事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2008年7月28日(月) 14:00 ~ 15:17
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 本日の次官会議の関係で、国土交通省関係の案件は特にありません。

質疑応答

(問)今日、一部報道で首都高速と阪神高速の距離別料金制ですが、半年程度延期する見通しだという政府与党合意がなされたと報道がありましたが、そのあたりの見通しについてお願いします。
(答)新聞に出ていましたのは、いわゆる政府・与党の方針が出されたという趣旨で報道されている記事でありますが、現実には、この問題に関して政府・与党において何らかの方針が決められたということは聞いていません。現在、首都高速道路、と阪神高速道路の料金について、平成20年度を目標に、現在の均一料金制を改めて距離別の料金制に移行するということが、平成15年12月の民営化の際に平成20年度を目標に実施するということで決まっております。ただ、これに基づいて首都高速道路会社及び阪神高速道路会社において、新たな料金案を公表したところですが、現在、利用者のご意見やあるいは燃油が高騰しているということ等を含めた色々な情勢も踏まえながら、現在検討が会社において進められているということです。まだ、その関係については、どのような形でこの問題に対して対応するかということは決まっていません。まだ、そういう段階です。

(問)概算要求のシーリングが明日の閣議で決定され、大詰めだと思いますが、国交省の対応状況と改めて5%削減ということに対してのお考えをお聞かせ下さい。
(答)明日の閣議にかけられる予定であるということは聞いています。国土交通省としては、経済財政諮問会議においても、これ以上の削減はなかなか困難であるということを申し上げてきたところであり、また、先週は自民党の国土交通部会においても、私共の方からも事情徴収され、その上で公共事業関係予算を削減していくということに関しては断固反対であると、むしろ昨今の色々な資材の高騰ということにも鑑みれば、公共事業関係予算は増加すべきであるということが決議され、党の中でそういう意見を申し入れていくという形で決定をされたところです。そういう状況ですが、いずれにしても私ども平成21年度概算要求に関して、どういう形でということに関しましては、これから、今、こういう情勢の中で決まるということになった場合には、我々といたしまして、成長力の強化であるとか、あるいは地域の自立活性化、あるいは安全・安心の確保と非常に重要な課題がありますので、こういった課題に的確に対応していかなければならないと考えています。

(問)今のシーリングのお話しですが、国土交通省はたぶん3パーセントの削減ということで準備を進められると思いますが、急に5パーセントに広がって、2パーセント分というのはなかなか削減が難しいと思いますが、これについて今後どのような対応をされるのでしょうか。   
(答)これは、実は私共もその辺りの具体的な様というのは、まだ完全に、事務的にも明らかにされているわけではないところがあります。先ほど申しましたように、非常に現下の状況の中で削減というものに対応するのは、非常に厳しい状況だと考えていますが、そういう中で、特に全体の事業の中で重点的に取り組む課題に関して、特別に枠を設定するというようなことについても、どういう内容でやっていくのか、我々としても国民の安全・安心に関わることでありますとか、色々なテーマの下に取り組まなければならないこともありますので、そういうものの扱いも含めて、我々として出来るだけしっかりとした対応が出来るように努力をしたいと思っています。まだそういう意味では、内容が必ずしもはっきりしているわけではないですから、そういった私共の取組も反映できるような形で要求をしていきたいと思っています。

(問)予算が限られている以上、公共事業が行えるものというものを止めるか先延ばしにするか、2つ選択肢があるかと思いますが、基本的な方針はどちらでしょうか。
(答)これは、一概にモノにもよるということになるので、単純に二者択一なことではないと思いますが、もちろん予算の全体の枠が厳しいということになると、従来のテンポでなかなか進めづらいということもあろうと思います。その辺は、ただ色々と事業の重要性とか、あるいは事業を進めていくことを効率的に行っていくとか、色々な工夫や重点化も検討した上で、やはり限られたものが有効に使えるように、ある意味では相当に智恵を傾けて対応していくということの中で、そういう色々な課題をこなす努力をしていかなければならないだろうと思います。これは全体の枠が決まりながら、どういう形で要求出来るかということの中で工夫していくことになると思います。

(問)道路事業の圧縮というものについて政府から課題を受けていますが、他に公共事業等についての圧縮もしくは効率化、行政のムダ・ゼロの方向で検討されているものはありますか。  
(答)行政のムダ・ゼロの関係については、どういう範囲で対応するかということがありますが、いわゆる支出の中身において無駄な支出をやめるという形で取り組むこと、これは一生懸命、目標を守って取り組んでいくことになると思います。それからもう一つは、昨今非常に資材の関係が高騰したりという中で、できるだけ事業のコスト面を工夫して、できるだけコストを引き下げる努力をすると、これはあると思います。そういう意味では、お金のかかり具合をできるだけ絞り込んだりとか、あるいは無駄な部分を削るということがありますが、それだけでできることと、それからもう一つは、どういう事業に重点化をしていくかというような、そういう問題もありますので、それぞれの問題を一つ取り上げるというよりも総合的に対応していかなければいけない、こういう状況ではないかと思っています。

(問)経済財政諮問会議の民間議員のペーパーで、特別会計についてもコスト縮減や事業費削減のようなことを、一般会計並みにやるべきではないかと意見が出ているようですが、それについてどのような対応が可能なのか、その辺のお考えをお願いします。
(答)まさにその関係では、道路特定財源の関係でどのように道路整備を進めていくかということの議論がありますし、他でも特別会計に関して財源との関係で、どのような事業が必要なのかということの議論は当然あるだろうと思っています。そういう意味では、私共、公共事業関係の取組みに関しては、財源があるから何か事業を行うということではなく、真に必要な事業というものを行うために必要な財源というものが適切に使われているかどうか、こういう観点で見直しをしていかなければならないと思っています。その点は、道路に限らず、他の特別会計の事業に関しても基本的には同じ姿勢できちんと整理をしていかなければならないと考えています。

(問)距離別料金の件ですが、去年の時点では、距離別料金の導入は秋ということで、予算も値下げ減少も半年分ということで決められて、国交省もそういっていたと思いますが、今日の内容ですと、平成15年の時のものを持って平成20年度中というように、つまり、後ろのリミットが、去年の時点では秋と言っていましたが、半年くらい後ずれして余裕を持って見るようにするというような捉え方でよろしいでしょうか。
(答)申し上げたのは、平成15年12月の時に決まった内容というのは、まさに平成20年度を目標にして利用の程度に応じた負担という考え方に基づき、対距離料金制への移行を図ると、これが政府・与党で申し合わせがなされた内容でして、そういう大きな目標の中で、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社の方で料金案を昨年の9月に公表したということで、それをどのような形で実現させていけるのかということに関しては、首都高速道路株式会社、あるいは阪神高速道路株式会社において申請してもらうことが必要になります。まだ申請がなされているという状況ではありません。そういう意味で会社側における色々な準備、あるいは関係者との調整というようなことを経て、申請として出てくるという手順ですから、先に何時実施できるというように、今の時点で確定しづらいということもあります。そういう意味では、十分情勢変化等も含めて、関係者の意見も聞いて対応していかなければならない問題だと考えています。そういう意味で、時期の点については、例えば秋、10月から実施するとかは、申し上げられない状況かと思います。

(問)シーリングの話に戻りますけれども、シーリングは明日、閣議了解の予定ですけれども、調整過程を見ると、例えば、社会保障の場合は厚労大臣と財務大臣とで大臣折衝を先週金曜日にやっていますが、公共事業についてはそれがありませんでしたし、自民党の部会の方でも決議をまとめたといっても、盛り上がりも欠けたという形だと思いますが、経済財政諮問会議に国土交通大臣が呼ばれて、大臣が何か意見を述べるという場面も今のところ無く、今ひとつ盛り上がりを欠くというと表現が悪いですけど、見せ場が無かったという気がしますが、その辺はどう見ていますか。
(答)実は、国土交通大臣がシーリングの決定前に財務大臣と調整するというのが恒例化されている訳ではないということもありますし、全体的に要求方針を取りまとめていくという過程の中で、勿論直近ではありませんけれども、経済財政諮問会議なり、与党の部会等の場における議論も含めて、もちろん、直接財政当局との関係でも、我々の今の実情というものは事務的にも話しているところですけれども、そういう中で概算要求の基準を決めていくという段階ですから、その中で私どもが申し上げたこと等も含めて、どのような取り扱いがなされるかに関しての決定がされた場合には、それに対する受け止めを適切にしていかなければならないと考えています。特に、特別の形で国土交通大臣が個別の折衝をするということは特に考えていないということです。 

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