大臣会見

金子大臣会見要旨

2026年9月4日(金) 10:50 ~ 11:14
国土交通省会見室
金子恭之 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)令和8年熊本地震非常災害復旧復興本部及び国土交通省令和8年熊本地震復旧・復興支援チームについて

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から3点報告があります。
1点目は、政府の「令和8年熊本地震非常災害復旧復興本部」及び「国土交通省令和8年熊本地震復旧・復興支援チーム」についてです。
8月31日に熊本地震に係る政府の「非常災害対策本部」が廃止されたことに伴い、本日、総理官邸において「令和8年熊本地震非常災害復旧復興本部」の第1回会合が開催され、私からも復旧・復興に向けた国土交通省の取組について報告を行いました。
また、同本部の設置を受け、省内に「令和8年熊本地震復旧・復興支援チーム」を設置することとし、本日午後にも第1回会合を開催する予定です。
今後は、被災地の一日も早い復旧・復興に向け、住まいの確保、観光の復興、道路・河川・砂防・海岸・港湾・庁舎等の災害復旧、井戸・宅内配管の早期復旧、交通・物流の確保など、それぞれの分野ごとに、今後の復旧・復興に向けた対応方針や見通しをできるだけ明確に、わかりやすくお示しすることにより、被災者の皆さまが、生活やなりわいの再建に取り組みやすい環境を整えていくことが重要となります。
国土交通省としては、本日設置する「支援チーム」の下、職員一人一人がこのような認識をしっかり持ち、被災地の皆さまの声も引き続き丁寧にお伺いしながら、今後も、国土交通省の現場力・総合力を最大限発揮して、被災者・被災地に寄り添った復旧・復興に全力で取り組んでまいります。
詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)千葉豪雨被災の視察について

(大臣)

2点目は、千葉県視察報告についてです。
令和8年8月千葉豪雨の発生から、ちょうど3週間となる昨日、現地を視察しました。
改めて今回の豪雨により、お亡くなりになられた方々とその御家族に対し、心よりお悔やみ申し上げるとともに、全ての被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。
視察では、千葉市内で整備が進められている雨水貯留施設、冠水が発生した国道16号のアンダーパス、そして被災車両の仮置き場を訪問するとともに、視察後には千葉県知事や千葉市長と意見交換を行いました。
今回の視察を通じて、豪雨によりアンダーパスがひとたび冠水すると、重大な事故につながる危険性があることを改めて認識しました。
また、大規模な浸水被害が発生した地域において、現在進められている浸水対策の現場を視察し、事前防災の重要性を改めて実感したところです。
千葉県知事及び千葉市長からは、今回の豪雨では猛烈な雨が数時間にわたり降り続いた地域もあり、これまで進めてきた雨水排水施設の整備などの対策だけでは十分に対応できなかったとの説明を受けました。
また、全国的にも例のない規模の被災車両が発生するなど、県民生活や地域経済に深刻な影響を及ぼす災害となったとのお話も伺いました。
その上で、今回の災害対応に対するさらなる支援に加え、今後、同様の豪雨災害に備えるための、抜本的な対策強化について、強い要望をいただきました。
今回の視察でいただいた御意見をしっかり受け止めながら、引き続き、千葉県をはじめとする被災自治体の皆さまと連携し、国土交通省の現場力・総合力を最大限発揮し、被災地・被災者に寄り添った災害対応に、全力で取り組んでまいります。
特に、今回の千葉豪雨は、短時間に極めて大量の雨が降ったことにより、道路や市街地などに水が滞留する内水氾濫による浸水被害が甚大なものとなりました。
これは、全国どこでも起こりうる、「都市型」の水害と認識しています。
今回の豪雨災害を教訓に、都市型の水害に対応する内水氾濫対策に、ハード・ソフトの両面から総合的に取り組んでまいります。
また、昨今、熊本地震、千葉豪雨災害に続き、北陸地方でも豪雨災害が発生し、多くの被害が生じています。
今週末には、発災から1週間が経過したこともあり、大雨で被災した北陸三県の被災地を視察する予定です。
詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)造船業再生基金に係る供給確保計画の認定について

(大臣)

3点目は、造船業再生基金に係る供給確保計画の認定についてです。
造船は、高市(たかいち)内閣の成長戦略における重点17分野の一つと位置付けられており、私自身、担当大臣として、2035年の建造量倍増を目標に掲げ、造船業再生に向けた取組を主導してまいりました。
取組の大きな柱として、国内の建造能力の抜本的な増強を図るべく、10年間で官民合わせて1兆円規模の投資を目指し、「造船業再生基金」を設置し、造船事業者による設備投資を支援することとしました。
本日、この「造船業再生基金」を活用した第一号の案件として、「今治(いまばり)造船(ぞうせん)多度津(たどつ)造船(ぞうせん)」、「ジャパン マリンユナイテッド」及び「名村(なむら)造船所(ぞうせんしょ)函館(はこだて)どつく」の3件の供給確保計画の認定を行うこととしました。
この3件の計画により、今後、約10年間で官民で総額6000億円規模の投資が行われることとなり、このうち最大で2131億円が、「造船業再生基金」から支援されます。
我が国の造船業再生が、いよいよ動き出します。
今回の3件は、多数の事業者から寄せられている投資計画の一部、いわば第一弾であり、その他事業者の投資計画についても案件ごとに適切に評価し、速やかに認定を進めてまいります。
今後も、「日本の船は日本で造る」、その実現に向けて全力で取り組んでまいります。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

千葉豪雨について

(記者)

昨日、大臣が視察された千葉県で起こった千葉豪雨についてです。
線状降水帯に対し気象庁が行っている「直前予測」や「半日前予測」について、千葉では十分な予測と発表ができませんでしたが、技術的な困難もあると予想されますが、国土交通省として考える課題と今後の対応について伺います。
あわせて、大臣も先ほどハード・ソフト対策を進めると言及されていましたが、都市部の内水氾濫に対する国土交通省としての対応を伺います。

(大臣)

令和8年8月千葉豪雨は、線状降水帯が相次いで生じたことが原因で発生しました。
気象庁では、関東地方の広範囲で大気の状態が非常に不安定となることを予測していましたが、現在の技術では水蒸気の量や動きを正確に予測することは困難であり、長時間にわたり強い雨が降る場所を絞り込むことは直前までできませんでした。
こうした線状降水帯を的確に予測するためには、観測能力と予測技術の双方のさらなる向上が必要となります。
このため、世界最先端の観測能力を持つ次期気象衛星について、2030年度の運用開始を目指してその準備を進めるとともに、先端AI技術やスーパーコンピュータを用いた予測技術の開発を進めるなど、気象予測の高度化に取り組んでまいります。
都市部の内水氾濫に関する御質問については、今回の千葉豪雨では、千葉市において時間雨量115mmを超える降雨が観測されましたが、このような規模での都市の内水氾濫対策としては、下水道整備により排水や貯留の能力を高めるといったハード対策を進めるとともに、浸水想定区域図の公表や避難訓練の実施などのソフト対策を併せて実施することで、浸水被害の軽減を図ることが重要と考えています。
国土交通省では、想定し得る最大規模の降雨により、下水道の施設能力を超えて浸水が想定される「内水浸水想定区域図」の作成・公表を推進していますが、令和7年度末現在で、下水道による内水氾濫対策を実施している約1100団体のうち約800団体にて作成済みであるものの、そのうち公表済みは約430団体に過ぎず、残る約370団体は未公表となっています。
このため、国土交通省では、今般の千葉豪雨も踏まえ、8月24日に、「内水浸水想定区域図」を作成済ではあるが未公表の約370団体に対して速やかに公表するよう要請するとともに、未作成の約300団体に対し、来年の出水期までに作成・公表するよう、要請したところです。
国土交通省では、都市部における内水氾濫対策の取組が進むよう、引き続き技術的・財政的な支援を行ってまいります。

リニア中央新幹線について

(記者)

リニア中央新幹線についてです。
北品川(きたしながわ)区間について、7月29日から掘進が止まっていますが、国土交通省はJR東海からこれについて報告を受けているかお伺いします。
あわせて、工事の安全性と住民理解を得るために、鉄道の監督官庁として重要だと考えていることがあればお伺いします。

(大臣)

御質問のリニア北品川工区の件について、JR東海からは、7月29日に、掘削工事を行うシールドマシンから通常と異なる音を確認したため、掘進を停止し、シールドマシンの点検を行うとともに音の発生原因を調査中であること、現時点で、地表など周辺環境に影響はないが、今後も周辺環境への影響を確認していくこと、また、本件について、関係自治体及び周辺にお住まいの方々に情報提供を行っていることといった報告を受けています。
国土交通省としては、リニア中央新幹線のような大規模事業の推進には、安全や周辺への影響に十分配慮した慎重な工事の実施、工事の状況に関する、地域住民や関係自治体への日頃からの丁寧な説明、トラブル等発生時における速やかな関係者への情報共有が重要と考えており、これまでも、私からJR東海丹羽(にわ)社長に対し、その旨を指示しているところです。
本件についても、JR東海に対し、引き続き、原因調査と、調査結果を踏まえた適切かつ丁寧な対応を指導してまいります。

(記者)

掘進が止まってから1ヶ月以上経っていますが、JR東海から国土交通省が報告を受けたのは何月何日でしょうか。

(大臣)

7月29日です。

(記者)

当日に受けたということでしょうか。

(大臣)

はい。

新築マンション価格高騰について

(記者)

マンションの価格高騰への対応方針について3つ程質問させてください。
最初に令和9年度税制改正要望において、「新築マンションの価格高騰への対応に係る所要の措置」を打ち出されました。
改正要望の背景にある問題意識であったり、価格高騰の要因、対応の方向性というところについてお聞かせください。
あわせまして、年末に向けて与党の税調などにおいて制度設計ですとか、税制措置の導入の是非について検討がなされるだろうと思いますが、検討の中でどういった観点での議論を期待されるかというのもあわせてお聞きします。
3つ目ですが、特に東京において投機目的ではなく、本当に住みたい人がマンションを買えないという状況があると思います。
恐らく短期転売だけが原因ではないようですので、税制以外にも都市政策全体での複層的な対策が必要ではないか、というような声もあります。
国土交通省として税制改正要望以外に何か検討されている対策があればお伺いします。

(大臣)

重要な問題であると認識しています。
住宅価格の高騰に関しては、需要と供給の両面での様々な要因がありますが、価格上昇の要因の一つとして、投機的取引による影響の可能性を指摘する声もあると承知しています。
国土交通省としては、国民一人一人が、それぞれのニーズに応じた住まいを選択できる環境づくりが重要であり、実需に基づかない投機的な取引が、国民生活に悪影響を及ぼすことのないようにしなければならないと考えています。
このため、所要の税制上の措置が講じられるよう、要望を行っているところであり、与党税制調査会等においても、こうした観点から御議論をいただければと考えています。
また、御指摘のとおり、投機的取引の抑制のみにとどまらない、総合的な対策を講じていく必要もあると考えています。
このため、令和9年度予算概算要求・税制改正要望では、住宅取得負担の軽減や、空き家を含む既存住宅ストックの有効活用につながる施策を盛り込んでいるところであり、これらの実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
今後のことについては、今後の市況等も注視しながら関係省庁と議論を重ね、検討を進めてまいりたいと考えています。

レベル5大雨特別警報発表時の車利用について

(記者)

豪雨災害時のことについてお尋ねします。
自動車運転中の避難について特にお尋ねしたいです。
自動車運転中のケースでも住民と同じような目線で浸水リスクであるとか、気象、道路、自動車に知見を持つ国土交通省より避難行動についての注意喚起をすべきではないでしょうか。
現状、住民、あるいは、住民でなくとも、帰宅困難者のための共通認識が出来ています。
これと同じようなものが必要ではないか、という質問です。

(大臣)

おっしゃるとおりだと思います。
国土交通省においては、内閣府と連携し、令和8年8月千葉豪雨の際の教訓も踏まえ、レベル5大雨特別警報が発表されたときに取るべき行動を、わかりやすくまとめたチラシを作成し、記者発表を行うとともに、私自身もSNSで発信するなど広く周知を行っています。
この中では、レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動として、浸水した場所での車両移動は危険であること、河川・用水路・冠水した箇所へ絶対に近づかないこと等を呼び掛けるとともに、車を運転する際の注意点として、車はわずか30cm程度の浸水でも走行不能になる場合があること、エンジン停止や水圧で窓やドアが開かなくなること、万が一、ドアが開かなくなった場合に備え、脱出用ハンマーをすぐ使える位置に置いておくこと等の注意喚起を行っています。
ハンマーのことについてもチラシも作らせていただいていますので、どこかで御覧になったかもしれません。
しっかりこのことを周知徹底していくことが重要だと思います。
8月27日には石川県と富山県で、また、8月30日には福井県で、レベル5大雨特別警報が発表されましたが、その際、国土交通省と気象庁が行った合同記者会見においても、これらの内容について、国民へ直接呼びかけを行うなど、注意喚起を行いました。
また、地方整備局と管区気象台においても、合同記者会見を行っており、同様の注意喚起を行っています。
引き続き、平時における事前の周知に努めるとともに、災害発生が差し迫った際には、適時適切な注意喚起等にしっかりと取り組んでまいります。

日本製紙八代工場の煙突の火災について

(記者)

昨日、日本製紙八代(やつしろ)工場にある、あの解体工事中の煙突で火災が発生しました。
火災の状況だったり、原因について把握していることがあれば伺いたいのと、その上で国土交通省としての対応について伺わせてください。

(大臣)

私も八代の家から窓を開けると、日本製紙の煙突が5本立っているのをずっと見ていましたので、今回の熊本地震での被災、そしてさらに昨日の煙突から出火し、火災が発生したことを、大変心を痛めています。
日本製紙八代工場において、昨日、解体中の煙突から出火し、火災が発生したとの報道についてはもちろん承知しています。
この煙突は、令和8年熊本地震において一部損傷したものの、8月20日から解体作業に着手したものと承知しています。
現在、日本製紙に状況を確認しているところであり、引き続き情報収集に努めてまいります。
現状では、ここまでしかお答えすることはできません。

リニア中央新幹線について

(大臣)

先程のリニア北品川工区のことについてお詫びを申し上げて訂正をさせていただきたいと思います。
7月29日と申し上げましたが、国土交通省鉄道局には8月7日でした。
申し訳ありませんでした。

造船業再生基金について

(記者)

最初の冒頭発言の造船のところで、3年間の官民の投資額を6兆とおっしゃったり、6兆6000億とおっしゃったりしていたように聞こえましたが正しい数字がどちらかを教えていただけますでしょうか。
たぶん6000億かなとはと思うのですが。

(大臣)

すみません。6000億です。

(記者)

正しくは6000億ということですね。

(大臣)

はい。

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