2025年11月4日(火) 11:01 ~ 11:13
国土交通省会見室
金子恭之 大臣
(大臣)
本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
(記者)
先程、外国人政策に関する閣僚会議があったと思いますが、この中で外国人の不動産取得規制やオーバーツーリズムの対策について、国土交通省の方で何かありましたら、対応をお伺いできればと思います。
(大臣)
まさに先程「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」が開催されて、総理からは、国外からの取得を含めたマンションの取引実態の早急な把握と結果の公表、マナー違反等のオーバーツーリズム対策の強化などの御指示がありました。
マンションについては、まずは取引実態に関する調査結果を早急にとりまとめ、公表してまいります。
また、オーバーツーリズム対策については、インバウンドの受入れと地域の住民の方々の生活の質の確保が両立できるよう、過度の混雑やマナー違反への対応など、地域の実情に応じた取組を一層支援してまいります。
引き続き、関係省庁との緊密な連携のもと、政府全体での検討状況を踏まえ、外国人の受入れ・秩序ある共生社会の実現に向けて、適切に対応してまいります。
(記者)
与野党6党が、ガソリン税の暫定税率を12月31日に廃止することで合意しました。
安定財源に関しては、道路関連インフラ保全の重要性等にも留意しつつ、確保するための具体的な方策について、引き続き検討し、今後1年程度を目途に結論を得る、としています。
大臣の受け止めをお聞かせください。
(大臣)
与野党6党の間で、先週10月31日に、ガソリン税の暫定税率の廃止日を12月31日とし、代替財源としては、道路関連インフラ保全の重要性等にも留意しつつ、安定財源を確保するための具体的な方策について、今後1年程度を目途に結論を得ることが合意された旨は承知していますが、正式合意前の段階であるとお聞きしていますので、コメントすることは差し控えたいと思います。
その上で申し上げますと、暫定税率分を含めた揮発油税については、一般財源でありますので、インフラの整備や老朽化対策の予算とは直接的な関係はありません。
一方で、道路等のインフラの老朽化や災害の激甚化・頻発化により、インフラの維持・管理や防災・減災、国土強靱化等に要する費用は増加することが見込まれており、地方からは安定的な財源確保に向けた声も上がっているところです。
こうした地方の声も踏まえつつ、インフラの強靱化等に適確に対応するために必要となる予算を安定的に確保することは、国民の安全・安心を確保する上で重要であると考えています。
(記者)
自治体の下水道の整備計画について伺います。
国土交通省の過去の調査とその後の弊社の調査で、2014年以降、全国の下水道整備計画のうちの3分の1が合併浄化槽での整備の地域に切り替わっていたことがわかりました。
100近くの自治体は、もう既に既存の下水道を廃止して、浄化槽での転換に移行する意向があるようです。
いずれも背景には人口減と自治体への財政負担の影響があるようなのですが、こうした動きに対する大臣の御所感と、これを踏まえて下水道をはじめとする汚水処理の整備について、今後どのように進めていくのか、お考えをお聞かせください。
(大臣)
汚水処理の方式には、御案内のとおり、下水道や集落排水による「集合処理」と、浄化槽による「個別処理」がありますが、国土交通省はこれまで、環境省や農林水産省と連携して、人口減少を踏まえて効率的な汚水処理ができるよう、下水道整備計画区域の見直しを進めてきたところです。
現在、下水道が80%、浄化槽が12%、集落排水が1%、未整備が7%という現状です。
御指摘のとおり、整備済みの集合処理区域を廃止して、個別処理方式の浄化槽へ転換する意向を持つ地方公共団体も出てきており、こうした地方公共団体の取組を支援するため、令和7年度に、浄化槽への転換が下水道の更新よりも合理的な場合に、下水道の撤去費用を補助する制度を創設したところです。
国土交通省としては、「集合処理」あるいは「個別処理」の適切な取組による、持続可能な汚水処理システムの構築が重要と考えており、人口減少を踏まえた適切な下水道区域の見直しが進むよう、関係省庁と連携して、地方公共団体を技術的・財政的に支援していきたいと思います。
自動車重量税、LPガス税、軽油引取税における暫定税率について
(記者)
ガソリン税の暫定税率廃止の関連質問をさせてください。
国土交通省関連でいうと、重量税、それからLPガス税、これにも暫定税率がかかっています。
一部議論はされているようですが、あと総務省マターではあるのですが軽油引取税、暫定税率はこの四つあるわけです。
残り三つに関してはあまり議論が進んでいません。
特に、従来からタクシー・バス・トラック業界は、LPガス税あるいは軽油引取税の暫定税率廃止を、もう2桁年単位で主張してきています。
これ手が付けられていません。
今回、ガソリン税は確かに暫定税率廃止、年末いっぱいということですけれども、他の3税についての金子大臣のお考えを伺わせてください。
(大臣)
先程申し上げたように、与野党6党で合意されたということです。
これから具体的にそのことは御指示があるのだろうと思いますけれども、今言われたような、この前もトラック協会、それからバス協会、あるいはタクシー・ハイヤー業界からも、そのような要望を伺ったところです。
そういう意味では、これから具体的な対応については議論を進めていかれるものと思います。
現状でそこまで踏み込むことは控えたいと思います。
特に、軽油引取税についても、合意文書の中に文言が盛り込まれたと考えていますので、そこについてもしっかりと受け止めながら、具体的に議論を進めていきたいと思っています。
(記者)
特に軽油引取税はガソリン税の規模よりも遥かに大きな財源になっています。
これ、地方自治体、総務省は当然反対してくるので、これを本当に熟考できるのかということに関しては、非常に興味を持っているとお伝えしておきます。
一般会計から自動車安全特別会計への繰戻し等について
(記者)
自賠責保険についてです。
歴代、国土交通大臣と財務大臣の間で約束事を5年ごとに見直しています。
繰戻しという、元々は国土交通省の特別会計の中にあったお金、今、規模的には6000億円をようやく切ってきたかなというところです。
新大臣の自賠責保険の積立金の繰戻しについての強いお気持ちを承りたい。
加えて、死亡事故も減っていますし、交通事故も減っている中で、なかなか自賠責保険料が下がらない一つの理由に保険料の27%を占める社費というものがあります。
これは損保さん、代理店さんのいわゆる手間賃ですが、この中身が依然として国土交通省も金融庁も中身を公開しないのです。
公開しない限り、実際たくさんとられているのかそうでないのか分かりません。
社費の公開についてのお考えがあれば承りたいと思います。
(大臣)
自動車事故が後を絶たない中、自動車事故の被害者支援等を長期にわたって安定的、継続的に行うために、一般会計からの繰戻しは重要であると認識しています。
令和6年度においては、補正予算を含め100億円の繰戻しを実現しており、令和7年度においては、当初予算において65億円の繰戻しを計上しているところです。
国土交通省としては、令和3年12月の財務大臣との合意を踏まえつつ、令和8年度予算要求等においても、引き続き、財務省に対して、全額の繰戻しに向け、着実な繰戻しを強く求めていきたいと思います。
また、社費のことについてお話がありました。
自賠責保険料は、ノーロス・ノープロフィットの原則のもと、金融庁において設置されている自賠責保険審議会において審査が行われ、毎年の保険料が決定されています。
保険会社の経費に充てられる社費については、社会経済状況の変化等を踏まえ、本年、日本損害保険協会において経費の計算方法の見直しが行われたと承知しています。
事務の効率がアップしたと聞いています。
国土交通省としては、こうした動きも踏まえつつ、金融庁とも連携して、引き続き自賠責制度を適切に運用していきたいと思います。
おっしゃるとおりだと思います。
(記者)
社費の中身を公開するかしないか、イエスかノーはいかがでしょう。
(大臣)
そこは金融庁のお話ですので、こちらからは控えさせていただきたいと思います。