大臣会見

金子大臣会見要旨

2025年10月31日(金) 9:26 ~ 9:39
国土交通省会見室
金子恭之 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

リニア中央新幹線の工事費について

(記者)

JR東海は、リニア中央新幹線(東京品川-名古屋)の工事費が11兆円に増えるとの見通しを発表しました。
便宜的に2035年に開業するとの前提での試算ですが、実際は静岡工区のトンネル工事に着手できない状況が続いています。
国は、大阪までの全線開業前倒しのため、3兆円の財政投融資を行っています。
大臣としての受け止めと、追加の財政支援の必要性などを含めた今後の対応についてお聞かせください。

(大臣)

29日に、JR東海から、リニア中央新幹線(品川-名古屋間)の総工事費が、従来の予定額の約7兆円から約4兆円増加し、約11兆円となる見通しとなった旨の発表があったことは承知しています。
この増額に関して、JR東海は、リニア中央新幹線(品川-名古屋間)の建設に必要な資金は賄えるとしているものと承知しています。
国土交通省としては、品川-名古屋間において未だ着工できていない静岡工区の早期着工が重要な課題と認識しており、引き続き、「静岡工区モニタリング会議」を通じて、JR東海と静岡県との対話状況を確認するとともに、リニア中央新幹線の早期整備に向けた環境を整え、一日も早い全線開通に向けて、関係自治体やJR東海と連携し、しっかり取り組んでまいります。

トヨタによるリコールの届出について

(記者)

昨日、トヨタ自動車がおよそ128万台のリコールを発表しましたが、これについて大臣の受け止めと今後の対応について伺わせてください。

(大臣)

御質問のとおり、昨日、トヨタ自動車より、運転席で車両の周囲を確認するためのモニターの不具合に関して、合計約130万台のリコールの届出がありました。
このリコールに関して、事故の報告は受けていませんが、トヨタ自動車に対しては、ユーザー等への丁寧な説明と、今回のリコールを迅速かつ適切に実施するよう指導しています。
国土交通省としては、引き続き、リコール制度の適切かつ迅速な運用を自動車メーカー等に徹底することにより、自動車の安全確保に取り組んでまいります。

クマ被害対策について

(記者)

全国でクマによる被害が相次いでいる中、昨日はクマ対策の関係閣僚会議も開かれました。
河川敷にクマが出没するようなケースもある中で、国土交通省としてはどのような対策を今検討されていらっしゃるのでしょうか。

(大臣)

クマによる人身被害が相次いでいることを踏まえて、昨日、関係閣僚会議が立ち上げられたところです。
国土交通省としては、今お話がありました、河川が、人の生活圏にクマが侵入する際の移動ルートとなっている可能性が指摘されていることを踏まえて、クマの侵入を抑制するため、河川管理として樹木伐採を行う際に、施工順序や箇所の工夫を行うとともに、河川区域内にわな等を設置する際の占用許可手続きを円滑に行うなどの支援を実施しています。
また、観光客がクマの被害に遭う事案も確認されていることから、関係省庁と連携しながら、観光客の安全確保にも取り組むこととしています。
関係閣僚会議において、国民の命と暮らしを守るため、追加的・緊急的なクマ対策を強化すべく、11月中旬までに「クマ被害対策施策パッケージ」を見直すこととされました。
国土交通省においても、施策パッケージの見直しに向け、関係省庁と連携して取り組んでまいります。

九州新幹線西九州ルートについて

(記者)

九州新幹線の西九州ルートについてお伺いします。
佐賀県の財政負担軽減のため必要があれば法令改正も検討する旨を水嶋(みずしま)事務次官が発言されましたが、大臣の受け止めをお伺いします。
また、整備促進に向けて、佐賀県の理解を得るために今後どのように進めていくのかもあわせてお願いします。

(大臣)

九州新幹線(新鳥栖(しんとす)武雄(たけお)温泉(おんせん)間)の整備にあたっては、財源問題も含めて、関係者が一丸となって解決策を模索していく必要があります。
いずれにしても、財源問題については、まずは何度もお話しているように、佐賀県と長崎県、JR九州間で議論を深めていくことが重要であると考えています。
また、様々な機会を活用して、関係者の意見も伺いながら、取組を進めていくことが重要であると考えています。
国土交通省としては引き続き、新幹線整備の必要性、重要性について御地元の皆さまに丁寧に説明をしていくとともに、佐賀県、長崎県、JR九州との間でも議論を続けていくなどを通じて、広く理解いただけるよう、これからも取り組んでいきたいと思います。

JR山手線環状運転100周年について

(記者)

JR山手(やまのて)線についてお尋ねします。
明日11月1日で、JR山手線は都心をぐるっと一周する環状運転を開始してから100年となります。
これについて大臣の受け止めをお願いします。
また、JR東日本は現在、在来線で自動運転のシステムの導入を進めていまして、山手線に関しては10年後の2035年までに運転手が乗車しない無人での自動運転、いわゆるドライバレス運転を目指しているということです。
将来的に人手不足の解消ですとか、職員の負担軽減などにつなげたいとしていますが、こちらについても大臣の受け止めをお聞かせください。

(大臣)

JR東日本が運行する山手線は、明日11月1日に、環状運転を開始してから100周年を迎えます。
山手線は、現在、1日平均約330万人に利用されるなど、環状線として首都圏の各路線を結び、首都圏の方々の日常生活や観光等の産業活動を支える重要な路線です。
今後も、安全・安定運送の確保を図るとともに、利用者の利便性の向上に努めていただきたいと考えています。
また、御指摘の鉄道の自動運転については、我が国が人口減少社会を迎え、鉄道分野でも人手不足が深刻な課題となっていることから、持続可能な輸送の確保のためには、非常に重要な事だと考えています。
このため、国土交通省では、技術基準の整備(2024年3月)や自動運転に係る技術開発の支援など自動運転の導入促進に向けた取組を進めているところです。
このような観点から、JR東日本が、首都圏の重要路線である山手線において、2035年頃(令和17年頃)には自動運転の導入を目指していることは、我が国の鉄道の自動運転導入を牽引する取組の一つとして期待しているところです。
安全を前提として、着実に進めていただきたいと考えています。

EVモーターズ・ジャパンのバスについて

(記者)

中国製EV(イーブイ)バスの販売元であるEVモーターズ・ジャパンについて、お伺いします。
国土交通省は9月に同社に対して点検を指示しまして、先日立入調査も行いました。
EVモーターズ・ジャパンが販売したEVバスは東京都内でも走っていて、現役の運転手の方が私たちの取材に「運行中にも度々トラブルが起きていて、乗務したくないという声も多い」などと証言されています。
安全性に対する不安が広がる中で、今後、国土交通省としてどのような対応をお考えでしょうか。

(大臣)

EVモーターズ・ジャパンは製造を中国に委託しているということです。
今御指摘のありました、EVモーターズ・ジャパンに対しては、9月3日の総点検の指示の際に、不具合があった車両については、早急に修理を行うとともに、修理が完了するまで運行を再開しないこと、当該バスの使用者に対し、確認された不具合、運行停止に至った理由について丁寧に説明することを求めているところです。
また10月20日には同社に対して立入検査を行いました。
不具合の原因究明と、抜本的な安全対策を講じるよう強く求めたところです。
今般、御指摘のような声が寄せられている旨伺いましたので、今一度、同社に対しては、バス事業者の不安を取り除く丁寧な対応を求めてまいります。
国土交通省としては、立入検査の結果を分析した上で、必要に応じて、追加対策を行ってまいります。

(記者)

追加対策に関して伺いたいのですけれども、不具合が生じた自動車について、保安基準に適合しないおそれが出た場合は、本来であればリコールが適応されたりですとか、強制的な立入検査や行政処分も視野に入ってくるかとは思うのですけれども、当該のEVバスは並行輸入車であるために、現行の法律ではそのような措置が難しいのが、現状かとは思います。
このような点を鑑みて、今後並行輸入車の規制強化を含めて、改善措置をとられる考えはおありでしょうか。

(大臣)

現状としては、まずは立入検査の結果を分析するということを踏まえて、今後考えていきたいと思います。
何か担当からありますか。

(事務方)

その通りです。

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