2008年6月26日(木) 14:00 ~ 14:09
国土交通省会見室
峰久幸義 事務次官
(問)昨日、居酒屋タクシーで処分内容が発表されました。国土交通省の職員で170人余りの方が実際にいたと発表されたのですが、これに対するご所感と今後の対応についてお聞かせ下さい。
(答)これまで行ってきた調査結果を取りまとめて、国家公務員倫理審査会の審査を受けておりました。平成12年4月1日以降にサービスを受けた者ということですが、当省の関係では、職員が173名、本省、地方支分部局、気象庁及び海上保安庁を含めてです。調査結果の内容については、現金や商品券を受け取っていた事例はありませんでしたが、一部で一定の範囲を超えて、ビール等のサービスを受けていた職員がいました。国家公務員倫理審査会で審査していただいた結果を踏まえまして、各省の統一的な量定の考え方に基づいてですが、2名の文書厳重注意の処分を行いました。両名とも要求するということではなく、特定のタクシーに来てもらうと寝ていても安心して帰れるということでそうなったと聞いていますが、いずれにしても数年の間に累積して1万円を超えていたことから処分を行ったということです。こういう事案が生じていることについては、誠に残念であり遺憾でございます。対応ということですが、先日、公費支出によるタクシー使用時の適正な取扱いについて通達し、特定の運転手を電話で呼ぶなということと、ビール等については受け取るなということです。そのような通達を発しています。こういうことを周知・徹底し、服務規律の保持についてより一層の徹底を図っていきたいと思います。
(問)この関係で、タクシー業者に対する行政指導も含めて対応などはどのようになるのですか。
(答)タクシー事業の所管省庁としては、現段階で申し上げられるのは、先日申し上げた範囲を超えるものではありません。報道されているような、タクシー運転者から霞が関の官公庁の職員に対して金品等の提供がされているというものについては、基本的には現金とか商品券で換金性の高いものとかであって、ビールとかそういうものも状況に応じてであって全くないということではないんでしょうが、基本的にはそういうものについては道路運送法第10条に規定されている運賃の割戻禁止規定、これに抵触するものもあり得るということす。そういう意味で所管する立場として、そういうことがあったということについては非常に遺憾なことで、それについての必要な調査を実施しております。法令違反があれば、厳正に対処するということですが、調査の中身自体については、今の段階では差し控えさせていただければと思います。
(問)いつ頃までに調査を終えられそうですか。
(答)昨日、各省のものが出てきており、もう少し時間がかかるので、今の段階では申し上げにくいです。
(問)国交省では現金などはなかったということですけれども、各省では現金の授受と金券の授受があるというような背景についてですね、どうしてこういうことが起こるのかということについては、どういうふうにお考えでしょうか。
(答)各省のことについてはコメントはなかなかしづらく、それぞれの省庁という問題ではないと思うんですけど、さっき申し上げたように、夜遅いというときには、特定の運転手に乗せて帰ってもらった方が楽だという面はあるでしょうけど、いずれにしてもその辺は若干緩んだのだろうと思います。それについては、ビールとかジュースとかを含めて、国家公務員として当然注意しなければならないと思います。それがちょっと常態化していたといいますか、慣れてしまった、こういうことかなと思います。
(問)ちょっと問題点がかなり拡散してしまっている感じがするので整理したいんですけれど、金品の授受が絡まなければ、特定の人に携帯電話で連絡を取って来てもらうというのは、それはかまわないのですか。
(答)いや、通達では、そういうものもやめろということにしています。今後、そういう特定の運転手に自分で頼むのではなく広く申し込むということです。
(問)それは、利用する側からすると、何かしらのメリットがあるのであって、それはだめというのは余りにも意味が分からないのですが。
(答)民間的な発想でそういうことがあるかもしれませんが、それによって常態化というか、慣れてしまってそういう状態になったという反省を込めてそういったことはやめるということです。いずれにせよ公金で帰るというかタクシーを使うわけですから、そういう時には基本的に特定の者でないというのが基本であるという気がします。そういう面と、慣れてくるとそういうことになりやすかったという事実を踏まえて、そういうことだろうと思います。
(問)税金を背景とした支出が、特定の人にいつもいくのはまずかろうということでしょうか。
(答)そういう面もあるかなということです。この問題はなかなか、そう徹底的にわかりやすくといいますか、明確にどこが悪いといった話にはなりにくいところではありますが、それが現実論として、そうなった以上は悪いということです。ですから、その辺の原因のところについては配慮していこうということです。
(問)6月23日からタクシーチケットを廃止しましたが、それについて現状等何かありましたらお願いします。
(答)恐縮ですが、現在実態を聞いていません。しかるべき時期が来たらお知らせします。
(問)報道で宮田道路局長がご退任なさるとありますが、それについてお考えやご感想をお願いします。
(答)人事ですのでコメントは差し控えたいと思います。彼は大変な時期を立派に務められたと思っています。ご承知のとおり、いろいろな道路財源の問題で、時期を迎えて2年間にわたりいろいろと準備から国会までいろいろ大変な時期を過ごされた、その対応等については立派にやられたと思います。
(問)退任なさるということは事実ということでよろしいでしょうか。
(答)まだ決まっていません。
(問)この2年間については一生懸命やったということですか。
(答)はい。