副大臣・大臣政務官会見

池口副大臣会見要旨

2010年12月27日(月) 15:01 ~ 15:25
国土交通省会見室
池口修次 副大臣 

質疑応答

今日は、私の方から3点、まず報告をいたします。
1点目は、整備新幹線問題に関する今後の対応についてということ、2点目に豪雪による国道49号の通行止めについて、3点目にスマートインターチェンジについて、私の方から報告をしたいと思います。
まず、整備新幹線問題については、昨年末の「整備新幹線の整備に関する基本方針」や「当面の整備新幹線の整備方針」、本年8月末の「整備新幹線の未着工区間等の取扱いについて」を踏まえ、鋭意検討を行ってまいりました。
さらに、去る12月21日には、国家戦略担当大臣、財務大臣との間で、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定における利益剰余金等の取扱いについて、合意をしたところでございます。
これらを踏まえて、先ほど開催した第4回整備新幹線問題検討会議において、整備新幹線問題に関する今後の対応について、方針を確認したところです。具体的な中身ですけれども、1点目は建設中の区間については、引き続き、工事費の縮減に努めつつ、貸付料を充当しながら、予定どおりの完成・開業を目指して着実に整備を進めてまいります。
2点目に、未着工の区間については、各線区の課題についてさらに詳細な検討を進めるとともに、並行して、安定的な財源見通しの検討、線区ごとに必要となる具体的な投資効果の試算等、着工に当たっての基本的な条件についてさらに検討を深め、着工に係る課題の解決に向けた取組を進めてまいります。
さらに3点目ですけれども、地方負担の軽減については、貨物調整金制度について、平成23年度から、貨物鉄道による施設の使用や走行の実態等をより踏まえた見直しを行うこととし、具体的には、貨物と旅客の負担割合の見直し、JRから譲渡を受けた鉄道資産に係る資本費等対策経費の追加を行うことといたします。
また、貨物調整金や北陸新幹線、高崎・長野間の建設に係る債務償還に、特例業務勘定の資金を活用することにより、平成23年度から、貸付料を整備新幹線の建設費に充当し、これにより、整備新幹線の整備における地方負担の軽減を図ってまいります。
今後とも、こうした方針に沿って、整備新幹線に係る各種課題の解決等に向け、不断の努力をしてまいります。また、先ほど開催した検討会議においては、平成23年度の整備新幹線事業費線区別配分についても決定をいたしました。
建設中の区間については、予定どおりの完成・開業を目指して着実な整備を進めるために必要な事業費を配分するとともに、未着工区間の新規着工が決定された場合に対応できるよう、90億円を留保することとしております。
整備新幹線問題については以上です。2点目に、豪雪による国道49号通行止めの問題ですが、12月25日から26日にかけ、福島県西会津地方において、国土交通省の観測点においては昭和47年の観測開始以来、過去最高の降雪があり、その影響により、25日夜より国道49号の2区間において、大型車両等通行車両約350台が走行不能となる状態が発生しました。
道路を管理する東北地方整備局郡山国道事務所では、隣接する地方整備局の協力を得ながら、走行不能となった車両を1台ずつ除雪車で排除する作業を行うとともに、福島県を通じ災害派遣要請を行った自衛隊にも協力を頂き、車両の排除をすすめ、本日の朝7時に通行止めを解除いたしました。
また、国道49号の通行止めの間、迂回路となる磐越自動車道会津坂下インターチェンジから西会津インターチェンジの区間において、無料通行措置を実施いたしました。
今後とも、警察等関係機関との連携を図りつつ、通行車両に対するチェーン装着のお願い等を行うとともに、引き続き道路の除雪には万全を期してまいります。
以上が国道49号の件でございます。最後に、スマートインターチェンジについてですが、スマートインターチェンジについては、原則無料化や料金割引とともに、既存の高速道路を有効活用し、地域活性化等に資する重要な施策と認識をしております。
地方からも多くの要望を頂いているところであり、今後、地域の検討状況や熟度を確認しながら、できるものから速やかに着手できるよう、取り組んでまいりたいと思っております。
以上3点、私からの報告でございます。
後は、皆さんから質問を頂きながら進めていきたいと思います。

(問)一番最初の整備新幹線の話ですが、90億円の留保分については今年度も予算でそのようにしていたと思いますが、今年度の扱いをどうするのかということが1点と、来年度も同じ90億にされた理由について伺います。
(答)90億円というのは現金で持っているわけではなくて、場合によっては借金をして使うお金でございます。
ということで、今のところ状況はどうなるか、急遽話し合いが進んで着工するということになれば、その90億円を使って未着工区間の整備に入るということもありますけれども、それがなければ今年度は使わないでおくと。
それで、来年度の90億円というのは、北海道と北陸と長崎、3区間で1区間30億円の利用金ということを考えておりますので、それが地方と話し合い条件がクリアされて着工されれば、その金は使うということで、これは従来からそういう扱いでやってきたと理解しております。

(問)今日の時点で、今年度の90億円を使わないということを決めたというわけではないということでしょうか。
(答)決めてません。
まだ3月末まで時間がありますので、そこで話がまとまれば使う可能性があるということで考えて良いと思います。

(問)菅総理や岡田幹事長が「たちあがれ日本」に連立入りを打診をして、今日の議員総会で「たちあがれ日本」側は拒否を表明しているのですけれども、参院側が足りないねじれ状態の中で、こうした連立の枠組みを広げるという動きについては副大臣はどう見ていらっしゃいますか。
(答)政権の枠組みについては、与党の中で考えて、どうするのかというのを議論をしていると承知をしておりまして、私は国土交通副大臣ということですから、国土交通省としてこういう枠組みが良い悪いということはないと思います。
少なくとも国土交通省としては必要な法案を提案しつつこれからもしていきますし、現場で必要な事業をしておりますから、それが遅滞なくできるというのが国土交通省が考えていることでありますので、枠組みがどうこういうことは私どもが言うべき立場にないと思っております。

(問)整備新幹線の未着工の話なのですが、これまで大臣を含め5条件という話を繰り返ししていて、5条件をクリアすれば着工するということだと思いますが、クリアできないなと判断する場合もこれから出てくると思いますが、いつぐらいまでに結果を出そうというめどについて政務三役の中で話し合いはされているのかということと、逆説的に言うと、クリアできないということになればノーが出るわけですけれども、ノーを判断することもあり得るのでしょうか。
(答)いつまでかというのは、どこかで区切って無理矢理結論を出す話ではありませんから、5条件がクリアできれば建設をするということですから、では5条件のうち1つでもクリアできなければ着工しないかどうかということについては、私の知る限りではそこまでの議論はしてなくて、着工するためにはこの5条件をある程度国民の皆さんが納得するような状況でクリアするということだろうというふうに思ってますが、クリアできないときはどうするかということは、まだ先ではないかと思いますけれども。

(問)意地悪な言い方をすると、100年掛かっても200年掛かってでもクリアしたいという場合には、いつまで経っても諦めなさいと言う判断はしないという考え方なのでしょうか。
(答)諦めなさいという言い方はどういう意味をもっているかというのは私には理解できないわけですけれども、少なくとも国民の皆さんの利便を向上するための、いろいろな交通政策を国土交通省として考えているわけですから。
なおかつ、財源はかなりの部分が税金が入るわけで、国民の皆さんの大部分が納得した上で利便を図るというのが国土交通省のやるべきことですから、その地方で新幹線が必要だという声があればそれにどうやって応えるのかということが国土交通省の仕事ですから、どこかで諦めなさいという話は私はないというふうに思います。

(問)実際にここまでは政務官の調整会議であるとか検討会議で議論されてきたと思いますが、今後の具体的な議論の枠組みとか、そういうことはお考えなのでしょうか。
(答)それは今までと同じように、地方との責任者ということでは、整備新幹線問題調整会議というのは津川大臣政務官をメインに逢坂総務大臣政務官と吉田財務大臣政務官が必要に応じて協議をしておりますので、その協議の結果を見てやるということで、今日の段階では、まだ津川大臣政務官の方から、この地域ではこういう議論をしてこういう進展になっていますという報告はありません。
津川大臣政務官からの報告を受けて再度、国土交通省として、政務三役として決定をしていくという手順になろうかと思います。

(問)そうするとこれまでと同じような手順でやると。
(答)今のところ全く変えていません。
条件自体は。

(問)それと熟度が違うということで優先順位をつけるという話の中で、ルート毎に話しをするということも大臣はおっしゃっていたのですけれども、その辺はどういう形でやっていくのでしょうか。
(答)ルート毎にやってます。津川大臣政務官の方で、ルート毎に地方の事情が違うでしょうから、地方の事情をルート毎に聞いて、この5条件についてどういう方向性が示されるかと、それが大きな判断材料になりますし、もう一方では財源の問題というのが当然あるでしょうけれども、それが政務三役としての判断材料になろうと思っております。

(問)高速道路の料金の話ですが、先週に国土交通省と民主党で概要を合意されておりましたが、地方側との折衝について具体的にどのように進めるかというスケジュール感とやり方について伺えますでしょうか。
(答)今は事務的にやっております。
1つはNEXCOとどういう協定を結ぶかというのは3月中に決めないといけませんから。
あと地方は地方で出資金など地方に負担をしてもらうという前提で考えている部分がありますから、現段階では事務的にやっております。
最終的には私が話に入るかもしれませんが、現段階ではまだそこまでいってません。

(問)スマートインターの話を先ほどされましたけれども、あれは利便のお金から使うということを改めてお話になったということでしょうか。
(答)スマートインターチェンジの整備というのは、利便増進の2兆円の予算の中でやるということで、ただ今年度は法案がどうなるかというのがありましたので、それによってどの程度のスマートインターチェンジの整備ができるかというのが決まってきますので、この期間というのはスマートインターチェンジの工事は凍結をしてきたというのは事実ですが、明確になりましたので再度スマートインターチェンジの御要望等をお聞きをするという段階に現在入っているというところでございます。

(問)ということは、残り2兆円とされる財源のうち、一部はスマートインターチェンジの整備に充てて、残りは割引に充てると考えてよろしいのでしょうか。
(答)そこは全然変わりません。
あとはどの程度スマートインターチェンジの要望が出てきて、どの程度の整備ができるかということです。
高速道路料金と並行して、というよりもスマートインターチェンジは割と早めにやるかもしれません。

(問)新幹線の延伸についてですが、4月に統一地方選がありますけれども、かなり厳しい意見が延伸を期待しているところから出るかと思いますが、それについて副大臣の御所感をお願いします。
(答)選挙のために造るとか造らないとか5条件に入っていませんので、そこはというのと、それで新幹線をというようなレベルの財源ではないので。
確かに、そういうことを部分的に言う方はいるかもしれませんが、正直言って、なかなかそれは難しいのではないかなというふうには思います。
若干誤解等があるようですが、来年度の事業費でも、別に整備新幹線の事業費は今年度に比べて減らしているわけではありません。
一部報道されている、若しくは皆さんの資料に載っているかもしれませんが、2,950億円の事業を考えておりますので。
特に、北海道は去年は450億円くらい、今年は880億円くらいの事業費を考えておりますから、少なくともやはり我々の優先順位は今着工している区間を早く整備をして使えるようにしたいと。
順番としては、その後の未着工というのが普通の考え方でしょうから、そういう意味から言えば、予算がたくさん付けられて早く造れれば、未着工区間についても、場合によっては予算の観点から言えば、少し前進という考え方もできるのではないかなと思っております。

(問)「整備新幹線問題に関する今後の対応について」の「4.その他」の所に、「整備新幹線に関する諸課題について、引き続き検討を行う。」とあるのですが、「諸課題」というのは、具体的に現時点でイメージしているものがあるのでしょうか。
(答)私のところでは、「諸課題」が具体的にこの項目だというのは今承知をしておりません。
諸課題はいろいろありますから、これから出てくるものについて引き続き検討するという理解で、前段のところがかなり具体的な中身で私は書いているところではないかなと思っております。

(問)整備新幹線なのですが、貸付料がこれからどんどん入ってくることになるのですが、これを安定的な財源というふうには考えられるのかどうかという点が1点と、「具体的な投資効果の試算」ということなのですが、11月に発表されている推計手法の改善というところで、試算の出し方というのはだいたい年度内とか期限が区切られていたような気がするのですが、この試算は大体いつぐらいに出せるとか、公表するのかとか、どういう場で公表するのかとか、これ以上のお話があったら教えていただけますか。
(答)まず、安定的な財源というふうに見れるか見れないかということについては、実は、法改正を考えておりまして、法改正をしないと長野・高崎区間の1,500億円というのもそれに付けられませんし、それに貨物についても法改正が必要ですので、まずは法改正ができるかできないか、できれば貸付料が整備新幹線に使えるようになりますけれども、ただこれも安定的かどうかということで言うと、やはり使い道については財務省と若干調整はすることになるのかなと思いますが、今回の話のいろいろな大臣同士の話の経過とかいう中で言えば、かなり安定的な財源と考えて良いのではないかというふうに、国土交通省としては思っております。
貸付料というのは、数百億円になります。
ただそれだけで、未着工の新幹線ができるという金額ではありませんから、当然、来年度の一般会計から700億円ぐらい頂くわけですから、財務省を無視して使うというのはなかなか難しいでしょうから、当然貸付料についても財務省と話をした中でやるということですが、国土交通省としては、経過から言えば、安定的な財源と考えていいのではないかと思っております。
後段については、私もその議論に入っていませんので、今まで大臣がどう答えていたかわからないのですが、できるだけ早急に試算はするのだろうと思っております。

ページの先頭に戻る