副大臣・大臣政務官会見

池口副大臣就任会見要旨

2010年9月29日(水) 13:50 ~ 14:15
国土交通省会見室
池口修次 副大臣 

質疑応答

このたび国土交通副大臣を三井副大臣と共に拝命をしました池口でございます。
私の分担ということで言いますと、まず災害対策関係施策、国土計画関係施策、社会資本整備関係施策、ただし都市・地域整備及び河川関係は除くと、これは三井さんの担当になっております。
並びに鉄道、自動車交通及び観光関係施策の総括ということで、馬淵大臣から指定がございました。
私の経歴等は皆さんも既に調べられておられると思いますけれども、2001年の、ある意味小泉台風が吹き荒れたときに参議院に初当選しまして、1期目はずっと国土交通委員会の委員ということで委員会審議に携わってきました。
2期目の当選以降は、どちらかというと国会対策だとか、議運の方で法案の審議の方に関わってきました。
そういう意味で、今までは立法機関の立場で国土交通の施策に関わってきたわけですが、これからは国土交通の現場の方で直接現場の責任者として、国土交通副大臣としての重責を担っていきたいと思っております。
それと、国土交通分野の私の関わるところの課題を冒頭申し上げておきますと、一つは公共事業の見直しをしなければいけないということで、この中には高速道路の無料化だとか料金の見直しということが上げられますし、馬淵大臣が相当熱心にやっておられました道路整備の費用便益の見直しということなり、整備新幹線の未着工区間の取扱いなどをこれから検討していかなくてはならないというふうに思っております。
それと二点目には、新幹線とか高速道路の海外への売り込みも大きな課題というふうに思っておりますし、日本へ外国人が来ていただく数を相当増やしたいということで、3千万人の実現に向けた観光立国の推進ということも大きなテーマだと思っております。
それ以外にも、交通基本法の制定だとか、建築基準法の見直し等を着実に実現していきたいと思っております。
これらの課題について政務三役として、しっかりやっていくわけですけども、国土交通省には6万人の職員の方がおります。
私はある意味、個別のテーマでのプロ集団だというふうに職員を捉えておりますので、そのプロ集団の意見も十分聞きながら、しっかりとした組織運営をして、ある意味政治主導を実現をしていきたいというふうに思っております。
私の冒頭の挨拶は以上ですけれども、後は皆さんの方から質問を頂きますし、正確を期したいと思いますので、場合によっては用意したメモを読み上げることもあるということをご了解願いたいと思っております。

(問)今のお話にありました高速道路料金の見直しについてなのですけれども、まだ新料金制度というのが実現しないまま今に至っているわけですが、副大臣の料金のあり方に関する基本的なお考え方をまずお聞きしたいのですが。
(答)この料金の見直しについては、前国会で利便増進の改定を提出して、今衆議院で継続審議になっております。
この中には、今まではいろいろ利便増進のための施策の追加として、ある意味高速道路の建設の費用にも回すという法案が出ておりますので、それとの絡みで料金をどう設定するかと、財源に限りがある話ですから、この調整をどうやっていくのかと、一回提示をしたわけですけれども、これについては様々な意見が、料金の値上げになるのはおかしいのではないかとかいうような意見もありましたので、それらの意見を踏まえて、それと法案の取り扱いがどうなるかというのを与党の皆さんと、最終的には野党の皆さんともどうするかということを踏まえないと、なかなか方向性を付けるのは難しいかなということで、今いろいろなケースを想定して検討はしておりますけれども、現段階では皆さんに申し上げる段階ではないと思っております。

(問)関連ですが、具体的な内容はこれから議論、検討していくとして、現時点の基本的なお考えとして、高速道路の新規整備分に対して料金の割引財源、つまり利便増進事業費ですか、これを回していくと、その残りで新たな料金制度を組み立てていくと、この基本的な考えは変わりないと理解でよろしいですか。
(答)どちらが先かというのは、元々、利便増進は料金の方がメインで、あとは昨年度の与党からの要請で高速道路のある程度の建設というのも、ある意味、高速道路の利便増進につながるのではないかという提案があった話ですので、どちらが先ということはないのですけれども、私の考えとしては、ある程度、民主党政権になりまして高速道路の無料化というのは書いてないわけで、ある意味、高速道路の無料区間というのも一定程度設定をしましたが、無料になっていないところに対してどうするのかということの、ある程度の料金の割引をしないといけないし、現実、いろいろな形でETCの対処への割引もしているわけですから、そこを急激に上げるというのもいかがというのも最もな意見ですので、ここは先ほどいいましたように、まだいろいろな観点で検討をしているというお答えに止めさせていただきたいと思います。

(問)合わせて、4月に示された緊急な考え方としては、東京外環道と、名古屋二環と、4区間の4車線化とこういったものをやっていくといった基本的な考え方があって、当時の新料金制度の考え方が出されたわけでありますけれども、これから整備していくものとして、今申し上げた、東京外環道、名古屋二環、4区間の4車線化、これは整備していくというお考えは変わりないでしょうか。
(答)それをどういう財源でやるのかというのは、先ほど申し上げた検討の推移の結果になると思いますけれども、必要性として外環道とか4車線化が必要な部分があるということは一回皆さんに提示しているわけですから、そこを大幅に変えるということにはならないだろうと思っております。

(問)整備そのものは必要だというお考えで、ただ、整備のスピード、単年度単年度でどれくらい予算をかけていくとか、そういった部分では修正の余地はあり得るということでしょうか。
(答)今提出しているのは、利便増進の3兆円の中でやりますといったのですけれども、かなりの分を道路整備にすると料金の引下げに回す原資が無くなるということで、これはいろいろ皆さんから御意見を頂いているわけですから、ある意味、そのバランスは国会の審議を見ながら、どういう形でこの2つの問題をクリアしていくのかというのが検討の中心テーマであると思っております。

(問)政権交代前の自民党、公明党政権で始めた土日の1,000円という料金制度、いろいろ渋滞の発生とかもあったと思うのですが、それ自体をどう評価されますかというのが一つと、今、財政の限られた中で、新たに国債への付け替えということで利便増進で手当てした分があると思うのですが、今後、財政に限りがある中で新たに国債への付け替えとかそういうことを考えるというお考えはありますか。
(答)まず前者の自公政権の土日1,000円をどう評価するかということでいえば、明らかにこれは土日祝日ですから、土日祝日の利用者は非常に歓迎をしているということは事実だろうと思います。
ただ、私も民主党の無料化の政策に相当関与してきたわけですけれども、若干民主党の無料化の目的とは少し違うと、必ずしもこの効果を否定するわけではないのですが、民主党の無料化の目的というのは、平日の輸送コストをどうやって低減をして地域の活性化に結びつけるかというところですから、若干方向、ねらい所が違うということでの評価で、決してこれが全く意味がないというつもりはありませんけれども、ねらいは違うというふうに私は思っております。
あと付け替えの件ですが、今のところそれは検討は全くしていないというふうに思います。

(問)ただ将来の借金を国債に付け替えることによって、将来の借金を増やすようなイメージもあるんですけれども、そういう考え方自体については肯定的ですか、否定的ですか。
(答)元々民営化のときには45年間で借金を返済して無料にしますよと、一応それは民主党の無料化路線とは違いますけれども、現在の段階でそういう方向の下に動いているわけですから、今の段階でそれを大幅に変えると、例えば、45年を50年にして、そうすれば5年の猶予がありますから財源は出てくると思いますけれども、そういうことは全く考えていないというふうに思っております。

(問)整備新幹線の整備についてなんですけれども、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の利益剰余金について、会計検査院の方から返すようにということを言われていて、国交省としてはそれにどう対応するのかという点が一点と、概算要求のときに、これからの整備の検討課題についての方針が出されて、整備新幹線問題検討会議でこれから話をされていくのではないかと思っているんですけれども、新しい方達になられてから整備新幹線問題検討会議をどういうふうに進めていかれるのかということについて、御意見を伺えればと思います。
(答)まず前段の、利益剰余金が1兆5千億円あるということを聞いています。
それをどういうことで使っていくのかということは、様々な方から意見が実は寄せられております。
JRのこれからの体制強化に使っていかなければいけないとか、整備新幹線の費用に使ったらいいじゃないかとか、若しくは国庫に返納したらいいのではないかとか、いろいろな意見が出ているのは承知しておりますけれども、現時点でこの1兆5千億円をどうするかというのは、結論は出しておりません。
二点目の整備新幹線問題検討会議につきましては、前政務三役の中で、一定程度の条件、すなわち安定的な財源見通しの確保、収支採算性、投資効果、営業主体としてのJRの同意、並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意と、この5条件を基に新しい着工については検討していきましょうということになっていますので、これについては今のところ変えるという予定は全くありませんので、今の方針に沿って、新しい政務三役でも検討をしていくということになろうかというふうに思っております。

(問)観光のことで伺いたいのですが、尖閣の問題で中国政府が指導して訪日旅行を自粛をさせているという話がありましたけれども、先日、馬淵大臣は27日時点ではまだ解除されていないと、レアアースなども再開の動きがあるようですけれども、これについては何かその後の動きというものはあるのでしょうか。
(答)今のところ、今言われた自粛をしたらどうかというような話はそのまま残っているようです。
レアアースの件については、私の関知するところではないので、発言は控えたいというふうに思いますが、ただある意味、この問題をそれこそ観光とか文化交流に連動をしてほしくないなという気持ちは持っております。
中国人の方も最近日本にたくさん来ていただいておりますが、それはやはり日本に来たいという気持ちがあるわけですから、それをあまり今回の問題に連動させるというのはふさわしくないのではないかというふうに思っております。
来月の11日から13日に韓国の方でT20という観光大臣の会合がありますが、基本的には観光と結びつける話なのかというふうに私は思っております。

(問)会合に出られた場合に、中国側の方とその件について何か会談なりお話をされるというお考えはおありですか。
(答)今の段階ではわかりませんけれども、冒頭に言いました、日本としては3千万人の外国人に来てほしいという施策を着々と進めるので、どうぞ来ていただきたいというふうに思っております。

(問)新幹線の海外への売り込みなのですが、日本にとってどういうメリットがあって、一方でどういうリスクがあるというふうに御認識でしょうか。
(答)ある意味、当然売り込むということは、日本のメーカーが作って輸出するのが一番いいのでしょうが、そうはならないかもしれません。
ただ技術的な問題で、いろいろな日本にとっての十分便利が入ってくるだろうというふうには思っております。
やった場合にどういうリスクがあるかということは、現時点では想定はしておりませんけれども。

(問)交通基本法をやられるということなので、総合交通体系についてのお考えを伺いたいのですが、今目指しています交通基本法を見ますと、地域の公共交通機関であるとか、移動権の確保、支援といいうことを謳っていらっしゃるのですが、見方によると運輸の中の話であって、本来は道路と運輸の境界なく考えるべきであると思うのに、運輸だけの方に特化しているのではないかという面もありますし、国家の総合交通体系に対する国のグランドデザインが今まで十分に描けてこなかったのではないかという批判もあるかと思うのですが、副大臣はどのように進めていきたいのかということと、総合交通体系というものはどういうものであるかとお考えなのかでしょうか。
(答)一つは、交通というのはいろいろあります。
車での交通もあるし、JRでの交通もあるし、飛行機での交通もあるし、フェリーも交通ですから、その辺が今指摘がありましたように必ずしも統合的に調整がされてきたかどうかというのは、私も若干疑問を持っていますし、多分それは交通基本法の一部には入ってくると思います。
もう一つ、交通基本法の大きな点というのは、高齢化なり、過疎化をして交通弱者と言いますか、人に対してどういうものを国として提供するのかという話も交通基本法、若しくは総合的な交通体系というものの項目には当然入ってくるというふうに思います。
ただ、正直申し上げて、新しい政務三役の中では議論ができていませんので、できるだけ早く対応していかなければいけないと思いますし、特に地方の交通機関が衰退をしますと地方での移動ができない人がたくさん出てきますので、早急に対応しなければならないと私自身は思っています。

(問)今後、社会資本整備の都市地域整備と河川以外のところを担われるということで、例えば建設業に関しても担務をされるということになろうかと思いますが、前大臣はゼネコン業界に対して海外に行って活躍するようにとよくおっしゃっられていたと思いますし、地方の仕事を奪わないでほしいという厳しい発言もされたと思うのですが、一方でドバイに見られるように建設業の海外進出が難しい面も多々あると思います。
副大臣は、その点に関してどのようにお考えになられますか。
(答)途上国へ出て行ったときに、本当に事業がずっと継続できるかどうかというのは、日本みたいな安定した国ではありませんから、出て行くリスクはあるというふうに思っています。
日本の中では仕事は限られてきますから、海外に出て行ってほしいという気持ちがあるのですが、出て行くためには政府として何らかのリスク対応をしてくれという要望が建設業界から出てくるのは、これは当然の話だと思っています。

(問)高速の原則無料化の考えについてお伺いしたいのですが、前原前大臣は交通量が多くて渋滞になりそうな所は除くかもしれないというようなお考えも示唆してこられましたが、副大臣は高速無料化の今後の展開について、どのようにお考えかお願いします。
(答)首都高、阪高が入っているかどうかということで言えば、私の理解で言うと、民主党が独自に作っていた政策も含めて首都高、阪高は元々入っていないという認識です。
それから、無料化で渋滞が起きるのではないかという問題は、当然無料化を推進する上での大きなハードルになると思っています。
そういう意味では、今社会実験をやっていますので、社会実験というのは効果の検証もあるのですが、渋滞が起きて無料化したために逆に社会的損失があるということは本意ではないわけですから、私個人的に言えば、渋滞があるということはある意味、高速道路の機能を甚だしく損じるわけですから、財源の問題がありますけれども、この問題が一番の大きなネックであると。
考えようによっては、今上限1,000円ということは渋滞のときに途中で下に降りるわけにはいきません。
ただ、無料化になれば乗り降り自由ですから、渋滞だったら下に降りられるというようなことも一つの要素としてはあるのではないかと思っておりますが、渋滞が発生するということは避けるべきだと、基本的にはそう考えています。

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