大臣会見

金子大臣会見要旨

2026年8月28日(金) 10:40 ~ 11:02
国土交通省会見室
金子恭之 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)支援パッケージ及び予備費について

(大臣)

本日の閣議案件で、私の方から1点報告があります。
令和8年熊本地震について、昨日、政府の非常災害対策本部において、「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」がとりまとめられました。
国土交通省関連の施策として、住宅の応急修理への支援の実施、旅行・宿泊料金への割引支援の実施、国直轄施設等の迅速な復旧の実施、河川・上下水道・道路・港湾等の公共土木施設や、庁舎等の復旧支援、井戸の洗浄・補修に対する支援、鉄道の復旧に向けた財政・技術支援や代替輸送による交通の確保などが、今回のパッケージに盛り込まれているところです。
本日閣議決定された予備費は、支援パッケージのうち、直ちに経費を支出する必要がある施策に充当するものであり、国土交通省関係では、公共土木施設等の災害復旧や観光復興に向けた支援等について、総額約438億円を計上しています。
このうち、関係団体や九州各県から強い要望のあった、国による旅行・宿泊料金の割引支援については、約151億円の使用を決定しています。
この支援事業の名称は、「九州ふっこう応援割」とし、九州地方全域への宿泊旅行等を対象に割引支援を実施します。
割引率は、キャンセルが多数発生した熊本県及び鹿児島県については6割、その他5県については5割とします。
割引の実施については、10月1日以降の宿泊分について、各県が弾力的に対象期間や予約開始日を設定できることとします。
国土交通省としては、高市(たかいち)総理からの御指示も踏まえて、今回のパッケージに基づく支援策を直ちに実行に移すとともに、引き続き、被災地の声にしっかりと耳を傾けながら、これらの予備費の適切な執行も含め、国土交通省を挙げて被災地の復旧・復興に全力で取り組んでまいります。
後ほど資料を配付します。
詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)令和9年度予算概算要求概要について

(大臣)

このほか、私から2点報告があります。
1点目は、令和9年度予算概算要求についてです。
高市内閣においては、『「強く豊かな日本」投資枠』の創設や「補正予算依存からの脱却」など、予算編成のあり方の見直しを行うこととされています。
国土交通省としても、こうした政府全体の方針も踏まえつつ、これまで補正予算により実施してきた恒常的な施策も含め、資材価格や労務単価等が上昇する中でも、必要な施策を確実に実施するという考え方に立って、予算要求を進めてまいります。
具体的な要求の柱は以下の3点です。
令和8年熊本地震や令和8年8月千葉豪雨など近年災害が頻発する中、「国民の安全・安心の確保」の重要性はさらに増しています。
このため、第1次国土強靱化実施中期計画に基づく取組や、予防保全型メンテナンスを実現するためのインフラ老朽化対策、海上保安能力の強化などについて要求します。
また、「持続的な経済成長の実現」として、「日本成長戦略」に基づく造船の国際競争力強化や港湾ロジスティクスの強化、持続可能な観光の推進などについて要求します。
そして、「個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり」として、「交通空白」解消の深化・加速化などについて要求します。
これらの施策の推進に必要な経費として、『「強く豊かな日本」投資枠』も活用し、令和8年度当初予算との比較で1.44倍、令和7年度補正予算と令和8年度当初予算の合計との比較で1.35倍となる総額8兆7694億円の要求を行います。
このほか、「第1次国土強靱化実施中期計画に基づく取組」等に要する経費については、事項要求を行い、予算編成過程で検討してまいります。
国土交通省としましては、先ほど述べました3本の柱の実現に向け、必要な予算がしっかりと確保されるよう、全力で取り組んでまいります。
詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)水道本管の復旧完了について

(大臣)

2点目は、水道本管の復旧完了についてです。
水道本管の被災に伴う断水については、最大10万8千戸だったものが、宇城(うき)市については本日復旧し、氷川町(ひかわちょう)については早ければ本日中、遅くとも明日までには復旧が完了する見込みとなりましたので、お知らせします。
発災後、早い段階で8月末に水道本管の復旧完了という目標を示し、その達成に向けて、日本水道協会の御協力を得ながら、全国から水道技術者を、最大で、1日78班、約270人の体制で被災地に派遣し、応急復旧に取り組みました。
また、今回の熊本地震では、断層のずれ等による管路の被害が大きく、損傷箇所の修繕のみでは復旧完了まで、多大な時間が要することが想定されたため、地上配管も活用し、1日も早い復旧を目指して、取り組んでまいりました。
水道行政が国土交通省に移管されてから初めて、大規模な地震災害に対して応急復旧から全力で取り組みました。
その結果、これまでの大規模な地震と比較して、約1ヶ月という極めて短期間で水道本管の復旧が完了する見込みとなりました。
一方で、まだ宅地内の配管や井戸の被災により、各家庭で水が利用できない方もいらっしゃることから、宅内配管に関するコールセンターの開設や、井戸の復旧のための全国からの工事業者の確保、応急給水スポットの充実などにより、自治体等と連携し、きめ細やかな支援を行ってまいります。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

令和8年熊本地震について

(記者)

先月28日に発生した熊本地震から1ヶ月が経ちました。
当初の想定との比較も踏まえ、これまでの国土交通省による復旧対策の総括的な評価、また残る主な課題についてお考えをお聞かせください。

(大臣)

熊本地震の発生から1ヶ月が経過しました。
改めて、この場をお借りしまして、このたびの地震でお亡くなりになられた方々とその御家族に対し、心よりお悔やみ申し上げます。
また、全ての被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。
国土交通省では、発災直後から、15回にわたる国土交通省非常災害対策本部の開催をはじめ、現場力・総合力を最大限発揮し、あらゆる手段を用いて一日も早い復旧に全力で取り組んでいます。
また、その際、被災者の皆さまの安心につながり、希望を持ってもらえるよう、SNS等を活用して、復旧の見通しや進捗状況を動画も用いて分かりやすく情報提供するなど不安を抱える被災者にタイムリーに情報をお届けするため、広報活動にも力を入れて取り組んでまいりました。
また、今回、被災された方の要望にきめ細かく対応するために、関係機関とも連携し、緊要度の高い給水支援ニーズを一元的に調整しながら対応に当たるなど、自治体からの要請に応じた支援だけではなく、要請を待つことなく、プッシュ型で支援を実施してまいりました。
これまで、現地を3度視察しましたが、発災から約1ヶ月程度で水道本管の復旧が完了する見込みとなりました。
また、約2週間程度で九州自動車道全線における一般車両の通行が可能となるとともに、9月18日には九州新幹線の全線が復旧する見込みとなりました。
これにより、高速道路と新幹線という二つの大動脈が復旧することとなり、被災地全体の復旧復興や地域経済の再生が加速するものと期待しています。
一方、被災された方々が日常を取り戻すには、まだ道のりは遠く、冒頭お話したように昨日決定した「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」に基づき、住まいの確保をはじめとする生活の再建、観光関連産業の復興支援などのなりわいの再建、インフラの本格復旧などに取り組んでいかなければなりません。
引き続き、被災された方々が一日も早く平穏な生活を取り戻せるよう、熊本県をはじめ被災自治体の皆さまと連携し、被災地・被災者に寄り添った災害対応に全力で取り組んでまいります。

石川県、富山県の大雨について

(記者)

石川県や富山県の大雨被害について伺います。
道路や河川などで現状把握されています被害の状況、国土交通省としての対応や今後の復旧に向けた方針を教えてください。
加えて、今後想定される関連災害など、気を付けるべき点があれば、住民への注意喚起と呼びかけも併せてよろしくお願いします。

(大臣)

熊本地震、千葉豪雨災害に続いて、昨日27日明け方から朝にかけて、北陸地方を中心に、線状降水帯が相次いで発生し、朝までの24時間雨量がこれまでの観測史上1位を更新する300ミリを超える記録的な大雨となりました。
国土交通省では、内閣府と連携し、令和8年8月千葉豪雨の際の教訓も踏まえ、レベル5大雨特別警報が発表されたときに取るべき行動を、わかりやすくまとめ、広く周知しました。
また、今回の大雨に対して、記者会見による最大級の警戒を呼びかけ、自治体とのホットラインの構築、TEC(テック)FORCE(フォース)を派遣し、リエゾンの派遣による被災状況の把握、JETT(ジェット)(気象庁防災対応支援チーム)の派遣による気象の状況や見通し等のきめ細かな説明の実施、道路上の土砂の撤去等の道路啓開の実施や排水ポンプ車の稼働などの応急復旧などを実施するとともに、本日、天候が回復次第、防災ヘリによる被害状況調査を行う予定です。
これまでに確認された被害状況等ですが、28日8時までに、富山県氷見(ひみ)市における約10戸の断水や、石川県や富山県の県管理河川20河川における浸水被害、土砂災害11件、高速道路・国道などの通行止め、鉄道在来線17路線での運転見合わせ、高速バス等の運休などが生じています。
引き続き国土交通省の現場力を最大限発揮し、被災者・被災地に寄り添った災害対応に、全力で取り組んでまいります。
予報では引き続き本日も、北日本から西日本の広い範囲で警報級の大雨となる恐れがあります。
今後、大雨情報にあたる地域の皆さまにおかれましては、お住まいの地域のハザードマップを確認し、避難の準備を行うなど、事前の備えに万全を期していただくとともに、気象台や地元自治体から発表される防災気象情報や避難情報などに十分留意・確認いただき、早め早めの避難行動をとるようお願いします。

令和8年熊本地震について

(記者)

先ほど大臣の発言にもありましたが、昨日、JR九州が熊本地震の影響で運転を見合わせている九州新幹線を9月18日、在来線は10月中旬頃の再開を目指すと発表しました。
これに対する大臣の受け止めを伺います。
併せて国として鉄道復旧に対して、どのような支援や対応をするのかお聞かせください。

(大臣)

昨日、JR九州から、九州新幹線の熊本-新水俣(しんみなまた)間について9月18日の運転再開を予定していること、鹿児島本線の宇土(うと)八代(やつしろ)間について10月中旬頃の運転再開を目指すことが公表されました。
この度、両路線について全線復旧のめどが示されたことは、大変喜ばしいことと受け止めています。
特に、九州新幹線は九州の大動脈であり、一部に徐行区間が残り、最大で8分程度の遅れは生じるものの、博多-鹿児島中央間の全線が運行再開されることで、観光を含む被災地の復興に大きな追い風になると考えています。
甚大な被害が生じ、復旧が困難を極める厳しい状況の中、早期再開に向けて全力で取り組んでこられた、JR九州をはじめ、建設業の皆さま、関係者の多大な御努力に深く敬意を表します。
在来線については、まだしばらく復旧には時間がありますが、いま国土交通省も事業者と連携をしながら代替バスの運行について取り組んでいます。
既に動き出していますが、新学期に向けてさらにバスの台数等も含めて増強しなければいけないということでありますが、バスの確保、運転士の確保、そのことも踏まえまして、一部にどうしても今まで八代と熊本は30分で電車で繋がっていたのが、かなり時間がかかるということで熊本での始業に間に合わないとか、そういうお話もありますが、いまそのことも含めてしっかりと利用者の皆さま方の御要望、御意見もいただきながら、皆さま方がスムーズに代替交通手段を使っていただけるように、いま鋭意努力をしているところです。
国土交通省からJR九州に対しては、早期復旧に向け、支援の要望があれば遠慮なく相談してほしいとお伝えしているところですが、引き続き、事業者や関係機関と連携し、一日も早い復旧に向け、全力で取り組んでまいります。

西九州新幹線について

(記者)

九州新幹線西九州ルートについての質問です。
国土交通省と佐賀県の「2者合意」が7月に結ばれたことを受け、国土交通省は来年度予算の概算要求にアセス関連経費を盛り込みました。
また、アセスの事前調査に関し、今月26日には、国土交通省、鉄道・運輸機構、佐賀県で構成する技術検討会の初会合が開かれています。
合意に基づいてアセスに向けた動きが具体化していることへの金子大臣の所感や今後への抱負を伺います。

(大臣)

西九州新幹線の新鳥栖(しんとす)武雄(たけお)温泉(おんせん)間については、水嶋(みずしま)前国土交通事務次官と山口(やまぐち)佐賀県知事との間で、先月17日に、「九州新幹線西九州ルートの在り方に関する二者合意」を締結しました。
この二者合意において、令和8年度中に完了するよう実施することとしている環境影響評価手続きの事前調査に関し、一昨日(26日)、国土交通省、鉄道・運輸機構、佐賀県の3者による「環境アセスに向けた技術検討会」の第1回を開催し、今後の事前調査の実施方針を確認しました。
令和9年度からの環境影響評価手続きの実施に向けて、令和9年度予算概算要求における所要の経費の計上を含め、引き続き、必要な準備や調整を着実に進め、その円滑な実施を図ってまいりたいと考えています。
今後とも、新幹線整備の必要性、重要性について御地元の皆さまに丁寧に説明をしていくとともに、佐賀県をはじめとした関係者と必要な議論を進めていくなど、西九州新幹線の整備に向けた取組みを着実に進めてまいります。

(大臣から)被災地への観光について

(大臣)

この前の記者会見でも申し上げました、いま非常に被災地の皆さま方、全国から多くの皆さま方からの支援というのが本当に届けられているわけですが、現地に行くのを少しためらっておられる方もおられましたが、被災された地域もありますが、被災されてない地域においても、多くの宿泊や観光のキャンセルが相次いでいまして、非常に大変厳しい状況になっています。
観光業界というのは、宿泊もあれば、交通機関もあれば、飲食業もあれば、地域の物産もあれば、非常に裾野の広い地域の基盤の一つであると思います。
今回、「九州ふっこう応援割」による支援を行うということが決まりましたので、是非全国の皆さま方におかれましては、是非被災地あるいは九州に入っていただいて、皆さま方の温かい被災地に対する物心両面での御支援を賜れればと思います。

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