事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年5月18日(月) 14:02 ~ 14:34
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

私の方から事務次官等会議の案件で特にご報告する案件はございません。

質疑応答

(問)週末に、国内での新型インフルエンザの感染が確認されて現在拡大しているようですが、まず週末からの対応状況の説明をお願い致します。
(答)まず、水際対策の中で感染が確認された4名の方がおられた訳ですが、これに加え、先週16日土曜日に神戸在住で海外渡航歴のない10代後半の男性が新型インフルエンザであることが確認されたということです。この男性と同じ高校に通う2名の方、それから神戸市在住の10代の女性5名が新型インフルエンザの患者であることが確認され、更に時間の経過の中で感染が確認された方が非常に増え、本日11時前の報道ベースでは兵庫県で78名、大阪府で47名の125名となっているということです。政府としては、新型インフルエンザ対策本部幹事会を5月16日土曜日に開いて、確認事項ということでどういう対応をとっているかということに関して決定をしたということです。また、本日朝新型インフルエンザ対策本部が開催されました。総理がトップの対策本部長で全閣僚が参加するものです。この中で、感染者の増加を踏まえて、水際対策に加えて地方自治体や関係団体と緊密に連携して疫学調査等を更に徹底するということで感染の拡大防止に万全を期するということ。また、感染拡大に備えた適時適切な対応ということ。もう1つは今回の新型インフルエンザは季節性インフルエンザと同様に感染力は強いということで、特に慢性疾患をお持ちの方については感染した場合に重篤化する例もあるということで注意が必要だと。ただ一方で、適切な治療を早期に受けることによって、多くの方が順調に回復することも確認されています。政府としては、外出の自粛、集会の自粛、事業活動の縮小等を一律に要請することは考えていないと、冷静な行動をお願いしたいということで、警戒をしながら冷静な行動を取るということで臨もうということが総理の方からご発言があったところです。これを受けて、患者や濃厚接触者が活動した地域逐次が指定されてきているので、これらの地域を対象として、旅客に対して、ポスター、放送等を通じて公共交通機関の利用の際にマスクの着用、それから咳エチケットを呼びかける、それから、輸送力の確保ということで事業継続に向けた取組、さらに、それぞれ事業者の側においても職場での感染防止策を講じて頂くということを国土交通省から関係事業者団体等に要請を行い、またそれぞれの事業者において取組を進めて頂いているところです。ただ、そういった交通事業者を中心とした取組とは別に、実は私共の豊岡河川国道事務所において感染者が出たということです。これは近畿地方整備局豊岡河川国道事務所で技術員として勤務をしていた外部のコンサルタント会社の方に感染が確認されたということです。そういうことで、今その方は入院するために自宅で待機している状況です。豊岡河川国道事務所においては、今現在、豊岡の保健所と連絡を密に取りながらどういったする対応をするか相談しています。取り敢えず、職員については、うがいの励行、マスク着用等を行うと共に、事務所の消毒を行うということで準備しています。保健所との相談では、事務所の職員に自宅に帰ってもらって待機体制にするということまでは今の段階では必要がないだろうということで、それぞれ体温の測定等をして熱が出るということになった場合には保健所に連絡する体制としています。私からはとりあえずご報告させて頂きます。

(問)男性で何歳ですか。
(答)30代後半の男性の方です。

(問)お住まいはどちらかというのは大丈夫ですか。
(答)豊岡の市内にお住まいの方です。

(問)豊岡は兵庫県ですか。
(答)そうですね。兵庫県です。

(問)家族に感染したとかはないんでしょうか。
(答)ちょっとそこは分かりません。おそらく、保健所で調査、確認をされているだろうと思います。今のところご家族で発症したという情報は聞いておりません。

(問)海外渡航経験はありますか。
(答)その辺は特に入ってませんから、渡航したばかりとか、そういう類のことはなかったではないかと思います。

(問)豊岡河川国道事務所ではどのくらいの職員が働いていらっしゃるんでしょうか。(答)働いていた調査第一課は11名、事務所全体での数は100名弱位というだけで具体的な数字は持ち合わせておりません。

(問)11人というは本人を含めて11人。
(答)本人以外の職員の数が11名、そこで事実上働いておられたということです。

(問)感染した心当たりと言いますか、神戸市からすると豊岡は随分離れているので、ちょっと「あれっ」というのがあるんですけど、何かその辺の心当たりは分かりますか。
(答)ちょっと今のところ分かりません。

(問)先週末辺り神戸市に遊び行っていたとかはないんですか。
(答)この方は、今日豊岡の病院で診察を受けて検査で確認されて自宅待機中でありますので、職場にはおられない状況でございますから、お尋ねの情報には接しておりません。

(問)何時頃熱が出て受診したのが何時とかは入ってますか。
(答)16日土曜日の午後3時から4時、本人が発熱のために公立豊岡病院を受診されたと。そこで検査した結果、陽性と判明したということでございます。

(問)職員の方でなくて、契約の技術員の方ということで宜しいんでしょうか。
(答)そうです。契約の技術員の方です。

(問)確定というのはどこの類の話をしているんですか。厚生労働省ではこれを発表されているんですか。
(答)豊岡病院から豊岡の保健所に連絡がいって、土曜日にご本人が病院に行かれて、その後、県立の健康生活科学研究所というのが神戸にあるそうですが、ここに検査を依頼して、本日18日月曜日の0時過ぎにこの研究所で検査された結果が、豊岡の保健所から本人に正に新型のインフルエンザだということで確定したという連絡があったということです。

(問)0時過ぎに連絡があったんですか。
(答)連絡があったということです。

(問)午前0時ですか。
(答)午前0時です。ですから、16日土曜日の午後に病院に行って、そこで検査を受けてその病院から保健所を経由して県立の健康生活科学研究所に検査の依頼が行きまして、結果について今日の0時過ぎに保健所から本人に連絡があったと。本人は自宅待機をして入院の準備中ということです。

(問)次官が冒頭に県別の内訳で兵庫何人とか仰いましたが、そこに入っているんですか。
(答)地域が豊岡ということだと、今指定された地域ではないので、数字の中にはカウントされてないかもしれません。先程冒頭125名というのを申し上げましたけれども、そこには入っていないかもしれません。この数字も今増えているようですから、偶々事務次官等会議の時に厚生労働省の次官が今時点では130名になっているとの情報がありますと仰っていましたから、そういうものには入っているかもしれませんけれども、先程の125名には入っていない可能性が高いですね。

(問)確認ですが、確定的ということで宜しいですか。
(答)はい。確定ということで聞いておりますし、そういう扱いになっているということですから、そこは間違いないと思います。

(問)熱は何度ですか。
(答)すみません。発熱としか聞いていません。

(問)今の容態は安定に向かっているのですか。それともいまだに高熱が続いているのですか。
(答)入院準備中ということで自宅待機していますから、それほど大変な状況ではないと思います。少なくとも自宅で入院するための準備をしているという段階ですから、熱はあるのかもしれませんが、それ以上に重い症状が出ているということではないと思います。

(問)今回の発症を受けて、国交省の対応として事務所の方達が市街に出ないよう等何か対策はありますか。
(答)事務所は豊岡の保健所と直接連絡を取りまして、どういう対策、すなわちすぐに自宅に戻る必要があるかどうか等相談したようですが、今の時点での保健所の判断はその必要はないでしょうということで、少なくとも当該者と接触した方についてはうがいを励行することと、体温を測って高熱以外の異常があった場合にはすぐに保健所に連絡するという体制でいきましょうと。もう一つは事務所を消毒しましょうということで準備をしている、或いは今丁度消毒がなされているかもしれません。もう一つ、近畿地方整備局では、管内の全事務所等に対して、職場の換気、清掃を徹底する、或いはうがい、手洗いを日常的に行う、それから咳エチケット、マスクをすること、発熱者が出た場合にはすぐに最寄りの保健所に連絡をすることの徹底を行っております。当該事務所は保健所と直接やりとりしていますので、また具体的な指示が更にある場合には対応するということでございます。

(問)100名弱の職員で熱等の症状が現れている方はいませんか。
(答)今のところ聞いてません。

(問)どういうお仕事をされていた方ですか。
(答)事務所の調査第一課で職員と一緒に仕事していたようです。積算関係の仕事と聞いています。

(問)あまり外を歩いたりする部署ではないのですか。
(事務方)内部で積算の計算を補助をするほとんどデスクワークです。

(問)官公庁では初めてのことですか。
(答)官公庁でどうかという情報が共有されていないので詳しいことは分かりません。それからもう一つ、うちの職員ではございませんが、JR西日本の駅の売店の従業員の方が新型インフルエンザに感染したという情報があって、これは三宮の駅で物品の販売をやっておられた従業員の方でありまして、三宮の駅の店舗はとりあえず一時休業の扱いをしたとの情報があります。JR西日本のことでございます。これは既にJR西日本で発表されているようでございます。私共の所管では、これ1件と聞いております。

(問)修学旅行ですが、海外、もしくは感染が拡大している地域に修学旅行した学校は例えば休校状態になったり、どう扱うかということが出ていますが、次官はそうした修学旅行はどうあるべきとお考えですか。
(答)高校生とか中学生が感染源に出て行くということがありますので、学校で授業を休むという場合には、修学旅行も当然のことながら並びで出歩かないと言っている以上、修学旅行を止める、中止する、延期するということがあろうと思いますが、それ以外は通常の移動とかを制限するのではなくて、その際に感染に注意するということではないかなと思っています。そうしないと段々移動そのものを制限することに発展しかねない、どこに行くのも取り止めるというのは如何なものかなと思います。ですから、例えば感染地域を目的として出かける場合には余程注意して行くということが必要だと思いますし、場合によりまして、様子や状況を見極めるために時期が少し延びること等が起こったりということも当然有り得るかとは思います。ただ、修学旅行を取り止めるとか、旅行一般を取り止めるということまで今求めているものでは無いだろうと。そこまでのことはやる必要は無いのかなと思います。

(問)もっとストレートな言い方をしますと、北九州市の教育委員会が神戸に修学旅行に行った中学校の生徒に対し、学校に来ないようにと決めたことについてはやりすぎなのか、そんなもんだろうということなのか如何ですか。
(答)そこまでやる必要があるのかというのは、勿論、実際に発症した学校の生徒さんと交流会を開いてということになれば、学校に出てきて皆で集まったりすることで他と接触する機会が増えることは差し控えようということはあるかもしれませんが、ただ旅行しただけという話になるとこれはもの凄い連鎖になっていきますから、それは社会活動的にも色々な意味で影響が大きいことだと思います。今はまだそういう事態ではなく、現に確かに兵庫県、或いは大阪府関係で感染者が相当増えてきているということは確かですけれども、今の状態は少なくともそういうところまで何かやらなければならないことではないと思っています。

(問)これだけ感染者が増えてくると、水際対策をどこまでやるかというのは改めて注目されていると思いますが、次官のお考えは如何ですか。
(答)国内感染が拡大した分は、当然厚生労働省本省における体制もそういう問題に相当ウェイトをかけていかなければならないことはあると思いますが、ただ一方で、水際では海外から感染の疑いのある方が入ってきた場合に対応するのは必要なことだと思いますので、厚生労働省もそこを緩和するということは少なくとも聞いていませんし、引き続いて対策を執っていくことだと思います。少なくともそういうこともしながら、ただ絶対的に確かではないという点はあると思います。新たな発生源については出来るだけそれを防止すること、国内への侵入を防止すること、併せて国内で発生した方についてはその状況をきちんと把握することと、その原因と言うかどこから感染したのかということを今相当の勢力でもって調べていると思いますが、そういうことを徹底をしていくということで少なくとも国内の感染の経路等を明らかにすることによって更なる拡大に対して防止していくことが大事だろうと思います。そういうことをしっかりやっていくということで、少なくとも患者の感染については歯止めを掛けていくことは当面の課題ではないかと思います。

(問)全日空の伊東社長が記者会見で水際対策のあり方に絡んで、今後どのような体制を執っていくか我々には判断出来ないと言った上で、ビジネスで使いにくい状況であるのは事実であると述べられたのですが、ご感想は如何ですか。
(答)人がどうしてもビジネスの関係で移動しないといけないということが一方である訳ですから、移動を全部止めるという形に動くのは、WHOでも国と国の間の行き来を制限をすることは適当ではないと既に言っています。色々な地域で患者が増えていると、感染者の方が増えているという状況がありますが、やはりその問題に関しては移動を止めるのではなく、感染の広がりをきちんと把握したり、その感染の広がりに対して適切な対応を執るということで対処することが第一ということだと思います。必要以上に人の移動が止まると、或いは止めるというようなことにならないようにしていくことも大事なことではないかと思っています。

(次官)豊岡河川国道事務所の職員数については76名です。先程は100人弱とお答えしましたが76名です。

(問)随分一杯いますね。
(答)これは出張所も入っています。

(問)15日金曜日までは普通に働いていたのですか。
(答)そうです。

(問)年齢は何歳でしたっけ。
(答)30代後半です。何歳かは分かりません。

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