2025年11月11日(火) 9:15 ~ 9:31
国土交通省会見室
金子恭之 大臣
(大臣から)気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案の閣議決定について
(大臣)
本日の閣議案件で、私から1点報告があります。
本日の閣議で、気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。
本法案は、豪雨等の自然災害が頻発化・激甚化する中で、防災気象情報である予報・警報を高度化・適正化するため、洪水の特別警報や高潮の共同予報・警報の創設、外国法人等による正確でない予報業務に関する規制の強化などを行うものです。
詳細は後ほど事務方から説明させます。
私からは以上です。
(記者)
八丈島の台風被害から1か月が経ちましたけれども、現在の被害状況と国土交通省としての対応を伺います。
また、大臣御自身が現地視察される御予定があれば教えてください。
(大臣)
先月の台風第22号及び台風第23号によって、八丈島では大きな被害が生じました。
改めて、台風により被災された全ての皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
本日8時時点の被害状況ですが、八丈町で土砂流出等のため、12戸が断水、都道や町道の一部区間で通行止めが継続しています。
国土交通省ではこれまで、TEC-FORCEを派遣し、ドローンや防災ヘリを活用した被災状況調査、リエゾンによる支援ニーズの把握、土砂災害専門家やJETT(気象庁防災対応支援チーム)による二次災害防止のための助言を行うほか、海上保安庁の巡視船を通じた給水支援などを行ってまいりました。
現時点で私の視察予定はありませんが、私と佐々木副大臣で相談して、先週11月7日に、国土交通省を代表して、佐々木副大臣が八丈島の被災地を視察し、八丈町長と災害復旧事業等に関する意見交換を行ってきたところです。
国土交通省としては、災害復旧事業に必要な災害査定を効率的に行うとともに、内閣府より公表された激甚災害指定の見込みを受け、補助率のかさ上げを実施予定です。
引き続き、被災自治体に寄り添って、被災地の早期の復旧に全力で取り組んでまいります。
(記者)
国土交通省は「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」の提言を公表し、置き配が宅配便の標準サービスに加わる見通しとなりました。
人手不足の中、物流網を維持するためには効率化が欠かせない一方、利用者にとってはトラブルに対する懸念が根強くあります。
大臣の受け止めと、標準運送約款の改正や施行、ガイドライン作成などのスケジュール感を含めた今後の対応についてお聞かせください。
(大臣)
置き配については、テレビや新聞等々で国民の関心が非常に高いと認識しています。
インターネット通販の利用拡大によって、宅配便の取扱個数は年間約50億個に急増しまして、その約8.4%、約4.2億個が再配達となっており、トラックドライバーの負担が増大しています。
こうした再配達の削減に向けて、先週公表された「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」の提言には、会社ごとの個別認可を不要にする「標準宅配便運送約款」において、従来からの対面での受取だけではなく、置き配や宅配ボックスの活用などを追加し、受取方法の選択肢を増やすなど、置き配に関して、消費者の理解増進と関係者間で適切なリスク分担を行うためのガイドラインを定めるなど、多様な受取方法の普及を進める施策が盛り込まれました。
置き配等の実施にあたっては、住民の方々のセキュリティの確保が大前提です。
例えば、オートロック式マンションでの置き配の導入については、マンション管理組合等の事前の合意が必要となります。
これに加えて、国土交通省としては、住民の信頼を確保するため、今後、置き配の課題やその対応方策等に関する整理を行ってまいります。
あわせて、本検討会の提言を次期「物流大綱」にどのように位置付けるか検討していく中で、標準約款の改正とガイドラインの策定のスケジュールも検討してまいります。
(記者)
昨日(10日)、日本成長戦略会議が開催されました。
17の戦略分野のうち、国土交通省が担当しているのは造船・港湾がありますが、昨日の会議では特に造船の民間企業へのヒアリングが行われた上、経済対策に盛り込む重点項目や投資促進につながる税制措置の方向性などについて、議論がされたとされています。
こうした会議について大臣の受け止めについて、まず伺わせてください。
(大臣)
御質問のとおり、昨日、第1回となる「日本成長戦略会議」が開催されまして、造船分野に関するヒアリング、あるいは総合経済対策についての議論が行われました。
造船分野に関するヒアリングにおいては、日本造船工業会及び日本船主協会から、我が国造船業の状況についての説明とともに、今後の成長投資に向けた力強い覚悟と、政府による支援への期待が示されました。
また、総合経済対策の議論においては、国土交通省に関係する施策として、造船の生産能力拡大のための大規模投資に対する大胆な支援、港湾におけるサイバーセキュリティ対策や手続きの電子化、上下水道管路の更新やインフラ老朽化対策などの防災、国土強靱化、「交通空白」の解消などが盛り込まれて、重点施策の取りまとめがなされました。
国土交通省としては、これらの施策について関係省庁と協力しながら着実に取り組むとともに、更なる我が国の経済成長の実現に向けて頑張ってまいります。
気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案について
(記者)
冒頭で御発言があった、閣議決定された気象業務法などの改正案なのですけれども、改めてこの改正による意義というのを大臣、教えていただいてよろしいでしょうか。
(大臣)
後ほど担当から詳しく説明するわけですが、せっかく御質問いただきましたので、私からも説明させていただきたいと思います。
今回の法律案は、近年豪雨等の自然災害が頻発化・激甚化する中で、防災気象情報である予報・警報を高度化・適正化することが狙いです。
具体的には、洪水及び高潮の観測や予測に関する技術の進展を踏まえ、洪水に係る特別警報の創設、高潮の共同予報・警報の創設等の措置を講ずることによって、精度の高い防災・気象情報の提供を実現してまいります。
また、情報通信技術の進展等によって、日本国内に向けて、正確でない気象等の予報業務を行う、外国法人等が現れていることを踏まえて、外国法人等による予報業務に関する規制の強化を行うことによって、正確でない予報の流通による国民への被害の防止を早急に図ることができると考えています。
まさにこのような一刻を争う中で、正確なものを提供するということが、被災住民あるいは国民にとって重要であると考えています。
国土交通省としては、防災・気象情報をより一層、高度化・適正化することによって、災害時における国民の生命及び財産の被害軽減が図られるよう、万全を期してまいります。
アサヒグループHDの物流システム停止によるトラックドライバーへの影響について
(記者)
置き配について関連なのですが、金子大臣は物流にも非常に詳しいと承知しています。
2024年規制で今、トラック運転手さんの時間の短縮とか、それから倉庫業務を外すとか色々策を講じられているのですが、直近でいうとアサヒグループホールディングスのサイバー攻撃で同社商品がスーパードライ以外は今、配達が非常に少なくなっている。
これについて、アサヒの物流を担っている傭車という言葉御存じかもしれません。
トラックと運転手さんをまとめて外注に出すということですけれども、この人たちが仕事がなくて困っている。
ビール会社、他に3社あるわけですが、これでサントリーだとかキリンだとかに対して、そちらの方に今発注が非常に来ている。
本来であれば、アサヒで余っている運転手さん、傭車さんに仕事が回ればいいのですが、これが回らない現状があって、アサヒをやっている傭車さんが今、非常に仕事がなくて、週7日のうちの4日、5日休まされていて、手取りが非常に減っているという現状があります。
いきなりで難しい質問になってしまいますけれども、物流の改革の中で、運転手さんの待遇、特に報酬ですよね、待遇の改善は2024規制でやっているのですが、報酬がなかなか増えない現状について、御所見があったら一言頂けたら助かります。
(大臣)
2024年問題については、一つの解決の中で、標準的な適正な運賃をしっかり荷主さんとそれを請け負う運送業者さんがしっかりやっていく、トラックGメンも含めてそういう監視をしていくことが非常に重要である。
その中で、ちゃんとした料金を払っていただくことによって、ドライバーの皆さま方の処遇改善、給料を上げていくことが可能になっていくわけです。
置き配については、二度でも三度でも行かないといけないという意味では、効率性が、またあそこまで行かないといけないということがありますので、少しずつ、住民の皆さまの安心の中で規制緩和をやっていかないといけないということです。
今度のアサヒグループホールディングスに対する攻撃について、商品が発送できない、あるいは製造できないことになっていることは十分承知しています。
今おっしゃったことについては、私自身も言われてみればその通りだなと思いました。
まずはそういう実態を原局、物流・自動車局の方に聞いた上で、しかるべき改善ができるところについては取り組んでいきたいと思います。
今は急な御質問でしたので、実際私自身も言われて、そういうこともあり得るなということを思いましたし、これが色々なところで起きた時に、大きな荷主さんが止まった時に、トラックドライバーの皆さま方がスムーズに別な仕事に転換できれば良いですけれども、なかなかそれは業務の提携とかそういったものなどで難しいかもしれませんが、今後、大きな課題だろうと思いますので、そのことも含めて、これからまずは原局の方に問合せをして、現状を聞き取りたいと思います。