(問)2点質問させていただきます。1点目はエスカレーター事故について、現在国土交通省の対策を進められていると思いますが、今後の方針についてお聞かせ下さい。もう1点は、本日参議院で道路財特法案が否決され、明日衆議院本会議で再議決になる予定ですが、これについて省の対応とご所感をお聞かせ下さい。
(答)1点目ですが、5月9日金曜日午前8時頃に名古屋市交通局久屋大通駅において、エスカレーターが緊急停止したために、11名が転倒して軽傷を負うという事故が発生したということです。これについて事故の原因は、地元の警察、名古屋市交通局において調査を行っているところです。これまでの調査では、エスカレーターのステップ部分に奥行き3センチメートル、幅10センチメートルのへこみ、破損があり、またモーターと減速機が載っている、鉄製の架台をとめているボルトが6本中1本を残して折れており、架台がずれているということが確認されています。国土交通省としては原因については調査中ですが、本日付で日本オーチス・エレベータ(株)製の同型式のエスカレーター65基について取付ボルト等の緊急点検を行い、問題があれば直ちに改善するように、それと同時に点検の実施状況について、来週の月曜日までの1週間で報告するようにという指示を出しています。点検と同時に、今後は名古屋市交通局から事実関係を聞きながら、いろいろな事故の原因を踏まえて必要な再発防止策を講じていきたいと思っています。2点目の道路財源特例法の件ですが、これについては地方の財政、あるいは道路整備に重要な役割を果たしている地方道路の臨時交付金等は財源特例法によって根拠づけられています。そういった意味でこれが未成立であるということで、生活幹線道路の整備ができないといった問題が現に地方公共団体で起きています。そういった意味で参議院で否決されたことは残念ですが、いずれにせよ必要な道路を整備していくということ、地方財政あるいは国民生活に与える影響を回避するという観点から、財源特例法案の1日も早い成立が期待されているところです。そういった意味で早期成立ができて予算が執行できることを望んでおり、努力もしなければいけないということです。もちろん、これが通りましたら、できるだけ速やかに臨時交付金の交付ができるようにしたいです。これは臨時交付金ですので、公共団体から計画を出していただかなければいけないなど、いろいろな手続きがありますので、通常の補助よりは時間がかかりますが、それにしても例年よりは圧倒的に早く手続きが進むように努力したいと思います。
(問)エスカレーターの件ですが、原因については不明ということですが、オーチス社製だったということですが、例えば、他社のものについても点検を広げるというようなことはあり得るのでしょうか。
(答)今のところは考えていません。オーチス社製のものは、昨年9月に点検している時にも、6本中2本が折れていたということを確認して、その後は1ヶ月ごとに点検しているのですが、そういうことがあってのことです。そういう意味でオーチス社製について緊急にやりたいということです。いろいろな関連がありそうであれば、もちろん必要があればやりますが、当面はオーチス社製について点検を求めているということです。
(問)先週、北海道総合開発計画が冬柴大臣に答申されて、閣議決定を待つばかりとなりましたけれども、それに関連して、国土形成計画も、長大橋プロジェクトなどで閣議決定が宙ぶらりんになっている状況にあると思いますが、この2つの計画の閣議決定の時期はいつ頃を予定されていますか。
(答)ご指摘のようなことで、国会でも国土計画全体について議論がありましたので、そこのところをどのように対処するのかを早急に決めて、北海道の件も同じですけれども、できるだけ早く閣議決定に持ち込めるように努力したいと思っています。時期については、まだ決めていないですけれども、できるだけ早くやりたいと思っています。
(問)エスカレーターですが、事故の後、物は警察で押さえていると思いますが、国土交通省から直接人が行って、現場を調べるという予定はありますか。
(答)今のところ、特定行政庁や市の交通局から聞くということにしていまして、我々が行くというのは予定していません。