、第一次国土強靱化実施中期計画を踏まえて、防災・減災、国土強靱化の取組を全力で進めていきたいと思います。
ありとあらゆる方向から、海から、陸から、空から、やはり被災地の支援というのは重要なことだと思っていますので、当初予算で間に合う部分は、まさにこの中期計画に基づいて、予算の確保を含めて、安全・安心な地域社会を作るために頑張っていきたいと思います。

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